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工学系統(商船系統含む)

工学系学際の分野

工学系学際の分野

新しい工学の視点から、人類が抱える重要課題や将来に大きな発展が期待される先端技術に挑むフロンティア領域。「資源工学」「地球環境工学」「先端工学」はその代表的な学際ジャンル

分野の特徴

《資源》《地球環境》のテーマを学際的に探究

 工学系学際の分野は、新しい技術のフロンティア領域に、学際的な立場から取り組む分野です。どんな研究テーマやアプローチ、またどの工学を組み合わせるかにより、いろいろなバリエーションがありますが、いずれも、人間社会が直面している課題を解決する技術、従来にない製品・サービスの開発につながる最先端技術などを研究する新しい領域といえます。
 このうち特色のある「資源工学」「地球環境工学」「先端工学」をみてみましょう。
 「資源工学」は、地下資源の開発と利用を研究する学問です。地下資源は、石油・石炭・天然ガスなどの「エネルギー」や、鉄やアルミ、銅といった「鉱物資源」など、主に地球内部から得られる有用物です。地底の探索と採掘、開発、製品化まで、地下資源を加工・利用するための技術や、リサイクル技術などを研究します。
 「地球環境工学」は、資源工学から派生した分野で、資源の安全な利用と環境保護を総合的に研究します。

数理系、防災系など幅広いジャンルに広がる《先端工学》

 「先端工学」は、主に次世代に向けた先端領域を研究する学問で、幅広い工学の研究手法を用いる点が特徴です。研究テーマは、次のように、技術のシーズ(種)となる基礎研究から応用的な領域までを含んでいます。
 たとえば、電気通信工学といくつかの工学を融合させた《数理・情報》系の研究領域では、従来の手法では分析できなかったきわめて複雑な現象を、数学、数理科学、情報科学、コンピュータ科学など最先端の技法を利用して解明する「複雑系工学」があります。また、幅広い工学技術の基盤となる研究を行い、理学と工学の橋渡しをする「基礎工学」(または狭義の「先端工学」)という学問もあります。
 さらに応用的なテーマでは、従来、地学や地理学、土木建築工学など個別の工学で扱ってきた《防災》に関する研究領域が「防災科学」として一つの学問となりつつあります。日本は元来地震国でもあり、台風や豪雨の災害が増えている今、期待されるジャンルです。

何を学ぶ

資源の探索や利用等を学ぶ「資源工学」「地球環境工学」

 資源工学と地球環境工学の分野では、地質学や地球物理学といった地球科学(地学)領域を基礎知識として、地球および鉱物資源、エネルギー資源について幅広く学びます。
 資源工学では、地殻の特性を理解し、資源を効率的に開発するための《開発工学系》の科目が中心となります。地下や海底に眠る金属鉱床や石油・石炭の探索法を学ぶ「探査工学」、地殻の特性を理解し、地盤の掘削、資源の採掘技術を学ぶ「岩石力学」「岩盤工学」などがあります。
 地球環境工学では、資源の利用、資源と環境保全、エネルギー利用まで幅広い領域を学びます。水質や土質の解析・評価を行うための「分析化学」、さらに土木工学の基本を学んだうえで、資源の循環と環境のメカニズムに取り組む「資源循環工学」「水環境工学」「大気環境工学」、エネルギー機関について学ぶ「エネルギー工学」といった科目を履修します。

地震災害、ネットテロなども履修する「先端工学」

 先端工学のうち、情報(数理)系では、数学の概念と基本理論を身につけたうえで、複雑な自然現象や社会的事象を解析するための数理モデル、データ処理・数値解析、評価方法などを修得します。《数理工学》《システム工学》《統計学》《情報科学》の4つの柱、さらに数理モデルの応用技法であるオペレーションズ・リサーチについて学ぶのが一般的なパターンです。
 先端(基礎)工学系では、新しい領域を切り拓く技術者をめざし、機械、電子、情報、物質、制御などについて横断的に履修するのが特徴です。「モノづくり」の入門科目や、構築と計測、データ解析と評価までの流れを学べる実習科目など、ユニークな授業もあります。
 防災系では、火災、爆発などの《都市災害》、水害、地震などの《自然災害》、ネットテロなどの《情報・通信災害》に分けて、発生のメカニズムから防御策、緊急避難策と長期的な対策まで、防災の技術を幅広く学びます。

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工学技術で地球環境をクリーンに <環境工学科>

世界的に注目が集まる「持続可能な地球」という地球規模の課題実現をめざし、自然エネルギー、バイオ燃料、生物多様性保全、都市緑化、植物工場などの新技術・グリーンテクノロジーを学びます。実験・設計演習、大阪の自然やまちを活用したフィールドワークなどの授業を多く取り入れ、環境問題解決に必要な専門知識を修得し、行政やインフラなど社会を支える人材を育成します。

大阪工業大学 工学部

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