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医療・保健系統

保健・衛生・医療技術学の分野

保健・衛生・医療技術学の分野

医療・福祉活動を医師と共に支える「保健衛生」「リハビリ」「医療技術」を研究する学問。衛生環境を整えて病気を予防したり、社会復帰を助けたりして国民の健康を守ることがテーマ

分野の特徴

公衆衛生を実現し、感染症の流行を予防する

 国民の保健と衛生を守るための技術、医療検査の技法、医療現場で使用する機械の利用技術、リハビリテーションの実践技法について、研究する学問ジャンルで、いずれも医療を側面からサポートする重要な研究領域です。
 保健学・衛生学は、保健所や健康センターが担う《公衆衛生》の領域を研究する学問です。公衆衛生とは、地域社会や国の単位で、病気予防と健康増進を図っていく考え方を指します。
 たとえば、B型・C型肝炎や新型インフルエンザなど危険な感染症の予防や治療を効果的に行うには、病原体の特定や発症のメカニズム解明に加え、感染予防法の徹底、患者と感染状況の正確な調査、感染者への速やかな処置などが、不可欠です。また、高齢化が進むなか、健康診断や健康保険などの医療制度を整備していくことも、大きな課題です。
 こうした視点から、制度や文化の側面まで含めて、社会全体の健康と衛生を保っていくことが、保健・衛生学のテーマです。

現代医療を側面から支える技術スタッフを養成

 医療技術学は、医療チームの中で、特殊な専門技術を発揮する《技師》《検査師》《療法士》といった職種を養成する学問です。
 研究テーマは、大きく次の2つの領域に分かれます。
1. 「臨床検査系」「医療技術系」…医療検査の技法、治療や手術のための高度な医療機器について研究します。
2. 「リハビリテーション系」…病気やケガで失われた機能の回復、心の健康を取り戻す実践技法を研究します。
 1の領域では、血液検査や免疫・遺伝子検査などを行う「臨床検査技師」、人工透析装置や人工心肺装置などを扱う「臨床工学技士」、X線撮影やCT、MRIなどの検査、放射線治療を行う「放射線技師」などの専門技術者を養成します。
 2の領域では、軽い運動や温熱、電気などで運動機能を取り戻す訓練をする「理学療法」、絵画などの軽作業によって心の障害を取り除く「作業療法」など、心身の健康を回復するためのリハビリテーション技術を研究します。

何を学ぶ

統計学的な手法も使い「公衆衛生」「集団感染」等に対処

 保健学・衛生学では、人間の健康とはなにか、についてあらゆる角度から検証し、「医療」の目的を側面からサポートするための専門知識と技術を修得します。
 学ぶ内容には、大きく分けて(1)人間の健康維持と病気予防、早期発見のための「保健・衛生」技術、(2)環境、遺伝など人間の健康を阻害する要素を理学や社会科学の視点で解明する「疫学」の2つの領域があります。
 《保健・衛生系》では「解剖学」「病理学」「遺伝学」「免疫学」「血液学」などの医学・薬学系科目を土台に、「公衆衛生学」「健康教育方法論」「学校保健論」「産業保健論」などの科目を履修します。
 《疫学系》では、化学の分析手法を用いて、微生物や重金属、化学物質などの健康への影響を探るほか、遺伝や生活習慣による病気について社会学、統計学的に研究し、病気の流行や集団感染を未然に防止する方策を学びます。

高度な検査法、治療技法、リハビリ術を支える「医療技術学」

 医療技術学のうち《臨床検査系》では、まず基礎課程で、医学や薬学系に属する「病理学」「免疫学」「薬理学」「栄養学」などを学びます。専門課程では「臨床血液学」「臨床微生物学」「臨床化学」などで、病態を解明するための理論知識を修得するとともに、血液検査、免疫検査、遺伝子・染色体検査など、いろいろな検査の技法を学びます。
 《医療技術系》では、放射能や工学技術についての知識をベースに、検査や診療における放射線の扱い方を、理論と実践を交えて学びます。《リハビリ系》では、人間の精神と身体の発達、生理的な作用などの医学的知識を身につけ、それぞれの患者や障害者に応じたリハビリの専門知識と技術を学びます。さらに、《医用工学》系では、電子工学や情報工学、基礎医学を学んだ上で、人工透析や人工心肺、障害者用補助ロボットなど医療電子機械の理論と機能を応用し、より精巧な機器の開発にあたります。

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25年4月臨床工学技士養成コース新設 <生命工学科>

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