HOME > 学問ディスカバリー > 薬学・バイオ
学問ディスカバリー−興味・関心から学問を探る−
News&Topics

テーマ 7  薬学・バイオ


薬学・バイオ
 21世紀に入り、薬学が果たす社会的役割はますます大きくなっている。従来の病気治療に加えて、高齢化社会に対応する老人医療(健康維持)や生活習慣病対策といった日本が抱える新しい課題に対して、新薬の研究開発のみならず予防医学を中心とした医療現場でのサポートまで期待されている。
バイオテクノロジー(生物工学)は、特に遺伝子を中心とした技術開発で新薬の開発や医学の発展に大きく貢献している。今後のバイオ研究においては、こうした医療分野はもちろん、食糧という視点から農業・畜産分野での品種改良、環境破壊を食い止めるための有効活用、さらに新たなエネルギーへの転用と、日本の枠を越えて世界規模で解決しなければならない重要な課題を解決していく役割を担っていることを意識しなければならない。そのため研究成果が求められると同時にビジネスに直結することも多い分野である。

キーワード一覧


■ News & Topics
 「公衆衛生」と聞くと、古くは19世紀イギリスでのコレラの大流行から、最近では重症急性呼吸器症候群(SARS)や鳥インフルエンザといった「感染症対策・予防」を思い浮かべる人が多い。
公衆衛生とは「社会水準全体で健康へ取り組むための科学・技術」と位置づけられているため、実はこの感染症(伝染病)予防は公衆衛生の一側面でしかなく、地域社会全体で努力する上水道・下水道・公害対策といった社会保障の基礎となる分野の研究や生活習慣病対策といった予防医学なども対象となっている。
 また、その手法も遺伝子や分子生物学を取り入れるなど急激に研究が進み、健康に影響を及ぼす様々なリスクを予防する役割が期待されている。2005年に締結された「たばこ規制枠組み条約」は、世界初の公衆衛生分野における条約である。
■ News & Topics
 遺伝子組み換え技術が従来の品種改良と異なる点は、人工的に遺伝子を組み換えることで、種の壁を越えて他の生物に遺伝子を導入できる点である。これにより改良の幅が広がり、かつ期間の大幅な短縮が可能となった。
 最近世間を賑わせることが多くなった「遺伝子組み換え作物(食品)」は、1996年にアメリカで大豆の栽培が始められてから普及し始め、2007年現在では、全世界の大豆作付け面積の約6割、とうもろこしで約2割が遺伝子組み換え作物であるという。日本では2001年4月から、安全性審査の行われていない食品の製造・輸入等は禁止されている。
 評価指針に適合していると評価された農作物は、「除草剤の影響を受けないダイズ」や「日持ちの良いトマト」など29品種である。ちなみに日本の一部自治体では、環境などへの影響を懸念して条例で栽培を禁止している。
■ News & Topics
 新薬の特許期間が過ぎた後、他社が同一の成分で発売する「後発医薬品(ジェネリック)」の活用が広まりつつある。研究開発費が抑えられて安価であることから、日本政府は医療費削減のために活用を推奨している。また、患者側がインターネットや書籍で薬に関する知識を得るようになった。同時に、安易な海外からの輸入薬の購入で健康被害に会うケースがある。薬局以外の場所(コンビニエンスストア等)で薬を販売するケースが増え、テレビ電話による薬剤師の指導で販売を行う企業まで現れた。このように薬剤師の活動領域は広がりを見せるいっぽう、投薬ミスで起こる医療トラブルが報道され、専門性が高い「薬のプロ」が現場で切望されている。
■ News & Topics
 ゲノムとは、一つの生物が持つ遺伝情報全体のこと。ヒトならヒトゲノム、イヌならイヌゲノムと、生き物はそれぞれの種に固有のゲノムを持っている。ヒトのゲノム情報の解析が進んだ結果、病気やアレルギー症状の原因をゲノム解析から探る研究が行われており、徐々に成果が出始めている。
 しかしながらこれらヒトゲノムの解読には、遺伝情報の保護が不可欠であり、国際的に様々な検討がなされてきている。1997年にはUNESCO(ユネスコ)で「ヒトゲノムと人権に関する世界宣言」が、2001年には日本政府も「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」を定めるなど、ゲノム研究が社会と調和のとれた形で発展するための課題は、倫理的・法的・社会的とあらゆる角度から分析・解決することが求められている。
■ News & Topics
 「セカンドオピニオン」を求める患者が増え、1人の医師に判断を委ねる時代ではなくなった。医療機関側も治療・薬の処方・リハビリといった治療を「チーム」で行うことで、成果を挙げている。具体的にはがんの治療・緩和ケアについて、が多い。また、チーム医療は病院の特徴を出す効果があり、脳卒中・糖尿病・腎臓病といった専門チームを持つ病院がある。医師・看護師・薬剤師だけでなく臨床栄養士・理学療法士といった専門家と連携を取るため、コミュニケーション能力の高い人材が求められる。特に薬物治療は患者の栄養面との関わりが深い。病院によっては「栄養サポートチーム(NST)」と呼ばれる患者の栄養管理を行うチームに加わることがある。

学問ディスカバリーTOPへ