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喫茶店業界とは?主な企業や職種、就職するのに有利な大学の学部学科

2024.04.09

カテゴリー:
喫茶店のスタッフ

ショッピングの途中に休憩したり、テスト勉強をしたりする場所として、喫茶店を利用した経験がある方も多いのではないでしょうか?喫茶店(カフェ)業界というと真っ先に店員さんを思い浮かべるかもしれません。喫茶店業界には、店舗の出店場所やデザインを考えたり、商品を開発したり、他にもたくさんの魅力的な仕事があります。今回の記事では、喫茶店業界の魅力や職種、求められる人物像やおすすめの学部など業界研究に役立つ情報を解説します!

喫茶店業界の魅力や代表的な企業の例

喫茶店業界とは、どのような業界なのでしょうか?魅力や、代表的な企業について解説します!

喫茶店業界とは

喫茶店とは、基本的にコーヒーや紅茶などの飲み物と一緒にスイーツや軽食を提供する飲食店のことを指します。先に支払いと飲み物の受け取りを済ませ、自分でテーブルに運ぶセルフサービス型の喫茶店が一般的になりましたが、昔ながらの店員がテーブルに飲み物を運んでくれる喫茶店も高い人気があります。また喫茶店業界はフランチャイズ展開している企業が多いのも特徴です。フランチャイズとはロイヤリティ(対価)を支払う代わりに、フランチャイズ企業のブランド名を使用する許可や営業のノウハウを指導してもらい、フランチャイズ会社の加盟店として営業するビジネスモデルです。2020年の外出自粛要請により、売り上げが大幅に減少していた喫茶店業界。2021年以降は、販売形態を変更して業績を回復させている企業が少なくありません。今では、モバイルオーダーやタッチパネル式での注文、フードデリバリーサービスが主流になっています。また、リモートワークをする人が増えたことで、Wi-Fi設備やコンセントを設置した店舗も増えてきました。そして、もともと喫茶店ではない業種が参入してきているのも2023年の傾向です。異業種が展開する喫茶店は、低価格帯が多く価格競争がエスカレートしています。価格重視の客層や、価格よりも味やお店の雰囲気に価値を見出す客層に分かれはじめています。どのようなお客様を狙って喫茶店を作り上げるかがポイントです。

喫茶店業界の魅力

喫茶店業界が提供する商品やサービスには、1杯のコーヒーを通じて人々の心を豊かで活力のあるものにする力があります。つまり、お客様の毎日をより良い1日1日にしていくためのお手伝いができるということです!また、喫茶店業界では1人1人が自社のブランドを背負いながら働いています。お互いを尊重しあえるチームメンバーでより良いお店づくりができるよう新たなチャレンジできます。喫茶店に関する深い知識や技術が身につくのも魅力的です。

喫茶店業界の代表的な企業の例

コメダ珈琲のシロノワール

喫茶店業界と聞くと、どのような企業を思い浮かべるでしょうか?以下より、代表的な企業を5つ紹介します!

スターバックスコーヒージャパン株式会社
スターバックスコーヒージャパン株式会社は、アメリカに本社を置く喫茶店チェーンの日本法人です。2023年時点で、国内約2,000店舗出店。シアトル系コーヒーの提供がメインで、「フラペチーノ」が人気です。紅茶に特化した「STARBUCKS Tea Café」やベーカリー「プリンチ」などさまざまな路線を開拓しています。

株式会社ドトールコーヒー
株式会社ドトールコーヒーは、老舗喫茶店「ドトールコーヒーショップ」を展開している喫茶店チェーンです。他にも、高単価の「エクセルシオールカフェ」や郊外型の「ドトール珈琲農園」など6つの業態で店舗展開しています。コーヒー豆や焙煎方法など、こだわり品質のコーヒーを低価格で提供しているのが大きな特徴です。

株式会社コメダ
株式会社コメダは、喫茶店チェーン「コメダ珈琲店」を全国展開している企業です。追加料金なしでトーストやゆで卵などのサービス品がひとつ付いてくるモーニングサービスを提供しているのが大きな特徴です。デニッシュの上にソフトクリームを載せた「シロノワール」やボリュームたっぷりの「カツパン」も人気を博しています。

株式会社プロントコーポレーション
株式会社プロントコーポレーションは、「昼はカフェ、夜はサカバ。」という二面性を持つ喫茶店チェーン「PRONTO」を展開している企業です。いつ行っても使い勝手のよい空間として、愛されています。その他、気軽にワインを楽しめる「ワインの酒場。Di PUNTO」や、パスタ自動調理ロボットを導入した「エビノスパゲッティ」などさまざまな業態でフランチャイズ展開しています。

C-United株式会社
C-United株式会社は、株式会社シャノアールと珈琲館株式会社が合併してできた企業です。自分でテーブルまで飲み物を運ぶセルフサービス型の「カフェ・ベローチェ」や店員がテーブルまで飲み物や食事を運んでくれるフルサービス型の「珈琲館」を運営しています。他にも、飲食しながら喫煙できる「THE SMOKIST COFFEE」や蔵をイメージした「珈琲館蔵」など個性豊かなブランドを展開しているのが魅力的です。

喫茶店業界の職種

埼玉県川越にあるスターバックス

喫茶店業界に入ると、どのような業務に携わることになるのでしょうか?以下の通り、主な職種を6つ紹介します!

店舗スタッフ

店舗スタッフは、店舗の運営に携わるスタッフのことです。たとえば、店長とエリアマネージャーを指します。店長は、ひとつの店舗の運営や経営管理を行う仕事です。店長は、年齢性別問わずスタッフみんなとうまくコミュニケーションをとり、居心地のよい空間をつくっていきます。「こんにちは!」と笑顔で出迎えてくれたり、メニューについて丁寧に説明してくれたりするとうれしいですよね。心地の良いお店にするための中心的な役割を果たします。

エリアマネージャーは、複数の店舗のオーナーさんとやり取りしながら店舗運営や経営管理のサポートをする仕事です。たとえば、店舗の売り上げ状況を確認し、よく売れている商品とあまり売れていない商品を把握して、在庫数を調整します。また、パートやアルバイトのスタッフが長く続けられるようヒアリングを実施し、職場環境の改善に努めるにもエリアマネージャーの大事な仕事です。お店ごとに現状を確認しながら、今何をすべきか考え、わかりやすく伝えます。

営業

営業は、全国の自社店舗の運営や管理に携わる仕事です。さらに、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどでコーヒーや紅茶などの自社商品を取り扱ってもらえるようにアプローチしたりします。例えば、担当している企業に対して「どうすれば企業の売り上げに貢献できるか」や「どうすればわかりやすく伝えられるか」を考えて新しく商品を売り出すタイミングでプレゼンします。コンビニやスーパーなど喫茶店以外のお店で、知っている喫茶店のロゴが入った缶コーヒーやドリップコーヒーなどの商品を見つけたらそれは営業担当の人が一生懸命営業活動した結果採用された商品です。

マーケティング

マーケティングは、世の中のトレンドやお客様のニーズについて調査する仕事です。お客様が求めている商品やサービスをスムーズに提供するにはどうしたらよいか分析します。来店促進のためにテレビCMを流したり、セールやキャンペーンを企画したりするプロモーション活動や、SNSで情報発信をするPR活動をするのも仕事のうちです。Xを見ていると、大手喫茶店チェーンのアカウントが新商品やキャンペーンについて毎日のようにつぶやいていますよ!

商品開発

商品開発は、時代に合った自社らしいドリンクやフードメニュー、グッズの開発を進めていく仕事です。お客様に満足してもらうのはもちろんですが、自社としてしっかり利益が出るかどうかも考えなければいけません。具体的には、競合の人気商品を調査したり、何度も試作と試食を繰り返したりして1つの商品を作りあげます。

店舗開発(直営店)

店舗開発は、会社の方針に基づいて「どこに出店するか」や「どんな店舗を出店するか」を考え、実行していくのが仕事です。土地の所有者や、土地や街の開発を担当する事業者などと交渉する役割を担います。社内の関係部署と連携を図りながら新店舗オープンの準備を進めていきます。街でよく見かけたり、利用したりしたことのあるあの喫茶店チェーンは店舗開発の担当者が業務を遂行することでオープンに至ったかけがえのない店舗です。そうして、想いの詰まった喫茶店が全国に広がっていきます。

フランチャイズ本部

フランチャイズ本部は、自社のフランチャイズ店として加盟する店舗が安定して収益を挙げられるようサポートする職種です。開店前の接客、調理、マネジメント業務などのノウハウの指導を実施します。フランチャイズ本部の仕事は加盟店が開店したら終わりではありません。開店後も店舗を周り、課題や悩みを聞いて、売り上げやサービス向上のためのアドバイスを行います。時には実際に店舗に立ち、お客様への対応の見本となることもあるんですよ!

店舗設計

店舗設計は、お客様にとって居心地のよい空間をつくる仕事です。コンセプトを大事にしながら、それぞれのお店がある環境や客層に合った外装や内装はどのようなものなのか考えながらデザインします。店内に飾るアート作品やBGMなども、自社ブランドのメッセージを込めて決められています。自分が住んでいる街中にある喫茶店チェーンを観光地で見かけた時、ロゴなど外観の色がいつもと違うことがありませんか?その地域の決まり事や、その地域ならではのデザインで周りの景色になじむように考えられています。「この曲いいな!」と思った人のために、ホームページで今流れている店内BGMが調べられる喫茶店もありますね。

喫茶店業界で求められる人とおすすめの学部

コーヒーマイスターを取得した人

喫茶店業界で求められている人はどのような人なのでしょうか?必要な経験や資格、おすすめの学部について解説します!

求められる経験や資格

喫茶店業界で働くために必要な経験や資格は特にありませんが、あると役に立つ資格を3つ紹介します!

・コーヒーマイスター 
コーヒーマイスターは、一般社団法人日本スペシャルティコーヒー協会が認定している資格です。合格すると、「コーヒーに関する深い知識と基本技術をもって、お客様に豊かなコーヒーライフを提案できるプロのコーヒーマン」であることが証明されます。資格の種類は、コーヒーマイスターとアドバンスド・コーヒーマイスターの2つ。コーヒーマイスター養成講座を修了し、認定試験を受ける必要があります。

・コーヒーインストラクター 
コーヒーインストラクターは、全日本コーヒー商工組合連合会が認定している資格です。コーヒーに関する正しい知識の普及と技術の向上を目的として、検定試験が開催されています。資格の種類は、1~3級の3つ。3級は学科講習会の受講を修了すれば認定されます。2級と1級は、講習会と検定試験の受験が必要です。実技も含みます。

・JBAバリスタライセンス 
JBAバリスタライセンスは、日本バリスタ協会が認定している資格です。プロフェッショナルとしてのバリスタを認定します。資格の種類は、レベル1~3の3つ。その他、JBA認定校スクール講師のためのJBAインストラクターライセンスも取得できます。バリスタライセンスは、どのレベルもスクール受講とライセンス試験の受験が必要です。

喫茶店業界に向いている人 

カフェ巡りが趣味の大学生

喫茶店業界で働くことに向いている人の特徴を3つ紹介します!

・1杯のコーヒーに情熱を注ぎ続けられる人
喫茶店のメインはコーヒーです。お客様は久しぶりの友達に会ったり、仕事の前にひと息ついたり、1杯のコーヒーとともに大事な時間を過ごします。その大事な時間がよりよいものになるよう、提供するコーヒーの味を突き詰めて考えられる人が向いています。

・明るい笑顔でコミュニケーションできる人
喫茶店に入ったとき、店員さんが笑顔で挨拶してくれたり、メニューの説明をしてくれたりするとふっと肩の力が抜けてとてもリラックスできますよね。喫茶店は他の飲食とは異なり、読書をしたり、友人との会話を楽しんだりと、ゆっくりと休憩ができる空間を提供する場所です。だからこそ、明るい笑顔でお客さんとコミュニケーションをとることができ、居心地のいい空間を作り出せる人は喫茶店業界に向いています。

・喫茶店を巡るのが好きな人
喫茶店が好きで街で喫茶店を見かけると思わず入ってしまうような人は喫茶店業界に向いています!喫茶店業界は異業種が参入してきて価格競争が激しくなったり、店舗作りも時代に合わせて変化し続けたりしています。他の喫茶店に負けないよう、喫茶店巡りで得た知識をメニュー開発やコンセプト作りに活かせるレベルで深く掘り下げられる人は喫茶店業界にぴったりです!

喫茶店業界で働くためにおすすめの学部

喫茶店業界への就職を希望しているならば、食やマーケティングについて学べる学部に進学するのがおすすめです。具体的には、以下のような学部を検討してみてください。

食について学べる大学・学部
今回紹介する食関係の学部は、調理だけを学ぶのではありません!調理経験ももちろん大事ですが、世界の食事情、食品に関する開発・流通・安全、食に関する様々な問題について学んだことが喫茶店業界での業務に活かせます。企業コラボ商品をつくる実習や、企画力・プレゼン力を身につけるための講義が受けられる場合もあります。以下、食関係の学部がある大学の一例です。

梅花女子大学 食文化学部

日本大学 生物資源科学部 

東京聖栄大学 健康栄養学部 

マーケティングについて学べる大学・学部
経営学部や商学部では、マーケティングについて学べます。お客様がどう考えてどう行動するのか、商品がお客様の手に渡るまでにどのような課題が発生するのかなどを考えて解決に導いていく力を身につけて喫茶店業界での業務に活かしましょう。店舗勤務でも、本社勤務でも、マーケティングの視点を持って業務に取り組むことが重要です。以下、マーケティング関係の学部がある大学の一例です。

文京学院大学 経営学部 

専修大学 商学部 

流通科学大学 商学部 

喫茶店業界への就職を目指すあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

喫茶店は、なじみのある業界ですよね。喫茶店業界の仕事内容は店舗スタッフ以外にもたくさんあります!さまざまな部署の人が関わって一つひとつのお店がつくられていきます。喫茶店に関するどのような業務にも役立つ、食やマーケティングの知識を大学で身につけておくのがおすすめです。喫茶店業界への就職に興味をお持ちの場合は「JOB-BIKI」で自分に合う大学を探してみましょう!検索画面の就職先検索で「スターバックスコーヒージャパン株式会社」などと企業名を入れてみてください。表示された企業情報の中に「出身大学データ数」という箇所があります。クリックすると、その企業に就職した先輩たちの出身校が表示されます。大学選びの参考にご利用ください。

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