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不動産業界の仕事内容と主な職種|やりがいや取得しておきたい資格

2023.04.17

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街を歩いていると、いたるところに「不動産」の看板を見かけるもの。“日本ではコンビニより不動産会社が多い”なんて話もあるんです。そんな不動産業界ですが、一体どんな仕事をしているのか、高校生の皆さんにはイメージしにくいかも知れませんね。

この記事では、不動産業界の仕事内容や主な職種、取得するべきおすすめの資格をご紹介します!仕事で有利になる学部や進学先の情報もまとめているので、ぜひ参考にしてください。


不動産業界の特徴

不動産会社が手掛けた大規模な分譲マンション

不動産業界とは、どんな業界なのでしょうか。有名な企業の例もご紹介します。

不動産業界の特徴

不動産とはズバリ、土地や建物のことです。その地に定着しており、安易に動かせないモノであることから不動産といいます。ちなみに、車やお金などの動かせるモノは「動産」というんです。動産にあたらないモノは不動産、と覚えればわかりやすいですね!不動産業界の仕事は、「不動産の開発や建築」「不動産売買・賃貸の仲介」「不動産の管理」「不動産の販売」といった4つ事業に分類されます。

不動産業界の企業の例

不動産は私たちの生活に密接に関わっており、テレビCMにも頻繁に登場するためなじみのある会社も多いのではないでしょうか。

*三井不動産株式会社
*三菱地所株式会社
*住友不動産株式会社

上記3社は大手デベロッパー(不動産開発業者)と呼ばれる会社で、住宅・マンションから大規模商業施設まで、世の中にある多くの建物の開発に携わっています。そのほかにも、住宅メーカー最大手の「積水ハウス株式会社」や不動産売買の仲介業者として知られる「東急リバブル株式会社(東急グループ)」なども、不動産業界を代表する会社と言えるでしょう。

不動産業界の仕事に興味があるなら、まずは進路選びの参考になる「JOB-BIKI」のサービスを使って検索してみましょう!就職先検索で「三井不動産株式会社」や「三菱地所株式会社」などの企業名を入力して検索すると、その企業で活躍している先輩たちの進学先をチェックてきます。進路を考え始めたら、大学選びでぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてくださいね!


不動産業界の仕事内容

建築中のビルで設計図を確認する不動産会社の社員

ここでは、不動産業界の主な仕事内容を解説します!

不動産の開発や建築

不動産の開発や建築は、「デベロッパー」や「ゼネコン」と呼ばれる企業が行う仕事です。不動産にはたくさんの種類がありますが、特に規模の大きい大型商業施設やリゾート地、高層マンション、地域の再開発事業などは、デベロッパーやゼネコンが請け負います。デベロッパーは、大規模な施設を作るための土地を確保して、不動産開発を企画します。その内容に沿って、建築工事の取りまとめを行うゼネコンが建築するといった具合です。それぞれ役割が違うわけですね!

不動産の売買・賃貸の仲介

不動産の売買・賃貸の仲介は、もっともイメージしやすいお仕事の一つといえるでしょう。不動産は皆さんがよく買うマンガや洋服のように、その場で売買できるモノではありません。非常に高額な買い物となるため、取引するには本人確認や公的な書類の準備が必須で、手数料や税金が発生します。そこで、不動産取引には、不動産会社の仲介が必要なんです。

不動産会社には、不動産取引のスペシャリストである「宅地建物取引士」をはじめ、不動産の市場価値を調査する「不動産鑑定士」や、登記の専門家である「土地家屋調査士」などのスタッフがいます。専門知識があるスタッフのサポートを受ければ、公的な手続きを済ませて、適正価格で不動産を売ったり買ったりできるのです!

もう一つ、賃貸の仲介も不動産会社の大切なお仕事です。高校卒業後、賃貸マンションやアパートで一人暮らしを始める人も多いはず。その際、物件のオーナーや管理会社とは、不動産会社を介して賃貸契約を結ぶことになります。

不動産関連の契約はとても複雑で、素人には難しいものばかり。そのため、不動産会社のスペシャリストが間に入り、さまざまな契約の締結を支援しているわけですね!

不動産の管理

不動産のオーナーから物件を預かる企業を不動産管理会社といいます。その仕事内容は幅広く、建物や敷地内のメンテナンス、空室対策、入居者対応など、管理業務の全般を請け負うのです。不動産は管理に労力がかかるので、それらを専門業者に任せるイメージですね!

不動産の販売

不動産の販売も、代表的なお仕事の一つです。わかりやすい例として、新築戸建ての販売が挙げられます!まず、一戸建て住宅の設計から建築、販売まで一貫して行う専門業者を「ハウスメーカー」といいます。ハウスメーカーは個人向け住宅の販売が中心であり、上記のデベロッパーやゼネコンとは取り扱う商品や、お客さまの層が違うんです。また、不動産会社も土地や建物の販売を行います。不動産会社が直接所有している物件だけでなく、別オーナーが所有する物件を代理販売していることもあるんです!


不動産業界の主な職種

モデルルームでお客様を案内する不動産会社の男性

ここでは、不動産業界の主な職種をご説明します。不動産業界への就職を考えている人は、ぜひ参考にしてくださいね!

営業

営業は、不動産業界でもっとも人数の多い職種とされます。たとえば私たちの身近な不動産仲介の営業なら、窓口でお客さまの要望を聞いたり、車を運転して物件まで案内したりと、担当者の仕事は大忙し。お客さまと二人三脚で理想の住まいを探すのが、営業の使命といえるでしょう!

一方で、不動産開発の営業では、広い土地を持っていてマンションなどを建てて利益を出したいと考えている人がお客様です。その土地にどんなマンションを建てたら多くの人が住んでくれるのか、詳しいデータを調べたり、開発にかかるお金を計算したりします。同じ営業でも仕事内容には大きな違いがあるんです!

不動産業界の営業は、成果に応じて「インセンティブ」と呼ばれる歩合給が給料に上乗せされます。待遇は会社によって異なり、ノルマが課せられる場合も。ただし、自分が頑張った分だけ報酬を得られるのは、この職種ならではの魅力です。

事務

不動産会社で働く一般事務職で、仕事には営業のようにノルマなどはありません。仕事内容は、お客さまの受付や電話対応、書類作成、営業のサポートなど。また、会社の運営を担う総務部や人事部に配属される人もいます。

物件の管理

ビルメンテナンスや住民からのクレーム対応、建物や敷地の修繕工事などを担う職種です。不動産管理会社に就職した場合、物件の管理がメインのお仕事になるでしょう。たとえば、オフィスビルを使う人が快適に仕事ができるように、電力や空調などの設備を定期的に確認して、異常がないか点検します。

マンションなどの企画・開発

デベロッパーに就職した場合、ショッピングモールやマンションなど大きな施設の企画・開発に携わることになります。そのために必要な土地を確保した上で、建築工事を取りまとめるゼネコンへ建設を依頼します。責任感が大きく、専門性の高い仕事を任せられるでしょう。


不動産業界で働くやりがいと活用できる資格

不動産関連の資格について勉強する大学生の男性

スケールの大きいモノを扱うからこそ、不動産関連の仕事はやりがいが大きいといわれます。ここでは、不動産業界の魅力や、就職後に役立つ資格をご紹介します!大学生のうちに取得できる資格もありますので、ぜひ参考にしてくださいね!

不動産業界で働くやりがい

不動産の取引では、何百万円~何千万円といった大きなお金が動きます。場合によっては、億単位の取引に関わることもあるでしょう。非常にスケールが大きいモノを自らが動かし、お客さまの要望に応えられたときには、大きな達成感が得られます!また、自分が提案した住まいでお客さまが生涯を過ごしたり、なかなか売れなかったお客さまの土地の買い手を見つけたりと、仕事を通して誰かの人生に影響を与える機会も多くあるはず。

もう一つ、不動産業界は実力主義の世界として知られます。つまり、実力さえあれば若くして役職がついたり、責任のある仕事を任されたりするんです!若手でも活躍できる業界なので、自分の実力を試したい人にはぴったり。なかには若くして営業で成果を出して、独立開業して不動産会社を経営する人もいますよ。

不動産業界で活用できる資格

不動産業界を代表する資格は「宅地建物取引士」でしょう。こちらは不動産の売買や契約を結ぶために必要な国家資格です。もともとは「宅地建物取引主任者」という名称でした。宅地建物取引士でなければ不動産取引を行えないため、将来的に独立開業を考えているなら、必ず取っておきたい資格ですね。もちろん、就職後も業務の幅が広がったり、待遇面で有利になったりするのも魅力です!

ただし、宅地建物取引士は難易度が高く、簡単に合格できるものではありません。試験を実施する「不動産適正取引推進機構」によると、令和4年度の合格率は17%でした。約22万人が受験し、そのうちの約3万8000人が合格しているとのことです。このように合格率が低い理由の一つとして、新入社員に受験させる不動産会社が多いからだと考えられています。不動産会社は資格保持者を優先的に採用したいと考えており、社員に資格を取らせようとする傾向にあります。しかし、日々の仕事が忙しい中で合格するのは難しいのです。

以上のことから、宅地建物取引士は大学などの在学中に取得することをおすすめします!本資格に受験資格はなく、試験は誰でも受けられますよ。不動産の専門知識を身につけたいなら、大学の不動産学部に進学するのもおすすめです。たとえば兵庫県の明石大学には、不動産学部・不動産学科が設置されています!同学科では、進級要件に宅地建物取引士の取得が設定されているので、卒業までに取得できるのは大きな魅力ですね。

建築に関して専門知識を学ぶなら、工学部や理工学部の建築学科がおすすめです。なお、不動産の取引には法律や税金に関する知識も求められます。法学部、商学部、経営学部、経済学部などに進んでも仕事に役立つ知識が得られるでしょう。

出典:不動産適正取引推進機構「令和4年度宅地建物取引士資格試験結果の概要」
https://www.retio.or.jp/exam/pdf/result.pdf


不動産の仕事に興味があるなら「JOB-BIKI」で進路検索!

不動産業界で働きたいなら、宅地建物取引士をはじめとする関連資格の取得をおすすめします!一部の大学に設置された不動産学部のほか、建築を学べる工学部や理工学部、法律や税金について学べる法学部や商学部なども視野に入れてみましょう。自分にぴったりの大学は、「JOB-BIKI」を使えば簡単に見つかりますよ!まずは検索画面の就職先検索から、「業種から探す」をクリックします。続いて「不動産」の「不動産売買」に進めば、不動産売買事業を行っている企業名と、就職先データが表示されます。就職先データには、その企業に勤める先輩たちの出身校がまとめられているため、大学選びの参考になるはず。ぜひ役立ててくださいね!

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