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社会科学系統

経営学の分野

経営学の分野

人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴

分野の特徴

人、モノ、カネなどを駆使した企業の経営法を研究

 経営学は、市場経済の担い手である「企業」活動の管理と経営を研究します。
 企業の第一の目的は、その活動を通して市場経済に新しい価値(商品やサービス)を生み出し、多くの利益を上げることであり、そのためには「人、モノ、カネ、情報」といった資源を効率的に運用して、経費を少なくする必要があります。
 さらに、企業にとっては、単に利益を追求するだけでなく、常に商品の質の向上をめざし、供給する量を安定させることも大切です。また、従業員の雇用を保障し、労働に見合った対価を支払う(給与)、上がった利益のうちの一部分を、会社の出資者である株主に支払う(配当する)ことも、企業の重要な社会的な役割です。
 経営学では、企業を取り巻く条件を分析したうえで、人、モノ、カネ、情報をどのように活用すればよいかを、実証的に追究します。また、企業活動を安定的に続けながら、従業員や株主などに対する責任を果たすための方策を探ります。

社会的役割を自覚し、安定経営できる企業家をめざす

 企業は、私たちの社会の中で重要な役割を果たす公共的な存在です。企業の繁栄は税収という形で国や地域の財政を潤し、逆に企業の業績が悪化して倒産したときには、その影響は従業員や株主へ、さらに社会全体にも波及します。
 経営学がめざすのは、そうした社会的な存在でもある企業という組織を円滑に運営していく方法の確立です。具体的には、企業内で収益の増加を妨げている要因を分析して対策を立てる、企業活動によって外部との間に生じるトラブルを防止するといったテーマがあります。
 そのため経営学では、会社の経営状態を正確に把握すること、そして市場や社会、国際情勢などの正しい情報を収集して、有効に活用することがきわめて重視されます。これは「経営情報学」と呼ばれる分野で、IT技術を活用した高度なデータベースの構築、データを基準に作成した数理モデルによる企業評価、価格設定の手法といった研究テーマがあります。

何を学ぶ

企業管理の全般にわたる知識と情報分析力を養う

 経営学の分野では、企業の資産や財務、人事や賃金、生産工程や生産量の決定など、企業管理に必要な基本事項を学ぶために、《経営管理》《経営情報》《国際ビジネス》《会計・ファイナンス》などのジャンルに分かれて専門課程を選ぶのが、一般的な履修の手順です。
 基礎となる科目は、「経営学概論」。これに「経営史」「簿記」「会計学」「ファイナンス論」「経営情報学」といった企業活動に必要な項目を網羅的に配置されることが多く、(1)簿記・企業会計の高度な実務能力、(2)ビジネスの現場で活用できる英語コミュニケーション能力、(3)コンピュータを活用した情報分析の能力を養成することが課題となります。
 その中でも、コンピュータについては、ワープロ、表計算、プレゼンテーション、Webブラウザなどビジネスソフトの利用術から、経営情報分析のためのデータベースやネットワークづくりまでを、修得できるようカリキュラムが工夫されています。

ビジネス現場の体験授業で、使える知識と技術を身につける

 高学年(専門課程)では、財務論・販売間理論・人事管理論・労使関係論・経営情報論といった、企業の管理や運営に関する科目が中心となります。とりわけ、重要な学習項目である経営情報の分析では、少人数のゼミ形式で実務能力を徹底的に鍛練します。授業では、経営方法や生産過程、労働形態等について企業の実際の事例データを比較したり、数理モデルを利用して企業の総合力を検証するなど、現実の企業を取り上げ、学習します。
 また、経営学では、いま活躍中のビジネスマンを招いた実践講座、企業に出向いて実際のビジネス現場に触れる「インターンシップ」など、現実のビジネス界と直結した授業が行われるのが、この分野の特徴です。そのため、ビジネスマンとしての意識、経営管理における高度な情報分析力、リーダーシップや問題解決のための実行力など、即戦力として通用するきわめて実践的な知識と運用能力を養成します。