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一級建築士通信講座おすすめを厳選!費用やサポートの比較表や合格者のインタビューも紹介

2025.12.08

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最終更新日: 2025.12.12

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一級建築士試験は、建築計画・環境設備・法規・構造・施工の5科目に加え、設計製図試験も課される、日本でも屈指の難関資格です。学科だけでも膨大な範囲を体系的に理解する必要があり、さらに製図では計画力・図面作成力・思考力が同時に求められます。

そのため、多くの受験生にとって「効率的に学べる環境をどう整えるか」が合否を大きく左右します。

そこで注目されているのが、場所や時間を選ばず学習できる通信講座です。近年はオンライン教材の質が大きく向上しており、学科の基礎から製図添削まで幅広くサポートする講座も増えています。通学が難しい社会人受験者にとって、通信講座は有力な選択肢となっています。

当記事では、独自に定めた選定基準をもとに、その基準を満たした一級建築士通信講座のおすすめを厳選して紹介しています。まずは一級建築士通信講座の特徴を一覧にまとめましたので、講座選びの参考にしてみてください。

資格の学校TAC体系化されたカリキュラムで学習内容を事前に把握しやすい教材・講義内容・合格者の声が豊富に紹介され学習過程をイメージしやすい
スタディングスマホ中心の効率的なオンライン学習がイメージしやすい講座
日建学院講義内容と教材の構成が詳しく紹介されており自宅学習をイメージしやすい
全日本建築士会実務に関連する内容が紹介されている通信講座
総合資格学院教材・講義内容・合格者の声が豊富に紹介され学習過程をイメージしやすい

目次

一級建築士通信講座のおすすめ!選定基準を満たした講座を紹介

一級建築士通信講座には様々な種類があるうえに数が多いことから、「結局どれを選べばいいのか分からない」と迷ってしまうこともあるでしょう。

そこで、ここからは当サイトがおすすめする一級建築士通信講座を紹介していきます。数ある一級建築士通信講座のなかから、独自の選定基準を満たした通信講座を紹介していきます。

□選定基準

  • 合格実績や合格者の声が公式に公開されているか
  • カリキュラムや教材内容が事前に確認できるか
  • 質問対応・添削サービスの仕組みが明示されているか
  • 動画講義・教材形式など、オンライン学習環境に関する説明があるか
  • 教材更新や改訂方針の説明があるか
  • 課題数・添削の有無などの製図対策の内容が明記されているか

資格の学校TAC|体系化されたカリキュラムで学習内容を事前に把握しやすい

資格の学校TACは大手資格予備校として知られており、一級建築士向け講座でも学科・製図の両方について体系的なカリキュラムが紹介されています。

とくに学科対策では、過去問分析に基づいた講義構成や演習量の多い学習プランが案内されており、受講前に全体像をイメージしやすい点が特徴です。

公式サイトには合格者の声が多数掲載されており、実際の学習方法や活用例を具体的に知ることができます。質問対応や添削サービスについても説明があり、通信講座でもサポートを受けながら進められる環境が案内されています。

製図対策では、課題内容・添削の流れが公開されており、どのような準備を行うのかを把握しやすい構成です。

価格一級 学科本科生:429,000円
一級建築士 上級学科本科生:297,000円
※その他コースの料金は公式サイトを参照ください
合格数・合格率令和6年合格率:86.3%
公式サイト資格の学校TAC公式サイト

スタディング|スマホ中心の効率的なオンライン学習がイメージしやすい講座

スタディングはオンライン学習に適した環境が整えられている点が公式サイトで紹介されています。実際の画面イメージや学習システムの説明が公開されているため、受講前にどのように学習を進めるかを具体的にイメージしやすい構成です。

教材は短時間でも学びやすい設計が案内されており、スキマ時間中心で学びたい人にとって検討しやすい情報が提供されています。合格者の声も掲載されており、実際の活用例を参考にできます。

製図対策の対応範囲も公開されているため、オンライン型でどこまで準備できるか比較しやすい講座です。

価格1級建築士学科・製図総合コース[2026年合格目標]:99,000円
1級建築士学科対策コース[2026年合格目標]:88,900円
※その他コースの料金は公式サイトを参照ください
合格数・合格率合格者の声の掲載あり
公式サイトスタディング公式サイト

日建学院|講義内容と教材の構成が詳しく紹介されており自宅学習をイメージしやすい

日建学院の通信講座では、学科・製図それぞれの講義構成や教材内容が丁寧に紹介されており、受講前に学習の流れを把握しやすくなっています。動画講義の形式や教材の特長も案内されており、通信でも対面に近い形で学習できるよう工夫されている点が確認できます。

質問対応や添削サービスについても説明があり、通信環境でどのようなサポートを受けられるか事前に理解しやすい構成です。製図対策では課題内容や添削の流れが公開されており、受講後の学習イメージをつかみやすい講座です。

価格学科スーパー本科コース:790,000円
※その他コースの料金は公式サイトを参照ください
合格数・合格率平成元年〜令和6年までの合格者累計:97,738名
公式サイト日建学院公式サイト

全日本建築士会|実務に関連する内容が紹介されている通信講座

全日本建築士会では、教材内容やカリキュラムの流れが公式サイトで紹介されており、建築の実務につながる視点も踏まえながら学習できる構成が案内されています。受講前に学習範囲が明確に確認できるため、計画的に学びたい人にとって比較検討しやすい内容が整っています。

質問対応や添削サービスに関する説明もあり、通信でも必要なサポートを受けられる環境が紹介されています。製図試験対策についても、課題内容や添削の流れなどが案内されており、試験に向けた学習イメージをつかみやすい講座です。

価格スーパープログラム 総合コース:224,000円
※その他コースの料金は公式サイトを参照ください
合格数・合格率令和7年度 学科試験合格率:85.7%
令和6年度 設計製図受験講座受講生 合格率:87.2%
公式サイト全日本建築士会公式サイト

総合資格学院|教材・講義内容・合格者の声が豊富に紹介され学習過程をイメージしやすい

総合資格学院では、講義内容や教材構成、学習の進め方などが詳しく紹介されており、受講前に学習イメージを具体的に持ちやすい情報が公開されています。合格者の声や学習事例も複数掲載されており、どのような学習を行ったかのイメージを掴むのに役立つ内容が揃っています。

質問対応や添削サービスなど、通信学習でのサポート体制についても説明があり、受講前に確認できます。製図対策では課題数や添削の流れの情報が公開されており、試験準備に必要なプロセスを把握しやすい講座です。

価格1級建築士合格必勝WEB(+LIVE)コース:1,090,000円
※その他コースの料金は公式サイトを参照ください
合格数・合格率令和6年度 1級建築士設計製図試験 全国合格者占有率:58.7%
公式サイト総合資格学院公式サイト

一級建築士通信講座のおすすめを比較!費用・サポート内容・合格実績の一覧表

ここでは、当記事で紹介した一級建築士通信講座のおすすめの比較表を解説していきます。「どれが自分に合っているか」を判断する際にはぜひ参考にしてみてください。

講座名費用サポート内容合格実績
資格の学校TAC・学科本科生:429,000円
・上級学科本科生:297,000円
・質問対応あり
・添削サービスの説明あり
・製図課題・添削の流れを公開
・令和6年合格率:86.3%
スタディング・学科・製図総合:99,000円
・学科対策:88,900円
・オンライン学習システム公開
・学習画面デモあり
・製図対策の内容が公開
・合格者の声を掲載
日建学院・学科スーパー本科:790,000円・動画講義の形式説明あり
・質問対応の案内あり
・製図課題・添削の流れ公開
・平成元年〜令和6年累計:97,738名
全日本建築士会・総合コース:224,000円・質問対応・添削あり
・教材内容・カリキュラム公開
・製図対策の内容公開
・令和7年度 学科合格率:85.7%
・令和6年度 製図合格率:87.2%
総合資格学院・WEB(+LIVE)コース:1,090,000円・質問対応あり・添削サービスの説明あり
・製図課題数・流れを公開
・令和6年度製図試験 全国占有率:58.7%

一覧表を見ると、一級建築士通信講座ごとに費用帯・サポート内容・公表されている合格実績が大きく異なることがわかります。

費用を重視したい場合はスタディング、サポート体制や学習環境の情報を事前にしっかり確認したい場合は、資格の学校TAC・日建学院・総合資格学院のように公開情報が多い講座 が選択肢に入りやすいでしょう。

また、製図試験対策は講座ごとに公開されている情報量に差があるため、どの程度添削や課題提供が受けられるかを比較することが、ミスマッチを避けるうえで重要です。

通信講座選びでは費用だけでなく、「どこまでの情報が公開されているか」「サポート体制を事前に確認できるか」「自分の学習スタイルに合うか」といった観点もあわせて比較すると、より目的に合った講座を選びやすくなります。

一級建築士通信講座の選び方

一級建築士試験は、学科(計画・環境設備・法規・構造・施工)に加えて、設計製図試験まで突破する必要があります。そのため、通信講座を選ぶ際には「価格」だけで比較してしまうと、製図フェーズで十分な対策ができず不合格につながるケースが少なくありません。

ここからは、一級建築士通信講座の選び方について、それぞれ解説していきます。

  • 講師が建築士資格保有者・実務経験者かどうか
  • 学科と製図を一貫して学べるカリキュラムになっているか
  • 質問対応・添削などのサポートが明確に公開されているか
  • 教材・講義が最新版の建築基準法・関連法規に対応しているか
  • 製図試験対策の内容が事前に確認できるか

講師が建築士資格保有者・実務経験者かどうか

学科試験は暗記中心と思われがちですが、実際には法規や構造など、実務での理解があるかどうかで学習速度が大きく変わります。たとえば、以下のような「実務ならではの視点」があるかで、講義の質が大きく変わります。

  • 構造計算でなぜその応力になるのかがイメージできる説明
  • 設備の配管ルートを前提にした施工で起きやすい問題の解説
  • 法規で実際の確認申請で指摘されやすいポイントを踏まえた説明

このような説明ができる講師は、建築士資格の保有や実務経験があるケースが多いため、講師プロフィールが公開されているかどうかが選ぶ際の大きな判断材料になります。

学科と製図を一貫して学べるカリキュラムになっているか

一級建築士試験の大きな特徴は、学科と製図のつながりが非常に強いことです。たとえば製図試験では、構造・法規・設備の知識を総動員して図面を組み立てます。

よくある失敗として、下記のようなケースがあります。

  • 学科合格後に製図の勉強を始めたが、構造が理解できておらず手が動かない
  • 法規理解が浅く、課題文の読み取りが遅い
  • 設備の基本知識が弱く、要求室のゾーニングが組めない

そのため通信講座は、「学科→ 製図が自然に接続するようなカリキュラム設計」になっているかどうかが非常に重要です。学科と製図を別々に扱うと、製図開始時に学科の復習からやり直すことになり、結果として合格が1年伸びるケースも多いからです。

質問対応・添削などのサポートが明確に公開されているか

一級建築士通信講座において、質問対応と添削は学習が続くかどうかに直結します。

特に一級建築士試験は、下記のようなつまずきやすいポイントが多い試験です。

  • 構造計算のどこで間違っているのかわからない
  • 設備が苦手で手が止まる
  • 製図のエスキスが迷走する
  • 記述が何を書けばよいかわからない

そのため、以下が公式に明示されているか必ず確認すべきです。

  • 質問の方法(メール・Web・掲示板など)
  • 質問の返答スピード
  • 添削回数
  • どのレベルまで添削されるか(図面の赤入れ、記述の論理構成指導など)

とくに製図試験では添削の質が合否を左右します。添削の実例や指導方針が公開されている講座は信頼性が高いと言えます。

教材・講義が最新版の建築基準法・関連法規に対応しているか

一級建築士試験は「法改正の影響をもっとも強く受ける資格試験」の1つです。実務でも法改正の影響は大きく、「去年までの基準で覚えていた内容が今年は通用しない」ということがよくあります。

例えば「省エネ基準の改正」「避難規定の見直し」「構造計算の細かな基準の変更」などの変化はそのまま試験問題に反映されます。そのため、一級建築士通信講座を選ぶ際には、公式サイトで下記が公表されているかを確認しておくことも大切です。

  • 教材がどのタイミングで更新されるか
  • 法改正を反映した補講があるか
  • 最新年度向け教材であるか

製図試験対策の内容が事前に確認できるか

製図試験は一級建築士試験の本丸であり、多くの受験生が苦手と感じやすい「図面作成・エスキス・記述」の総合力が問われます。

通信講座では特に内容差が大きいため、以下が公開されているかは必ず確認すべきです。

  • 課題数(最低でも10課題以上あると理想)
  • 添削でどこまで直してくれるか
  • 記述問題の指導内容
  • 過去問へのアプローチ方法
  • エスキス手順の動画や解説の有無
  • 作図スピードを上げるための指導の有無

製図試験は「慣れ」と「修正力」が重要なので、通信講座でも実務に近いレベルで添削してくれるかどうかが勝負です。

一級建築士通信講座を利用するメリット

一級建築士試験は、建築計画・環境工学・法規・構造・施工といった幅広い専門分野を横断的に問う国家試験であり、さらに設計製図試験では建築的な思考力と図面作成能力まで求められます。

「独学で挑戦する」という選択肢もありますが、学科の内容は専門性が高く、製図では採点基準が公開されていないうえ、図面のどこが減点となるのか自分では判断しにくく、多くの受験生がどこかで行き詰まりやすいのが実情です。

通信講座は、こうした一級建築士試験特有の難しさを乗り越えるために、「学習効率を高める仕組み」と「合格に必要な添削・指導」を提供するものです。独学では身につけにくい部分を補えるため、一級建築士通信講座を利用する主なメリットとしては、次のような点が挙げられます。

  • 膨大な試験範囲を整理しながら勉強できる
  • 講師による理解しやすい解説で苦手分野の学習も効率よく進められる
  • 迷わずに製図試験対策を進められる
  • 質問・添削サポートで理解のズレを防げる
  • 最新の建築基準法・法改正に対応した学習ができる

膨大な試験範囲を整理しながら勉強できる

一級建築士試験の学科は、計画・環境設備・法規・構造・施工と広範囲にわたるため、独学だと「どこから手をつけるべきか」「どこを重点的に学ぶべきか」が分からないまま時間だけが過ぎてしまう受験生が少なくありません。

特に構造と法規は学習範囲が広く、過去問だけに頼ると重要項目が抜け落ちたり、効率の悪い順序で学習したりしてしまうケースが多い試験です。

一級建築士通信講座では、過去の出題傾向を踏まえて「出るところ」を優先したカリキュラムが設定されており、初学者でも学ぶ順序に迷わず進められます。

また、受験生がつまずきやすいポイントを事前に整理してくれているため、独学よりも早い段階で全体像がつかめるのが大きな利点です。

法規なら覚えるべき条文の優先度、構造なら計算問題と概念理解のバランス、設備なら頻出の基準値など、押さえるべき範囲がクリアになることで学習効率が大きく向上します。

講師による理解しやすい解説で苦手分野の学習も効率よく進められる

一級建築士試験は、ただ暗記していても解けない問題が多く、特に構造や設備では「考え方が理解できていないと手が止まる」ことがよくあります。

独学者の典型的なつまずきとして、荷重の流れをイメージできずに計算式だけを覚えようとしてしまったり、設備の経路や換気計算の背景を理解しないまま暗記中心で進めてしまったりするケースが挙げられます。

通信講座では専門講師による解説を受けられ、暗記では突破できない部分も理解しやすくなります。

たとえば構造なら「梁の曲げモーメントがどう発生するか」「ラーメン構造と壁式構造の応力の違い」などを図や実例を使って解説してくれるため、計算問題の裏側にある仕組みがつかみやすくなります。

法規であれば、条文の読み方や「実務ではこう考える」という具体的な視点が得られ、試験対応力だけでなく実務にもつながる理解が進みます。

迷わずに製図試験対策を進められる

製図試験は一級建築士試験の中でも特に差がつく分野で、独学では「何から始めればよいか分からない」という声が非常に多い領域です。

毎年テーマや要求室が大きく異なるため、過去問だけでは対応しきれず、エスキスの進め方が毎回変わってしまう受験生が多発します。また、要求室のゾーニング、動線計画、階段・EVの位置計画など、初学者が苦手とするポイントが複数あるため、独力での対策は難易度が高い試験です。

一級建築士通信講座では、製図の基礎となるエスキスの手順や図面のまとめ方が段階的に説明され、課題演習と添削を通じて弱点を少しずつ修正できます。

多くの受講生がつまずきやすい「配置計画の読み取り」「記述の一貫性」といったポイントも、講師から具体的に指摘を受けられるため、早い段階から正しい方向で訓練を積むことが可能です。

特に独学では気づきづらい毎回同じミスを繰り返すクセを改善できる点は非常に大きなメリットです。

質問・添削サポートで理解のズレを防げる

一級建築士試験では、学科・製図ともに「分かったつもり」のまま学習を続けてしまうケースが非常に多く、これが独学受験生が合格できない大きな原因のひとつと言われています。

特に法規・構造・製図の3分野は、受験生が自分では気づきにくい理解のズレが頻出する領域です。

たとえば法規では、条文の読み方を誤って「原則と例外の関係」を逆に覚えてしまうケースがあり、確認申請の実務でも指摘されやすいポイントです。

構造では、荷重の流れや断面力の考え方が曖昧なまま公式だけを覚えてしまい、計算途中で方向を間違えるケースがよく見られます。設備・環境でも、換気量や空調方式の考え方が整理できず、計算問題の根拠が不明確になることが多いです。

製図試験では、さらに誤りが顕著です。要求室の関係性の読み取り、ゾーニングの順序、構造計画の整合性、動線の取り方などに毎回違うクセが出てしまい、受験生自身は気づかないまま合格レベルから離れていくことが少なくありません。

通信講座の質問・添削サポートは、このような知らないまま積み上がるミスを早い段階で修正できる点が大きな利点です。

法規なら条文のどこを根拠に考えるべきか、構造なら計算過程のどこが誤りなのか、製図ならエスキスの最初の判断がどこで狂ったのか、といった部分を講師が具体的に示してくれるため、自己流のまま進んでしまうリスクを避けられます。

最新の建築基準法・法改正に対応した学習ができる

一級建築士試験では、建築基準法の改正や省エネ基準の見直しなどがその年の出題に大きく影響します。独学者が陥りやすい失敗のひとつに、「去年の教材や古い参考書を使ってしまい、重要な改正点を見落とす」というケースがあり、特に法規分野では致命的な減点につながります。

通信講座では、最新の法改正が教材や講義に反映され、重要な変更点だけを整理した補講や資料が提供されるため、常に最新の内容で学習できます。

たとえば避難規定の見直し、エネルギー関連の基準変更、構造基準の細かな調整など、受験生が自力で追いにくい情報もまとめて入手できるため、独学よりもはるかに試験に直結する学習がしやすくなります。

一級建築士試験の合格率や難易度

一級建築士は、建築分野の中でも上位に位置づけられる国家資格であり、設計や工事監理を行ううえで不可欠な専門資格として広く認知されています。建築実務に携わる多くの技術者が挑戦しているものの、試験の難易度は非常に高く、長期間にわたり継続的に学習できるかどうかが合否を大きく左右します。

試験は「学科試験」と「設計製図試験」の二段階で構成されており、どちらも高度な専門性が求められます。学科では計画・環境設備・法規・構造・施工の5科目すべてに一定以上の理解が必要で、暗記だけでは対応できない問題が多く含まれています。

特に法規は条文の読み違いが起きやすく、構造は力の流れや基礎概念を理解していないと計算でつまずく受験生が多いのが特徴です。環境設備でも換気量や空調方式など、実務的なイメージが不足していると正しい判断がしづらく、学科の段階から専門性が求められます。

学科試験の合格率は年度によって多少の差はあるものの概ね10〜15%前後で推移しており、受験者数の多さに対して合格者はごく一部に限られます。

さらに学科試験に合格しても、続く設計製図試験で不合格となるケースも多く、最終合格率は概ね10%未満にとどまる年度が一般的です。

製図試験では、条件の読み取り、エスキスの手順、構造計画、動線計画、記述の整合性まで総合的な力が求められ、図面の仕上がりだけではなく、計画の意図や安全性を文章で説明する力まで必要になります。

こうした多面的な能力が要求される点が、一級建築士試験の大きな特性といえます。

一級建築士試験の難易度が高い理由は、単に問題が難しいというだけではありません。試験そのものの構造が合格率を押し下げる要因になっており、特に次の点が受験生を苦しめやすいポイントとして知られています。

試験範囲が極めて広い計画・環境設備・法規・構造・施工という5科目を横断的に学ぶ必要があり、独学では優先順位を誤りやすい。法規では条文の読み違い、構造では力の流れの理解不足など、誤った学習を積み重ねてしまう受験生が多い。
製図試験で総合的な判断力が求められる条件整理、ゾーニング、構造・設備の整合、記述の一貫性など多くの能力を同時に使う必要がある。学科合格者でも、エスキスの方向性が毎回ぶれる、要求室の関係が整理できないなど典型的失敗が起こりやすい。
法改正・基準変更の影響が大きい建築基準法や省エネ基準の改正は頻繁に行われ、試験にも即反映される。古い知識のまま勉強すると得点が伸びにくく、独学では重要な改正点を見落とすリスクが高い。
学習期間が長期化しやすい学科・製図の両方に対応する必要があり、仕事と両立する受験生が多いため計画が破綻しやすい。実際には1〜3年の長期戦になるケースが多く、独学だと挫折が増えやすい。
知識量だけで合格は難しい製図試験では知識をどう使い、どうまとめるかという思考力が得点を左右する。暗記中心で学科を突破した受験生が製図で苦戦する原因にもなっている。

このように、一級建築士試験は知識の広さと応用力の深さの両方が求められるため、他資格と比べても難易度が高いといわれています。

合格までに1〜3年かかる受験生も多く、仕事と両立しながら取り組む人にとっては学習時間の確保も大きな課題になります。試験制度そのものが厳しく設計されているため、計画的な学習環境を整えられるかどうかが、最終的な合否を左右する試験といえます。

一級建築士試験に合格した人へのアンケート!学習時間や勉強方法のアンケート結果

一級建築士試験は長期間の学習になりやすく、効率よく学習を進めることが大切です。そこで実際に合格を果たした人たちは、どのくらいの期間・時間をかけて学習をしていたのでしょうか。

当サイトでは、実際に一級建築士試験に合格した人へのアンケートを行いました。具体的には計23人の方に下記の質問に回答してもらいました。

  • 一級建築士試験に合格するまで何年かかりましたか?
  • 一級建築士試験に合格するまでの学習時間はどれくらいですか?

実施したアンケートについて

  • アンケート方法:インターネットアンケート
  • 集計期間:2025年11月2日〜2025年12月5日
  • アンケート回答人数:23人

一級建築士試験に合格するまで何年かかりましたか?

実際に一級建築士試験に合格した人に、「一級建築士試験に合格するまで何年かかりましたか?」とアンケートをとったところ、下記の結果になりました。

今回のアンケートで最も多かったのは「3年」と回答した人で、全体の3分の1を占めました。

一級建築士試験は、学科・製図の両方に対応する必要があるため、1年で合格する人は限られ、2〜3年を中心とした中期的な学習期間が一般的な傾向となっています。

また、製図試験で不合格となり学科試験からやり直すケースも多く、複数年の受験経験を経て合格にたどり着く人も少なくありません。

一級建築士試験に合格するまでの学習時間はどれくらいですか?

実際に一級建築士試験に合格した人に、「一級建築士試験に合格するまでの学習時間はどれくらいですか?」とアンケートをとったところ、下記の結果になりました。

全体の約4割が「1,200〜1,500時間」と回答しており、学科・製図を合わせて1,300時間前後がひとつの目安といえます。特に構造・設備が苦手な受験生ほど学習に時間を要する傾向があり、製図試験ではエスキスの確立や作図スピード向上にさらに時間がかかるケースもあります。

また、社会人であれば平日は1〜2時間、休日にまとめて学習するといった形が多かったため、合格者の生活に合わせた積み上げ型の学習が結果に反映されています。

一級建築士試験に合格した人へのインタビュー

当サイトでは、記事作成にあたって「通信講座を活用して合格した」「独学で合格した」という計6名の方にインタビューを実施しました。

実際に試験合格した人の意見は、これから試験に臨む人にとって参考になることがあるはずです。ここからは、インタビュー内容を紹介していきます。

通信講座を活用して一級建築士試験に合格した人へのインタビュー

一級建築士試験の学習で効果を感じた勉強法はありますか?

Aさん(30代・設計事務所勤務)

構造がとにかく苦手だったんですが、通信講座の構造の基礎だけを集中的にまとめた講義を1.5倍速で何度も見返したのが効きました。
現場で日常的に扱わない分野は、独学だと理解が浅くなりやすいんですよね。動画なら、あれ、ここのせん断応力度の流れが分からないと思った瞬間に戻れるので、理解しやすかったです。

Bさん(20代・ゼネコン勤務)

法規は通勤電車でスマホ学習をしていました。特に、講師がなぜその条文が存在するのかまで説明してくれたのが大きかったです。
独学だとただ暗記して終わってしまうんですが、一級建築士試験では例外・適用条件で揺さぶられるので、根拠まで押さえる必要があります。

Cさん(40代・転職希望)

過去問講義がありがたかったですね。出題者が何を問いたいのかを解説してくれるので、同じテーマでも切り口が変わる理由が分かるようになりました。
独学の頃はただ問題を解いて終わっていたので、応用問題になると太刀打ちできませんでした。

一級建築士試験の学習で苦労したことは何ですか?

Aさん(30代・設計事務所勤務)

製図の時間配分が一番キツかったです。実務では図面を丁寧に描く癖がついているので、最初は正確に描こうとして時間オーバーばかりでした。
添削を通じて試験ではどこまで描けば採点されるのかを知ったのが突破口でした。

Bさん(20代・ゼネコン勤務)

年度末など繁忙期は勉強時間の確保が本当に難しいですね。通信講座は自分のペースで進められるのがメリットですが、裏を返すと今日やらなくてもいいかと思ってしまうので自律が必要でした。

Cさん(40代・転職希望)

最初はオンライン教材の操作に慣れず、製図課題の提出にも時間がかかりました。
とはいえ慣れてしまえば効率が上がり、添削の返却も早かったので、後半はむしろ通信の方が楽になりました。

通信講座を利用してよかったこと・後悔したことはありますか?

Aさん(30代・設計事務所勤務)

添削が本当に助かりました。
自分では気付けない動線計画が甘いなどの指摘をもらえるので、試験本番でミスしにくくなりました。唯一の後悔は、もっと早く添削を出して弱点を知るべきだったことですね。

Bさん(20代・ゼネコン勤務)

仕事の時間に合わせて勉強できるのが通信の最大のメリットです。
ただ、模試はもっと積極的に外部会場で受けるべきでした。通信だけだと環境の緊張感を味わえないので、本番で少し焦りました。

Cさん(40代・転職希望)

私の場合は通信との相性が良く、特に後悔はありません。自宅で集中できるタイプで、教材更新も早く、安心して取り組めました。

独学で一級建築士試験に合格した人へのインタビュー

一級建築士試験の学習で効果を感じた勉強法はありますか?

Dさん(20代・設計アシスタント)

とにかく過去問を5周以上回しました。特になぜこの肢は間違いなのかを徹底的に調べたことで、応用問題にも対応できるようになりました。
市販テキストは1冊に絞り、迷わない環境をつくるのが独学のコツだと思います。

Eさん(30代・工務店勤務)

法規は自作ノートが効きました。条文番号・キーワード・例外条件を手書きでまとめることで、法規の体系が頭に入ってきます。
暗記だけでは突破できない科目なので、手を動かしながら理解を積み上げました。

Fさん(40代・設備設計出身)

構造は公式をただ覚えるのではなく、導き方から理解しました。負担は大きいですが、応用問題の得点が安定します。
設備系出身だったので構造に苦手意識がありましたが、この方法で苦手を克服できました。

一級建築士試験の学習で苦労したことは何ですか?

Dさん(20代・設計アシスタント)

法規の例外規定で混乱しました。例外の例外のような条文の意図がつかめず、独学の限界を感じる部分もありました。市販の解説だけでは理由がわからず時間がかかりました。

Eさん(30代・工務店勤務)

製図は独学だと本当に大変でした。図面を描くスピードの基準が分からず、最初は制限時間を大幅に超えてしまって。
添削がないので、どこを直せばいいのかもわからないのが一番のつらさでした。

Fさん(40代・設備設計出身)

独学最大の壁はモチベーションですね。周りに仲間がいないので、今日は疲れたから休もうが積み重なると一気に遅れます。習慣化できるかどうかが勝負でした。

独学でよかったこと・後悔したことはありますか?

Dさん(20代・設計アシスタント)

費用が大幅に抑えられたのはやはり魅力です。ただ、法規だけは講座の解説を受けておけばもっと早く理解できたと思います。

Eさん(30代・工務店勤務)

自分のペースで進められるのは独学の強みです。一方で製図は独学では限界があるというのを身をもって実感しました。途中で講座に切り替えるべきだったと後悔しています。

Fさん(40代・設備設計出身)

コストを抑えつつ合格できたので満足していますが、製図序盤で方向性を間違え、修正に相当時間を取られました。専門家に早めに見てもらう大切さを痛感しました。

一級建築士の試験内容・日程・合格基準

一級建築士の試験内容

一級建築士試験は「学科試験」と「設計製図試験」で構成され、学科では建築物の計画・法規・構造・設備・施工といった幅広い専門知識が問われます。製図試験では、与えられた条件に基づき建築物の計画と図面をまとめる実践力が求められます。

学科試験の5科目は下記のとおりです。

計画建築計画・都市計画・住宅計画・公共施設計画など。建築の根本概念が多く、暗記だけではなく背景理解が必要。
環境・設備温熱環境、照明、音響、空調・換気、給排水設備など。物理法則を踏まえた計算問題も多く、つまずきやすい分野。
法規建築基準法、消防法、都市計画法などの条文が出題され、例外規定の読み違いが起こりやすい科目。条文の構造理解が重要。
構造構造力学、構造計算、材料特性、S造・RC造・木造などの構造形式。計算の正確性と力の流れの理解が求められる。
施工工程管理、品質管理、原価管理、安全管理など。実務経験者でも試験特有の言い回しで迷いやすい分野。

特に法規・構造はつまずきやすい代表科目で、条文の読み方や構造計算の基礎を体系的に理解しないと得点が安定しにくいのが特徴です。

設計製図試験では、以下の力が求められます。

  • 課題文の読解
  • エスキス(建物計画の整理)
  • 平面図・断面図・立面図などの作図
  • 要点の記述
  • 動線や構造・設備の整合性の判断

試験時間内に「設計の答え」をまとめ上げる必要があるため、実務経験があっても図面スピードや整理能力で苦労する受験者は少なくありません。

一級建築士試験の日程

一級建築士試験は毎年7月に学科試験、10月に設計製図試験が実施されます。試験実施は国土交通大臣の指定試験機関である「一般財団法人 建築技術教育普及センター(JAEIC)」が行っています。

年間のおおまかなスケジュールは次のとおりです。

  • 4〜5月頃:受験申込期間
  • 7月:学科試験
  • 9月:学科試験の合格発表
  • 10月:設計製図試験
  • 12月:最終合格発表

学科試験に合格すると翌年まで学科免除が認められます。そのため、複数年計画での合格を目指す受験生も多いのが特徴です。

学科合格後の3か月間で製図の準備をしなければならず、短期間でエスキスや作図スピードを仕上げる必要があるため、この期間の学習密度が合否を大きく左右します。

一級建築士通信講座に関するよくある質問

一級建築士通信講座の費用相場はどれくらいですか?

一級建築士の通信講座は、学科のみ・製図のみ・総合コースのいずれを選ぶかで費用が大きく変わります。一般的な費用相場は以下の通りです。

  • 学科+製図の総合コース:20万円〜40万円前後
  • 学科のみ:10万円〜25万円前後
  • 製図のみ:8万円〜20万円前後

ただし「添削回数」「製図課題数」「サポート期間」によって価格帯が大きく変わるため、比較の際は費用だけでなく、何が含まれているかを必ず確認しておくことが大切です。

一級建築士通信講座で教育訓練給付制度は使えますか?

一級建築士の通信講座には、「教育訓練給付制度(一般教育訓練給付・専門実践教育訓練給付)」が利用できる講座があります。利用できるかどうかは講座ごとに異なり、厚生労働大臣の指定を受けた講座のみが対象となります。

制度を利用できる場合、一般教育訓練給付であれば受講費用の20%(上限10万円)、専門実践教育訓練給付であれば最大70%が支給される可能性があります。

一級建築士通信講座はどんな人が向いているのでしょうか?

一級建築士通信講座は下記のような受験生に特に向いています。

向いている人理由・メリット
仕事が忙しく、通学の時間を確保しにくい人移動時間が不要で、早朝・深夜・休日など生活リズムに合わせて柔軟に学習できる。
自分のペースで学習を進めたい人倍速再生・巻き戻し・繰り返し視聴が可能で、苦手分野を重点的に学びやすい。
コストを抑えて学習したい人通学型より費用が低く、必要な添削やサポートだけに絞った受講プランも選べる。
独学では不安があり、最低限の解説や添削が欲しい人独学で起こりやすい「法規の読み違い」「製図の要件漏れ」などのミスを予防できる。

製図に関しては添削の有無や課題数の差が合否に直結するため、通信でも製図サポートが十分な講座を選べる人に向いています。

働きながらでも通信講座で合格を目指せますか?

はい、社会人でも通信講座で合格を目指すことは可能です。実際、一級建築士の受験者の多くは建築業界で働く社会人であり、通信講座の受講者割合も高い資格です。

まとめ

一級建築士試験は、計画・環境設備・法規・構造・施工という幅広い専門知識に加え、設計製図試験では短時間で合理的な建物計画をまとめる力が求められる難関試験です。合格までには長期的な学習が必要となりますが、通信講座を活用することで、限られた時間の中でも効率よく学習を積み上げることができます。

通信講座の強みは、最新の法改正や出題傾向に対応した教材を自分のペースで学べる点や、製図対策で重要となる添削・フィードバックを受けられる点にあります。働きながら受験する人が多い資格だからこそ、場所や時間に縛られず学べる通信講座は大きな選択肢のひとつです。

また、講座選びでは「教材のわかりやすさ」「製図添削の質」「合格者の声」「費用とサポートのバランス」を事前に確認することが重要です。教育訓練給付制度が利用できる講座もあるため、受講費用を抑えながら学びたい人は活用を検討するとよいでしょう。

最終的には、ご自身の学習スタイルや現在の生活リズムに合った講座を選ぶことが、合格までの最短ルートにつながります。この記事で紹介した内容を参考にしつつ、無理なく継続できる学習環境を整え、一級建築士試験合格を目指して一歩ずつ進めていきましょう。

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