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家具販売業界とは?働く魅力や仕事内容、目指せる大学を紹介

2024.07.19

カテゴリー:
家具売り場

家具は、衣/食/住のすべてに関わる生活に密着した道具です。生活様式や気候によって必要とされる家具は異なるため、家具業界は多種多様な家具をそろえる必要があります。人々が必要としているものを理解し、提供することで、家具の企業はブランド価値を高められるでしょう。家具業界はほとんどの方にとって身近な存在ではあるものの、家具が商品として提供されるまでには多くの企業や人が関わっています。この記事では、家具業界の特徴や職種などについて解説します。「JOB-BIKI」で調べられる企業の例、主な職種、おすすめの学部などをご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

家具業界の魅力や代表的な企業の例

家具業界にはどのような特徴があるのでしょうか。この章では、家具業界の魅力や代表的な企業の例をご紹介します。

家具業界とは?

家具業界は、主に家庭用の家具・寝具・カーテン・照明器具・インテリア雑貨などを取り扱う業界です。家具は生活必需品であると同時に、人々の暮らしを豊かにする役割を担っています。
家具業界は、大きく分けると家具を製造する仕事と販売する仕事があります。SPAというビジネス手法では、企画・デザインから販売までを一貫しておこないます。
2020年の矢野帝国データバンクの調査結果によると、国内家具・インテリア市場の規模は約1.5兆円です。
家具業界は、少子化・人口減少による市場縮小・原材料価格の高騰などさまざまな課題に直面している一方で、省スペースで機能的な家具の開発や環境に適した家具の開発などに取り組んでおり、時代に適した家具の販売を続けています。

家具業界で働く魅力

テーブルをレイアウトする家具販売員

家具業界で働く魅力は、素材に関する知識・デザイン・快適性に関して幅広い知識を習得できる点も家具業界ならではの魅力であるといえるでしょう。例えば、家具には木材・金属・布地など多岐にわたる素材が用いられています。それぞれの特性や加工方法を理解することで、お客様の求める家具を提供できます。人間工学に基づいた座り心地のよいイスや収容力に優れたキャビネットなど、機能性とデザイン性に優れた家具の設計が可能です。
また、景気に左右されにくい業界である点も家具業界で働く魅力の一つです。家具は、人が生活する上で欠かせないものであり、新生活・結婚・引っ越しなど、さまざまなライフステージの場面で家具が必要とされます。したがって、人々が生活する限りは、家具の重要がなくなることはないでしょう。

家具業界の代表的な企業の例

株式会社ニトリ
株式会社東京インテリア家具
株式会社オカムラ
株式会社島忠

家具業界は、大きく分けて一般家庭用向けの家具とオフィス向けの家具があります。一般家庭用の家具とは簡単にいえば、ベッドやテーブルなど、日ごろから家庭で使用される家具のことです。一般家庭用の家具のなかで、例えば若年層や単身世帯向けの物は、デザイン性が重視された比較的安い価格帯の製品が好まれる傾向があります。単身世帯向けの家具は、限られたスペースでも利用できる省スペース性も重要な項目です。反対にファミリー向けの製品は、長期の使用が可能な耐久性の優れた家具や安全性に優れた家具が好まれます。
一方、オフィスのデスクやチェア、棚など企業が業務で使用するオフィス家具は、機能性とコストが重視される傾向があります。オフィス用の家具は販売の対象が個人ではなく企業の担当になり、まとまった量の契約になるケースも珍しくありません。
例えば「株式会社ニトリ」は、北海道に本社を置く、日本有数の家具業者です。ニトリには、4万人以上の従業員が働いています。企画から販売までを一貫しておこなうSPAのビジネスモデルで家具を取り扱っており、低価格でありながら品質が高いことで知られています。
「株式会社東京インテリア」は、山梨県甲府市に本社を置く家具・インテリア企業です。社名の「東京インテリア」のほかに、「カリモク」・「ligne roset」などのブランドで全国的に展開しています。
自社ブランドの「if HOME」では、企画からデザインまでを自社でおこない、製造を国内外の協力工場に委託しています。製造を外部に委託するという点でSPAとは異なりますが、独自のモデルにより価格の安さと品質の高さを両立しているブランドです。また、インテリアコーディネートのサービスも充実しており、トータルでの空間作りを提案している企業です。
「株式会社オカムラ」は、東京都港区に本社を置くオフィス家具の代表的なメーカーです。オフィスチェア・デスク・収納家具など幅広いラインナップをそろえていて、高い機能性・耐久性に定評があります。オフィス家具を販売するだけでなく、オフィス空間の提案までおこなっている企業であり、レイアウト・照明・空調などを含めた最適な空間作りをサポートしています。

「株式会社島忠」は、東海地方を中心に販売する家具メーカーです。「島忠」「ホームズ」「ニトリホームズ」の屋号でインテリア専門店を展開しており、オリジナルブランドの開発・製造・販売のほかに、国内外の有名ブランドの販売もおこなっています。また、株式会社島忠の大きな特徴は地域社会との関わり合いです。例えば、地域に存在する不幸な動物を保護して、ペットを飼いたいお客様に譲渡する活動を実施しています。

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家具業界の職種

家具の開発企画

家具業界には、どのような職種があるのでしょうか?この章では、家具業界における職種についてご紹介します。

販売関連の職種

販売関連の職種には、バイヤーや販売、販促・PRなどがあります。

バイヤー

バイヤーは、国内外の企業から製品にあった家具を仕入れる仕事を担当します。バイヤーとして人気の高い家具を仕入れるには、企画力・交渉力・コミュニケーション力などを発揮する必要があります。なぜなら、競合他社との競争のなかで、魅力的な製品をいち早く、かつ適切な価格で仕入れる必要があるためです。また、仕入れ先との価格交渉や安全な取引関係を築くためにはバイヤーの交渉力やコミュニケーション力が不可欠です。

販売

家具業者の販売員は、店頭でお客様が求めている機能やデザインの好みなどを理解して、製品を案内します。
また、顧客の希望の商品が店頭にて欠品している際には、納期の調整・代替製品の有無の確認などをおこなったうえで、改めて顧客に提案します。
販売の仕事は、コミュニケーション能力や顧客目線に立った提案力が必要です。

販促・PR

家具販売では、販促・PRのために新商品発表会・展示会・セールなどのイベントを企画・運営して集客や販売促進を図ります。また、イベント情報をメディアや自社のWebサイト・アプリなどに情報発信することもあります。
家具の販促において特に重要なことは、お客様に触れたり触ったりしてもらうことです。実際に、展示販売会で家具を購入するお客様も少なくありません。展示販売会は、新生活のシーズン前の3月頃やゴールデンウィーク・夏休みなどの長期休暇前、年末年始などに実施されることが多いです。
PRの仕事の一つとして挙げられるのは、3Dモデルを活用したカタログ制作です。3Dカタログは、ユーザーが家具のイメージ写真を回転させてさまざまな角度から見たり、部屋の3Dモデルに配置してサイズ感や雰囲気をシミュレーションしたり、と家具購入後のイメージするために主に用いられます。

企画・製造関連の職種

企画・製造関連の職種には、企画・開発者、デザイナー、製造、品質管理などがあります。

デザイナー

デザイナーは、デザインの知識と独創的なアイデアを生かして、家具を設計する仕事です。テーブル・イス・ソファ・収納家具など、さまざまな家具のデザインを考え、スケッチや3D CADなどを使って図面を作成する役割を担います。家具は、実際に毎日使用する物であるため、デザイン性だけでなく、機能性も両立させなくてはなりません。木材・金属・布地などさまざまな素材の特性を理解して、家具を設計する力が求められます。
例えば、20代の一人暮らしの女性に向けた製品として、デスクとベッドが一体化した家具をデザインするケースにおいては、限られたスペースを有効活用する機能性が必須です。さらに、20代女性に好まれる形状・カラー・素材などをふまえて、製品のデザインを考えます。

企画・開発者

企画・開発者は、デザイナーのイメージを、「家具」として形にする役割を担います。強度・耐久性・使いやすさを検証できるよう、試作品を制作し、製品化につなげます。企画のイメージに合った質感やカラーを具体化することも重要です。イメージどおりにならないときには素材を変えたり、カラーを変更したりするなどの試行錯誤を重ねます。物作りの技術の他に、素材に関する知識や人間工学などの知識が必要とされる仕事です。

製造

家具業界での製造は、家具工場で家具を製造する仕事です。
工場では、材料の加工・家具の骨組み作成・組み立て・塗装・検査・梱包・発送などをおこないます。それぞれの過程において部品の検品や在庫の棚卸、採寸などをおこなうこともあります。細かい作業が多いため、集中力と正確性が要求されます。
管理者になると、作業員の仕事の状況・スケジュール・安全性・品質などを管理する役割を担います。

品質管理

家具業界では、製品が品質基準を満たしているかどうかを確認する品質管理スタッフもいます。家具販売企業においてもSPAにて作成した家具については、家具メーカー同様の厳しい品質管理が必要です。検査項目は、外観に加えて、強度・寸法・色など、あらかじめ決めておいたさまざまな項目すべてです。不良品が発生している場合は、原材料や作業の工程を確認・分析して、原因の特定と対策についても対応します。不良品の割合を減らすことは、顧客からの信頼アップだけでなく、自社のコスト削減にもつながります。

家具業界で求められる人とおすすめの学部

子どもの椅子を比較している様子

家具業界に進みたいとお考えの場合は、適性や必要なスキルを理解する必要があります。
この章では、家具業界に進むためにおさえておきたいポイントをご紹介します。

家具業界に向いている人

家具業界に適しているのは、以下の条件を満たす人です。

創造性が豊かな人

家具業界に働くために重要な要素は、お客様の日常生活を便利にしたいという気持ちと、その思いを実現するための発想力です。独創的なアイデアを次々と生み出し、形にすることが求められます。例えば、ニトリの「ドレッサーとデスクがひとつになった一台二役のドレッサーデスク」は、スペースを有効活用したい一人暮らしにもおすすめのヒット商品です。このように、既存の家具にとらわれず、自由な発想力で、今まで誰も見たことがないような、独創的なデザインを生み出すことができる人こそが、家具業界で輝ける人材です。

限られたスペースを最大限に活かせる省スペース家具のほかにも、まるで彫刻作品のような芸術性の高い家具、環境に優しいサステナブルな素材を使った家具などをデザインできる人も、家具業界に適しています。

物づくりが好き

家具業界で働く人は、家具デザイナーのアイデアを形にしたり、言葉で説明したりするなどの仕事を担います。製造・デザイナー・企画などの製造に携わる職種に就く場合に物づくりの知識や技術が必要であることはもちろんですが、販売職・販促・PRなどの職種においてもお客様にわかりやすく情報を伝えるためには物づくりへの興味や思いが必要です。快適に家具を使用するためにお客様にとってどのような家具が必要なのかをイメージし、製品化したり言葉で伝えたりできる人が、家具業界で輝ける人材です。

人と接するのが好き

家具業界は、人々の生活に関わる家具を提供する業界であるため、その根底には人への興味や理解が重要なポイントになります。
例えば、販売職においては、お客様とのコミュニケーションを通じてニーズを理解して最適な家具を提案します。また、日常的に顧客と接する機会の限られる職種においても、口コミや評判などの形で間接的に利用者の声を聞いたり、イベントや展示会などでコミュニケーションを取ったりする機会があるでしょう。そして、コミュニケーションから得た情報を製品開発に活かすことで、よりお客様に満足してもらえる製品をリリースすることにもつながります。

家具業界で働くためにおすすめの学部・学科

家具の研究をする学生たち

家具販売業界への就職を希望される場合におすすめの学部は、住居学が学べる家政学部や人間生活学部などです。お客様の生活に密接した製品を提供するためには、家政学分野の住居学や工芸・デザインの分野の知識の習得が役立ちます。また、見込み顧客のニーズの把握や効果的な販売手法の立案には、商学部で学ぶマーケティングや販売手法に関連する知識が役立ちます。

家具業界で働くためにおすすめの大学・学部・学科は、以下のとおりです。

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家具業界は、家具を人々に届ける役割を担います。生活に密着している製品であり、人々の生活の満足度に直接役立てる仕事です。家具業界に働くために必須の知識は特にありませんが、例えば人間の身体的特徴を理解すればどのような家具が適しているのかをイメージしやすくなります。また、企業経営や販売戦略の立案などの知識を学べば、店舗の陳列やセールス時のトークなどに活かせるはずです。これらの知識を身につけるには、大学で住居学や人間科学、空間・環境系の工芸デザインの分野を学ぶとよいでしょう。

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