
AO入試の特徴と仕組み
AO入試では、提出する書類が多く、面接もいくつかのステップがあります。そのため学科試験はないものの、受験のために要する時間や労力は少なくありません。出願時期も6〜8月頃と早まる傾向があり、できれば2年生から腰を据えた準備が必要です。
学問の世界は細分化から学際化・複合化の時代へ
AO入試とは、アドミッション・オフィスという専門部署による入試という意味です。大学や学部・学科の考え方、教育方針に合った学生を選考することを目的とした、比較的新しい入試方法です。
アメリカの大学で広く行われている入試で、日本の大学では1990年から採用がはじまり、2000年頃からは各校で本格的に導入されました。大学間の競争が激化するなかで、評価にあたっての「学力偏重」を見直す新機軸の入試として、採用する大学が急速に増えています。
門戸を広げて意欲をもった有望な学生を集めることをめざしたもので、志願者自身が必要書類を用意して出願するのが基本です。推薦入試とは異なり、学校長の推薦は必須でなく、いわゆる自己推薦(公募制含む)に近い入試方式です。
実施方法は大学によって異なりますが、学科試験を課さず書類選考と面接のみという点は共通しています。また、一定以上の評点平均を出願条件とする大学もあります。
個別の受験生への対応、入学後のフォローも懇切丁寧
入試の運営方法からついた名称なので、一口に「AO入試」といっても多彩なバリエーションがあります。それぞれの大学が選考方法や試験内容で個性を発揮しており、中にはかなりユニークな選考を行う大学もあります。
書類審査と複数回の面接など、長い時間と人手をかけて丁寧な審査を行うため、かなり早い時期から出願募集が始まります。特に書類の審査は慎重に行われ、志望理由や高校での活動、自己アピールなど、自分で作成する作文・論文を含めて、非常に多くの書類を提出する必要があります。
他の入試方式と比べて、個々の志願者に丁寧な対応が行われる点も特徴で、説明会や面接・面談など、志願者と大学側が接触する機会を多く設けています。また、合格決定後も入学までの期間にプレースメントテストや補習授業という「入学前教育」が実施されるなど個人的なフォローも充実しており、専門部署ならではのきめの細かい配慮が行き届いています。
勉強の成績よりも高校時代の経験と実績を評価
成績などの数値データよりも志願動機や目的意識、アピール力を含めた「総合的な能力」が判定されます。実際に試験の担当者が感じた個性や将来性を含めて、「わが校にふさわしい」学生を集めるため、各大学ともインターネットやオープンキャンパスを利用した広報活動を積極的に行っており、大学の校風、カラーといった要素を明確に打ち出す大学も増えています。
したがってAO入試では、入学への強い意欲を示すため、志望動機や入学後の目標などを自分の言葉で語り、積極的にアピールする姿勢が重要になります。
また、勉強の成績よりも高校での活動実績が高い評価の対象となるため、部活動やボランティアなどに情熱をもって打ち込んだ人、特にスポーツや音楽、美術などの分野で、全国大会・コンクールでの上位入賞の経験があれば、強力な「武器」になります。ユニークな選考方法で実力を試してみたいという人にも、チャレンジしがいのある試験です。