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心理
 現代はかつてないほど人間の「心理」に注目が集まる時代であり、こころの健康を保つことが多くの人々の関心事になっている。
 職場のストレス、夫婦や親子の間で起きる家庭内不和、学校でのいじめなど、こころを傷つける要因は大人社会でも子供の世界でも増え続けている。こころに不安を抱える人を癒すためにはこれまでの人間観を改めて問い直すとともに、こころの問題への社会的取り組みが望まれる。スクールカウンセラー・産業カウンセラー・心療内科など、こころの治療をする専門家の役割が重要だ。
 こころの研究は、分子生物学の成果によって大きく変貌した。こころのメカニズムを脳で起きる生理作用と捉え、脳細胞やそれを構成するタンパク質(分子)のレベルで解明していく「脳科学」という学問領域が大きく発展しており、近い将来、漠然とした「こころ」の実体に鮮明なイメージをもてる時代が来るかもしれない。

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■ News & Topics
 人類の長い学問研究の歴史の中で、人間の存在は謎に満ちたものとして認識され、こころに関する研究は科学的な分析の対象というよりも「哲学」「思想」に属するものだった。
 近代の人類は、自然を観察と実験によって実証し、理論思考によって科学的な世界観を構成した。そして20世紀後半からの生命科学の急速な発達により、生物進化の過程に鮮明なイメージを持てるようになった。私たちはようやく「生命の起源」の本質を明かす入り口に立っているのだ。
 そんな中、「人間がこころをもつとはどういうことなのか」、あるいは「そもそも人間とはいったい何なのか」という「人間観」の問題が、改めて先端科学のテーマとしてクローズアップされている。
■ News & Topics
 従来「心理学」で主流だった、対話やテストによって外に表れる反応を観察して心の動きを解明する手法に代わり、脳科学の手法がこころの解明にも大きな成果をあげはじめている。脳科学では、こころを脳内の物質の作用によって生まれる生理的な現象と捉え、生物学や医学(生理学)の視点から分析的に検証していく。
 脳は、数千億個の神経細胞の集まりである。神経細胞で発生する極微量の電気が伝わることで脳の中の情報の伝達が行われるが、そのときにどんな物質(分子・タンパク質)がどのように伝わっていくのか、そして脳の中の神経細胞が人間の感覚・情動・記憶・学習といったこころの活動を、どのように形作っていくのかを解明することがテーマとなる。
■ News & Topics
 現代の日本人の多くが、人生をよりよくするためには身体の健康と共に「こころ」を健康に保つことが大事だと考えている。こころが発生するしくみは完全に解明されたわけではないが、心理学の研究から心は身体と同じように病んだり、傷ついたりするということがわかっている。
 現代の社会は人間関係が複雑化したうえに、通勤・睡眠・食事など、生活時間が厳しく制約をうけている。そのため、忙しさや煩わしさからストレスを感じたり、外からはわかりにくい「こころの傷」、さらに深く内面化した「こころの闇」など、病的な状態で過ごす人が増えている。こうした「こころの病」を少しでも少なくするための、こころの治療の役割が大きくなっている。
■ News & Topics
 「カウンセリング」は、人の話を聞くための技術である。心理臨床の現場をはじめ、各種の相談を受けつける場所で広く用いられており、技法を学ぶための講習会がたくさん開かれている。カウンセリングの専門家のことを、カウンセラーと呼ぶ。いじめ、不登校などに対応する専門家として、スクールカウンセラーと呼ばれる人々が活躍していることは、みなさんもご存知だろう。また、最近は企業で働く人々の相談に応じる産業カウンセラー、職業関係の相談に応じるキャリアカウンセラーなども知名度を高めつつある。カウンセラーと名乗る人はたくさんいるが、利用するさいには、きちんとした教育を受けた人かどうかを見極めたほうがよい。
■ News & Topics
 近年多発している少年犯罪、ひきこもり、自殺などは、みな人の心や人間関係に起因する社会問題である。このような問題を理解するヒントを提供したり、解決の糸口を示したりする学問が臨床心理学である。また、世の中には人生の途上で災害に遭遇したり、犯罪に巻き込まれたりする人がたくさんいる。このような出来事によって人は強いストレスを感じ、しばしば心に痛手を負う。人々の心の傷をケアするさいにも、臨床心理学の考え方や技法が有効である。臨床心理学は新しい学問領域だが、社会的なニーズは高い。臨床心理の専門家はいま、学校や医療機関、司法・警察、福祉の現場などで活躍している。その活動フィールドは徐々に広がりつつある。

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