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法律・公共
 21世紀を迎えた今、日本は大きな転換期に差しかかっている。戦後復興から一貫して政府が進めてきた「経済成長優先」の路線はもはや効力を失い、財政再建や地域格差の是正、健康保険や年金の制度改革など、政府の課題は山積みとなっている。
 財政を立て直すとともに、市場経済をコントロールしながら豊かで公平な社会を実現するため、政府に求められるのは数十年先を見越した日本のグランドデザイン(基本的な社会像)を描くことである。一方で、豊かな社会を実感できない人が増えており、地域住民と協力しながら身近な問題を解決し、安全で住みやすい街をつくっていくことも「公」の重要な機能である。
 さらに、社会の複雑化・国際化に伴い、司法体系も見直しを迫られている。企業紛争の増加、著作権や人格権など新しい法的権利概念の登場などに対応するため、さまざまな司法改革がスタートしている。

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■ News & Topics
 郵政民営化を争点にした2005年の選挙あたりから国民の政治への関心が高くなっているが、日本の政治の課題について私たちが考えるときには、ほかにもいくつかの視点が成り立つだろう。
 たとえば、賄賂を受け取る政治家や天下りを繰り返す高級官僚の「資質・倫理」の問題、膨大な赤字が累積している政府の「財政」の問題、年金や健康保険など日本の社会を作ってきた「公的制度」の疲弊、さらに国民が政治に参加するための基本システムである「民主主義」の問題もある。
 これらはしばしば混同して議論されがちだが、日本型民主主義という「システム」の問題、日本の政治風土や政治意識に由来する「資質・倫理」の問題が、政治改革を論じる際にもっとも有効な切り口となる。
■ News & Topics
 高層マンションに住んで郊外のショッピングタウンで買い物、というスタイルが広く定着し、私たちのくらしが変わりつつある。犯罪や交通渋滞など都市問題が地方にも広がっており、生活スタイルの異なる住民の共存や中心商店街の再生など「街とくらし」のあり方を再検討する必要が高まっている。
 自宅や家族の防犯サービスを行う警備会社やセキュリティつきの住宅が注目されているが、個別の対策だけでくらしを守ることは困難で、街全体による総合的な取り組みが不可欠となる。
 たとえば、市民・自治体・警察が一体となった地震・火災への備えや犯罪を許さない街づくり、さらに災害や犯罪の発生を想定した協力体制づくりなど、政策による根本的な解決が求められる。
■ News & Topics
 時間がかかる、国民にわかりにくいなどと批判が強い日本の司法制度だが、集中審理による迅速化や市民が裁判に参加する裁判員制度など改革への取り組みが始まっている。
 先進国の中でも極めて少ないといわれる法曹(法律専門家)を質・量ともに増強することを目的として、2006年度からは新しい司法試験がスタートした。また、一般市民が気軽に法律問題を相談したり、弁護士の紹介を受けられる「法テラス」も新設。さらに、社会人にも幅広く門戸を開放する養成制度として、法の理念と法律実務を徹底的に教育する「法科大学院」も2004年に開設されている。
 これら一連の動き司法制度改革は、いずれも「身近で、迅速で、頼りがいのある司法」をめざすものである。
■ News & Topics
 国や地方自治体(都道府県など)が計画を立てて行うさまざまな試みを「公共政策」という。公共政策の例としては、外国と良好な関係を保つための「外交政策」、経済を活性化するための「経済政策」、暮らしやすい国、地域をつくるための「社会政策」などが挙げられる。日本の社会はいま、経済のグローバル化や人口の少子高齢化に直面し、大きな転換期を迎えている。激動の時代を乗り切るためには、官と民が知恵を出し合い、力を合わせる必要がある。公共政策は、いわば官の知恵の結晶といえるもの。民のあり方や日本の行く末を左右する力をもつだけに、その内容が厳しく問われている。幅広い分野で、質の高い公共政策の登場が期待されている。
■ News & Topics
 国が全国を一括管理するより、各地方が実情に合わせた自治を行うほうが合理的である――このような考えにもとづき、近年の日本では、国から地方へ多くの権限・役割が譲り渡されている。地方自治の重要性は増すばかりだが、現実は甘くない。財政破綻の危機に直面したり、過疎化・高齢化などの問題に早急な対応を求められるなど、大きな課題を抱えた地方自治体が少なくない。状況を改善するために、さまざまな方法で地域の活性化が試みられている。市町村合併や構造改革特区の設置がその実例である。一連の流れの中で、これまでにないユニークな取り組みを進める自治体も現れている。地方自治は、よくも悪くも激動の時代を迎えているのである。

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