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航空管制官になるためにはどうすれば良い?やりがいや年収

2023.02.27

カテゴリー:
パイロットに指示を出す航空管制官の男性

航空管制官は航空機が安全に飛べるように指示を出すのが仕事です。ドラマや映画などの題材になることもあるので、知っている人も多いかもしれませんね。どんな状況でも冷静に状況を判断し、的確な指示を出す航空管制官の仕事に憧れを持っている人もいるのでは?今回は、そんな航空管制官の仕事内容や想定年収、やりがい、求められる力、なるための方法、おすすめ学部などをご紹介します。


航空管制官の仕事の内容や想定年収

航空管制官の指示を受け着陸する飛行機

航空管制官は国家公務員で、専門性の高い仕事を行います。まずは、航空管制官の仕事内容ややりがい、想定年収について見ていきましょう。

航空管制官の仕事の内容

航空管制官は、航空機が安全に飛べるようにパイロットへ指示を出す管制業務が仕事です。空港にある管制塔やレーダー管制室などから状況を確認し、航空機に離着陸の許可を出したり、安全な間隔を保てるように誘導したりします。

勤務時間などは配属先によって変わりますが、航空機は休みなく運航しているので、24時間体制で働くことが基本です。シフト制で深夜・早朝も交替しながら勤務します。

航空管制官の仕事のやりがい

航空管制官がいなければ、航空機を安全に飛ばすことはできません。重大な責任があり、緊張感のある中で仕事を行います。その分、自分の指示で何事もなくフライトを終えられたときは大きな達成感を得られるでしょう!また、トラブル時に事故を防ぐことができ、降りてきた乗客の無事を確認したときもやりがいを感じられます。

航空管制官の想定年収

航空管制官は国家公務員の給与規定に従った金額の給料をもらうことになります。平均年収は584.4万円ですが、長く勤めるほど給料もアップしていきます。また、責任の大きな仕事である分、しっかりと手当をもらえることが特徴です。航空管制手当や夜間特殊業務手当など、さまざまな手当がつきます。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/203


航空管制官に求められること

天候状況を確認する航空管制官の男性

航空管制官にはどんな能力や資質が必要とされるのでしょうか。こちらでは、航空管制官に求められることをご紹介します。

長時間持続できる集中力

航空管制官の仕事では、ちょっとしたミスが大きなトラブルにつながることがあります。勤務中は集中を切らさずに状況確認し、しっかりとした指示を行えることが大事です。

的確な判断力

航空管制官は、天候や風向きなどで目まぐるしく変わる状況のなか、航空機の適切な高度や経路などを指示しなければいけません。どんな状況でも冷静かつ的確な判断をすることが求められます。

慎重さ

航空機の運航でミスが起こると、多くの人が犠牲になってしまう可能性があります。気になったことがあっても「まあいいか」で済ませるような人では、重大な事故を引き起こしてしまうことも。安全を守るため、慎重に管制業務を行えることが重要です。

適性検査でも試される空間把握力

航空管制官は、航空機の位置関係を適切に把握しなければいけません。立体的な空間をイメージしながら航空機の方向や距離感をつかめる空間把握力が必要です。採用試験のときにも筆記や実技でチェックされる重要な能力となります。


航空管制官になる方法とおすすめの学部

航空管制官を目指して勉強をする大学生の男性

航空管制官はどんなルートで就職することができるのでしょうか。ここでは、航空管制官になるための方法や、おすすめの学部についてご紹介します。

航空管制官になる方法

航空管制官は国土交通省航空局の国家公務員です。なるためには、航空管制官採用試験を受けて合格する必要があります。難易度が高い試験なので、チャンスを逃さないようにしっかりと準備した上で挑むことが重要です。

航空管制官の試験区分は大卒程度になります。受験資格で学歴は問われませんが、試験突破のためには大卒レベルの勉強が必須です。そのため、航空管制官を目指す人は大学に進学するのが基本とされます。

試験では一般教養のほかに英語の試験や空間把握力、記憶力の試験などがあります。特に英語の配分は大きいので、受験までに語学力を鍛えておくことが重要です。空間把握力や記憶力は航空管制官に不可欠な適性とされます。合格のためには、過去問題をたくさん解くことがポイント。ほかには、視力や聴力などの身体測定もあります。

試験に合格できたら基礎研修生の扱いになり、航空保安大学校で8カ月間の研修を受けます。研修中には航空管制官に必須の無線従事者(航空無線通信士)資格を取ることができますよ。航空保安大学校での研修が終わると全国各地に配属されて、実際の現場で研修・訓練が行われます。最初のうちは訓練生となり、さまざまな技能証明試験を受けて合格することを目指します。配属先によりますが、すべての試験をクリアするまでには2~3年かかることも。仕事に必要な業務資格が取れたら、晴れて一人前の航空管制官として認められます!

航空管制官になるためにおすすめの学部

航空管制官になるために必須とされる学問は特になく、文系・理系を問われることもありません。ただ、航空管制官の仕事では高い英語能力が必須とされます。就職後も定期的に英語の試験を受け、一定レベルの成績を収める必要があります。外国語学部や英語学部、英米文学部などで英語を専門的に学んでおくと、仕事をする上で大いに役立つはず!留学支援制度のある大学で英語の本場に留学し、より実用的な英語力を鍛える人もいますよ。

また、航空機についての専門知識や、飛行力学、空気力学、航空宇宙工学なども仕事に生かすことができます。こういった分野は航空工学部や工学部、理工学部などで勉強できますよ。


航空管制官が働く場所とキャリアプラン

航空管制官が務める空港

航空管制官はどんな場所で活躍し、どんなキャリアを積んでいくことになるのでしょうか。最後に、航空管制官の主な勤務場所や、キャリアプランなどを解説します。

航空管制官が働く場所

航空管制官が主に勤務するのは、全国各地にある空港や航空交通管制部などです。航空交通管制部は札幌・東京・神戸・福岡にあります。基本的に数年ごとに転勤するので、日本のさまざまな地域で働くことになります。「場所を決めず、いろいろな地域で暮らしてみたい!」「さまざまな人との出会いを楽しみたい!」という人にはぴったりですね。転勤したら異動先の空港の業務資格を取るために試験を受けるので、採用後も勉強を続けていく努力が欠かせません。

また、経験を積んだら国土交通省の別の機関に移って管制業務以外を担当するケースも。たとえば、国土交通本省や地方航空局では、管制についてのルールの立案などに携わります。航空保安大学校では研修生の教育などを行います。

航空管制官のキャリアプラン

航空管制官になれた後は、異動を繰り返しながらさまざまな職場で経験を積んでいきます。人によってタイミングは変わりますが、採用から約10年で「主任航空管制官」に、約16年で「主幹航空管制官」に昇任できます。主任航空管制官は管制業務のほか、後輩の指導も行うようになるのが特徴です。主幹航空管制官になると、より上の立場の航空管制官を補佐しながら、管制業務を引っ張っていく存在として働きます。

採用から約25年経つと「次席航空管制官」や「先任航空管制官」などの管理職になることができます。また、「空港長」や「航空交通管制部長」になれる人も。このように、専門性を生かしながら長く働いていけるのも航空管制官の魅力といえますね。

参考サイト:航空管制官 公式 職員紹介・キャリアステップ(国交省)
URL:https://www.mlit.go.jp/koku/atc/career.html


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航空管制官になるためには、大卒レベルの採用試験に合格しなければいけません。どんな学部を出ても試験を受けられますが、仕事で役立つ英語や航空宇宙工学などを専攻するのも選択肢の一つ。航空管制官を目指せる大学に興味がある人はぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてください。たとえば、「就職先検索」で「国土交通省」と入力して検索すると、国土交通省に就職した人の出身大学を調べられますよ。

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