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総合学際系統

教養学の分野

教養学の分野

人間と文化に対する幅広い学識と高い能力を備えた“教養人”を育てることを目的とした、欧米型の学問ジャンル。「思考力」「判断力」「実践力」など人間としての総合力の向上をめざす

分野の特徴

広範な学問の基礎領域から専門テーマを絞って学習

 教養学は、独特の研究手法により、幅広い教養的学識と、高い専門能力をバランスよく備えた「教養人」をめざす学問です。
 人文・社会・自然科学にわたるあらゆる学問の基礎領域を自分のペースで学びながら、自分の専攻テーマを絞っていくのが基本的なスタイルで、これは欧米の大学ではポピュラーな、リベラル・アーツの考えに基づくものです。
 欧米で大学に入学すると、専攻分野(たとえば、医学、分子生物学、西洋史など)に入る前に、人文・社会・自然科学にまたがって配置される基礎科目を、できるだけ広いジャンルにわたって履修します。
 教養学の研究では、こうした考え方・スタイルを取り入れ、さまざまな学問分野のエッセンスから、専門的な学問研究にとって大事な幅広い視野を身につけます。日本の大学にも一部採用されている「教養課程」も同様の考え方ですが、教養学では、教養と専攻テーマが密接につながり、並行して進めるという違いがあります。

科学や文化への批判、現代思想など多彩な研究領域

 教養学の研究は、大学によってバラエティに富んでいますが、いろいろなテーマから専攻を徐々に絞っていく点は共通しています。研究テーマは非常に多岐にわたりますが、大きく次の3つに分けることができます。
1.現代社会が抱える大きな課題、あるいは人類が追い求めてきた抽象的な命題に関するもの:人間、社会、文化、環境など。
2.現代の科学や文化を批判的に捉え直すことを目的に、いろいろな角度から検証するもの:科学論、技術史、比較文化、都市論、情報社会など。
3.現代の思想界において話題のキーワードや、論争になっているテーマに関するもの:ポスト構造主義、ジェンダーなど。
 いずれのテーマにおいても、最終的な目標としては「人間と文化を理解すること」をめざしており、その点で文化学と近い内容になります。しかし、人間的な向上の糧となる「教養」の視点をもって研究に取り組むことが、教養学の特徴といえます。

何を学ぶ

学問のエキスを横断的に学び、知的世界を自ら切り開く

 この分野での学習方法は非常にユニークで、1つの「主専攻」のほかにもうひとつの「副専攻」を選択して、双方を並行して学んでいくケースが一般的です。
 カリキュラムでは、教養課程から専門課程へ、あるいは1つの学科から専攻研究室へと学年が進むにつれて、対象領域が狭くなっていくという従来のスタイルとは異なり、大学の4年間にわたって、学問の広さと深さの両方を追究できるように、科目の配置や履修方法が工夫されています。さらに、履修科目に「教養/専門」という線引きもなく、学生の選択の自由度が高くなっていることも、大きな特徴です。
 履修科目は、人文・社会・自然科学の幅広い領域にわたりますが、相互に関連の深い学問領域を結びつける形で体系化されており、この中から学生が自由に選んで学び、次第に研究テーマを絞っていくことができます。

キャリア系では、基礎学力に根ざした《実践的教養》が学べる

 目的や進路に応じて、いくつかのモデルコースが用意されている大学もあります。たとえば、「国際教養学」を冠した学科では、《文学、哲学、美術史》を核にした「比較文化」、《社会学、文化人類学、歴史学、政治学》を核にした「社会科学」、《経済学、経営学》を中心に据えた「国際経営・経済学」の3コースを設け、複数分野の専門課程を履修できるように構成されています。
 また、キャリア系では、高い人間的素養を身につけるとともに、自分らしい生き方を見つけるための高度な実践的科目が配置されています。自分の能力や適性にふさわしい職業を選ぶための基礎力を養う「キャリアガイダンス」「キャリア管理論」を学んだうえで、《広告・メディア》《流通・サービス》《知識・学習》など幅広いビジネス業界の成り立ちや現状、将来像について多角的に学んでいきます。そのほか、ビジネス実務や会計、IT技術などを学び、社会で即戦力として活躍するための資格取得をめざします。

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