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保護者のための大学進学早わかりガイド

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入試の種類・形態・特色を整理する


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 現在の入試には、実にさまざまな形式が導入されています。これは一種類のテストでは選別することのできない、バラエティ豊かなで優れた学生を入学させようとする大学側が考えているからです。確かに受験する側からすれば自分に合った形式で入試にチャレンジできるのはありがたいことですが、試験の方法がたくさんありすぎ、かえって迷いや戸惑いを感じてしまう人が多いようです。ここでは、入試のスケジュールを確認するとともに、多様な入試の形態を整理してみましょう。

受験準備はいつ頃から始めるの?


◎最も早いAO入試では、5月のエントリーからスタートする
 春になると受験生はもちろん、大学側でも翌年の入試に向けた準備が本格的にスタートします。4〜5月ごろになると大学が大学案内や募集要項を配る時期となり、入試の内容や日程も出そろいます。
 下の図は入試に向けての大まかな日程です。受験までの間、勉強以外にもやることはたくさんあります。出願の時期から逆算し、「○○の時期までには志望校を決める」「募集要項を手に入れる」など、受験する本人も日程をしっかりと頭に入れておけば、勉強に集中することができるはずである。


一般的な入試スケジュール

試験科目は通常何科目?増えている?減っている?


◎実態はバラバラ −新しい形態も次々登場
 私立大学の入試では、文系=国語・英語・社会、理系=数学・理科・英語という科目で入試を行うのが普通です。しかし最近では2教科型や1教科型というように、少ない科目数に絞った入試を実施している大学も見られます。あるいはその逆に、7科目入試を採用する国公立大学の増加を受けて、5科目あるいは7科目を課す入試に切り替える私立大学も出てきました。
 ほかでは、センター入試の点数だけで自分の大学の合否を決めたり、得意科目の成績を重視したり、3科目受験して得点の高い2科目のみ採用するもの、受験日を選べるものなど、実にバラエティに富んでいます。

●入試形態いろいろ

◎全学部統一入試−同じ大学の複数学部への受験が一度でOK
 近年関東地区の大学で導入が急増しており、有名大学の導入が相次いでいます。同じ大学の複数学部への受験が1回の入試で可能というシステムです。全学部統一入試で失敗しても、学部別入試にもチャレンジでき、受験機会が増えるシステムです。

◎受験日選択制入試−併願受験に都合良い日程が組める
 大学があらかじめ設定した複数の試験日の中から、受験生が都合の良い日を選択します。複数回の受験を認めて受験のチャンスを広げている大学もあります。

◎特待生入試−うまくいけば学費不要!
 合格者に入学金や授業料などの学費を免除または減額したり、一定額の奨学金が支給されるもので、試験の方式(科目は内容)は一般入試をほぼ同じです。なお、特待生として採用されなくても一定以上の成績を収めれば、一般試験の合格者として扱われる場合もあります。

◎地区別入試−地元で遠くの大学が受験できる
 大学が離れた地域で実施する入試のことです。具体的には、九州の大学が首都圏で入試を行ったり(またはその逆)、関西の大学が関東で行うなどです。自分が住む場所で受験できるので交通費や宿泊費が助かるだけではなく受験生の精神的な負担も軽くなります。

◎センター試験利用入試−併願が楽になるメリットも
 大学入試センターが実施しているセンター試験を、私立大学の入試に利用するのが「センター試験利用入試」です。センター試験利用入試では、センター試験の成績だけで合否判定を行う大学も多いのが現状です。したがってセンター試験をあらかじめ受験しておけば、書類提出するだけでいくつもの大学に出願できるという点は受験生にとってメリットかもしれません。しかしセンター試験利用入試は定員を少なめにしてあり、その分競争相手が多いという面もあります。
 また、センター試験の成績をそのまま使うもの以外では、「センター試験成績+面接・小論文」、「センター試験成績+大学独自の試験のうち、高い得点の方で判定」といった方式もあります。

推薦入試では何が問われ、どう合否が決められるの?


◎多様な能力を評価するのが今どきの推薦入試
 保護者の方の中には、推薦入試は高校の校長先生から推薦をもらった生徒のみが受験できる、一部のエリートのための試験と考えている方もいるかもしれません。確かに大学の依頼を受けて数人の学生を推薦する「指定校推薦」は、まだ「選ばれた学生」の試験といった雰囲気があります。しかし、指定校推薦に比べ、推薦条件が緩やかだったり、学業成績以外の項目も重視したりする「公募制推薦」や、校長先生の推薦状を必要としない「自己推薦入試」が増えるにつれて、少々様子が変わってきました。
 また、全大学の97%が何らかの形で推薦入試を行っていますが、その募集規模はさらに拡大されつつあります。中には募集人数の半分を占める大学もあるほどです。

◎推薦だからって受かるとは限らない−方式によっていろいろ!
 指定校推薦入試は、高校の入学実績や入学者の大学での成績をもとに推薦人数を割り当てるため、いくつかの大学を例外としてほぼ全員が合格します。ただし、専願方式がほとんどであり、合格すると入学を辞退することはできません。また、大学からの推薦依頼の人数は毎年同じというわけではなく、前年まで推薦出願ができても、次の年にゼロになることもあるので注意が必要です。
 これに対して公募制推薦や自己推薦は出願条件が緩やかなうえ、書類審査や小論文、面接といった入試方法が採られるため、比較的手軽にチャレンジしやすいのが特徴。合格率は大学や推薦方式によって大きく異なります。公募制推薦は7〜8割合格する大学もあれば、2〜3倍程度の倍率になる大学もあります。また、「自己推薦入試」は募集人数の少ないケースが多いため、意外に高倍率の大学が少なくありません。

●推薦入試の種類と特徴

◎指定校推薦入試−合格率はほぼ100%
 大学が高校を指定し、高校の学校長から推薦された生徒が出願できる入試で、出願は高校を通じて行います。推薦枠は高校の実績を踏まえて決定するため、優秀な学生を多く輩出している高校ほど、多くの人数が割り当てられることになります。
 推薦された場合は、ほぼ100%の合格率です。ただし併願はできず、合格したら辞退できません。選考は、高校の学業成績を示す評点や内申書などの調査書類、面接、小論文によって行います。

◎公募制推薦入試−比較的自由にチャレンジできる
 学校長の推薦は必要ですが、併願については制限のない場合がほとんどで、基本的に誰でも出願できる入試方法です。ただし募集人数を絞って行われるケースも多く、競争率が高いのが特徴。学業成績ばかりでなく、課外活動の成績、学校外での活動(ボランティアなど)の成果といった多様な要素を出願条件としている大学が多く見られます。また指定校推薦と違い、最近では1浪までなら浪人生でもOKという大学も増えてきました。
 入試方法としては書類審査が主体で、小論文や面接の結果が合否判定の材料となります。

◎自己推薦入試−手軽だが高倍率
 学校長による推薦を必要とせず、学業の成績に加え、学業以外の活動について優秀と認められる成果を修めた者を、選考の対象とするものです。


推薦入試で評価される項目の例

「AO入試」や「スカラシップ入試」ってどんな内容の試験?


◎新しいタイプが続々登場−大学が求める人材を積極的に確保
 従来の一般入試・推薦入試という形では分類できない新しいタイプの入試制度が増えてきました。
 「AO入試」は米国の大学で発展した選抜方法で、大学が求める人材を大学スタッフが独自の視点で発掘して入学させるシステムです。広い意味で「公募制推薦入試」ということもできますが、何度も面接を行い、大学と学生がコミュニケーションを十分にとった上で合否が決まるのが特徴です。
 一方、「スカラシップ入試」は学業成績を中心とした「特待生入試」のようなものですが、どちらも方式も出願の方法・試験の内容・合否の判定方式などについては、大学によって大きく異なります。さらに新しいタイプの入試としてコンピュータやITツールに対する習熟度を測る「インターネット入試」を採用する大学もあります。

●新しいタイプの入試制度

◎スカラシップ入試−他大学に併願しながらのチャレンジもOK
 入試成績が優秀な受験生に対して入学金・授業料など学費の全額または一部を免除する入試制度で、特待生入試と似ています。試験方法については学科試験に加えて小論文、面接などが課されるパターンが一般的です。また、特待生入試とは異なり、必ずしも第一志望である必要はなく、普通は他の大学との併願が可能となっています。
 スカラシップ入試は、大きく分けて、@個別の入試として募集するものA一般入試や推薦入試などに「スカラシップへの出願(申し込み)を組み合わせたもの――と2種類あります。Aでは出願時に所定の申込書を提出し、申込者の中から成績上位の志願者に奨学金が支給されるという方式が普通です。どちらの場合も、スカラシップ給付の採用者には合格通知と同時に支給に関する通知が行われます。
 経済的な事情で大学進学が難しい家庭にとって、入試合格と同時に「奨学金」の受給資格が確定するので、他の奨学金制度に比べて安心感があります。最近では、国立大学でもスカラシップ入試を導入する大学でています。

◎インターネット入試−パソコンで情報収集や書類づくり
 インターネット入試とひとくちにいっても、その内容は大学によってさまざまです。例えばインターネットで必要な情報を探り出し、それをもとにレポートを提出させたり、ワープロで指示通りに書類をつくりあげられるかをチェックしたりする課題がみられます。導入する大学は少ないながらもジワジワと増えてきています。

◎AO入試−受験生の個性とやる気が判定基準
 「AO」とはアドミッション・オフィスの頭文字。大学が求める個性とやる気を重視して合否を決める入試方法です。2007年度で私立大学の約7割が実施しています。国公立大学も例外ではなく、2005年度の38大学101学部から2008年度の59大学154学部へと拡大を続けています。
 AO入試は受験生の人物についてじっくりと判定するため、自己紹介文や経歴書、自己アピール資料など、さまざまな書類の提出が求められるほか、大学によっては論文やプレゼンテーションなど、独自の方法を採り入れているところもあります。


AO入試の種類
【文章 大学教育研究所】