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保護者のための大学進学早わかりガイド

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学問分野の全体像を知る
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 大学の学問といえば一見難しそうですが、世の中のあらゆる事柄や現象への好奇心が学問の出発点です。それを深く掘り下げ、体系化し、発展させようとするのが学問だといえます。社会に出てすぐに役立つものもあれば、まるで役に立ちそうもない学問もあります。テレビや新聞はマスコミ学、主婦の家事全般は家政学、買い物や商売は商学といったあたりはまだ「学問」的ですが、フラメンコ、納豆、ミミズ、金属類の錆など、人間生活での素朴な疑問や好奇心・関心がそのまま学問・研究テーマとなったものも多く見られます。その点で、学問は無限の広がりを持つものですし、人間生活や自然界の「?」そのものでもあるのです。

「人気」「就職」「将来」はあまり気にせず本人の興味・関心を主軸に選ぶのがベター


 学部学科を選ぶとき、決め手になるのは何でしょうか。少なくとも4年間勉強するわけですから、本人の興味や関心を第一に考えることが何より大切です。ある学問分野が人気だからといって、それだけを理由に志望校に選ぶのは感心しません。
少し前までは、就職に有利だといわれて理工系や経済系学部がブームでした。しかし、その後は公務員志向やロースクールブームの影響で法学系が人気をはくしました。また、最近は社会的に有力な資格を求めて医療系、健康志向の高まりから体育会系の人気が沸騰しています。
 このように、結局学問ジャンルの人気やブームはめまぐるしく変わるわけです。ですから、そうした動向に神経質になることなく、本人が興味・関心が持てる学問ジャンルを選ぶべきでしょう。医歯系などの目的がはっきりした学問は別として、大学はもともと、幅広い教養を身につけ、社会のさまざまな領域で活躍できるよう「考え方」を鍛えるところです。極端に「就職」や「将来」を限定してしまうのは感心しない、というスタンスの大学も増えています。

文系の学問分野


●社会の仕組みを学ぶ
 私たち人間が生きて活動している「社会」の姿をさまざまな角度から研究し、社会のしくみやルール(法・政治学)、人間の社会的活動(経済学・商学・経営学)、社会でおきる現象(社会学)などの分析を通して、よりよい社会のあり方を探究することが目的です。
 いくつもの要素が複雑に絡み合う「社会」という集合体の実像を正しく検証することで、高齢化や環境の問題、社会的格差の解消、行政改革や地方経済の再生など、現代日本が抱える大きな課題の解決策を提案します。

法学


 法律は社会を円滑に営むためのルール。憲法を頂点とする法律の仕組みについて学びます。法律の歴史的な移り変わりをはじめとした「法とは何か」という基礎部分と、実際的な法律の運用について学ぶ部分の両面に取り組むのが普通です。

政治学


 人々が集まるところに社会が形成され、社会を運営するには「政治」が必要となります。政治学では、人間がつくったさまざまな政治形態や変遷の経緯などを研究しながら、「より良い政治の在り方」を追求していきます。法律学や経済学とも深く関連しています。

経済学


 経済の基本的な活動−生産・流通・消費について多角的に研究します。人間の幸福のための原理・原則を理解し、現代社会抱える失業問題や不況問題といった課題についての解決策を探るなど、理論面のみならず実践面からも取り組んでいきます。

商学


 モノの売買などで行われる商取引の方法、手順や消費市場の仕組みについて、科学的に研究します。商品論、消費市場論、広告論、マーケティング論といった学習項目を通じ、ビジネス社会で役立つ具体的な知識や技能を身につけることができます。

経営学


 企業を構成する人材・資産・設備をどのように活用すれば、最大の利益を得ることができるかが経営学の主題です。そのための企業の円滑な管理や運営の形態・手法について学びます。最近では企業戦略上、不可欠な情報処理技術の修得が大きなテーマの一つになっています。

社会学


 人間が形成する「社会」そのものを研究する学問です。家族や集落、地域社会や国家などの人間集団が行う、政治・教育・医療・福祉といった活動の実情について分析・研究します。その結果は、都市再開発や高齢者福祉などのさまざまな社会問題の解決策に生かされます。
●進路
 複雑な現代の社会をさまざまな方向から研究し、人々が快適に暮らす方法を考えるのがこの分野。法学など法律家に直接結びつく分野もありますが、マスコミや一般企業、公務員も含めて幅広い分野に進出するのが特徴です。資格は弁護士などの法曹関係、教員免許、公認会計士、税理士などが期待できます。
●文化・教養を学ぶ
 「人間」と「文化」についてさまざまな学問分野から研究します。
 人間は長い年月をかけて、世界各地に多様な文化を築き上げてきました。言葉や文字、歴史、地理、思想、心理、宗教、風俗など、歴史に残した人間の足跡を振り返ることにより新しい文化を創造すること、さらに、「人間とは何か」という私たちにとって最も大切で本質的な問題の答えを探すことが課題です。

文学


 小説や随筆、詩などの文章や言葉の対象に作者の考え方や訴えたいことを解読することが研究の第一歩になります。さらにその文学作品が生まれた国や地域の風土的特徴や人物、習慣などについても研究を進め、文化全体の理解を深めるのが最終的な目標です。

語学


 英語や中国語など世界の言語について、それぞれの言語の成り立ちや仕組み、法則について研究する学問です。読む・書く・聞く・話すという、基本スキルの訓練・学習はもちろん、その言語を使う社会や文化についての理解までを考えた研究が主流です。

歴史学


 文献や資料の収集・解読、史蹟調査などから、各時代における社会や文化の特質や変容ぶりなどについて研究する分野です。単に過去の事柄について研究するばかりでなく、歴史の流れをみることで今後の社会がどう動くかという視点でこの学問の重要なテーマです。

哲学


 誰もが一度は問いつつも答えが出にくい問題――「人間とは」「生きるとは」などについて、多くの先人たちが残した考え方を土台に着想は思考方法を深めます。複雑で多様な問題が絡み合う時代にあって、物事の本質に迫ろうとする哲学的思考力は大変重要になっています。

心理学


 体と心の働きを科学的に捉え、そうした感情、気持を持つに至った理由や、その行動をとるメカニズムなどを実験や調査などを通じて解析します。人間はメンタルの動物と言われるほど心の役割が重要ですから、心理学は人間活動のあらゆる場面で応用されています。

文化学


 政治や経済を含む人間の営み全体を「文化」と捉え、文学や歴史、思想や心理学などに加えて、社会的な風俗習慣や芸能、冠婚葬祭などの広範なテーマを扱うのが最近の特徴です。特に、地域研究や異文化間比較の研究などが盛んです。
●進路
  一般企業やマスコミ、公務員と各分野へまんべんなく進出しています。これは豊富な教養を身につけた適応力がある人材が多いという証拠でもあります。資格では、教員免許、学芸員、図書館司書、心理学系のカウンセラーなどが取得できます。これらの取得サポートする過程や講座を大学が用意している場合が多いのも特徴です。

理系の学問分野


理学


 数学、物理学、化学、生物学などが理学に含まれます。いずれも、自然界の現象についての観察や実験によって解析し、そこにある法則性を発見することを目指す学問です。技術や応用科学の土台となる基礎理論を追求することが大きな役割です。
●進路
 技術者として就職する、または大学院へ進学するというのが大きな流れとなっています。注目すべきは大学院への進学率で、他の分野を大きく引き離しています。中高の教員、各研究機関での研究職などもあります。

工学


 理学の基礎理論を土台に、人間に役立つ新しい技術を生み出し、さまざまなモノやシステムづくりを目指した学問分野です。機械工学、電気通信工学、土木建築工学、化学工学(応用化学)、経営工学、工業デザインなどに加えて、材料・情報・環境といった領域が広がりをみせています。
●進路
 工学系の進路で特徴的なのは、修士までの大学院進学率がかなり高く、今や6年生の状態になっていること、たま就職者のうち、モノづくりとは限らないものの、技術者になる人が全体の80%を占め、ほぼ大学で学んだことを生かした就職をしていることがわかります。

農学


 この学問は、農業生産の向上のための技術研究を目的とした分野ですが、バイオ技術の進展に伴い、バイオテクノロジー分野への広がりも目立っています。分野としては農学、農芸化学、農業工学、農業経営学、森林科学、畜産学、獣医学、水産学などのジャンルがあります。
●進路
 食品開発や加工・製造に関する専門性を生かして、食料品、飲料などの分野へ進む人が多くなっています。獣医学科→獣医のように専門的な知識を役立てられる、専門技術者としての活躍が期待されるほか、官公庁で技術指導、研究所での研究職といった進路もあります。

医療・保健


 人間の体と心の仕組み・働きを解明し、その健康を保つこと、さらに病気やケガを治療したり予防したりするための研究を行います。医学、歯学、看護学、保健衛生学、医療技術学、薬学、栄養学、鍼灸学などの学問領域があります。
●進路
 医師や薬剤師、看護師、保健師など国家資格を必要とする職業が多く、国家試験突破を目指した学習が重要なポイントを占めます。また、医療機器や薬品関連メーカーへの就職、大学院への進学、公的機関での研究者を志す人も少なくありません。

文系・理系にまたがる学問分野


家政学・生活科学


 衣・食・住を柱に、安定的な家族関係や子育ての方法、健康な家庭生活などについて科学的な研究を行います。学んだことをすぐさま毎日の生活に生かしていける学問です。栄養についての研究では理系的な関連もあるなど、広い分野を扱います。
●進路
 家政学・生活科学系の学部学科を持つ大学では、ほとんどのところで中学・高校の家庭科教員免許が取得できる過程を用意しています。また、公共機関や医療機関等で有効な「栄養士」の資格取得も期待できます。一般企業への就職もポピュラーなものになっています。

教育学


 この分野では、学校や地域社会などさまざまな場面での「教育」を研究する教育学系、文字通り教員になるためのコースである教員養成系、スポーツや健康に関する科学的研究を行う体育学系に分かれます。ここでは人間の総合的要素を題材にするため、基本的に文系でも理系でもなく、それにまたがる学問分野になります。
●進路
 教員免許を取得できるほか、公務員や、教育サービス関連への専門性を生かした進出が多くなっています。企業なら人事や教育担当など“教育”は学校に限定されない広がりを持ちます。また、体育学系分野からの進路が、「健康」をキーワードに高齢者福祉やスポーツインストラクターなどへ拡大しています。

芸術学


 音楽や絵画など自らの感性を磨き、その表現の方法を学ぶことを目的とした分野ですが、それらの歴史や特色などを純粋学問的に研究することも重要なテーマです。現代社会では幅広い場面でデザインや音楽的な要素が求められ、文字通りのアートばかりではなく、実生活に結びつく研究分野も増えています。
●進路
 アーティストとしてはもちろんのこと、各分野のデザイナーやプロデューサーとして、またゲーム製作のクリエーターとして多くの人材が輩出されています。大学によっては教員免許や学芸員といった資格取得のための課程を用意しているケースもあります。

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