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セキュリティエンジニアになるには?仕事内容や必要な資質・能力を紹介

2023.06.14

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今や、スマートフォンで写真やデータのやりとり、支払いや買い物をするのが当たり前な時代です。電子マネーやネット銀行も盛んになり、今やスマートフォンがあれば買い物も簡単にできますね。

しかし、便利になった反面、ニュースでクレジットカードの不正利用や、電子マネーの個人情報の流出事件などを見たことはありませんか?インターネット上にあるデータは、常に悪事を働く人達に狙われています。セキュリティエンジニアは、私達の大切な情報をそんな人たちから守ってくれる職業です。具体的にどのような仕事をする人なのでしょうか?セキュリティエンジニアの仕事について見ていきましょう。

セキュリティエンジニアとは?

スマホのセキュリティに悩む女性

セキュリティエンジニアとは、情報セキュリティを守ることに特化したエンジニアです。スマートフォンが普及し始めてからというもの、クラウドで写真やデータを管理できる便利な時代になりました。気軽にインターネットを通じてデータを送り合える環境だからこそ、サイバー攻撃によりデータや個人情報の流出被害が増えています。ネットの利用環境が広がっているため、どこから狙われるかわからなくなっているのも1つの要因です。

よくある身近な事例だと、クレジットカードや電子マネーの不正利用です。これらは、買い物を行う際に入力するサイトがサイバー攻撃を受けることにより、入力された個人情報が盗まれることで起こります。

セキュリティエンジニアは、そうした被害を防ぐために、サーバーの運用・保守を専門的に行い、セキュリティに配慮した設計・運用によってセキュリティを強化します。サイバー攻撃を未然に防ぐために調査や対策などを行うのも、セキュリティエンジニアの仕事です。ITシステムが発達して便利になっているからこそ、セキュリティ強化が求められています。

セキュリティエンジニアとインフラエンジニアの違い

セキュリティエンジニアと似た仕事に、インフラエンジニアという仕事があります。セキュリティエンジニアは、サーバーの運用・保守を専門的に行うエンジニアですが、インフラエンジニアは、サーバーやネットワーク関連機器の設計・構築・保守・運用とすべての工程に携わる仕事です。

セキュリティエンジニアは、インフラエンジニアが構築したITインフラや、導入したソフトウェアに対してセキュリティ対策を行い、セキュリティ攻撃を受けた時の対応手順の作成を行う職業です。複数のセキュリティ機能を1つに統合し、集中的にセキュリティ対策を行うUTMなどの機器を設置し、アクセス権限のコントロールを行い、外部からの侵入を防ぐためにシステムの異常をすぐに見つけられるような仕組みづくりを行います。セキュリティ対策を設定した後は、責任を持って運用し、いざという時に対応できるようにしておきます。

インフラエンジニアとセキュリティエンジニアの仕事内容は被る部分が多く、セキュリティエンジニアの多くはインフラエンジニアの知識を持っている人が多いです。インフラエンジニアについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
「インフラエンジニアになるには?仕事内容や必要な資質・能力を紹介」

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアは、具体的にどのような仕事をしているのでしょうか?ここでは、セキュリティエンジニアの中でも、クライアントのITシステムを守るセキュリティエンジニアの仕事内容について見ていきましょう。

セキュリティエンジニアの仕事内容は、5つのステップにわかれます。すべての工程を1人で1から担当する場合と、1つの工程を専門的に担当する場合があります。企業やプロジェクト、その人の特性によって担当する範囲が異なるでしょう。

1.企画・提案
企画・提案では、クライアントのITシステムを把握するために、まずセキュリティ診断を行います。狙われやすいポイントなど、セキュリティ強化が必要な部分を洗い出すためです。診断を行うのは、クライアントの既存システムや新たに開発や実装を考えているシステムです。その結果にもとづいて、必要なセキュリティを企画・提案します。

企画・提案する時には、クライアントの話を聞く時間を作り、実際にどのような機能を実装するか要件を詳しく聞きとります。それにあわせた企画書を作り、具体的に必要なセキュリティ対策を提案するところまでが企画・提案の仕事です。

2.設計
企画・提案で具体的に出したセキュリティ対策の内容をもとに、システムを設計します。設計したシステムは、他のエンジニアが見ても実装できるように、設計書に書きます。

仕事内容自体はインフラエンジニアや他のエンジニアと変わりません。しかし、セキュリティエンジニアは、システムの脆弱性やネットワーク上のウイルスの侵入経路など、情報セキュリティを守るためのプロセスに問題がないか、サイバー犯罪者と同じ目線に立ってセキュリティ上の問題への施策を考えながら設計する必要があります。 そのため、ネットワーク、サーバー機器、ハードウェアやアプリケーションなど、さまざまなシステムが安全に運用できるように設計します。各分野のシステムに関する知識が必要になるため、セキュリティエンジニアには幅広い知識が求められるでしょう。

3.実装
設計書にもとづいて、システムを実装します。システムの実装をするためには、ネットワーク機器の設定やプログラミングを行います。セキュリティエンジニアは、セキュリティ対策のためにセキュアプログラミングに関する知識が必要です。

セキュアプログラミングとは、脆弱性(ぜいじゃくせい)が生まれづらいプログラムを実装することをいいます。脆弱性とは、プログラムの不具合や設計上のミスが原因となって、コンピューターのOSやソフトウェアにセキュリティの欠陥ができることです。 脆弱性がある状態では、コンピューターへの不正アクセスやウイルスの侵入を許しやすくなってしまいます。そうしたサイバー攻撃を受けるすきを与えないために、脆弱性が生まれにくいプログラミングを行い、ネットワークが侵入を許してしまう状態になっていないか確認するのが、セキュリティエンジニアの仕事です

4.テスト
テストでは、実装したシステムに脆弱性がないかセキュリティ検査を行うのが主な内容です。ソフトウェアの開発を行うシステムエンジニア、アプリケーションの開発を行うエンジニアなどの場合は、テスト段階では仕様通りに完成できたかどうかを確認します。それに対してセキュリティエンジニアは、悪意のあるユーザーからもシステムを守れるかという視点のテストを実施します。

例えば、脆弱性の発見と対策を立てるために、脆弱性診断や脆弱性調査とも呼ばれる調査や診断を行い、セキュリティに問題がないかどうかを確かめます。

セキュリティ検査では、これまで実際に被害があったサイバー攻撃の手口で擬似攻撃を行い、問題が起きないかどうかの侵入テストを行います。ほかにも、実装したソースコードに穴がないかもチェックし、脆弱性を追求していくのです。

これらのテストによって脆弱性を発見した場合は、もう一度設計に戻り対応策を考え直します。テストを行い、問題がないシステムを実装するために、セキュリティエンジニアは何度もテストを行い安心できるシステムに仕上げます。

5.運用・保守
セキュリティエンジニアの仕事は、システムが完成したら終わりではありません。システム障害やサイバー攻撃からシステムを守り、安全に運用することがセキュリティエンジニアの大切な役目です。

保守業務では、常にマルチウェアの感染や不正アクセスなど、セキュリティの脅威となるセキュリティインシデントに関する情報を集めてセキュリティをアップデートする必要があります。スマートフォン本体やアプリが定期的にアップデートを行うのは、セキュリティを維持するためです。問題が起きる前に、サイバー攻撃など脅威となるものが出てきたら、システムが攻撃されないように対策を立てるのがセキュリティエンジニアの仕事です。

また、万が一サイバー攻撃を受けた場合に、即座に対応する事故対応スキルも求められます。被害を少しでも減らすために、セキュリティエンジニアは定期的に不正侵入調査も行います。

セキュリティエンジニアのやりがい

セキュリティエンジニアのやりがいは、サイバー犯罪から企業や利用者を守れることです。サイバー犯罪には、企業のデータを盗んで転売したり、カードの支払いデータを盗んだり、ネットワークに侵入してデータの改ざんや乗っ取りを行ったりする事例があります。

これらのサイバー犯罪の被害によって、企業が信用を失い大きな損失につながることもあるのです。実際に、従業員が10名程度の健康食品の会社が受けた被害を紹介します。会社の外部サーバーに不正なプログラムが仕掛けられ、顧客のクレジットカード情報や名前が漏洩する事件がありました。これにより、企業の信用は失いサイトは閉鎖、漏洩した個人情報の持ち主も被害を受けています。

セキュリティエンジニアは、こうした被害を未然に防ぐことができる仕事です。セキュリティのリスクから企業を守ることをミッションとし、サイバー攻撃から企業を守れることが大きなやりがいにつながるでしょう。

企業がサイバー攻撃による被害を受けると、顧客情報が流出するため、クレジットカードの不正利用や詐欺グループに個人情報が流れる可能性もあります。突然高額な請求が来たり、詐欺被害にあったりする原因となるでしょう。

セキュリティエンジニアは、悪い人たちから個人情報やクレジット情報など、みんなの大切な情報を守る仕事です。みんなが安心して過ごすための手助けができるのが、セキュリティエンジニアの大きなやりがいとなります。

セキュリティエンジニアの想定年収

セキュリティエンジニアの想定年収は、求人ボックスの統計データを見てみると339万円~666万円と幅広いです。年齢ごとの分布で見ると、20~24歳が339万円、50~54歳が666万円となっています。ここから考えると、年齢と共に昇進を重ねることで給与が上がっていくことが考えられるでしょう。

また、企業の規模別で見ると10~99人の規模の企業の平均年収は492万円、1.000人以上の企業は610万円となっています。企業の大きさによっても年収が変わってきます。勤務先や経験年数、求められるスキルによって給与は変わってくるでしょう。

セキュリティエンジニアに必要な資質・能力

セキュリティ対策に悩むセキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアの仕事をするためには、どのような資質や能力が求められるのでしょうか?セキュリティエンジニアに必要なものについて見ていきましょう。

ネットワークに関する知識

サイバー攻撃はネットワークを介して行われるため、セキュリティを強化するために、セキュリティエンジニアにはネットワークに関する知識が欠かせません。ネットワーク通信時に情報が奪われないように対策するためには、データの暗号化や認証技術が用いられます。個人情報などのデータやファイルなどを送受信する際に、サイバー攻撃から守るために欠かせない技術です。

また、セキュリティ対策をするためには、ネットワーク機器の設計や操作を行う必要があるため、ネットワークに関する知識が求められます。

セキュリティに関する法律の知識

セキュリティエンジニアには、個人情報保護法やサイバーセキュリティ基本法などの法律
の知識も求められます。なぜなら、セキュリティエンジニアは、これらの法律に則ったセキュリティ対策が必要だからです。

セキュリティに関する法律は、これからますます整備されていく分野です。そのため、一度勉強して理解するだけではなく、常に最新の知識を取り入れておく必要があります。

サイバー攻撃に関する理解

よく見かけるサイバー攻撃の手法や、最新のサイバー攻撃に関する知識は、常に取り入れておかなければなりません。どのように攻撃されるのかを知ることで、対策方法を考えられるからです。また、常に知識を取り入れておかなければ、新たな手法がでた時に導入しているセキュリティソフトだけでは対応できない可能性があります。そうなると、新たなセキュリティ対策が必要になります。

サイバー攻撃の代表的なものの中に、マルウェアという不正ソフトウェアがあります。動作を遅くしたり、データを勝手に削除したり、外部にデータを送ったりとさまざまな悪さをするものです。さまざまな種類がありますので、いくつかご紹介します。

コンピューターウイルス:コンピューターに侵入する不正なプログラム。メールの添付ファイルやWebサイトを開くことで感染します。
ワーム:侵入すると、気づかない間に爆発的に拡散し、メールソフトに入っているアドレスから勝手に送信するなど、被害が拡大する悪質なもの。
トロイの木馬:アプリや文書ファイルを装って侵入するため、感染に気づきにくい。長時間侵入し、個人情報を盗んだり外部サイトを勝手に攻撃したりするもの。

サイバー攻撃には、他にもさまざまな種類があります。今のうちからサイバー攻撃の種類やその手法を勉強しておくといいでしょう。

石橋を叩いて歩ける人

セキュリティエンジニアの仕事は、「ここまでやれば安心!」というものはありません。どれだけセキュリティ対策を行っても、サイバー攻撃を受けることはありえます。そのため、「このセキュリティソフトを入れたから大丈夫だろう」、「前もこの方法で防げたからきっと攻撃されないはずだ」という考え方では務まりません。

セキュリティエンジニアは、これでもかというくらいに入念に対応策を考えて、セキュリティが突破されないための対策を立てる必要があります。テストでは、何度もあらゆるサイバー攻撃の手法を用いて突破されないかどうかを確認します。

また、攻撃を受けた時には被害をできるだけ少なくするために、早急な対応が必要です。日頃から、「もしも攻撃をされた時は、どのような対応が必要だろうか?」と考え、行動できるようにしておかなければなりません。そのため、セキュリティエンジニアは、心配しすぎるくらい石橋を叩いて歩けるような人が求められます。

強い責任感

セキュリティエンジニアは、大切な情報を守るのが仕事です。そのため、構築したシステムがサイバー攻撃を受け、個人情報の流出などを引き起こした場合は、セキュリティエンジニアにも責任が伴います。大きな被害を生み出してしまうと「今回は失敗してしまった」と安易に考えられないため、プレッシャーが大きい仕事です。

被害を生み出さないために、脆弱性を入念にチェックし、定期的にサイバー攻撃対策をするための策を立てるなど、責任を持ってシステム構築後も情報を守り続ける必要があります。そのため、セキュリティエンジニアには責任感の強い人が求められます。

セキュリティエンジニアになるための方法とは?

セキュリティエンジニアが戦うクラッカー

セキュリティエンジニアは、企業の大切な情報を守る重要な使命を持つ職業です。ITへの幅広い知識とスキルが必要なセキュリティエンジニアになるためには、どのような進路が考えられるでしょうか?セキュリティエンジニアになるための方法について、お伝えしていきますね。

セキュリティエンジニアになるための勉強ができる大学・学部

セキュリティエンジニアは、エンジニアの中でも専門的な知識が必要となる難しい職業です。セキュリティに特化した業務を行うために幅広い知識が必要になります。独学で目指す人もいますが、プログラミング知識などは大学で学ぶのが近道です。

セキュリティエンジニアに必要な知識やスキルを学ぶならば、以下の学部を備えている大学を選びましょう。以下の学部では、ITやプログラミング全般の知識が身につけられます。

  • 工学部
  • 理工学部
  • 情報科学部
  • 情報通信工学部
  • 情報工学部
  • システムデザイン学部

その中でも、サイバーセキュリティ・情報セキュリティが学べる大学を選べば、セキュリティエンジニアに必要な知識やスキルが学べます。

<サイバーセキュリティが学べる大学>

  • 電気通信大学(東京都)情報理工学域Ⅱ類(融合系)セキュリティ情報学プログラム
  • 長崎県立大学(長崎県)情報システム学部 情報セキュリティ学科
  • 北陸先端科学技術大学院大学(石川県)先端科学技術研究科 先端科学技術専攻 セキュリティ・ネットワーク領域
  • 情報セキュリティ大学院大学(神奈川県)

サイバーセキュリティに特化した内容が学べる大学ならば、セキュリティエンジニアに欠かせないサイバー対策・情報セキュリティに関するスキルが身につけられますよ。在学中にセキュリティエンジニアに必要な資格がとれる場合もあるので、進路選びの参考にしてください。

セキュリティエンジニアに必要な資格や受験すべき試験

セキュリティエンジニアには、必須となる資格はありません。しかし、ネットワークやサーバーなどの機器、ソフトウェアの脆弱性に至るまでITに関する幅広い知識とスキルが求められる仕事です。

ITに関する幅広い知識も必要になるため、資格を持っておくとスキルの証明になります。セキュリティエンジニアの仕事に役立つ資格はいくつかありますが、今回はその中から3つご紹介します。

・シスコ技術者認定
シスコ技術者認定資格は、ネットワーク機器最大手のシスコシステムズ社が認定する、ネットワークのスキルを証明する資格試験です。ネットワークに関する基礎知識が身につけられるので、セキュリティエンジニアに必要なネットワークセキュリティに関するスキルや知識が身につけられるでしょう。

シスコ技術者認定は、世界共通基準の認定精度なので、日本だけではなく海外で仕事をする時にもスキルの証明になりますよ。シスコ認定ではIT業界で重要な仕事で成功できるように、トレーニングと認定プログラムが用意されています。レベルごとに4つにわかれており、エントリー・アソシエイト・プロフェッショナル・エキスパートと上にいくほどより専門性の高いスキルの証明になります。

・CompTIA Security+
CompTIA Security+は、IT業界団体のCompTIAが主催するセキュリティスキルが網羅された認定資格です。CompTIAの認定資格は全世界で認知されているため、セキュリティに関わる仕事をする多くの人が取得しています。

CompTIA Security+の試験では、ITセキュリティに関する幅広い知識が求められます。暗号化・認証・アクセス制御・リスク管理・脅威に対する対策や、各セキュリティ技術などが出題されるでしょう。セキュリティエンジニアに必要な知識ばかりなので、試験合格を目指せば必要なスキルや知識が身につけられますよ。

・情報処理安全確保支援士試験
情報処理安全確保支援士試験は、サイバーセキュリティ分野で初の国家資格です。サイバーセキュリティ試験の中でも最難関とされているため、この試験に合格すればセキュリティに関する専門知識や高い技術を持つ証明になります。

また、試験に合格後登録簿に登録すると、情報処理安全確保支援士の資格名称を使用できます。情報セキュリティに関する専門知識を持つ証明になるので、就職時やキャリアアップ時にも活かせる資格です。レベルが高い試験ではありますが、セキュリティエンジニアを目指すならば取得しておきたい資格の1つです。

セキュリティエンジニアの就職先とキャリアプラン

対策をするセキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、どのような場所で活躍できるのでしょうか?セキュリティエンジニアの就職先と、キャリアプランについて見ていきましょう。

セキュリティエンジニアの主な就職先

セキュリティエンジニアの就職先といえば、IT企業をイメージする人が多いのではないでしょうか。実は、セキュリティエンジニアはさまざまな業界で活躍できます。ここでは、主にあげられる4つの業界の就職先について紹介していきますね。

・SIer企業
SIerとは、システム開発や運用を請け負う事業のことです。クライアント企業の課題を解決するために、ソフトウェア設計や運用、コンサルティングまでのシステム開発に関わるすべての仕事を請け負います。

高校生のみなさんも一度は聞いたことがあるNTTデータやNEC、富士通などの大手企業から独立系SIerと呼ばれるベンチャー企業もあり、活躍できる場所は幅広いです。

・金融業界
クレジットカードや口座情報など、お金のやり取りを行う金融業界は、情報セキュリティ対策が欠かせません。今やネット口座も多く、スマートフォンでお金のやりとりやクレジットカード情報を確認する機会も多いため、以前よりも情報セキュリティ対策が求められています。

また、多くの個人情報を保有する保険業界もあり、サイバー攻撃の対象となりやすいです。保険の審査時には資産状況や家族構成、病気の有無、ローンの有無などを確認したうえで保険に加入します。保険会社が持つ個人情報は悪人には格好の標的となりやすいのです。

最近では特に、直接会わずにオンライン上で保険の相談や保険情報の確認ができるため、サーバーのセキュリティ対策がより求められています。他の業界よりも細心の注意を払って管理する必要があるため、セキュリティエンジニアを必要としているのです。そうした現状により、会社内でサイバーセキュリティ管理を専門的に担当するセキュリティエンジニアが必要とされています。

・Web系企業
自社でWebサイトやWebサービスを制作・運営しているWeb系の企業は、セキュリティ対策が欠かせません。特に楽天やメルカリのようなネットショッピングを行っている会社では、顧客の個人情報やカード情報、銀行口座の情報など大切な情報を取り扱います。利用しているユーザー数も多いため、セキュリティ対策の強化が求められます。

そのため、Web系の企業では、自社サービスの情報漏えいを防ぐためにセキュリティエンジニアを雇っている場合があります。
自社のデータ管理や顧客情報、外部業者とのシステム連携など管理する情報はたくさんあります。

ステイホームをきっかけにオンラインショッピングの需要が拡大したことで、新たにECサイトを立ち上げた会社も多いです。購入者の個人情報を取り扱う機会が増えたことから、セキュリティエンジニアの需要も拡大しています。

楽天やヤフー、メルカリのような有名企業の他にも、中小企業や立ち上げたばかりのスタートアップ企業など、Web系企業の選択肢は幅広いです。

セキュリティエンジニアになった後のキャリアプラン

セキュリティエンジニアになった後は、さまざまなキャリアプランが考えられます。どのような道が考えられるのか、セキュリティエンジニアになった後の未来を想像してみましょう。

・独立する
セキュリティエンジニアとして会社で経験を積んだのち、独立・起業する道もあります。自分で事務所を構えて企業と契約して仕事を行うので、仕事量や仕事をする相手を選べます。すべて自分で行わなければならない大変はありますが、自分のことを信頼して任せてもらえるので、より大きなやりがいが感じられるでしょう。

・別のITエンジニアになる
セキュリティエンジニアの経験を活かして、違う職種に転身する道もあります。サイバー攻撃の分析を行い、トラブル対応を専門的に行うセキュリティアナリストや、企業からセキュリティに関する悩みを聞き、対策や戦略を考えることを専門的に行うセキュリティコンサルタント、セキュリティのシステム設計を専門的に行うセキュリティアーキテクトを目指せます。

・最高情報セキュリティ責任者になる
銀行や保険会社などの企業で、セキュリティ対策の最高責任者を目指す道もあります。サイバー攻撃に対する対応が求められていることから、一般企業でも情報漏えい対策を強めているところがたくさんあります。それに伴い、セキュリティに対する最終的な決定権を下せる人は貴重な存在です。

最高情報セキュリティ責任者は、セキュリティエンジニアとしての技術面と、サイバーセキュリティに関するリスクの観点から、教育・アドバイスできるマネジメント的な側面も求められます。

・研究機関で働く
サイバーセキュリティに関する技術を追求していくならば、研究機関で働く道もあります。例えば、サイバーディフェンス研究所では、ハッキング、セキュリティの脅威となる問題が発生した時の対応、その脅威となるものの情報の分析などさまざまな分野に特化した人たちが集まっています。セキュリティエンジニアで培った技術や知識が活かせます。また、企業に対して行っているサービスは、内容によってわかれています。

脆弱性診断や、実際にサイバー攻撃で使われている手法を使って侵入し、脆弱性がないかをテストするペネトレーションテスト などのセキュリティ診断や、コンサルティング、セキュリティインシデントの対応サービスなど、自身の専門性を活かしたサービスに携われるため、専門性を追求しながら働けるでしょう。

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企業の大切な情報を守れるセキュリティエンジニアは、企業や利用者を守れる、とてもやりがいのある仕事です。これから先、ITがどんどん発展していくことから、どんどん需要が高まる職業でもあります。

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