司法書士通信講座のおすすめを厳選!費用や合格実績などの比較表や合格のための学習法
2025.12.15

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司法書士試験は、民法・不動産登記法・会社法などの法律科目に加え、択一式と記述式の両方で高い得点力が求められる難関資格です。学習範囲が非常に広いうえ、条文や判例の理解だけでなく、登記申請書を正確に作成する実務的な思考力も問われます。
とくに記述式試験では、事例を読み取り、必要な登記内容を整理し、限られた時間内で答案としてまとめる力が必要となるため、単なる暗記学習だけでは対応が難しいのが実情です。そのため、多くの受験生にとって「どのような学習環境で、どの順番で勉強を進めるか」が合否を大きく左右します。
そこで注目されているのが、学習の流れや優先順位があらかじめ設計された通信講座です。近年はオンライン教材の質が向上し、基礎講義から過去問演習、記述式対策や添削サポートまで幅広く対応する司法書士通信講座も増えています。
仕事や家庭と両立しながら合格を目指す社会人受験者にとって、通信講座は現実的な選択肢のひとつといえるでしょう。
当記事では、司法書士試験の特性を踏まえて独自に定めた選定基準をもとに、その基準を満たした司法書士通信講座のおすすめを厳選して紹介しています。まずは各講座の特徴を一覧で整理していますので、講座選びの参考にしてみてください。
| 通信講座 | 特徴 |
| 伊藤塾 | 理論理解と記述式を重視した司法書士通信講座 |
| LEC東京リーガルマインド | 過去問と答練を軸に実戦力を鍛える司法書士通信講座 |
| スタディング | 短時間学習に特化したオンライン完結型の司法書士通信講座 |
| アガルート | 記述式添削と個別サポートに力を入れた司法書士通信講座 |
| クレアール | 非常識合格法で重要論点に集中する司法書士通信講座 |
| フォーサイト | フルカラー教材と基礎重視で初学者向けの司法書士通信講座 |
| ユーキャン | 学習ペースを重視した初心者向け司法書士通信講座 |
| 資格の学校TAC | 通学ノウハウを活かした総合型の司法書士通信講座 |
| 東京法経学院 | 不動産登記法に強みを持つ司法書士通信講座 |
| 辰巳法律研究所 | 登記実務と記述式対策に定評のある司法書士通信講座 |
目次
- 1 司法書士試験の合格率・難易度
- 2 司法書士通信講座のおすすめ10選|選定基準を満たした通信講座を紹介
- 2.1 伊藤塾|理論理解と記述式を重視した司法書士通信講座
- 2.2 LEC東京リーガルマインド|過去問と答練を軸に実戦力を鍛える司法書士通信講座
- 2.3 スタディング|短時間学習に特化したオンライン完結型の司法書士通信講座
- 2.4 アガルート|記述式添削と個別サポートに力を入れた司法書士通信講座
- 2.5 クレアール|非常識合格法で重要論点に集中する司法書士通信講座
- 2.6 フォーサイト|フルカラー教材と基礎重視で初学者向けの司法書士通信講座
- 2.7 ユーキャン|学習ペースを重視した初心者向け司法書士通信講座
- 2.8 資格の学校TAC|通学ノウハウを活かした総合型の司法書士通信講座
- 2.9 東京法経学院|不動産登記法に強みを持つ老舗の司法書士通信講座
- 2.10 辰巳法律研究所|登記実務と記述式対策に定評のある司法書士通信講座
- 3 司法書士通信講座のおすすめを比較!費用・サポート・合格実績一覧
- 4 司法書士通信講座の選び方
- 5 司法書士通信講座を利用するメリット|独学との比較
- 6 司法書士通信講座が向いている人・向いていない人の特徴
- 7 通信講座を利用して司法書士試験に合格した人の体験談
- 8 司法書士試験合格者へのアンケート結果|学習時間・勉強方法を紹介
- 9 司法書士試験の内容・日程まとめ
- 10 司法書士通信講座に関するよくある質問
- 11 まとめ
司法書士試験の合格率・難易度
司法書士試験は、法律系国家資格の中でも合格率が低い試験です。下記は直近6年分の合格率であり、毎年「受験者の約20人に1人しか最終合格できない」という水準が続いています。
| 合格者数 / 受験者数 | 合格率 | |
| 令和7年度 | 751人 / 14,418人 | 約5.2% |
| 令和6年度 | 737人 / 13,960人 | 約5.2% |
| 令和5年度 | 695人 / 13,372人 | 約5.1% |
| 令和4年度 | 660人 / 12,727人 | 約5.1% |
| 令和3年度 | 613人 / 11,925人 | 約5.1% |
| 令和2年度 | 595人 / 11,494人 | 約5.1% |
※受験者数は午前の部及び午後の部の双方を受験した人の総数です
たとえば、令和7年度では受験者数14,418人に対して最終合格者751人、合格率約5.2%でした。単純に数字だけを見ても、「相当数の受験生がふるいにかけられる試験」であることが分かります。
司法書士試験が難しい理由は、暗記量が多いからという一点ではありません。
前提として、民法・不動産登記法・会社法商業登記法など、主要科目だけでも学習範囲が非常に広く、条文・判例・登記実務的な処理手順まで理解していなければ、得点につながりません。
さらに、試験では知識をそのまま問うのではなく、「事例を読んで、どの条文をどう当てはめるか」「登記申請としてどう処理するか」といった、実務寄りの思考力が求められます。そのため、同じ法律系資格でも、択一知識中心の試験とは質の異なる難しさがあります。
実務上よく見られるのが、「条文やテキストを一通り覚えたつもりでも、問題形式になると手が止まってしまう」というケースです。これは、司法書士試験が知識の量ではなく、知識を使う順番や判断の型まで含めて評価する試験だからです。
また、法改正や先例の扱いが点数に直結するため、学習内容が少し古いだけでも、本番で不利になることがあります。努力しているのに点数が伸びない受験生が多い背景には、このような試験構造があります。
司法書士通信講座のおすすめ10選|選定基準を満たした通信講座を紹介
司法書士通信講座には様々な種類があるうえに数が多いことから、「結局どれを選べばいいのか分からない」と迷ってしまうこともあるでしょう。
そこで、ここからは当サイトがおすすめする司法書士通信講座を紹介していきます。数ある司法書士通信講座のなかから、独自の選定基準を満たした通信講座を紹介していきます。
□選定基準
- 合格実績や合格者の声が公式に公開されているか
- 記述式対策がカリキュラムの中心に据えられているか
- 初学者・再受験者など、想定受講者が明確にされているか
- 法改正・先例変更への対応方針が明確か
- 記述式を含む添削・質問サポートの内容が具体的に公開されているか
伊藤塾|理論理解と記述式を重視した司法書士通信講座

| 価格 | スタンダードコース:499,000円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | 伊藤塾公式サイト |
伊藤塾の司法書士通信講座は、民法や不動産登記法の理論的な理解を重視し、記述式対策まで一貫して学べる点が特徴です。
条文や制度の背景を丁寧に解説するスタイルのため、表面的な暗記に頼らず、なぜその処理になるのかを理解しながら学習を進めたい人に向いています。
記述式についても、答案の考え方や論点の拾い方を前提から説明する構成が取られており、理論と実務的処理を結び付けて学びやすい設計です。
一方で、学習ボリュームは比較的多いため、短期間で効率重視というより、腰を据えて基礎から積み上げたい人に適した講座といえます。
伊藤塾が向いている人

- 法律の仕組みを理解しながら学びたい人
- 民法や不動産登記法を基礎からしっかり固めたい人
- 記述式対策を理論と結び付けて学びたい人
- 時間をかけて合格を目指したい人
LEC東京リーガルマインド|過去問と答練を軸に実戦力を鍛える司法書士通信講座

| 価格 | 初学者向け 新15ヵ月合格コース:538,000円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | ・合格者の声の掲載あり ・司法書士試験対策用の初学者向け講座を受講し、その後初回試験の合格者:37名 |
| 公式サイト | LEC東京リーガルマインド公式サイト |
LEC東京リーガルマインドの司法書士通信講座は、過去問演習や答練を重視し、試験で得点する力を鍛える点に強みがあります。講義と問題演習が連動しており、「どの知識がどのように問われるのか」を意識しながら学習を進めやすい構成です。
択一式・記述式ともに実戦的な演習量が多いため、基礎学習を一通り終えた人や、試験形式に慣れたい人に向いています。一方で、初学者の場合は、基礎講義の位置づけやサポート内容を事前に確認しておくと安心です。
LEC東京リーガルマインドが向いている人

- 過去問や答練を中心に実戦力を高めたい人
- 試験形式に慣れながら学習を進めたい人
- 択一式・記述式ともに演習量を重視したい人
- 基礎学習を終え、次の段階に進みたい人
スタディング|短時間学習に特化したオンライン完結型の司法書士通信講座

| 価格 | 司法書士合格コースミニマム:49,500円 司法書士合格コースベーシック:69,300円司法書士合格コーススタンダード:89,100円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり2024年度合格者:37名 |
| 公式サイト | スタディング公式サイト |
スタディングは、スマートフォンやパソコンを使ったオンライン完結型の学習に特化しており、短時間学習を積み重ねたい人向けの講座です。講義はコンパクトにまとめられており、通勤時間やスキマ時間を活用しやすい点が特徴です。
一方で、司法書士試験特有の記述式対策や答案添削については、他の講座と比べて扱い方が異なるため、どこまで対応しているかを事前に確認する必要があります。忙しい社会人で、インプット中心に効率よく進めたい人に向いた講座といえるでしょう。
スタディングが向いている人

- 通勤時間や空き時間を使って勉強したい人
- 講義は要点を効率よく抑えたい人
- オンライン完結型の学習環境を求めている人
- 学習時間を細かく区切って進めたい人
アガルート|記述式添削と個別サポートに力を入れた司法書士通信講座

| 価格 | 入門総合講義:148,000円 入門カリキュラム/フル:318,000円 入門カリキュラム/ライト:218,000円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 令和6年アガルート受講者の合格率:21.9%合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | アガルート公式サイト |
アガルートの司法書士通信講座は、記述式対策と添削サポートに力を入れている点が特徴です。不動産登記法・商業登記法の記述式について、答案の構成や考え方を段階的に学べる設計になっています。
個別サポートやフォロー体制が比較的手厚いため、独学で記述式に限界を感じている人や、答案を客観的に見てもらいたい人に向いています。一方で、学習量や費用面とのバランスを踏まえ、自分に必要なサポート範囲を見極めることが重要です。
アガルートが向いている人

- 記述式対策を重点的に強化したい人
- 自分の答案を客観的にチェックしてほしい人
- 独学で限界を感じている人
- 個別フォローを重視したい人
クレアール|非常識合格法で重要論点に集中する司法書士通信講座

| 価格 | 2027年合格目標合格ルート1年スタンダードコースWeb通信:360,000円 2028年合格目標合格ルート1年スタンダードコースWeb通信 オプション安心保証:50,000円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | クレアール公式サイト |
クレアールは、「非常識合格法」を掲げ、出題頻度の高い重要論点に学習を集中させるスタイルが特徴です。すべてを網羅するのではなく、合格に必要な範囲を効率よく押さえたい人に向いています。
民法や不動産登記法についても、優先順位を明確にした学習設計がされており、時間が限られている社会人受験生にとってはメリットがあります。一方で、網羅性を重視したい人や、理論を深く掘り下げたい人は物足りなさを感じる可能性があります。
クレアールが向いている人

- 学習時間に制限がある社会人受験生
- 重要論点に集中して勉強したい人
- 効率重視で学習を進めたい人
- 長期学習を避けたい人
フォーサイト|フルカラー教材と基礎重視で初学者向けの司法書士通信講座

| 価格 | バリューセット:107,800円基礎講座:76,800円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり 2024年フォーサイト受講者の合格率:33.33% |
| 公式サイト | フォーサイト公式サイト |
フォーサイトは、フルカラー教材や視覚的に分かりやすい講義を特徴とし、初学者向けの設計を重視しています。法律学習が初めての人でも、制度の概要をつかみやすい点が強みです。
基礎理解を重視する一方で、司法書士試験特有の記述式対策や応用演習については、内容やサポート範囲を事前に確認することが重要です。まずは全体像をつかみたい初学者に合った講座といえます。
フォーサイトが向いている人

- 法律の勉強が初めての人
- テキスト中心で学習を進めたい人
- 制度の全体像をつかみたい人
- 基礎理解を重視したい人
ユーキャン|学習ペースを重視した初心者向け司法書士通信講座

| 価格 | 169,000円 ※一括払いの料金です |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | ユーキャン公式サイト |
ユーキャンの司法書士通信講座は、学習ペースの管理やサポート体制を重視しており、資格学習が初めての人でも取り組みやすい設計です。教材や添削指導を通じて、基礎的な理解を積み上げることを目的としています。
一方で、司法書士試験の難易度や記述式の比重を考えると、どこまで試験対策として対応しているかを確認したうえで検討することが重要です。学習習慣を作りたい人に向いた講座といえるでしょう。
ユーキャンが向いている人

- 資格試験の勉強が初めての人
- 自分一人での学習管理に不安がある人
- 無理のないペースで学びたい人
- 基礎から段階的に進めたい人
資格の学校TAC|通学ノウハウを活かした総合型の司法書士通信講座

| 価格 | 【2027年合格目標】 1.5年本科生<入門総合本科生>583,000円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 2024年資格の学校TAC受講者の合格率:31.8% 合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | 資格の学校TAC公式サイト |
資格の学校TACの司法書士通信講座は、長年の通学指導で培ったノウハウを通信講座に落とし込んだ総合型の講座です。基礎から応用、答練まで幅広くカバーしており、体系的に学習を進めたい人に向いています。
過去問演習や模試など、実戦的な教材も用意されているため、試験本番を意識した対策を進めやすい点が特徴です。一方で、学習量は多めになるため、計画的に取り組める人向けといえます。
資格の学校TACが向いている人

- 全科目をバランスよく学びたい人
- 模試や答練も含めて総合的に対策したい人
- 通学講座のノウハウを通信で学びたい人
- 計画的に学習を進められる人
東京法経学院|不動産登記法に強みを持つ老舗の司法書士通信講座

| 価格 | 総合コース(基礎力総合編+総合答練2027):346,500円 ※その他コースの料金は公式サイトを参照ください |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | 東京法経学院公式サイト |
東京法経学院は、不動産登記法を中心とした指導に定評のある通信講座です。登記実務に即した視点で学べるため、不動産登記法を重点的に強化したい人に向いています。
一方で、講義スタイルや教材の構成については好みが分かれるため、全科目をバランスよく学びたい人は、カリキュラム全体を確認したうえで検討するとよいでしょう。
東京法経学院が向いている人
- 不動産登記法を重点的に対策したい人
- 登記実務に近い視点で学びたい人
- 老舗講座のノウハウを重視したい人
- 登記分野に苦手意識がある人
辰巳法律研究所|登記実務と記述式対策に定評のある司法書士通信講座

| 価格 | 要問い合わせ |
| 合格数・合格率 | 合格者の声の掲載あり |
| 公式サイト | 辰巳法律研究所公式サイト |
辰巳法律研究所の司法書士通信講座は、登記実務と記述式対策に重点を置いた講座です。答案作成の考え方や実務的な処理を意識した指導が特徴で、記述式を強化したい人に向いています。
理論よりも実践を重視したい人や、ある程度基礎が固まっている受験生にとっては、実戦力を高めやすい講座といえるでしょう。
辰巳法律研究所が向いている人
- 記述式で安定して点を取りたい人
- 実務を意識した答案力を身につけたい人
- 基礎学習を終えた再受験生
- 実践重視で学習を進めたい人
司法書士通信講座のおすすめを比較!費用・サポート・合格実績一覧
司法書士通信講座を選ぶ際、多くの人が気になるのが「費用はいくらかかるのか」「どんなサポートが受けられるのか」「合格実績はどの程度公開されているのか」といった点でしょう。
司法書士試験は学習期間が長くなりやすいため、これらを事前に比較せずに講座を選んでしまうと、途中で後悔する原因にもなりかねません。
ここまで紹介したおすすめの司法書士通信講座について、代表的な価格帯、サポート内容の特徴、合格実績や公開情報の有無を一覧で整理しましたので参考にしてみてください。
| 講座名 | 代表的な価格帯(税込) | 主なサポート内容 | 合格実績・公開情報 |
| 伊藤塾 | スタンダードコース:499,000円 | 記述式を含む体系的カリキュラム/講義中心 | 合格者の声を掲載(数値の公式公表なし) |
| LEC東京リーガルマインド | 初学者向け 新15か月合格コース:538,000円 | 過去問・答練中心の実戦演習/講義と演習の連動 | 初学者向け講座受講後、初回試験合格者37名(公式公表) |
| スタディング | ミニマム49,500円〜スタンダード89,100円 | オンライン完結型/短時間学習向け | 2024年度合格者37名/合格者の声あり |
| アガルート | 入門総合講義148,000円〜フル318,000円 | 記述式添削/個別フォロー | 令和6年受講者合格率21.9%(公式公表) |
| クレアール | 1年スタンダードコース360,000円 | 重要論点集中型カリキュラム | 合格者の声を掲載(数値の公式公表なし) |
| フォーサイト | バリューセット:107,800円 | フルカラー教材/基礎重視 | 2024年受講者合格率33.33%(公式公表) |
| ユーキャン | 一括:169,000円 | 添削指導/学習ペース管理 | 合格者の声を掲載(数値の公式公表なし) |
| 資格の学校TAC | 1.5年本科生:583,000円 | 総合カリキュラム/模試・答練 | 2024年受講者合格率31.8%(公式公表) |
| 東京法経学院 | 総合コース:346,500円 | 不動産登記法中心/答練 | 合格者の声を掲載(数値の公式公表なし) |
| 辰巳法律研究所 | 要問い合わせ | 記述式・実務重視指導 | 合格者の声を掲載(数値の公式公表なし) |
費用面を見ると、数万円台から50万円を超えるものまで幅があり、講座ごとに想定している受講者層や学習スタイルが異なることが分かります。単純に「安い」「高い」で比較するのではなく、記述式対策や添削、答練など、自分に必要なサポートが含まれているかを確認することが重要です。
また、合格実績については、合格率や合格者数を具体的な数値で公表している講座もあれば、「合格者の声」の掲載にとどめている講座もあります。
数値が公表されているから優れている、あるいは公表されていないから劣っていると一概には言えず、どのような形で実績を示しているかを冷静に読み取る必要があります。
司法書士通信講座は、それぞれ強みや重視しているポイントが異なります。費用・サポート・合格実績を横断的に比較したうえで、「自分の学習段階」「確保できる学習時間」「記述式対策の必要性」などを踏まえて選ぶことが、後悔しない講座選びにつながります。
司法書士通信講座の選び方
司法書士通信講座を選ぶ際は、知名度や価格だけで判断せず、講座の中身が自分の学習段階や目的に合っているかを見極めることが重要です。
実務上よく見られるのが、「評判を重視して講座を選んだものの、自分のレベルに合わず学習が進まなくなる」ケースです。
司法書士通信講座には、初学者向けに基礎から積み上げるものもあれば、受験経験者向けに要点を絞ったものもあり、想定されている受講者像は講座ごとに異なります。また、主要科目の扱い方や演習の組み込み方、法改正への対応、サポート体制なども講座によって差があります。
そのため、司法書士通信講座の選び方では、「どのような前提の受講者を想定しているか」「試験対策として必要な要素がバランスよく組み込まれているか」といった点を軸に判断することが大切です。
ここからは、司法書士試験の特性を踏まえ、通信講座選びで確認しておきたい具体的なポイントを解説します。
- 記述式対策が十分に用意されているか
- 民法・不動産登記法などの主要科目が学習の中心として扱われているか
- カリキュラムが「初学者前提」か「経験者前提」か明確になっているか
- 過去問演習と講義が連動した構成になっているか
- 法改正や先例変更への対応体制が整っているか
- 質問対応・添削などのサポートが明確に公開されているか
記述式対策が十分に用意されているか
司法書士通信講座を選ぶ際、とくに重視したいポイントの一つが、記述式対策の内容です。
司法書士試験では、択一式と記述式の両方で基準を満たす必要がありますが、実務上は「択一はある程度取れているのに、記述式で点が伸びずに不合格になる」というケースが多く見られます。
そのため、記述式への対応がどの程度講座に組み込まれているかは、合否を左右しやすい判断材料になります。
記述式の難しさは、知識の有無だけでなく、「どの情報を、どの順番で使い、どこまで書けば得点につながるのか」を自分一人で判断しにくい点にあります。
司法書士通信講座を選ぶ際は、記述式について単に問題を用意しているだけでなく、答案の組み立て方や思考の順序、時間配分まで含めて指導されているかを確認することが重要です。
添削の有無や回数、解説の具体性なども、記述式対策の実質的な充実度を判断する材料になります。独学では自分の答案が合格水準に達しているかを客観的に把握するのが難しいため、記述式対策がどこまで用意されているかは、講座選びの段階で必ず確認しておきたいポイントといえるでしょう。
民法・不動産登記法などの主要科目が学習の中心として扱われているか
司法書士試験では、民法と不動産登記法が配点・重要度ともに突出しており、この2科目の出来が合否に直結するといっても過言ではありません。
司法書士通信講座を選ぶ際に確認したいのは、単に「全科目を網羅しているか」ではなく、民法や不動産登記法が学習全体の軸として設計されているかどうかです。
具体的には、「講義数や教材量の多くが主要科目に割かれているか」「基礎講義から応用・演習まで段階的に深掘りされているか」といった点が判断材料になります。
実務上でよくある失敗として、主要とはいえない科目に時間を使いすぎ、主要科目の理解が浅いまま直前期を迎えてしまうケースがあります。通信講座選びの段階で、主要科目がどのような位置づけで扱われているかを確認しておくことが重要です。
カリキュラムが「初学者前提」か「経験者前提」か明確になっているか
司法書士通信講座の中には、法律知識がある程度あることを前提に進む構成のものも少なくありません。
初学者がこのような講座を選んでしまうと、条文や制度の前提説明が不足し、途中で理解が追いつかなくなることがあります。一方、受験経験者にとっては、基礎説明が多すぎる講座は学習効率を下げる原因になります。
司法書士通信講座を選ぶ際は、初学者向けなのか、独学・再受験者向けなのかが明確に示されているかを確認しましょう。司法書士試験は学習期間が長期に及ぶため、自分のレベルに合わないカリキュラムを選ぶと、途中で修正が効かなくなる点が実務上の注意点です。
過去問演習と講義が連動した構成になっているか
司法書士試験では、知識を覚えるだけでなく、実際の出題形式に即して使えるかどうかが問われます。そのため、講義で学んだ内容を過去問ですぐに確認できる構成かどうかは重要なポイントです。
講義と過去問が別々に配置されている講座では、「知識は入ったが、どう問われるのかが分からない」という状態になりやすくなります。実務上ありがちなのが、インプットに時間をかけすぎて過去問演習が後回しになり、得点力が伸びないケースです。
過去問を通じて論点の使い方を確認し、講義内容と結びつけられる構成かどうかを確認することが、講座選びでは欠かせません。
法改正や先例変更への対応体制が整っているか
司法書士試験は、法改正や先例・運用の変更が出題に影響する試験です。特に民法や不動産登記法では、改正内容や実務上の取扱いがそのまま問われることもあります。
そのため、教材が最新の内容に更新されるか、改正点をまとめて確認できる仕組みがあるかは重要な判断基準です。
実務上よくあるミスとして、古いテキストや講義を使い続け、直前期に改正点の修正が間に合わなくなるケースがあります。通信講座を選ぶ際は、法改正情報の提供方法や更新頻度が明確にされているかを確認しておくと安心です。
質問対応・添削などのサポートが明確に公開されているか
通信講座では、質問対応や添削などのサポート内容が学習の質を大きく左右します。ただし、「質問可能」と書かれていても、回数制限が厳しい、回答までに時間がかかるといったケースもあります。
司法書士試験は理解の積み残しが致命的になりやすいため、疑問点を早めに解消できる体制かどうかは重要です。サポートの範囲や条件が事前に具体的に公開されているかを確認することで、受講後のギャップを防ぐことができます。
司法書士通信講座を利用するメリット|独学との比較
司法書士試験の学習方法としては独学を選ぶ人もいますが、試験の難易度や学習範囲の広さを踏まえると、通信講座には独学にはない明確なメリットがあります。とくに、初学者や学習の進め方に不安がある場合、通信講座を利用することで、勉強の方向性を見失いにくくなる点が大きな特徴です。
通信講座の強みは、司法書士試験の合格に必要な内容と学習の流れが、あらかじめ整理されていることにあります。
独学では「何から始めるべきか」「どこまで理解すれば十分なのか」を自分で判断しなければならず、この判断を誤ると、時間をかけても成果につながらないことがあります。通信講座では、主要科目を中心に、合格を目指すうえで必要な順序や到達水準が示されているため、遠回りをしにくくなります。
また、講義と問題演習が連動している点も、独学との大きな違いです。
司法書士試験では、知識を覚えるだけでなく、問題形式で正しく使えるかどうかが重要になります。通信講座では、学んだ内容を過去問や演習で確認する流れが組み込まれていることが多く、得点力を意識した学習を進めやすくなります。
このように、司法書士通信講座には、学習の迷いを減らし、合格に必要な力を段階的に身につけやすいというメリットがあります。ここからは、独学と比較した場合に具体的にどのような点がメリットになるのかを、項目ごとに見ていきます。
- 記述式対策を客観的にチェックできる
- 合格に必要な学習範囲と優先順位が整理されている
- 法改正・先例変更への対応を自分で追わなくてよい
- 勉強した内容を問題演習で確認しやすい
- 学習を継続しやすい仕組みがある
記述式対策を客観的にチェックできる
司法書士試験の記述式では、不動産登記法・商業登記法を中心に、事例をもとに登記申請書を作成させる問題が出題されます。
たとえば、不動産の売買や相続を前提とした事例を読み取り、「どの登記が必要か」「原因・日付・申請人・添付書類をどう書くか」を正確に判断しなければなりません。
独学では、条文や先例を調べながら答案を書いても、「この書き方で減点されないのか」「どこまで書けば十分なのか」を自分で判断するのが難しいのが実情です。
司法書士通信講座では、記述式の答案例や思考手順があらかじめ示され、添削を通じて「拾うべき事実」「不要な記載」「時間配分上の改善点」などを具体的に指摘してもらえます。
自分の答案を合格水準と照らして確認できる点は、記述式対策における大きなメリットです。
合格に必要な学習範囲と優先順位が整理されている
司法書士試験では、民法・不動産登記法・会社法商業登記法を中心に幅広い知識が問われますが、すべての論点が同じ頻度・同じ重要度で出題されるわけではありません。
独学では、「細かい条文や例外規定まで完璧に覚えなければ不安」と感じ、重要度の低い部分に時間をかけ過ぎてしまうケースがよくあります。
司法書士通信講座では、過去の出題傾向や配点を踏まえ、「必ず押さえる論点」「余力があれば確認する論点」といった形で学習範囲が整理されています。
たとえば、不動産登記法では所有権移転や抵当権に関する基本的な登記を優先的に扱い、得点に直結しにくい論点は後回しにするなど、優先順位を意識した学習がしやすくなります。
法改正・先例変更への対応を自分で追わなくてよい
司法書士試験では、民法改正や登記実務の運用変更、先例の扱いがそのまま試験に反映されることがあります。たとえば、民法改正後の規定や、登記原因証明情報の記載方法に関する変更点などは、正確に押さえていないと失点につながります。
独学の場合、どの改正が試験範囲に含まれるのか、どこまで対応すべきかを自分で調べる必要があり、情報の見落としや対応漏れが起こりがちです。
司法書士通信講座では、法改正や先例変更を前提に教材や講義が更新され、重要な変更点が整理された形で提供されます。受験生自身が一つひとつ情報を追いかけなくても、試験対策として必要な範囲を効率よく押さえられる点は、大きな安心材料になります。
勉強した内容を問題演習で確認しやすい
司法書士試験では、条文や制度を理解しているだけでなく、実際の問題文を読み取り、正しい選択肢を選んだり、記述式として処理したりする力が求められます。
独学では、テキストを読み込むことに時間を使いすぎてしまい、過去問演習に十分な時間を割けないまま直前期を迎えることがあります。
司法書士通信講座では、講義で学んだ内容を前提に、すぐ過去問や演習問題に取り組める構成になっていることが多く、「この知識がどう問われるのか」をその場で確認できます。
択一式・記述式の両方について、知識を得点に結び付ける練習を積みやすい点は、独学との大きな違いです。
学習を継続しやすい仕組みがある
司法書士試験は、1年から複数年にわたる学習が前提になることが多く、途中で学習ペースが乱れてしまう受験生も少なくありません。独学では、計画の遅れや中断が起きても、それを客観的に修正するきっかけをつかみにくいのが実情です。
司法書士通信講座では、年間・月間の学習スケジュールの目安や進捗管理の仕組みが用意されており、「今どこまで進んでいるか」「次に何をすべきか」が分かりやすくなっています。
結果として、学習を止めずに積み重ねやすい環境を整えられる点も、通信講座ならではのメリットといえるでしょう。
司法書士通信講座が向いている人・向いていない人の特徴
司法書士試験において通信講座は、有効な学習手段の一つであることは間違いありません。
ただし、通信講座を利用すれば誰でも必ず合格できるというものではなく、学習スタイルや現在の状況によって向き不向きが分かれます。
通信講座は、学習の流れや内容があらかじめ設計されている反面、その仕組みをうまく活用できなければ効果を十分に発揮できません。そのため、自分がどのようなタイプなのかを把握したうえで、通信講座が適しているかどうかを判断することが重要です。
司法書士通信講座が向いているケース
司法書士通信講座が向いているのは、次のようなケースに当てはまる人です。
- 法律の学習が初めて、または独学に不安がある
- 何から勉強を始めればよいか分からない
- 民法や不動産登記法の理解が浅く、基礎から固めたい
- 記述式対策に苦手意識がある
- 仕事や家庭と両立しながら、計画的に学習を進めたい
司法書士試験では「勉強量」よりも「勉強の順番や重点の置き方」が結果を左右しやすいです。
独学の場合、重要度の判断や学習計画をすべて自分で行う必要があり、初学者ほど方向性を誤りやすくなります。とくに民法や不動産登記法は、基礎的な理解が不十分なまま先に進むと、その後の学習全体が不安定になりがちです。
また、記述式は自分の答案を客観的に評価するのが難しく、独学では「何が足りないのか分からない」状態に陥りやすい分野です。
通信講座であれば、答案の考え方や書き方が前提から示され、添削や解説を通じて修正点を把握できます。さらに、仕事などで学習時間が限られている人にとっては、学習の流れやスケジュールの目安があることで、勉強を継続しやすくなる点も、通信講座が向いている理由といえるでしょう。
司法書士通信講座が向いていないケース
下記のようなケースでは、司法書士通信講座が必ずしも最適とはいえない場合があります。
- 複数回の受験経験があり、弱点が明確になっている
- 必要な論点だけをピンポイントで補強したい
- 決められたカリキュラムに沿って学習するのが苦手
- 自分で学習計画を立て、柔軟に修正できる
- 講座に頼らず、自走型で学習を進められる
このようなケースでは通信講座が向いていないと言える理由は、すでに自分の課題や補強すべきポイントが明確になっているためです。
司法書士試験では、受験経験を重ねるほど「どの科目の、どの論点で点を落としているか」が見えてきやすくなります。この段階にある人にとっては、通信講座のカリキュラム全体を一から追うことが、かえって非効率になる場合があります。
また、通信講座は一定の学習順序や進行ペースを前提として設計されているため、自分で計画を組み替えながら学習したい人には、窮屈に感じられることがあります。
司法書士試験では、自分で課題を分析し、必要な教材や過去問を取捨選択できる力があれば、独学でも十分に戦えるケースがあります。そのため、通信講座は万能な手段ではなく、あくまで「今の自分に合っているかどうか」で判断すべき学習方法といえるでしょう。
通信講座を利用して司法書士試験に合格した人の体験談
司法書士試験は学習期間が長く、途中で壁にぶつかる受験生も少なくありません。そのため、実際に通信講座を利用して合格した人が、どのように学習を進め、どんな点で助けられたのかは、これから受験を考えている人にとって大きな参考になります。
当サイトでは、通信講座を利用して司法書士試験に合格した人へのインタビューを実施しました。3名の方へのインタビュー結果を体験談形式で紹介していきますので、司法書士通信講座の利用を検討している場合は参考にしてみてください。
初学者として通信講座を利用した体験談|何から始めればいいか分からなかった
司法書士試験に挑戦しようと思ったものの、法律の勉強はほぼ初めてで、何から手を付ければいいのか全く分かりませんでした。
市販のテキストを買って独学を始めてみたのですが、民法の条文を読んでも全体像がつかめず、このまま続けていいのか不安になったのが通信講座を利用したきっかけです。
通信講座を使って一番良かったのは、学習の順番がはっきりしていたことです。最初は基礎講義で制度の前提から説明があり、そのあとに問題演習に進む流れだったので、『今は理解する段階』『次は得点につなげる段階』と整理しながら勉強できました。
民法や不動産登記法も、重要な部分から順に学べたので、独学のときより理解が深まったと感じています。
正直、最初は『通信講座に頼りすぎて大丈夫かな』という不安もありました。ただ、講義を聞くだけで終わらせず、必ず自分で復習や演習をするよう意識したことで、徐々に不安はなくなりました。結果的に、独学で迷い続けるより、通信講座を使ってよかったと思っています。
仕事と両立しながら通信講座を利用した体験談|時間の使い方に悩んでいた
仕事をしながら司法書士試験を目指していたので、まとまった勉強時間を取れないのが一番の悩みでした。独学だと、その日の疲れ具合によって勉強内容がばらばらになり、計画どおりに進まないことが多かったため、学習管理がしやすそうな通信講座を選びました。
通信講座を使ってみて良かったのは、『今日はここまでやればいい』という目安があったことです。講義や演習が細かく区切られていたので、平日は短時間、休日は少し多めに進めるといった使い方ができました。民法や登記科目も、重要な部分を優先して学べたため、限られた時間でも効率よく勉強できたと思います。
一方で、不安だったのは『スケジュールに遅れたら取り戻せなくなるのでは』という点でした。ただ、実際には自分のペースに合わせて調整できたので、思っていたほどのプレッシャーは感じませんでした。
忙しい中でも学習を継続できたのは、通信講座の仕組みがあったからだと感じています。
独学から通信講座に切り替えた体験談|記述式で伸び悩んでいた
最初は独学で勉強していて、択一式はある程度点が取れるようになっていました。ただ、記述式になると答案が安定せず、不合格が続いてしまいました。自分なりに答案を書いてはいたものの、どこが悪いのか分からず、限界を感じて通信講座を利用することにしました。
通信講座で特に助けになったのは、記述式の考え方を一から説明してもらえたことです。
不動産登記法の記述式では、事例のどこを拾えばいいのか、どの順番で処理すればいいのかが具体的に示されていました。添削を受けることで、『ここは書きすぎ』『ここは足りない』といった点が明確になり、答案の精度が徐々に安定していきました。
最初は『今さら通信講座に切り替えて意味があるのか』という不安もありました。ただ、独学では気づけなかった改善点を指摘してもらえたことで、考え方そのものが変わったと感じています。結果的に、記述式への苦手意識が薄れたことが、合格につながったと思います。
司法書士試験合格者へのアンケート結果|学習時間・勉強方法を紹介
司法書士試験は長期間の学習になりやすく、効率よく学習を進めることが大切です。そこで実際に合格を果たした人たちは、どのくらいの期間・時間をかけて学習をしていたのでしょうか。
当サイトでは、実際に司法書士試験に合格した人へのアンケートを行いました。具体的には計31人の方に下記の質問に回答してもらいました。
- 司法書士試験に合格するまで何年かかりましたか?
- 司法書士試験に合格するまでの学習時間はどれくらいですか?
- 司法書士試験の学習で効果的だったと感じる方法はありますか?
実施したアンケートについて
- アンケート方法:インターネットアンケート
- 集計期間:2025年11月2日〜2025年12月14日
- アンケート回答人数:31人
司法書士試験に合格するまで何年かかりましたか?
実際に司法書士試験に合格した人に、「司法書士試験に合格するまで何年かかりましたか?」とアンケートをとったところ、下記の結果になりました。

今回のアンケートで最も多かったのは「3年」で、全体の約3割を占めました。2年〜4年で合格した人を合わせると全体の約7割となり、司法書士試験が中長期的な学習を前提とした試験であることがうかがえます。
一方で、1年以内に合格した人は少数にとどまっており、短期間での合格は決して一般的ではないことが分かります。
司法書士試験に合格するまでの学習時間はどれくらいですか?
実際に司法書士試験に合格した人に、「司法書士試験に合格するまでの学習時間はどれくらいですか?」とアンケートをとったところ、下記の結果になりました。

今回のアンケートで最も多かったのは「2,000〜3,000時間」で、全体の約3分の1を占めています。3,000時間を超えたと回答した人も約半数おり、司法書士試験が高い学習量を求められる試験であることが改めて分かります。
とくに、仕事と両立しながら受験していた人ほど、合計学習時間が多くなる傾向が見られました。
司法書士試験の学習で効果的だったと感じる方法はありますか?
最後に、「実際に合格につながったと感じる学習方法」について複数回答で聞いたところ、下記のような結果になりました。
- 過去問を繰り返し解いた:24人
- 通信講座の講義・カリキュラムを活用した:19人
- 記述式の答案練習・添削を重ねた:17人
- 学習スケジュールを立てて進捗管理をした:14人
- 民法・不動産登記法を重点的に学習した:22人
今回のアンケート回答を見ると、「過去問演習」と「主要科目の重点学習」を挙げた人が特に多く、知識のインプットだけでなく、出題形式を意識した学習が重視されていたことが分かります。
また、通信講座の活用や記述式の答案練習を挙げた人も多く、独学だけでなく、外部の教材やサポートを取り入れながら学習していた合格者が多い点も特徴的です。
司法書士試験の内容・日程まとめ
司法書士試験を受験するにあたっては、学習方法だけでなく、試験の全体像を正しく理解しておくことが重要です。
試験内容や日程を把握していないと、対策の方向性を誤ったり、直前期に不要な不安を抱えたりする原因になります。
ここからは、司法書士試験の基本的な仕組みを整理して解説します。
司法書士試験の内容
司法書士試験は、「択一式試験」と「記述式試験」の2つで構成されています。試験区分ごとの概要は、次のとおりです。
| 試験区分 | 主な内容 |
| 択一式試験 | 民法、不動産登記法、会社法・商業登記法、憲法、刑法などから出題 |
| 記述式試験 | 不動産登記法・商業登記法について、登記申請書を作成する問題 |
択一式試験では、条文や判例の知識に加え、事例を踏まえて正しく判断できるかが問われます。一方、記述式試験では、事実関係を整理し、必要な登記内容を正確に答案としてまとめる力が求められます。
特に記述式は、知識量だけでなく処理力や時間配分まで含めて評価される点が特徴です。
司法書士試験の日程
司法書士試験は、原則として年1回実施されます。例年のスケジュールは、以下が目安です。
| 項目 | 時期の目安 |
| 出願期間 | 4月〜5月頃 |
| 筆記試験 | 7月上旬〜中旬 |
| 合格発表 | 10月頃 |
試験当日は、午前に択一式試験、午後に記述式試験が行われます。長時間の試験になるため、知識だけでなく、集中力の維持や時間配分も重要な対策ポイントとなります。
司法書士通信講座に関するよくある質問
司法書士通信講座は独学より本当に合格しやすいですか?
一概に「通信講座のほうが必ず合格しやすい」とは言い切れませんが、司法書士試験の特性を踏まえると、通信講座を利用することで合格に近づきやすくなるケースは多いといえます。
司法書士試験は学習範囲が広く、択一式と記述式の両方で基準を満たす必要があるため、独学では学習の優先順位や対策のバランスを誤りやすい試験です。
通信講座では、合格者の学習過程をもとにカリキュラムが設計されているため、遠回りをしにくい点が大きなメリットになります。
法律初学者でも司法書士通信講座についていけますか?
多くの司法書士通信講座は、法律初学者でも理解できるよう、制度の前提や基礎から段階的に解説する構成になっています。そのため、法律の勉強が初めてであっても、カリキュラムが初学者向けに設計されている講座を選べば、無理なく学習を進めることは可能です。
ただし、すべての講座が初学者前提とは限らないため、自分のレベルに合った講座かどうかを事前に確認することが重要です。
司法書士通信講座は社会人・働きながらでも続けられますか?
社会人として働きながら司法書士試験を目指している人でも、通信講座を利用して合格しているケースは多く見られます。
通信講座は、自分の都合に合わせて学習を進められる点が特徴で、講義や演習が細かく区切られていることが多いため、平日は短時間、休日はまとめて学習するといった使い方が可能です。
学習スケジュールの目安や進捗管理の仕組みが用意されている点も、忙しい人にとっては続けやすい要素といえるでしょう。
司法書士通信講座では記述式対策はどこまで対応していますか?
多くの司法書士通信講座では、不動産登記法・商業登記法の記述式対策がカリキュラムに組み込まれています。
具体的には、事例の読み取り方、答案の組み立て方、時間配分の考え方などを前提から解説し、添削や解説を通じて修正点を示す形式が一般的です。
ただし、記述式対策の内容や添削の回数、サポート範囲は講座によって異なるため、どこまで対応しているのかを事前に確認しておくことが重要です。
司法書士通信講座の費用はどれくらいかかりますか?
司法書士通信講座の費用は、講座の内容や受講期間、サポートの充実度によって大きく異なりますが、一般的には数十万円程度になることが多いです。独学と比べると費用はかかりますが、その分、学習の流れや記述式対策、法改正対応などが体系的に用意されています。
単純な金額の安さだけで判断するのではなく、自分に必要なサポートや学習内容が含まれているかという観点で検討することが大切です。
まとめ
司法書士試験は、合格率が低く、学習範囲も広いため、やみくもに勉強を続けても結果につながりにくい試験です。とくに、択一式と記述式の両方で基準を満たす必要がある点は、他の資格試験と比べても大きな特徴といえるでしょう。
そのため、学習方法をどう選ぶかが、合否を左右する重要な要素になります。
通信講座は、司法書士試験の特性を踏まえた学習の流れや優先順位が整理されており、独学では迷いやすいポイントを補いやすい学習手段です。実際に、記述式対策や過去問演習、法改正への対応などを理由に通信講座を活用し、合格に至った受験生も少なくありません。
一方で、通信講座は万能ではなく、学習スタイルや受験経験によっては独学の方が合う場合もあります。
大切なのは、「通信講座が良いかどうか」ではなく、「今の自分にとって必要な環境は何か」という視点で判断することです。
学習の進め方に不安がある人、記述式対策を強化したい人、仕事と両立しながら計画的に勉強を進めたい人にとっては、通信講座は有力な選択肢になります。
当記事で紹介した選び方や体験談、アンケート結果を参考に、自分に合った学習方法を見つけ、司法書士試験合格を目指してください。

