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薬剤師の仕事 |
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薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師 岡北 奈織美さん(34)
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身体と心の“元気”をサポートする
◎患者とふれあう薬剤師
かつては能勢街道と伊丹街道が交わる交通の要所であり、江戸時代から生活用品店が軒を連ねる商業町として栄えてきた岡町(大阪府豊中市)。駅付近の旧街道はその賑わいの中で岡町商店街へと姿を変え、地元住民の生活を支えてきた。漢方のけやき堂薬局も一昨年前に仲間入りを果たし、その一端を担っている。活気に満ちたアーケードを歩くと、入り口から数分で店の看板が見えてくる。扉を開くと雰囲気は一変、ゆったりと流れる音楽が心をほぐし、樹齢400年以上のご神木が安心感を与えてくれる。このご神木は、商店街の裏手に広がる原田神社のもの。飛鳥時代に創建され、地域の人々が社殿と神事を大切に受け継いできた由緒正しい神社だ。
「『元気な方はより元気に』、『漢方と家庭でできる養生法の提案』、『心と体が元気になる』をコンセプトに、心身の症状や不安についてじっくりとお話を聞き、お薬のご提案と養生法(食事や生活で心がけるべきこと)のアドバイスを行っています」
薬剤師といえば“医師から指示された薬を調合する仕事”というイメージが強い。だがこの他に、医療の担い手として病院や薬局で薬の飲み合わせや副作用のチェック、飲み方の確認、在宅医療等がある。病院では、臨床薬剤師として患者のベッドをまわり服薬指導するなど、医師や看護師と連携してチーム医療の一員を担う活躍の場がある。また、漢方薬局やドラッグストアでの仕事がある一方で、製薬会社で創薬にかかわるなど多岐に渡っている。
◎患者の心を支える仕事を目指し、東洋医学と出会う
両親が医療関係の仕事をしており、子どものころから両親の仕事を身近に感じていたという岡北さん。薬学を志すきっかけとなったのは、「身体と心は別々の存在ではなく、互いに影響しあっている」という、恩師の言葉。
高校時代は、放課後に残って学校の図書室で勉強したり、先生にこまめに質問をするなどして勉強し、晴れて合格。「大学では、ワンダーフォーゲル部に所属していました。休日に山登りに出かけては、大自然のすばらしさと開放感、頂上に辿り着いたときの達成感を味わいました。病院では当時、患者さんのベットサイドを回って服薬指導するという臨床薬剤師の仕事が導入されるところが増えてきていました。将来、臨床薬剤師で活躍するためには、大学院に進学するとよいとのアドバイスを受け、3年生からは、そのための勉強を始めました」
学部を卒業後、薬剤師の免許を取得、大学院では、「製剤」と「病棟入院患者の検査データと薬の兼ね合い」について研究した後、総合病院や調剤薬局に勤務。ある時、東洋医学に出会った。
「たとえば風邪の患者に対して、西洋医学の薬は熱や咳などの症状に働きかけますが、漢方は身体そのものを元気にして、風邪が早く治るように導きます。身体が元気になると自律神経の働きが良くなり、精神的に健康になります。身体と心をともに癒す漢方のすばらしさを知りました」
漢方専門薬局、薬店で経験を積んだ後、自身で薬局を開業した。
一人ひとりに合う薬と養生法を提案
◎患者の「元気になりました」という言葉が、仕事のやりがいに
「初めての患者さんには、まず体温や血流などの『客観的な数値』を専門機器で測り、問診で『患者本人が感じる症状と不安』を把握して、薬の提案・養生法のアドバイスを行います。話をするだけで『気持ちが軽くなった』と言ってくださる方もいるので、問診にはとくに時間をかけています」
症状の原因を特定し、必要に応じて薬を調合する。そのためには薬学の知識はもちろんのこと、患者の症状や体質を見抜くための経験が欠かせないという。
「勉強会や講演会に参加し、東洋医学を扱う医師や薬剤師との情報交換を積極的に行っています。またメーカーから薬の資料を取り寄せたり、薬の効果を自分で試したりして、東洋医学の先人の培ってきた経験則とともに新しい医療の情報もとりいれるようにしています」
薬のことだけではなく、健康のこと、体質の違い、カウンセリングなど学ぶべきことは、まさに千万無量だ。
「大変なことも多いですが、患者さんの悩みが改善されて『体調が良くなったよ』と言ってもらえることが、一番のやりがいです。元気になった患者さんが、同じように悩みをもつ方を店に連れてられることもあります。そんなふうに輪が広がって、より多くの方々に『おかげさまで元気です』と声をかけてもらえるよう、これからも頑張りたいと思います」
薬剤師をめざす方たちへのメッセージ
◎『薬を通して、患者さんに喜んでいただけるように』
薬剤師の仕事は、病院、薬局、ドラッグストア、創薬に携わる研究者の道などがあります。それぞれの仕事に長所があって、自分の性格や好みもありますので、大学時代はまず、薬学の基礎をしっかり学んでください。学年が上がっていくうちに、病院研修や薬局での研修もありますので、自分の方向性がだんだん見つかってくるはずです。どの道を選ぶにしても、『薬を通して、患者さんがより健康になり、喜んでいただけるように』というところが共通しています。薬学は日進月歩しており、薬剤師としての勉強も終わりがありません。つねに新しいことを学ばなければなりませんが、すぐに実際の仕事に生かせるのでやりがいがあります。
![]() 病院、薬局などで薬品の調剤、医療品の供給を行う仕事である。製薬会社や化粧品会社で薬品の開発研究に携わることもある。社会的評価が高く、収入が安定しており、医師よりも規則正しい働き方ができるため、根強い人気のある職業である。適性面では、人の命に関わる立場であるため責任感、正確さが不可欠。近年は薬が多様化していることから、最新の知識を学ぶ努力や、どんな状況にも的確に対応できる判断力も必要とされる。薬剤師として働くためには、原則として大学の薬剤師養成課程(六年制)で学び、国家試験に合格する必要がある。基礎薬学を研究する4年制のコースは、卒業しただけでは国家試験を受けられないので、注意が必要である。 |

