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簿記1級の通信講座おすすめ6選!合格者インタビューでわかった勉強のコツも紹介

2025.11.04

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「簿記1級は2級と比べものにならないほど難しいと聞いて、独学で合格できるか不安」と、通信講座の利用を検討される方もいるのではないでしょうか。

簿記1級は、2級で学習した商業簿記・工業簿記に加えて、会計学・原価計算も試験範囲となります。理論問題も加わるため、合格難易度や勉強時間が一気に跳ね上がるのも事実です。合格率は10~15%で、勉強時間は人によっては1,000時間以上必要になるともいわれています。

そこで通信講座なら、過去問の傾向や講師の知見から作成したカリキュラムを基に、合格のための学習フローやスケジュールが設定されています。現役講師への質問やその他フォロー体制も整っており、独学よりも効率よく学習しやすい体制が整っています。

当サイト「逆引き大学辞典」が実施した簿記1級合格者へのインタビューでも、「通信講座のおかげで学習時間を短縮できた」「膨大な試験範囲でも挫けずにやりきれた」との意見が聞かれました

当記事では、通信講座を利用した合格者のインタビューや独自の選定基準を基に、簿記1級の通信講座のおすすめを6つに厳選して紹介します。

簿記1級の通信講座特徴
スタディング料金が約7万円とリーズナブル
Web特化のシステムやAI機能による効率的な学習が魅力
資格の学校TACZoomによるオンライン質疑応答やインターネットフォローシステムなど受講生へのサポートが手厚い
学習を前半・後半で分けることで後半学習中に前半の復習ができるようフローになっている
資格の大原Webライブでのリアルタイムの質疑応答ができる
図解・イラストを使用したテキストや講師陣によって効率的に学習を進めやすい
ネットスクールインプットとアウトプットを繰り返す「反転学習法」を採用
ライブ講義のおかげでより質問や交流がしやすい環境が整っている
クレアール講師陣へ何度も質問できるなど手厚いフォローがある
非常識合格法による効率的が学習を進められる
LEC東京リーガルマインドベーシック講座とアドバンス講義の併用でライフススタイルに応じた学習が可能
テキストが自分好みにしやすいのでオリジナルのテキストを作成しやすい

目次

簿記1級の通信講座おすすめ6選!

簿記1級は毎年約1万人の受験者のなかから合格者が1,000~2,000人程度であり、難関資格として有名です。独学で一から勉強する場合は1,000時間以上かかるとも言われており、人によっては行政書士や中小企業診断士レベルで難しいと言う方もいます。

そのため、洗練されたカリキュラムやプロの講師による指導が受けられる、通信講座の受講を検討する方も珍しくありません。そこで、資格学習の知見を持つ当サイト「逆引き辞典」が、簿記1級合格を目指せる通信講座を6社に厳選しました

今回、当編集部が設定した簿記1級の通信講座の選定基準は次の通りです。

おすすめの簿記1級の通信講座の選定基準

  • 「わからない点などを講師に相談できる」などのサポート体制が整っている
  • 受講料が教材の質・教員の実力と見合っている
  • 2級の合格者が対象の通信講座かどうかがはっきりしている
  • 合格率・合格者の実績がある
  • スマートフォンやパソコンで学習できる環境が整っている
  • 実施したアンケートで利用者からの評判や口コミがよい

※2025年10月時点、各選定基準を満たしている通信講座を掲載しています。
※掲載企業については当サイト独自の基準で評価をしています。

スタディング|教材やAI機能の質の高さと料金のリーズナブルさが両立した通信講座

スタディング簿記講座1級

引用元:スタディング

価格簿記1級合格コース:66,600円
簿記2級・1級セットコース:69,300円
合格数・合格率簿記全級の2024年合格実績No.1(スタディングの独自比較)、2024年度合格報告1,285人
2024年度の簿記1級の合格報告25人
サポート体制Q&Aチケット50枚を無料で使用可能(51枚以降は1枚あたり1,100円で購入可能)
キャンペーンや合格返金制度定期的に10~20%の割引キャンペーン実施
合格お祝い金10,000円
公式サイトhttps://studying.jp/boki/class1.html

「スタディング」は、「オンライン簿記講座合格実績No.1」を掲げる、スマートフォンやパソコンを活用した通信講座に特化したスクールです。簿記2級・3級でも1,000人以上の合格者を輩出しており、講師陣も20年以上の指導実績や簿記の有資格者などが揃っています。

スタディングの通信講座の特徴は、他社と比較したときの料金の安さです。10万円以上かかる講座も多い簿記1級において、約7万円とリーズナブルな料金となっています。

何より、スタディングを利用するメリットは、洗練された学習システムや教材を利用した質の高いカリキュラムです。

「30分前後のインプット動画+Webテキストと、スマート問題集によるアウトプットのサイクル」「解答力UP講義や検定対策答練による実践力の強化」など、論理問題が出る簿記1級の学習に完璧に対応しています。疑問点があれば、講師に直接質問したり他の受講生の質問をチェックしたりして、すぐに調べられるのもメリットです。

また、「AI問題復習」による最適なタイミングでの復習、「AI検索・AI説明機能による用語解説」など、AI技術を活かした学習サポートによって学習を効率化できます。動画の倍速・低速機能、1講義30分前後かつ5~10分程度での区切りによって、忙しい社会人や学生、主婦の方が学習しやすい環境を整えているのもスタディングの大きな強みです。

直前対策や模擬試験も網羅しているため、最後の総仕上げもスタディングの通信講座一本で対応が可能です。

実際にスタディングの利用者で簿記1級に合格した方々の声には、「オンライン特化の教材だから思い立ったときにすぐ学習に移行できた」「2級合格から5年ほど時間が空いていたけど、振り返りながら学習できた」といったものがありました。

コストパフォーマンスや実績の高さから、「どの通信講座にしようか迷っている」「スマートフォンでの学習を中心に進めたい」という方に、スタディングの簿記1級講座はおすすめです。ただし、紙のテキストがほしいときは自分でWebテキストを印刷する必要があるので注意しましょう。

資格の学校TAC|修了者の平均合格率33.3%で簿記1級の合格率の3倍以上の実績あり

資格の学校TAC日商簿記講座1級

引用:資格の学校TAC

価格1級合格本科生1.5年コース:230,000円~
1級合格本科生1年コース:165,000円~
合格数・合格率本科生カリキュラム終了者平均合格率33.3%
サポート体制講師室直通電話による質問(一部コースはなし)
カードやメールによる質問(一部コースなし)
Zoomを利用したオンライン質疑応答
講師による添削あり
キャンペーンや合格返金制度約10%OFFの日商簿記ステップアップ割引制度
約30%OFF再受講割引制度
合格祝賀金20,000円
公式サイトhttps://www.tac-school.co.jp/kouza_boki.html

「資格の学校TAC」は、40年以上の資格指導や受講者数の累計51万人以上など実績を持つ、大手資格予備校です。簿記学習においては簿記教室や通信講座以外にも、21年連続で売上No.1の書籍「みんなが欲しかった! 簿記の教科書」などを出版しています。

「商業簿記」「工業簿記」「会計学」「原価計算」の4科目の学習を、動画やテキストでバランスよく学べます。

特徴的なのが、「商業・会計・工業・原価」をそれぞれ前半・後半に分けることで、後半学習中に前半の復習ができる学習フローです。半年以上の長期学習になる簿記1級の特性を見据えた、効率的なカリキュラムだと言えます。

また、Zoomによるオンライン質疑応答や質問カードやメールを利用した質問など、フォロー体制が手厚いのがTACの魅力です。Webフォローによる欠席講義の繰り返し視聴や、他の受講生との交流などができるインターネットフォローシステムなど、Webならではのシステムも充実しています。

難関資格の一種である簿記1級の学習において、独学にはない各種フォロー体制が充実しているTACは、基礎からみっちり学習したい方におすすめです。

実際に合格率10%前後の簿記1級において、カリキュラム終了者の平均合格率が33.3%と3倍以上となっています。通信講座なら開講日以後もいつでも随時入学できるので、好きなタイミングでいつでも開始可能です。

資格の大原

引用元:資格の大原

価格<Webライブ>1級合格コース:178,700円
1級合格コース:146,500円
1級合格コース(9ヵ月)+DVDフォロー:185,700円
合格数・合格率2024年は社会人講座13人、専門課程203人
サポート体制講師の質問対応あり
キャンペーンや合格返金制度過去に大原に申し込んだことがある方は3%OFF
公式サイトhttps://www.o-hara.jp/

「資格の大原」は、通信講座だけではなく教室通学、映像通学、Webライブなどさまざまなコースを提供する大手資格予備校です。簿記講座以外にも、士業全般、FP、IT・情報、医療・福祉・保育、語学などさまざまな講座を提供しています。

大原の魅力は、数十年蓄積されたノウハウを基に、受験指導の経験豊富な簿記専任講師が担当した講義およびテキストです。初めて簿記1級を学習する方でも、わかりやすくかつ深く学べる内容となっています。

「図解・イラストを用いて視覚的に理解しやすいレイアウト」「図解・イラストで解説した内容の具体的な計算方法・処置方法の提示」「設問を通じた計算方法や解法」の3ステップが構成されており、インプット・アウトプットを効率的に繰り返しながら学べます

Webライブを利用できるコースなら、在宅でありながら教室へ出席したかのような臨場感のある授業を受けることが可能です。リアルタイムでの質問やコミュニケーションができるため、学習しながらすぐに疑問を解消できます。

また講師陣による、質問フォームや電話での質問にも随時対応しています。実績・ノウハウのいずれも高いレベルを誇る大原の講師陣なら、受講者の疑問点や悩み事にも適切に答えてくれるでしょう。

さらに、大原の受講生の学習支援プラットフォーム「Mobile-O-hara」を利用すれば、日々の学習進捗度や添削答案・講義資料のデータ受け取りなどが可能です。

「大手の信頼性ある講義を受けたい」「実績ある講師の講義を受けたい」といった方は、資格の大原の利用を検討してみてください。

ネットスクール

ネットスクール簿記1級講座

引用元:ネットスクール

価格日商簿記1級 6か月合格コース:112,000円(教材別90,000円)
日商簿記1級 12か月合格コース:135,000円(教材別113,000円)
合格数・合格率第161回20.3%、第159回17.2%
サポート体制受講生専用SNS「学び舎」での質問&コミュニケーション
Zoom学習コンサル
2025年12月よりLINEサポートがスタート
キャンペーンや合格返金制度新春キャンペーンなど定期的に実施
公式サイトhttps://www.net-school.co.jp/web-school/

「ネットスクール」は、スマートフォンやパソコンを用いた、オンライン学習に特化した通信講座を提供する企業です。

ネットスクールの特徴は、インプットとアウトプットを繰り返す「反転学習法」を採用している点です。「約30分の講義が4本1セットのインプット用オンデマンド講義」と、「2回分のインプット講義を解説しつつ問題演習や質疑応答をおこなう週1回のアウトプット講義」を繰り返すことで、膨大な範囲の簿記1級の知識を定着させていきます

ライブ講義は学習フローに組み込まれており、講師や他の受講生と一緒に能動的なアウトプットを進められるのが、ネットスクールならではの特徴です。ライブ講義中の議事録や板書などは、プリントアウトできます。

また、インプット講義は24時間視聴できるため、好きなときにスマートフォンで学習を進められるのもメリットです。

使用する教材は、ネットスクールが出版する「日商簿記とおるテキスト」です。こちらは市販されている書籍で、AmazonなどのECサイトでも高評価を得ています。わかりやすい構成、重要論点がすぐにわかる強調や工夫、高い網羅性など、初学者でも基礎固めや解答力アップを目指せる内容がまとめられています。

1人で学ぶのが不安という方は、受講者専用SNS「学び舎」にて、講師・受講生同士のコミュニケーションや質問が可能です。Webをうまく使った学習を進めたい方は、ネットスクールの利用を検討してみてください。

クレアール

クレアール簿記1級講座

引用元:クレアール

価格1級講義パックWeb通信:132,000円
合格数・合格率簿記の通信講座においては不明
サポート体制毎日電話で質問が可能で回数も無制限
就職サポートあり
キャンペーンや合格返金制度定期的な講座割引キャンペーンあり
公式サイトhttps://www.crear-ac.co.jp/boki/lp/boki1kyu/

「クレアール」は、資格指導歴56年以上という非常に歴史ある、資格学習や公務員試験対策で有名なWeb通信スクールです。

過去20年分の過去問を徹底分析して作成したクレアール独自の「非常識合格法」を採用しており、満点ではなく合格点獲得に特化した、効率的な学習が進められます

講義はクレアール簿記検定講座専任講師や公認会計士の講師が担当してくれるため、解答テクニックや暗記だけではなく「簿記の本質」を学ぶことが可能です。理論問題が出題される簿記1級に対応できる、応用力が身に付くでしょう。

そしてクレアールの大きな特徴は、受講生のフォローが非常に手厚い点です。無制限の電話相談によって、自分が納得するまでアドバイスを求められます。理解が難しい部分が増えてくる簿記1級において、いつでも講師に相談できる環境は独学にはないメリットだと言えるでしょう。

なお、クレアールに申し込みたいときは、割引キャンペーン中を狙うのも手です。たとえば2025年10月時点では、1級講義パックWeb通信13万2,000円が、84,480および92,400円に割引されていました。

LEC東京リーガルマインド

引用元:LEC東京リーガルマインド

価格1級パーフェクトコース:132,000円(DVD156,200円)
1級答練パック:77,000円(DVD88,000円)
合格数・合格率簿記の通信講座においては不明
サポート体制24時間メール感覚で質問できる「教えてチューター」
キャンペーンや合格返金制度LEC簿記受講生は15,000円、LEC受講生や日商1級受験経験者は7,000円割引
早割による5,000円割引あり
合格お祝い金30,000円
公式サイトhttps://www.lec-jp.com/boki/class1/

「LEC東京リーガルマインド」は、法律系、簿記・会計系、金融・保険系、労務・キャリア系、不動産系、IT・情報・パソコン系など数多くの教育サービスを提供する資格予備校です。

LEC東京リーガルマインドの「パーフェクトコース」は、初めて1級を学ぶ方向けの「全66講義のベーシック講座」と、勉強経験のある方向けの「全40講義のアドバンス講義」から選べます。2つの講義は共通テキストで追加料金なしで受講できるため、自宅でしっかり学習するときはベーシック講座、通勤中や家事の合間はアドバンス講義と使い分けができます

使用テキストは、情報の整理・記憶・知識の定着に有効な図解を活用したLECオリジナルです。重要度のランク付け、都度の用語解説と設問、要点や知識をまとめたワンポイント、図表の多様など、誰にでもわかりやすいレイアウトになっています。

さらに、テキストはあえて余白を残したり色を1色に統一したりすることで、自分の書き込みや色付けがやりやすくなっています。「自分だけのオリジナルテキスト」を作成できれば、簿記1級の学習をよりスムーズに進めやすくなるでしょう。

講師の方に質問したいときは、24時間メール感覚でLECフォロースタッフに質問できる「教えてチューター」が利用可能です。スタッフには、講師や専門スタッフが配置されています。

簿記1級の学習に通信講座をおすすめする理由

簿記試験の学習に独学でチャレンジする方もいますが、簿記1級レベルになると通信講座の利用を検討する人も増えてきます。実際に簿記1級に合格した方におこなったインタビューでも、「独学では挫折したけど、通信講座のおかげで勉強を続けられて2回目で合格した」という方がおられました

簿記1級の学習に、通信講座をおすすめする具体的な理由は次の通りです。

簿記1級の学習に通信講座をおすすめする理由

  • 士業資格に迫るレベルの難易度で独学だと学習が大変だから
  • 1級の膨大な試験範囲と最新の法令を押さえたカリキュラムを受けられるから
  • 現役講師にわからないところを質問できるから
  • スキマ時間を無駄にせずスマートフォンで勉強できるから
  • 適切なスケジューリングによって長期間学習が必要な簿記1級でも挫折せずに続けやすいから

士業資格に迫るレベルの難易度で独学だと学習が大変だから

簿記1級の難易度は士業資格とよく比較されるレベルであり、独学だと学習が大変になる可能性が高いです。難易度を表すものとしてよく言われるのが、「簿記1級の範囲は簿記2級の約3倍」です

簿記2級と比べて増える学習範囲の一部は、主に次の通りです。

簿記1級の試験範囲の例

  • キャッシュフロー計算書・四半期財務諸表
  • 総記法・売価還元法
  • 利息法、減損処理、部分純資産直入法
  • セールアンドリースバック、リース契約の途中解約、貸し手のリース会計処理
  • 積立金方式・ヘッジ会計等に関する一時差異の処理・回収可能性
  • 差異分析:材料受入価格差異
  • 特許権使用料
  • 階梯式配賦法・相互配賦法
  • 売上高差異・貢献利益差異

当記事で紹介したスタディングや資格の大原のコラム記事でも、「難易度が非常に高い」と紹介されています。

1級の膨大な試験範囲と最新の法令を押さえたカリキュラムを受けられるから

独学で学習する方は、「どこから勉強すればよいのか」「出題傾向はどうなのか」を自分で調べてから進める必要があります。しかし、1級は試験範囲が広すぎるせいで、重要論点や省略すべき部分を自力で探すのは非常に困難です。

通信講座なら、有資格者や専門スタッフ作成の洗練されたカリキュラムを使って勉強できます。前述した1級の膨大な試験範囲と年々変わる法令を考慮して作成されており、受講者は学習フローにしたがって進めるだけで覚えるべきところを学習できます。そのため、独学よりも短時間で合格を目指しやすいです。

ここ数年の日商簿記は、ネット試験の登場や大幅な試験範囲の変更など大幅な改革が実施されてきました。通信講座なら、こうした最新の情報をキャッチできないリスクも回避できます。

現役講師にわからないところを質問できるから

簿記1級は、1問ごとの難易度が2級よりも高くなります。とくに簿記1級初学者の方は、解き方がわからないところが増えることも多いでしょう。

通信講座なら独学と異なり、公認会計士や簿記などの有資格者や、簿記専任といった現役講師に直接質問できる機会があります。合格者の方からも、「自分1人だと何時間も悩み続けるところでも、講師の方に聞けば数分で理解できた」との意見が聞かれます

また、現役講師に教わる大きなメリットは、独自の解答テクニックを教えてもらえる点です。自身の学習歴、会計実務、講師経験が豊富な方だからこそ話せる考え方や解法は、簿記1級の合格の力になるでしょう。

スキマ時間を無駄にせずスマートフォンで勉強できるから

動画講座やWeb問題集に対応している通信講座なら、スマートフォンを使ってスキマ時間を無駄にせず勉強を進められるメリットがあります。

簿記1級に合格するには1,000時間以上かかるとも言われており、毎日5分でも勉強時間を捻出して積み上げることが大切です。そこで通信講座なら、通勤時間、家事の合間、就寝前後などにスマートフォンを開けばすぐに学習できます。

1日10分でも勉強時間を増やせれば、1か月で5時間、半年で30時間も確保できます。20分なら60時間、30分なら90時間です。スキマ時間の活用で、1~2か月分の勉強時間を捻出できる可能性があります。

適切なスケジューリングによって長期間学習が必要な簿記1級でも挫折せずに続けやすいから

長期間の学習になる簿記1級は、学習計画をしっかり立てることが合格への近道です。しかし、独学だと時間をかけるべきところ、応用問題に入る時期などを自分で考える必要があり、スケジュールを見誤るリスクがあります。

通信教育ならすでに学習フローが組まれており、おおまかな学習期間を示してくれます。通信講座によっては、自動スケジューリング機能が付いており、自分の理解度や進捗に合わせたスケジュールを提案してくれるようになりました。

自分1人では学習計画を立てるのが苦手な方は、通信講座の利用を検討してみてください。

簿記1級の通信講座比較一覧!選ぶときの注目ポイント

簿記1級の通信講座を選ぶときは、講座の内容はもちろんのこと、「コストパフォーマンスはよいのか」「講師からのサポートは受けられるのか」「実績はあるのか」といった点に注目するのがよいでしょう

以下では当記事で紹介した、簿記1級の通信講座の費用、サポート、合格率、キャンペーンを比較しました。自分に合う通信講座を選ぶときの参考にしてください。

簿記1級通信講座費用サポート体制合格率・合格者キャンペーン
スタディング簿記1級合格コース:66,600円
簿記2級・1級セットコース:69,300円
Q&Aチケット50枚を無料で使用可能(51枚以降は1枚あたり1,100円で購入可能)簿記全級の2024年合格実績No.1(スタディングの独自比較)、2024年度合格報告1,285人
2024年度の簿記1級の合格報告25人
定期的に10~20%の割引キャンペーン実施
合格お祝い金10,000円
資格の学校TAC1級合格本科生1.5年コース:230,000円~
1級合格本科生1年コース:165,000円~
講師室直通電話による質問(一部コースはなし)
カードやメールによる質問(一部コースなし)
Zoomを利用したオンライン質疑応答
簿記の通信講座においては不明約10%OFFの日商簿記ステップアップ割引制度
約30%OFF再受講割引制度
合格祝賀金20,000円
資格の大原<Webライブ>1級合格コース:178,700円
1級合格コース:146,500円
1級合格コース(9ヵ月)+DVDフォロー:185,700円
講師の質問対応あり2024年は社会人講座13人、専門課程203人過去に大原に申し込んだことがある方は3%OFF
ネットスクール日商簿記1級 6か月合格コース:112,000円(教材別90,000円)
日商簿記1級 12か月合格コース:135,000円(教材別113,000円
受講生専用SNS「学び舎」での質問&コミュニケーション
Zoom学習コンサル
2025年12月よりLINEサポートがスタート
第161回20.3%、第159回17.2%新春キャンペーンなど定期的に実施
クレアール1級講義パックWeb通信:132,000円毎日電話で質問が可能で回数も無制限
就職サポートあり
簿記の通信講座においては不明定期的な講座割引キャンペーンあり
LEC東京リーガルマインド1級パーフェクトコース:132,000円(DVD156,200円)
1級答練パック:77,000円(DVD88,000円)
24時間メール感覚で質問できる「教えてチューター」簿記の通信講座においては不明LEC簿記受講生は15,000円、LEC受講生や日商1級受験経験者は7,000円割引
早割による5,000円割引あり
合格お祝い金30,000円

簿記1級の通信講座の費用相場は、おおよそ10万~20万円です。動画・テキスト教材や問題集がすべてWebで完結するスタディングだけは、6万円代と他社と比較して安価です

サポート体制はどの講座も充実しており、有資格者や経験豊富な講師が対応してくれます。少なくとも講師への質問なしの講座はないため、「電話や面談対応があるのか」「回数制限はあるのか」「費用に見合ったサービスか」などを見て判断してください

合格実績を公開している講座は、いずれも簿記1級の平均合格率を上回っています。簿記2級や3級ほど受験生が多くないことから数値はバラつきやすいものの、どの講座も合格を目指せるレベルにあると言えるでしょう

キャンペーンについては、「講座にいつ申し込むか」「もともとその会社の会員かどうか」などによって、一番お得に使えるものが人によって変わります。気になっている通信講座がキャンペーン対象期間だったときは、ぜひ申し込みを検討してみてください

教室通学と通信講座のメリットを比較!簿記1級はどっちが向いている?

「簿記1級は難しそうだから、教室通学での学習も検討している」という方もいらっしゃると思います。通学する余裕がある方は、教室通学の利用もおすすめです。

教室通学と通信講座の特徴を、以下で比較しました。

メリットデメリット
教室通学リアルタイムで講師に質問しやすい
勉強専用の空間で学習するので集中しやすい
教室で勉強仲間を作りやすい
近くに予備校がないケースがある
通学時間が決まっており、時間の制約があると難しい
通信講座よりも料金が高め
通信講座自宅でいつでも学習できる
コミュニティやSNSを活用すれば仲間と話し合える
教室通学よりも料金が安め
質問などに関するリアルタイム性は教室通学のほうが優れている
自宅での勉強だと集中できない人や意思が弱い人には向いていない
通信環境を整える必要がある

とはいえ、近年ではライブ配信やSNSの発達によって、双方のメリットを取り込んだハイブリッドな講座も数多く登場しています。簿記1級の学習において教室通学と通信講座に優劣はないため、「自分の学習スタイルがどちらに合っているか」で選ぶのがよいでしょう

簿記1級の難易度は?

前述した通り、簿記1級の難易度は「2級の約3倍」「士業に次いで難しい」と言われています。

実際に簿記1級の合格率は、10~15%と低めです。そもそも簿記1級は相対評価で合格を決めるため、絶対評価の2級・3級と違い7割を取れれば必ず合格するとは限りません。

試験の仕組み上、しっかり勉強してきた方も落ちてしまうことを考えると、数値以上に難易度が高いと考えられます。

過去5回の簿記1級の合格率を、以下で紹介します。

試験実施日受験者数合格者数合格率
170(2025.6.8)9,610人1,343人14.00%
168(2024.11.17)10,420人1,572人15.10%
167(2024.6.9)9,457人992人10.50%
165(2023.11.19)10,251人1,722人16.80%
164(2023.6.11)9,295人1,164人12.5%
162(2022.11.20)9,828人1,027人10.40%
161(2022.6.12)8,918人902人10.1%
159(2021.11.21)9,194人935人10.2%
158(2021.6.13)7,594人746人9.8%
157(2021.2.28)6,351人502人7.9%

参考:商工会議所の検定試験「1級受験者データ(統一試験)

このように難易度が高いことで有名な簿記1級ですが、決して合格できないという資格ではありません。簿記1級には受験資格がないこともあり、学歴や職歴に関係なく誰にでも合格のチャンスがあります。

合格者へ実施したインタビューでも、「高校を出て3年くらい簿記の勉強をして、今は税理士として働いている」「子育てが一段落してから簿記1級を取得して、経理の仕事に就いた」という方がおられました

簿記1級に合格するために必要な時間は?

簿記1級に合格するために必要な時間は、400~600時間程度と言われています。

しかし、上記は簿記2級程度の知識があることが前提であるため、簿記3級から1つずつ学習を進めるものと考えると、合計で800~1,000時間以上かかる可能性があります

当編集部が実施したアンケートだと、「未経験から4か月・500時間程度で合格した」「3か月で合格した」との声があった一方で、「1日2~3時間で10か月」「簿記2級合格から500~600時間程度」という方がボリュームゾーンでした。

【合格者へインタビュー】簿記1級合格で苦労したことや勉強のコツは

当編集部では、通信講座を利用して簿記1級に合格した55人にインタビューを実施しました。以下では、インタビューを通じてわかった合格までに苦労したことや勉強のコツを紹介します。

簿記1級合格で苦労したことや勉強のコツ

  • 2級との難易度の違いをまずは理解し覚悟を決めること
  • 膨大な範囲に怯まずに重要論点から1つひとつ進めること
  • 必ず全範囲に目を通し得意な問題を見つけて取りこぼさないようにすること
  • まずは過去問題を使って「読むトレーニング」を積むこと
  • 初見の問題が出ても解法をイメージできるようにすること
  • 自分が苦手なところや不安な論点は放っておかずまとめておく

実施したアンケートについて
・アンケート方法:インターネットアンケート
・集計期間:2025年8月1日〜2025年9月30日
・アンケート回答人数:55人

2級との難易度の違いをまずは理解し覚悟を決めること

簿記2級までとくに苦労せずに合格した方でも、一発合格するのは難しいのが簿記1級です。

インターネット上では一発通過を報告する合格者もいる一方、「合格するまで2年かかった」「4回落ちた」という方も多いです。もし簿記1級に1発合格できなくても、「自分は駄目なやつだ」と落ち込むことはありません。

難易度が高いとは言えども、簿記1級は学習を継続すれば必ず合格は見えてくる資格です。まずは2級との難易度の違いを理解し、「何回落ちても勉強は続ける」という覚悟を決めることが、合格のために大切な心構えになります。

膨大な範囲に怯まずに重要論点から1つひとつ進めること

合格者へのインタビューで多かった回答として、膨大な範囲に対してやる前から怯まないことが挙げられます。なかには「簿記2級から1級になるとこんなに多くなるのか」と、始めは合格レベルに達せられるのかと不安を覚えていた方もおられました。

しかし膨大とはいえ、学ぶ範囲には限りがあります。毎日少しずつでも学習を進めていけば、気付いたときに「いつの間にこんなに勉強したんだ」と自信につながる日が必ず訪れます

おすすめは、結果につながりやすい重要論点から学習を進めることです。重要論点が一通り終われば、合格点には届かなくても簿記1級の全体像が掴めます。全体像の把握と重要論点部分の知識があれば、ほかの論点の勉強もスムーズに進められるようになるはずです。

当サイト「逆引き辞典」で紹介している社会保険労務士や税理士などの難関資格においても、「5年以上かけてじっくり勉強した」「簿記1級取得から税理士科目合格まで1つひとつの積み重ねが大事だ」と、合格者の多くが積み重ねの重要性を実感しています。

スキマ時間を使って学習しやすい通信講座は、毎日コツコツ積み上げる学習スタイルにマッチしやすいと言えるでしょう。

必ず全範囲に目を通し得意な問題を見つけて取りこぼさないようにすること

簿記1級の学習範囲は膨大ではあるものの、必ず全範囲に一度は目を通したうえで問題演習に取り組みましょう。

もし重要論点ばかりを学習して全範囲に目を通さないと、見ていなかったところが「自分が得意な問題」だったときに、みすみす得点源を失うことになります

合格者へのインタビューのなかでも、「受験1回目は落ちたけど、あらためて全範囲を見たら学習が抜けていたところがあり、2回目はそこが得点源になって合格した」という体験を語っていた方がおられました。

簿記1級の学習範囲をすべて確認するのは大変ですが、労力に見合った成果を得られるはずです。

まずは過去問題を使って「読むトレーニング」を積むこと

簿記1級の試験が難しい理由として、問題文の読解に苦労する点が挙げられます。

簿記1級の試験問題の文章は非常に長く、問題を読み慣れていないと「何を問われているのか」がそもそもわからないという事態に陥ります。読解に時間がかかるほど試験時間は削られ、合格から遠のいてしまうでしょう。

そのため、合格のためにはまず演習問題や過去問を「読むトレーニング」を積み、問題が何を問うているのかを迅速に把握できるようになりましょう。読解に慣れれば解答スピードが上がるので、学習中もより多くの問題を回せるようになります。

初見の問題が出ても解法をイメージできるようにすること

簿記1級の演習問題や過去問では、類似問題があったとしても、ほぼ同じ問題と遭遇することはありません。演習問題や過去問の答えだけを覚えても、次に初見の問題が出たときに対応できなくなります。

大切なのは、答えに至るまでの正しい考え方やプロセスを身につけ、初見の問題が出てきても解答できる応用力を育てることです

そこで有効なのが、演習問題や過去問、学習テキストなどに記載されている解法の具体例を頭に入れておき、問題を解く際にイメージすることです。具体例を思い出せれば、「あの問題はこの考え方で解いていた」「この問題はテキストの問題と類似しているから、同じようなプロセスで回答しよう」と、迷いなく回答しやすくなります。

具体例をすぐイメージできるようにするには、とにかく問題のインプットとアウトプットを繰り返し回すことが重要です。

自分が苦手なところや不安な論点は放っておかずまとめておく

合格者のなかには、「自分の苦手なところやミスしたところを、ノートにまとめて後で見返していた」という方が何人かおられました。

自分の苦手なところや不安な論点は、得意分野と比べて復習する回数が多くなります。簿記1級は使用するテキストや動画講座の数も多くなるため、復習したいところをピンポイントで探すのもかなりの手間です。

あらかじめ自分が苦手なところや不安な論点をどこかにまとめておけば、そのまとめノートを取り出すことで、すぐに復習に取りかかれるメリットがあります

通信講座のなかには、自分の苦手な分野や以前間違えた問題が一目でわかるシステムになっているものがあります。こうした機能を、まとめノートのように活用するのもよいでしょう。

たとえばスタディングの通信講座なら、実力スコアで自分の得意不得意がレーダーチャートなどで把握でき、以前間違った問題はAI問題復習機能で自動的に出題してくれます。

簿記の日程・受験料・受験資格まとめ

簿記1級の日程・受験料・受験資格は次の通りです。

簿記1級概要
受験資格なし
試験範囲商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算
試験時間商業簿記・会計学で90分、工業簿記・原価計算で90分の合計180分
合格基準全問題の70%以上
1科目ごとの得点が40%以上なければ不合格
受験料8,800円
注意事項電卓は四則計算ができるもので、印刷機能や関数電卓といったプログラム機能が付いているものは利用不可

簿記1級は、2級・3級と異なりネット試験がありません。必ず、ペーパーによる統一試験になります。

よくある質問

簿記1級の「足切り」や「傾斜配点」とは?

簿記1級の足切りとは、1科目40%未満になることです。簿記1級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目の試験がありますが、全合計の得点が70%を超えていても、1つでも40%に届かなければ不合格になります。

傾斜配点とは、「特定教科・科目に一定倍率を掛けて配点を高くすること」です。合格率を一定にするための調整で使われることが多いですが、基本的には難問・奇問のせいで全体の得点が低くなったことで、上方修正のために実施されることがあると非公式ながら言われています。

税理士の簿記論とどちらのほうが難しい?

税理士試験の必修科目の1つである簿記論は、一般的には簿記論のほうが難しいと言われています。近年では簿記論の受験資格が撤廃になったものの、撤廃前は簿記1級取得が受験資格の1つでした。

とはいえ簿記1級と簿記論は問われる論点も異なるうえに、簿記論には理論問題が出ないという違いがあります。個人の得意不得意によって、どちらが難しいかは変わると思っておきましょう。

会計関係の他の難関資格には何がありますか?

会計やその他お金関係の他の難関資格として、以下のものが挙げられます。会計の知識をより深めたいという方は、簿記1級合格後にぜひチャレンジしてみてください。

  • 税理士簿記論・財務諸表論
  • 公認会計士
  • 米国公認会計士(USCPA)
  • 税理士
  • FP1級・CFP

まとめ

簿記1級は試験範囲の広さや問題の難しさなどの要素によって、2級や3級と比べて非常に難易度が高くなっています。しかし、決して合格を目指せないということはありません。

簿記2級レベルの基礎固めをおこなったのち、重要論点から順番に毎日学習していけば、確実に合格へ近づけます。

もし「まとまった勉強時間がなかなか取れない」「どう勉強を進めればわからない」という方は、通信講座の利用をぜひ検討してみてください。洗練されたカリキュラムや講師陣のサポートのおかげで効率よく学習できるため、独学よりも短期間かつ安定した合格を目指しやすくなるはずです

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