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消防士(消防官・消防吏員)の仕事内容|どのような人が向いている?

2023.01.12

カテゴリー:
火を消す消防士の男性たち

火災や自然災害などの現場へ駆けつけて、人の命を助ける消防士。速やかに火を消し止めたり、逃げ遅れて危険な場所にいる人を救出したりするには、難しい任務をこなせるだけの体力や専門知識がなくてはなりません。また、火災の原因を突き止めて、同じ被害が二度と発生しないように防ぐ上でも、消防士が活躍しています。この記事では、私たちが暮らす街の安全を守る消防士の仕事や、消防士になる方法をお伝えします。

なお、消防士は「消防官」と呼ばれることもありますが、正式な名称は「消防吏員(しょうぼうりいん)」といいます。また、消防士という名称は、消防吏員の階級の名称でもあるため、混同してしまうことも。そのため、この記事では消防吏員のことを指す「消防士」と、階級の「消防士」を区別するために、階級を指す場合に「消防士(階級)」と表記しています。


消防士(消防官・消防吏員)とは?

避難経路に人を誘導する消防士

消防士は、消防活動のほかにもさまざまな役割を担っています。まずは、消防士の仕事内容についてご紹介します。

消防士の仕事の内容

消防士は主に、消防車で出動して火災を消火する「消火活動」、救急車で病気やケガの人を搬送する「救急活動」、事故や災害の現場で人を救出する「救助活動」を行っています。配属先によって仕事内容に違いがあり、必要な知識や技術が異なる場合も。たとえば、消火活動では効果的かつ安全に火を消し止める方法や、消防車や機材の使い方を熟知している必要がありますが、救助活動では応急手当や救命措置のスキルを習得していることが必須です。また、これらのほかにも、火災の原因を調査したり、防災についての知識を多くの人々へ広めたり、学校や地域などの防災訓練を指導したり、消防士はさまざまな場所で活躍しています!

消防士の仕事のやりがい

消防士は、火災や事故をはじめとした非常事態に活躍して人の命を助けます。危険な場所で任務に携わったり、重症な人を救い出したりするためにも、日々の訓練は厳しいものになるでしょう。しかし、自分の手で人を救って、命の恩人として感謝されたときは、大きな達成感を得られます。また、消防士自身が火災の恐ろしさをよく理解しているからこそ、日常生活での防災やいざという時に備えた訓練の大切さを、しっかりと人に伝えられるはず。幅広い業務を通じて街の安全を守り、市民から頼られる職業です。

消防士の想定年収

消防士の年収は、全国平均で307.7万円です。求人賃金の全国平均は、月額で19.4万円となっています。ただし、公務員である消防士の給与には、勤務地や階級による手当があるため、金額に差が出ることも。たとえば、都市部の地域に勤務する場合は、「地域手当」により給与が高くなる傾向にあります。また、長年にわたり現場で多くの経験を積み、上の階級へと昇進することで、より多くの報酬を得られるようになるでしょう!

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/155


消防士(消防官・消防吏員)に求められる資質やスキル

消火活動をする消防士

消防士になるには、どんな資質やスキルが必要なのでしょうか?向いている人の特徴をご紹介します!

体力

消防士の採用試験では、危険をともなう任務をこなせるように、身体面・体力面でも採用基準が設けられています。受験資格として身長・体重・視力などの身体的な条件があるほか、採用試験では身体検査(体力検査)が実施され、一定以上の得点を獲得することが必須です。たとえば、「上体起こし」「反復横跳び」「シャトルラン」などの種目で結果を出せなければ、消防士になることはできません。

判断力

消防士の仕事では、火災現場で取り残された人を発見したときや、救急車で急病人を搬送しているときなど、人の命を助けるために瞬時に正確な判断を求められる場面が多くあります。こうした緊急事態に直面しながらも、常に冷静さを失わず、的確に判断できる能力が求められます。

人を助けたいという強い思い

「人を助けたい」という強い思いを常に持ち続けられることも、消防士には欠かせません。人命救助の現場は危険性が高く、難易度の高い任務に携わることになります。火災現場や事故現場では、時に消防士自身の命が危険にさらされる状況に巻き込まれてしまうかもしれません。それでも誰かを助けるために出動する消防士は、人を助けたいという思いが誰よりも強くなければ務まらない仕事だといえるでしょう。


消防士(消防官・消防吏員)になるまでの道のりとキャリアプラン

防火服を着る新人消防士

どうしたら消防士になれるのでしょうか?また、消防士になった後は、どんな道へ進むのでしょうか?キャリアについて解説します!

消防士になるまでの道のり

消防士になるには、公務員試験に合格する必要があります。採用試験は1次と2次に分けて実施されます。1次試験で行われるのは、一般教養から出題される筆記試験、論文試験などです。2次試験では、身体検査(体力検査)や適性検査などが行われます。

消防士の採用には、「大学卒業程度」や「高校卒業程度」といった区分があり、一般的に前者の給与が高い傾向にあります。例として東京都では「Ⅰ類」「Ⅱ類」「Ⅲ類」という採用区分が設けられているのが特徴です。このうちⅠ類はもっとも給与が高く、大学を卒業見込みであることや、大卒と同等の資格があることが受験資格の一つとされています。さらに、Ⅰ類の1次試験は大学卒業程度の難易度となっているので、しっかりと対策しておきたいですね。消防士を目指すなら、ぜひ自分の地域の試験に関する情報をチェックしてみましょう!

合格後は消防学校に入学して、半年~1年にわたり訓練を受けます。消防学校で学ぶのは、消防活動に必要な知識や、消火するための技術、機器の使い方などです。配属先によっては、人命救助や危険物の取り扱いなど、専門知識を身に付けてから現場へ出ることも!こうして消防士(階級)となり、消防活動の経験を積んでいきます。

消防士のキャリアプラン

消防士には10段階の階級があります。階級が高くなるほど責任ある仕事を任されて、手当がついて高い報酬を得られるようになります。たとえば、消防士(階級)は隊員を務めますが、3つ上の階級である消防司令補になると、小隊長として1台の消防車に乗る隊員たちに指示を出す役割を担います。階級を上げるには、一定の年数にわたり仕事を続けて、昇級試験に合格することが必要です。消防学校を出て消防士(階級)になった後は、さらに上の階級を目指していきましょう!ほかにも、特に優秀な消防士には、海や山などの厳しい現場で人命救助にあたるレスキュー隊員を目指す道もありますよ。精鋭部隊であるレスキュー隊員になるには、難易度の高い選抜試験に合格した上で、特別救助技術研修を受講する必要があります。

【消防士が昇級するステップ】
消防士

消防副士長

消防士長

消防司令補

消防司令

消防司令長

消防監

消防正監

消防司監

消防総監


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消防士の仕事についてお伝えしました。消防士になるためには、公務員試験に合格した上で、消防学校で学ぶことが必須です。大学卒業程度の区分で採用試験を受けるなら、大学進学が条件なので、進学を目指しましょう。その際、体育学部の体育学科やスポーツ学科を選べば、人命救助で役立つ人体の勉強ができたり、人助けに欠かせない体力に磨きをかけたりできます!

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