逆引き大学辞典

　大阪青山大学が位置する箕面市は、大阪府の北摂エリアにあり、閑静な住宅街、また文教地区として有名です。近隣には高齢の方も多く暮らしており、地域に根ざした医院やクリニックが多数存在しています。新設される看護学科ではこうした状況を踏まえ、周辺の医療機関と協力し充実した教育により、地元の期待に応えられる有能な医療従事者を育てます。

　医療現場で患者さんと最も身近に接する仕事である看護師には、豊かな人間性と細やかな感性が求められます。そこで大阪青山大学では、看護に関する専門技術に加え、相手を思いやり、考える力を育むため、人間の内面を豊かにする情操教育を大切にします。

　看護師は、世の中に大きく貢献するとともに、自らの専門能力を生かしながら価値観に合った働き方ができるやりがいのある仕事です。国家資格を取得することにより、病院、障害者施設、老人保健施設などの医療・福祉分野をはじめ、企業内での健康管理部門など、活躍できる場面は社会のさまざまな現場に広がっています。

　看護学科のカリキュラムは段階的に構成されており、教室の学習で基礎をしっかりと学んで土台を固めたうえで演習を行い、さらに実習科目によって現場で役立つ臨床経験を積み重ねていくよう工夫されています。

　１年次には、基礎教育科目、専門基礎科目を配置。基礎的な看護の知識を学ぶとともに、自ら考える力を育んでいくための基盤となる教養科目を修得します。また、現場の実習では人とのコミュニケーション能力が大切であるため、人の話を聴く力、意見を伝える力なども養います。

　それに加え、早くから将来の職業に対する理解を深め、強い自覚をもてるように、１年次前期から病院での早期体験実習がスタートします。実際の医療現場でプロの先輩たちとともに働き、看護師の仕事の難しさや大切さ、やりがいを肌で感じることで、「自分も看護師になりたい」といった職業意識を高め、大学４年間の学びにつなげます。

　３年次からは、小児・母性・成人・老年および精神看護といった領域別の実習を開始します。実習は、大阪青山大学近隣の医療機関を中心に各機関と緊密な連携のもとに実施します。

　さらに、地域の訪問看護ステーションを利用して、近年需要が高まっている在宅看護の実習も予定しています。５〜６人のグループ単位で実習を行うことにより、医療スタッフとしての考え方や行動について学び、医療スタッフそれぞれがもつ力を実感し、看護師として身につけるべきスキルを培います。

　４年次には、これまでの学習を振り返って看護とは何かを改めて問い直し、大阪青山大学での学びの“まとめ”とする「統合実習」を行います。授業や実習で得られた学習内容をもう一度整理することにより、知識や技術の定着と人間としての成長を図ります。

　また、看護師国家試験に向けた対策は1年次から段階的に行い、模擬試験やセミナーなど充実したプログラムにより、合格をめざします。

　看護学科には、一般の病院・病棟をモデルとした実習室を設置します。「基礎看護学実習室」など、学びの段階に応じた実習室を完備し、実際に看護師が用いる医療設備に加え、ベッドや床頭台、テーブルなどといった患者さんが使う設備、さらに病院の備品庫に相当する施設なども設置して、さまざまな場面における看護師の役割を、体験を通じて身につけられるように配慮します。

　現代の医療技術は日々進歩を続けており、それに伴って看護師に求められるスキルはますます高度化しています。こうした現状に対応するため、大阪青山大学では常に最新の施設や設備を導入し医療現場に匹敵する環境を整えることにより、身近な地域医療の現場だけでなく、最先端医療の場面にも通用する高度な看護技術を養います。さらに現場で働きながら専門性を高め、自分の将来の可能性を広げていくための実践力も養成します。