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FP2級の難易度は?他資格との比較や勉強のコツを合格者が解説

2025.12.08

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「FP2級を取りたいけれど、働きながら合格できる難易度なのだろうか?」など、FP2級の難しさが気になる社会人や学生の方は多いのではないでしょうか。

FP2級の難易度は、他の国家資格と比較すると「普通」「中程度」です。簿記2級と比べると同じ程度ですが、近年の難化傾向や計算問題の多さなどを考慮すると、少し易しいと感じる方が多いようです。一方で宅建や士業よりは、簡単と言われています。

実際に、FP2級の合格率は年間50%程度を推移しており、合格率10~30%で推移する上記の資格よりは高めです。とはいえ、FP3級よりも出題範囲が大きく広がるため、合格するには150~300時間はかかります。毎日1~2時間の学習を、数か月間続けることは必須です。

FP2級や簿記2級を取得した筆者目線だと、暗記問題が多いFP2級は、毎日過去問中心の学習で知識を積み上げていけば忙しい社会人や学生でも合格を目指せると思います。AFP認定研修として認められた通信講座を利用すれば、FP2級を効率よく学習しつつ、受検資格を満たすことも可能です。自分に合った学習方法で、FP2級合格を勝ち取っていきましょう。

当記事では、独学でFP2級を取得した筆者が、最新の合格率・合格者数などのデータや実体験に基づき、「FP2級のリアルな難易度」を徹底解説します。また、資格合格者へのインタビュー・アンケートや最新情報などを基に、FP1級・3級や他資格(簿記・宅建)との難易度比較も行いました。

これからFP2級への挑戦を検討している方は、ぜひ当記事を判断材料としてお役立てください。

目次

基本情報やデータから見るFP2級の難易度

FP2級の難易度を客観的に判断するには、合格率、試験範囲、出題形式などの基本情報やデータを確認するのが効果的です。FP2級の難易度について、以下のデータなどを基に、筆者の体験談と併せて解説します。

  • 合格率
  • 試験範囲や過去問
  • 勉強時間
  • 合格基準
  • 試験時間
  • 試験日(CBT形式への移行について)
  • 受検資格

FP2級の合格率から見る難易度

FP試験は、「日本FP協会」と「きんざい(一般社団法人 金融財政事情研究会)」の2団体が開催しています。

学科試験は共通ですが、実技試験に関しては、FP協会では「資産設計提案業務」の1種類のみの実施です。一方、きんざいでは「個人資産相談業務」「中小事業者資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」「損保顧客資産相談業務」の4種類のなかから1つ選択します。

FP協会ときんざい、それぞれのFP2級の合格率は次の通りです。

実施回FP協会合格率きんざい合格率
2025年4月~9月(CBT試験)学科試験:54.78%
実技試験:69.67%
学科試験:24.24%
実技試験:52.89%
2025年5月学科試験:17.26%
実技試験:42.33%
2025年1月学科試験:44.4%
実技試験:48.8%
学科試験:19.79%
実技試験:43.16%
2024年9月学科試験:47.1%
実技試験:56.5%
学科試験:19%
実技試験:40.45%
2024年5月学科試験:59.3%
実技試験:54.9%
学科試験:29.70%
実技試験:45.17%
2024年1月学科試験:39.00%
実技試験:61.12%
学科試験:13.27%
実技試験:41.52%
2023年9月学科試験:53.54%
実技試験:52.02%
学科試験:22.75%
実技試験:40.80%
2023年5月学科試験:48.82%
実技試験:58.61%
学科試験:17.51%
実技試験:39.49%
2023年1月学科試験:56.12%
実技試験:59.53%
学科試験:29.07%
実技試験:35.14%
2022年9月学科試験:42.16%
実技試験:56.55%
学科試験:15.75%
実技試験:38.05%
2022年5月学科試験:49.20%
実技試験:62.11%
学科試験:22.11%
実技試験:32.80%

直近数年のデータを両団体合計で見ると、全体としては「受検者のうち半分前後が不合格」となっており、決して油断できない水準です。とくに、きんざいの学科試験は合格率が2〜3割台と低めに推移しています。

きんざいのほうが低い理由は、「法人申込でモチベーションが低い人が多い」「FP協会の実技より専門的な部分が問われる」などが挙げられます。FP2級を取得している筆者も、FP協会よりもきんざいのほうが「実務慣れしていないと難しい」と感じました。

全体の合格率だけ見ると、難関資格とまでは言えない難易度です。しかし、FP2級の受検資格には「FP3級合格者」や「実務経験者」がある点に注意が必要です。

要するに、「FPの基礎知識・経験があっても、半分以上は落ちる」と考えると、決して簡単な試験ではないと言えます

もう一つ注目しておきたいのは、FP2級の試験形式が2025年4月よりCBT形式に移行した影響です。2025年の上半期のCBT試験の合格率を見ると、紙の試験と比較して5~10%上がっています。CBT形式に移行した影響については、「FP2級の試験日から見る難易度」で後述します。

FP2級の試験範囲や過去問から見る難易度

FP2級の試験範囲は、FP3級と同じく「ライフプランニングと資金計画」「リスク管理」「金融資産運用」「タックスプランニング」「不動産」「相続・事業承継」の6分野です。

しかし、FP2級は「中小企業からの相談」を想定した試験となっており、「個人からの相談」を想定したFP3級と比較すると、問われる内容が難しくなっています。

具体的な違いは、以下の通りです。

  • 回答形式が「◯✕判定と3択」から、学科は「四答択一式」、実技は「記述式(一部)」に変わる
  • 法令や制度などについて深堀りして出題される
  • 具体的な計算問題が出題される
  • 中小法人の資金計画、法人税、法人税申告、消費税、事業承継など法人関係の問題が追加される

では実際に、FP2級とFP3級の学科試験問題の違いを見ていきましょう。

FP2級2025年5月学科試験
問21 為替相場の変動要因に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか


・日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安・米ドル高の要因となる
・米国が政策金利を引き上げることにより、日本と米国との金利差を拡大することは、一般に、円高・米ドル安の要因となる
・日本の対米貿易黒字が拡大することは、一般に、円高・米ドル安の要因となる
・購買力平価説によれば、米国と日本に同じ財があり、その財を米国では3米ドル、日本では450円で替える場合、為替レートは1米ドル=150円が妥当となる。

引用:日本FP協会 試験問題・模範解答
FP3級2025年5月学科試験 問11
◯か✕か。

米国の市場金利が上昇し、日本と米国の金利差が拡大することは、一般に、米ドル高/円安の要因となる。
引用:日本FP協会「試験問題・模範解答

上記を見てわかるように、FP2級のほうが1問あたりのボリュームや専門性が高くなっています。

FP2級の勉強時間から見る難易度

FP2級の合格に必要な勉強時間は、FPの実務経験、金融や保険など関係業界での就業経験、その他個人の事情で変動します。それらを踏まえたうえで、FP2級の勉強時間は150~300時間だと言われています。

たとえば、勉強時間を200時間と仮定した場合、1日1時間の勉強で約半年、2時間の勉強で約3か月です。FP3級から勉強する場合は、半年以上を見込んでおくのがよいでしょう。

1日1時間勉強しても半年以上かかると考えると、FP2級は継続的に学習しないと合格が難しい資格と言えるでしょう。

筆者の場合は問題理解よりも「とにかく60%以上を目指せばよい」という割り切った学習を行ったこともあり、FP業界および関係業界経験がないながらも、FP2級・3級合わせて約150時間で合格しました。

とはいえ、本番では得意分野が多く出題されたうえで、学科・実技いずれも正答率70%程度で余裕はありませんでした。確実な合格を目指すなら、80~90%を取れるレベルに仕上げる必要があると感じています。

FP2級の合格基準から見る難易度

FP2級の合格基準は、学科試験・実技試験でそれぞれ60%以上正解することです。

学科試験は60問出題されるので、36問以上が合格ラインになります。実技試験はFP協会が100点満点中60点以上、きんざいが50点中30点以上です。

FP2級は相対評価ではなく絶対評価であるため、得点さえ超えれば必ず合格できます。「6割以上を目指す」と目標をシンプルに設定しやすく、学習スケジュールや学習方法の計画を立てやすい試験と言えます。

また、FP2級は学科または実技のうち片方に合格すれば、合格年の翌々年度末までは合格した科目の免除を受けることが可能です。片方だけでも受かっておけば、次回以降に合格する確率がグッと高まります。

FP2級の試験時間から見る難易度

FP2級の試験時間は、学科120分・実技90分です。

一見、「1時間以上あるなら余裕では」と思われるかもしれませんが、FP2級は3級よりも問題難易度が高いうえに計算問題・記述問題があるので、必ずしも余裕というわけではありません。

当サイトが実施したFP2級合格者へのインタビューでも、「思ったより時間が足りない」「難問に時間をかけすぎて他の問題を解く時間が少なくなった」といった、失敗談がいくつも見られました。とくに、実技試験の時間が足りなかったと答える方が多い印象です。

例えば、2025年5月のFP協会の実技では、以下の資料を確認しないと解答できない問題などが出題されています。

FP2級の実技試験模範解答その1

出典:日本FP協会「試験問題・模範解答

FP2級の実技試験模範解答その2

出典:日本FP協会「試験問題・模範解答

当然ながら、上記以外にも資料を確認するもの、具体的な計算が必要なものが計40問出題されています。実技は90分で40問なので、1問あたり約2~3分で回答しなければなりません

実際に筆者も、学科・実技ともに時間ギリギリでした。とくに実技では、最後の問題を解き終えると同時にタイムアップとなり、全体の見直しができないまま提出して肝を冷やした記憶があります。

FP2級の試験日から見る難易度

2025年4月より、FP3級に続いてFP2級の試験もCBT試験に移行しました。以前は毎年5月・9月・1月の年3回でしたが、今後は1年間通年でいつでも試験を受けられます(年末年始やシステムメンテナンス時など休止期間あり)。

CBT形式で通年受検ができるようになったことは、受検者にとっても大きなメリットです。具体的な理由は、次の通りです。

  • 記憶、モチベーション、体調がベストなタイミングで受けやすい
  • 点数がすぐに表示されるので、その場で合否を判断しやすくなる(以前は試験用紙に解答を書き込んで持ち帰り、解答速報などで確認するしかなかった)
  • 複数の会場から自宅に近いところを選べるので移動時間の負担を減らせる
  • 受検する時間帯も選べるため、仕事帰りに受ける、有給を取って平日に受けるなど柔軟なスケジュール調整が可能になる

実際に、CBT形式になった2025年4月~9月の累計合格率が、前述の通り5~10%ほど高くなっています

FP2級の受検資格から見る難易度

FP2級を受検するには、以下のいずれかの受検資格を満たす必要があります。

  • FP3級に合格している(旧試験である厚生労働省認定金融渉外技能審査3級を含む)
  • FP業務、証券会社、保険会社、不動産会社など特定の業務内容の実務経験が2年以上ある
  • 日本FP協会が認定するAFP認定研修を修了している

試験を受けるには一定の知識・経験が求められるという点では、受検ハードルは少し高くなります。

実務経験の内容は、主に「お金に関する相談業務」です。実はこの実務経験は自己申告制であるため、客観的な証言や証明書類の提出は求められていません。しかし、虚偽や不正が発覚すると、試験中止や合格取り消しになる可能性があります。

業界未経験だった筆者は、FP3級に合格してから2級にも挑戦しました。3級から学習するのは面倒だと思われるかもしれませんが、FP3級の内容は2級を学習するうえで必須になるので、遠回りではなくむしろ近道になるはずです。

「どうしても2級の学習からスタートしたい」という場合は、「AFP認定研修」を受けるのも1つの手です。「研修」と聞くと堅苦しく感じるかもしれませんが、実際は多くの民間通信講座がこの「認定研修」に含まれています。

このような通信講座を修了すれば、3級に合格していなくてもFP2級の受検資格を得ることが可能です。また、合格すればAFPとして登録できます。

FP1級・3級と比べた場合の難易度の違い

FPは、1~3級に分かれています。「3級の勉強にどれくらいかかるのか知りたい」「将来的には1級を目指したいけど、どれくらい難しいのか目安を確認したい」と考える方もいるのではないでしょうか。

FP2級と3級、およびFP1級と2級でそれぞれ比較した場合、等級が1つ上がる度に難易度が明確に上がります。

以下では、FP2級の難易度を1級と3級で比べたときの違いについて、筆者の経験1級合格者へのインタビュー結果に基づいて解説します。

FP3級との比較

FP3級は、よく「FPの入門編」レベルと言われています。合格率などを見ると、他の国家資格と比較して受かりやすい試験であることが客観的にわかります。

FP3級の主な特徴を、以下でまとめました。

  • 勉強時間は100時間前後
  • 合格率はFP協会で80~90%、きんざいで50~60%と高い
  • 出題形式は◯✕と3肢択一と2級よりも1問あたりのボリュームが少ない
  • 「名称や内容は合っているかどうか」といった法律・制度の基礎知識について問われる
  • 受検資格はなく誰でも受けられる
  • 試験はCBT形式が採用されている

筆者も3級を受検して合格しましたが、FP2級と比較して難易度が易しいのは印象を受けました。FP1級合格者の方々へのインタビューでも、「試験や実務でどのような知識が必要かを把握する入口として最適」「気軽に受けてみてもよい」と回答をされていました。

しかし、これらは「毎日学習すれば合格を目指せる」という話であり、「誰でも簡単に受かる試験」という認識は間違いなので注意しましょう。

業界未経験の筆者がFP3級の勉強を始めたときも、自分のマネーリテラシーの低さや見慣れない専門用語の多さなどに苦労したので、誰でも受かる簡単な試験だとはとても思えませんでした。「標準報酬月額」「ドル・コスト平均法」など、金融や保険関係に触れていないと耳慣れない言葉が多く登場します。

一方で、毎日勉強すれば十分に合格レベルを目指せます。むしろ2級の合格を目指すなら、3級の学習で基礎固めするのが非常に効果的だと感じています。

FP1級の比較

FP1級は、FP2級と比較してもさらに狭き門だと言われています。実際に2002年からの累計合格者数のデータ(FP協会・きんざいの合算)を見ても、2級合格者のわずか約5%に過ぎません

  • FP3級:約180万人
  • FP2級:約120万人
  • FP1級:約6万人

参照:日本FP協会「FP技能士の取得者数
参照:一般社団法人 金融財政事情研究会「ファイナンシャル・プランニング技能士資格取得状況

FP1級の主な特徴を、以下でまとめました。

  • 勉強時間はFP2級に合格した人で400~600時間
  • 合格率はFP2級取得者や実務経験者で7~18%と非常に低い
  • 2002年度からの累計合格者(FP協会・きんざい合算)が2025年9月時点で約6万人と、2級の約120万人、3級の約180万人と比較して非常に少ない
  • FP2級よりもさらに専門的な知識が問われるうえに、実技試験などでコンサルティング能力が問われる
  • 問題は午前・午後で「基礎編」「応用編」に分かれ、さらに記述式となる応用編専用の対策が不可欠になる

筆者はFP2級でも合格は大変だと感じましたが、1級について調べた際に試験範囲や解答などを見ると、一気に難易度が上昇した印象を受けました。単に知識を暗記するだけではなく、「設問の事案を具体的にどう解決するのか」という問題解決能力が試されるからです

1級に合格した方へのインタビューでも、「1級はレベルが違う」「実務経験や専門知識が豊富な人のキャリアアップ用の資格だから難しい」と回答されています。一方で、「FP1級も継続して学習すれば合格できる」「生半可な気持ちでは受からないが、取得後の信頼度は段違い」との意見もありました。

他の資格と比べた場合のFP2級の難易度を考察

FP2級と他の資格と比べた場合、難易度にどのくらいの差があるのか気になる人も多いと思います。当記事では、合格率や試験内容などを基に、FP2級と他の資格を比べた場合の難易度の違いを考察しました。

性質の異なる資格を比較する以上、人によっては「FP2級のほうが難しかった・簡単だった」と感じるケースもあります。あくまで参考程度にご覧ください。

簿記2級との比較

FP2級の比較対象によくされるのが、日本商工会議所および各地商工会議所が主催する「簿記2級(日商簿記検定2級)」です。どちらもお金に関する知識を問われる検定ですが、試験内容は大きく異なります。

簿記2級の試験では、「資産・負債・純資産・収益・費用の5つに関する仕訳」「連結会計」「原価計算」など、経理・経営関係の実務に沿った問題が出題されます。暗記問題はほとんどなく、「会計ルールを把握したうえで数値の計算や財務諸表の作成ができるか」を問う試験です。

簿記2級の合格率は、CBT形式のネット試験と統一試験を合わせて20~30%です。ネット試験では、合格率が30~40%とやや高くなっています。いずれにおいても、簿記2級のほうが合格率は低くなっています。

また、必要な勉強時間は250~350時間と言われており、FP2級よりも若干長い傾向が見られます。

とはいえ、FP2級と簿記2級のどちらの難易度が高いと感じるかは個人差が大きいです。法律用語や暗記が苦手ならFP2級、計算問題や数字が苦手なら簿記2級のほうが難しく感じるでしょう。

筆者は簿記2級とFP2級の両方を保有していますが、暗記が得意だったのでFP2級のほうが学習はスムーズでした。

宅建との比較

不動産業界の有名資格である「宅建(宅地建物取引士)」は、FP2級とのダブルライセンスとしても非常に人気です。

宅建の試験では、「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税・その他」の4分野から出題され、FP2級の不動産分野よりも遥かに深い知識が問われます。

宅建の合格率は、毎年15~18%です。FP2級や簿記2級と異なり、受験者全体の成績を見て合格ラインを変動させる「相対評価方式」が採用されています。そのため、「何点取ったら合格」という明確な基準がありません。

合格に必要な勉強時間は300~400時間と言われていますが、これまで不動産や法律関係に触れてこなかった場合、600時間以上かかることも珍しくありません。

合格率や試験範囲、勉強時間などを総合的に考えると、一般的には宅建のほうがFP2級よりも難しいと判断できるでしょう

しかし、宅建とFP2級は試験範囲が被っているところがあるので、FP2級に合格した後に宅建に挑むのは効率的です。宅建の合格を目指す方も、まずはFP2級の学習から始めるのもおすすめです。

行政書士や社会保険労務士など士業との比較

FP2級とのダブルライセンスとして、行政書士や社会保険労務士などの士業も挙げられます。

結論から言えば、FP2級よりも行政書士や社会保険労務士のほうが圧倒的に難しいとの見方が強いです。士業の試験は試験範囲の広さもさることながら、条文の解釈・判例の学習や、記述問題の解答が求められるからです。弁護士、司法書士、不動産鑑定士などは、さらに難しいと言われています。

合格率も、行政書士が12~14%、社会保険労務士に至っては6~7%とFP2級よりも低く推移しています。学習時間も800~1,500時間と、1年以上の長期学習を視野に入れたスケジュールが必要になるでしょう。

上記の資格を目指す場合は、FP2級で「学ぶ習慣」と「基礎法律知識」を身につけるのも1つの手です。とくに社会保険労務士で出題される社会保険の問題などは、FP2級でも基本部分を学習できます。

FP2級は独学で合格を目指せる!合格者が勉強方法を解説

FP2級は、独学でも十分に合格を目指せます。実際に筆者も、独学でFP2級に合格しました。ここからは、筆者の経験談を基に、FP2級の学習方法を解説します。

過去問演習を中心に勉強する

FP2級の学習は、他の国家資格などと同じく過去問演習が非常に効果的です。筆者が合格したときも、8割以上は過去問を中心とした問題演習に費やしました。

過去問演習中心の学習のメリットは、次の通りです。

  • FP2級は過去問の類似問題がよく出題される
  • 数年分の過去問題を解けば出題傾向が見えてくる
  • 問題文・解説文を読み込めば、用語の暗記や制度の概要などについてのインプット学習も並行できる

現在は、民間の問題集やスマートフォンのアプリなどを活用すれば、手軽に過去問に挑戦できます。学習方法に迷った場合は、過去問演習中心に取り組むことをおすすめします。

ただし、勉強の比率を100%過去問のみにするのは避けたほうが無難です。学習を進めると、問題文や解説文の解説だけでは理解できない箇所が必ず出てくるからです。

インプット用のテキストや動画教材を、1つは準備しておくとよいでしょう。

わからないところがあれば3級の復習をする

学習を進めていると、解説を読んでも「なぜそうなるのか」と理解できない壁にぶつかることがあります。 そういった場合は、思い切って「3級の復習」に戻ってみるのもよいでしょう。

2級の問題を解いていると、「本当に3級の知識が役に立っているのか」と疑問に思う瞬間が出てくると思います。しかし、2級の問題はよく読めば3級の基礎知識に肉付けしたものも少なくありません

実は、3級の基礎知識が身についていれば、案外簡単に解ける問題が数多くあります。

筆者が2級の勉強で壁にぶつかったときも、3級のテキストと過去問で勉強し直してから再び挑んだら、スルスルと頭に入ってきたという経験が何度もありました。基礎固めこそが、結果的に最短の合格ルートになると筆者は考えています。

確実な合格を目指すならFP2級の通信講座を利用するのも手

FP2級は独学で学習する方も多いですが、個人的には通信講座を利用した学習もおすすめです。筆者も、独学でFP2級や他の資格を取得した際に苦労した経験から、その後の簿記2級は通信講座を利用してスムーズに合格しました。

FP2級の通信講座を利用するメリットは、主に次の通りです。

  • 現役講師や有識者が監修したカリキュラムで体系的に学習できる
  • AFP認定研修に指定された通信講座なら、3級を経ずにいきなり2級を受検できる
  • 独学よりも勉強時間を短縮しやすい
  • わからないところがあれば講師に質問ができる

民間のFP2級通信講座利用経験者100名に実施したアンケートによると、「通信講座を利用してよかった」と回答した方が93人でした。また、スタディングやクレアールなどの大手資格学校の満足度を見ても、90%を超えるところがほとんどを占めています。

以上のことから、確実な合格を目指すならFP2級の通信講座を利用するのも1つの手と言えるでしょう。

以下では、FP2級の通信講座をいくつか紹介します。

スタディング|受講料の安さを求める人向け

引用元:スタディング

価格2級:29,700円(FP2級合格コース)
3級:4,950円(FP3級合格コース)
3級・2級コース:31,900円
対応している級2級・3級
合格数・合格率2024年の合格報告700件以上
サポート体制・教材がスマートフォンに対応
・学習の進捗管理をAIがサポート
キャンペーンや合格返金制度割引キャンペーン:スタンディング学割(全講座20%オフ)
合格制度:Amazonギフト券進呈(500円〜3,000円分)
公式サイトhttps://studying.jp/fp/

スタディング」は、FP以外にもさまざまな資格の通信講座を提供しています。FPについては、2級と3級向けの講座が用意されており、2024年における合格者数は700人を超えています。

スタディングの特徴としては、受講料の安さが挙げられます。一般的にFPの通信講座の費用相場は3級なら5,000円〜6万円程度、2級なら3万円〜10万円以上と言われており、スタディングのFP通信講座はこの相場よりも受講料が低く設定されています。

また、スマートフォン1つでFPの勉強を進められるのも特徴です。電車などでの移動中や外出先であっても、スキマ時間を活用してFPの勉強ができるため、普段は仕事や学業で忙しい人にもおすすめの通信講座と言えます。

スタディングでは割と頻繁に10~20%OFFのキャンペーンを実施しているので、上記の価格よりもさらに安くなる可能性が高いです。申し込みから利用までも簡単に進められるので、コストパフォーマンスの高さを含めておすすめの通信講座と言えます。

クレアール|わからないことは何度も相談できるサポート体制

クレアールFP2級

引用元:クレアール

価格2級:44,000円(FP技能士2級合格コース)3級:11,000円(FP技能士3級合格コース)3級・2級:49,500円(FP技能士2・3級セット合格コース)
対応している級2級・3級
合格数・合格率-(FPの通信講座においては不明)
サポート体制・何度でも講師に相談できる
キャンペーンや合格返金制度割引キャンペーン:20%割引キャンペーン合格制度:ー
公式サイトhttps://www.crear-ac.co.jp/fp/

クレアール」は、資格指導歴が55年あるWeb専用の通信スクールです。FP資格の2級と3級の試験に対応しており、合格に必要とされている範囲に絞って効率よく勉強ができる特徴があります。

また、クレアールの特徴としては、わからないことを何度でも講師に相談できる点が挙げられます。

テキストや講座動画でFPの勉強を進める際には、理解が追いつかずにわからないことも出てくるかもしれません。その際には、相談をすることで講師から指導を受けられるため、わからないことがあってもすぐに対応できるのもクレアールの魅力です。

また、スキマ時間学習に特化したクレアールの独自機能「CROSS STUDY」なら、あなたオリジナルの問題集の作成や理解度・進捗に応じた問題のレコメンドによって、より効率的な学習が可能になります。

筆者も市販テキストで復習するとき、苦手な問題にチェックを入れたり当該ページを探し直したりなどの手間が気になることがあります。クレアールのFP通信講座なら、自分に合った復習にすぐ取り組みやすいのが大きなメリットです。

ユーキャン|初心者がつまずきやすいポイントもわかりやすく教えてもらえる

ユーキャンFP2級

引用元:ユーキャン

価格2級・3級:64,000円(ファイナンシャルプランナー講座)
対応している級2級・3級
合格数・合格率過去10年間で16,145名の合格者
サポート体制・何度でも相談可能・提出した課題を講師から添削をしてもらえる
キャンペーンや合格返金制度
公式サイトhttps://www.u-can.co.jp/

ユーキャン」は、FP以外にも幅広い分野の通信講座を提供している通信スクールです。FP資格に関していえば、過去10年間で16,145名の合格者を輩出している実績があります。

ユーキャンのFP通信講座では、「何度でも相談可能」「提出した課題を講師から添削をしてもらえる」といったサポートを受けられます。わからないことがあれば相談が可能なうえに、仮に誤った認識があっても課題添削によって訂正しつつFPの勉強を進めることが可能です。

また、ユーキャンでは使いやすさにこだわった「スマホ学習(デジタルサポート)」の機能が充実しています。「紙テキストの内容をスマホで読めるデジタルテキスト」「正答率や回答日時に応じた学習すべき問題の洗い出し機能」「わかりやすい語呂合わせや難用語の解説など熟練講師のノウハウが凝縮した動画コンテンツ」などのおかげで、初学者でも1からしっかり学習できます。

知名度や合格者輩出実績から判断しても、安心して申し込みやすい通信講座と言えるでしょう。「どの通信講座にしたらよいのか迷っている」という方なら、まずはユーキャンを検討してみてはいかがでしょうか。

FP2級の試験に関するよくある質問

FP協会ときんざいの実技試験の違いについて詳しく教えていただけますか?

FP協会の実技試験は、「資産設計提案業務」です。FPの6科目について、実務的な内容や計算問題が出題されます。

きんざいの実技試験は、4種類のなかから選択します。個人資産相談業務は資産設計提案業務と似たような範囲ですが、残り3つは特定の分野に絞られており、より専門的な問題が出題されます。

・個人資産相談業務:個人顧客のニーズおよび問題点の把握、解決策の検討・分析など
・中小事業主資産相談業務:中小事業主の相談にフォーカスした問題
・生保顧客資産相談業務:生保顧客の相談にフォーカスした問題
・損保顧客資産相談業務:損保顧客の相談にフォーカスした問題

FP2級試験の受検料や必要なものは何ですか?

FP2級の受検料は、次の通りです。

・学科試験と実技試験:1万1,700円(キャンセル料1,287円)
・学科試験:5,700円(キャンセル料1,100円)
・実技試験:6,000円(キャンセル料1,100円)

上記に加えて、別途事務手数料や振込手数料がかかる場合があります。

申し込みの際には、「FP3級の合格書」や「AFP認定研修の受検者番号」など、受検資格を証明するものを準備しておきましょう。実務経験については、受検申請時に勤務先名や経験年月を入力すれば問題ありません。

一度取得すれば一生更新は必要ありませんか?

FP2級資格は、一度取得すれば更新の必要はありません。一方で、AFPやCFPは2年ごとの更新が必要です。

FP2級を取得するメリットは何ですか?

合格者が感じる、FP2級を取得するメリットは次の通りです。

・社会保険、生命保険、資産運用、税金などプライベートでも役立つ知識が身につく
・単体でも履歴書に書くと就職・転職時に評価されやすい
・宅建や社会保険労務士など学習範囲が重複する資格の学習の足がかりになる

まとめ

FP2級は、合格率が約50%、勉強時間は150~300時間程度であり、国家資格の中では「難関とは言えないが、数か月の継続学習なしでは合格できないレベル」の難易度です。学習範囲や出題傾向をしっかりと把握したうえで、学習を計画的に進めましょう。

独学でも合格を目指せますが、通信講座を利用すればより効率的に勉強できます。AFP認定研修を修了すれば2級から受検できるため、最短ルートで合格を目指したい方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。

当サイトでは、おすすめのFP通信講座も紹介しています。ぜひそちらも参考にしてください。

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