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ピアニストになるには?求められる資質・能力などを紹介

2023.06.29

カテゴリー:
コンサートで演奏する女性ピアニスト

美しい音色で聴いている人を魅了するピアニスト 。クラシックのコンサートやアーティストのライブ、おしゃれなレストランなどいろいろな場面でピアノを演奏する姿を見るのではないでしょうか。
この記事では、ピアニストの仕事内容や求められる資質や能力のほか、ピアニストを目指すための進路について解説します。

ピアニストとは?

ピアニストとは、広い意味でいうとピアノを演奏する人 です。
最近では、動画配信などでピアノを演奏して人気になったり、テレビなどメディアで活躍する姿を見たりした人も多いかもしれませんね。

クラシックやジャズ、ポップスなど演奏する音楽のジャンルの違いや、ソロで活動する人やオーケストラで演奏する人など、さまざまな場面で活躍できる仕事です。
オーケストラなどの楽団に所属している場合は、楽団員としての仕事となるためここでは主にフリーランスでピアノを弾いて報酬を得る人を中心とします。

ピアニストとキーボーディストの違い

ピアニストに近い仕事として、キーボーディストという仕事があります。
キーボーディストは、主に歌手やギターなど他の 楽器と一緒 に演奏する仕事です。
ピアノだけでなく、オルガンやシンセサイザーなどの鍵盤楽器を演奏する人もキーボーディストというため、バンドのライブなどで演奏している姿を見た人もいるかもしれませんね。

ピアニストの仕事内容

結婚式場でピアノを演奏する女性

ピアニストの仕事は大きく以下の3つ があります。

ソロ活動

ソロで活動するピアニストは、コンサートでピアノ演奏を披露します。
一人でピアノだけのリサイタル(独奏会)を行う場合もあれば、オーケストラなど複数の 演奏者がいる場合もあります。
音楽のジャンルは、クラシックやジャズをメインに活動しているピアニストが多いですが、最近ではポップスやアニメソングなどを動画配信やテレビなどで演奏して人気になるピアニストもいます。
ピアニストを目当てにやってくるお客がいないと成立しないので、人気がないとできない仕事です。

伴奏

伴奏は、 コンサートなどでメインの演奏をサポートする仕事です。
メインとなる演奏にはバイオリンやトランペット、木琴など楽器にもいろいろな種類がありますし、演奏する人の要望に合わせた演奏が必要となるため 、高度なピアノの技術が必要になります。
また、楽器だけでなく、声楽やオペラ、ミュージカルなどでのピアノ伴奏や、舞台やバレエなど幅広い活躍の場があります。

ホテルやイベントなどでの生演奏

ホテルのラウンジやバーなどでピアノの生演奏をしていることがあります。食事や会話を楽しんでいるお客様 の時間をより良いものにすることができる仕事です。定期的な演奏は 一日に複数回行う場合もありますよ。
演奏が終わったときにその場にいるお客様から拍手をいただけたら、きっとうれしい気持ちになりますね。
結婚式など、出張でピアノ演奏をする仕事もあります。
イベントでの演奏は、進行スケジュールで決められたタイミングで指定の曲を演奏する仕事です。 いろいろなお祝い事で、その雰囲気を盛り上げる役割を担います。

ピアニストの仕事のやりがい

ピアニストのやりがいもいろいろあります が、ここでは以下の2つをご紹介します。

演奏を聴いた人の喜ぶ姿

なんといっても、演奏を聴いた人の喜ぶ姿を見たときがやりがいとして大きい要素です。
リサイタルやコンサート、イベントなど、ピアノを演奏する場面は違っても、演奏を終えたときに聴いていた人からの拍手や感動する姿を見られたら、うれしいですよね。
みなさんもコンサートなどの演奏や、卒業式や文化祭などでもピアノの演奏を聴いて感動したという経験があるのではないでしょうか。

ピアニストとしての技術向上

ピアニストにとっては、自らの技術の向上がやりがいとなります。
お客様の前での演奏やレコーディングなどの仕事がない日でも自主的に練習をしたり、新しい曲に挑戦したり、多くのピアニストが毎日のようにピアノに触れ ています。
日々の練習は、いつでも人前で演奏できる状態を維持するためにも大事なことですが、よりピアニストとしての高みを目指すためでもあります。
これまで演奏していた曲をさらに上手に演奏できるようになり、新しい曲も演奏できるようになれば、達成感を味わえるとともに、仕事の幅も広がっていきます。

また、身につけたピアノの技術を試す場としてコンクールに参加するピアニストもいます。
全日本ピアノコンクールや東京国際ピアノコンクールなど、プロも参加できる部門があるコンクールもあり、賞を獲得することもやりがいといえるでしょう。

ピアニストの仕事の流れ

ピアニストの仕事の流れは、演奏する場所や状況によって変わります。

リサイタルなどコンサートでの演奏

コンサートなどでの演奏は以下の流れです。

1.演奏する曲目などの打ち合わせ
2.会場の確認
3.リハーサル
4.当日の演奏

開催が決まった場合、演奏する曲目などの打ち合わせを行います。
曲目が決まれば、当日まで練習をしながら、会場の下見やリハーサルを行って、本番当日を迎えます。

ホテルなどの定期演奏

ホテルのラウンジや、バーなどでは決められた曜日や時間で演奏します。 スケジュールをやりくりして、複数の場所で定期演奏することもあるでしょう。
定期演奏以外の時間はイベントなどの出張演奏を行ったり、練習時間に充てること が多いようです。

ピアニストの年収

厚労省の賃金構造基本統計調査によると、ピアニストの平均年収は647万円程度とのことです。有名なピアニストになると1000万円を超えることもあるようです。

コンサートやイベントでの出演料やホテルやレストラン、バーなどでの演奏料が主な収入源になります。ピアノ講師としての収入がある人もいます。

出演料に関しては、ピアニストの知名度や演奏の技術などによって大きな開きがあります。
人気ピアニストになると、1回のコンサートの出演料が100万円を超えることもあるため、ピアニストの平均年収を大きく超えることになるでしょう。

ただし、コンサートやイベントに定期的に出演できるピアニストは限られています。楽団に所属している場合は給料制に近いので、安定した収入が得られますよ。

ピアニストに必要な資質と能力

楽しそうにピアノを演奏する女性

ピアニストに必要な資質や能力にはどんなものがあるのでしょうか?
ピアニストとして活動するために必要な資質と能力について解説します。

ピアノ演奏を楽しめる気持ち

ピアニストは常に研鑽を続ける仕事です。
コンサートやイベントがなくても毎日演奏をしているピアニストもいます。
そのピアノの演奏が楽しめていれば、毎日ピアノに向かうことが自然とできそうですよね。
今まで弾けなかった曲が弾けるようになるなど、楽しみ方は人それぞれですが、YouTubeなどでも人気のピアニストの中には本当に楽しそうにピアノを弾いている人が人気です。

独創的な表現力

人気ピアニストの多くは、演奏が上手 い だけでなく、聴衆に感動や興奮を与える演奏をします。
これは、ピアノを演奏する技術に加えて、演奏している曲が伝えたいことを想像し、聴衆に伝えるための表現力が優れているためにできることです。
譜面通りに演奏することも大事ですが、大きな動きや豊かな表情で演奏するピアニストの方が 見ていて楽しいと感じる人もいるでしょう。
演奏の基本的な技術をきちんと習得した上で、ピアノの練習以外にもいろいろな芸術に触れ て、自分なりの表現方法を見つけていきましょう。

プレッシャーに負けない精神的な強さ

ピアニストは人前で演奏することが仕事です。
特に大きなコンサートになると、数百から千人単位の人の前で演奏することもあります。
このときに、プレッシャーを感じて、チカラを十分に発揮できなかったらガッカリさせてしまいます。
たくさんの人の前でも楽しんでピアノを演奏できれば、持っているチカラを発揮でき、より多くの人に感動を届けることができます。

ピアニストになるための方法とは?

ピアニストになるには、どのような進路を選択すれば良いのでしょうか。ピアニストの世界の現状と併せて、ピアニストを目指すための進学先や就職先についてご紹介します。

ピアニストの世界の現状

多くのピアニストの中で、コンサートやイベントなどの出演料だけで生計を立てている人は少ない のが現状です。そのためにはコンクールで優勝するなどして、有名になる必要があるようです。
ピアノの演奏以外の仕事とは、ピアノのレッスンや、ピアノコンクールの審査員などです。
音楽教室を開いたり、音楽大学の非常勤講師などを勤める方もいますよ。

ピアニストになるための勉強ができる大学・学部

ピアニストになるためには大学の音楽科 や音楽大学の作曲科などに進むことがおすすめ です。

<ピアニスト になるための勉強ができる学部・学科>
・札幌大谷大学(芸術学部 )/北海道
・宮城学院女子大学(学芸学部音楽科)/宮城
・国立音楽大学(音楽学部演奏・創作学科)/東京
・洗足学園音楽大学(音楽学部音楽学科ピアノコース )/神奈川
・大阪音楽大学(音楽学部音楽学科)/大阪
・徳島文理大学(音楽学部音楽学科)/徳島
・鹿児島国際大学(国際文化学部音楽学科)/鹿児島

<人気ピアニストの出身校>
・牛田智大さん(昭和音楽大学付属ピアノアートアカデミー)
・ハラミちゃん(国立音楽大学・ 音楽学部演奏・創作学科)
・辻井伸行さん(上野学園大学・ 演奏家コース)
・清塚信也さん(桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコース )
・高木里代子さん(慶應義塾大学環境情報学部)
・松下奈緒さん(東京音楽大学音楽学部)

ピアニストに必要な資格や受験すべき試験

ピアニストになるために資格は必要ありませんが、ピアニストとしての演奏や指導の技術、知識を証明する検定やテストがあります。
その中でも演奏の技術に関する検定やテストは以下のようなものです。

<ピアニストにおすすめ の資格>
・クラシックピアノ検定(一般社団法人日本現代音楽芸術協会)
・カワイポピュラーピアノグレードテスト(カワイグレード認定委員会)
・英国王立音楽検定(公益財団法人かけはし芸術文化振興財団)

どの検定も課題曲の演奏があり、実技を審査員に見られますが、うまく演奏するだけでなく、演奏から感じられる音楽性や指導力の有無も見られます。

ピアニストになるために目指すべき就職先

ピアニストになるための就職先は、大きく2つあります。

フリーランス

コンサートを行っていきたい場合は、音楽プロダクションに所属することが選択肢のひとつです。
音楽プロダクションに入るためには以下のようなパターンがあります。

・オーディションに合格する
・コンクールで受賞 するなど結果を残す
・演奏動画などを送付して直接売り込む

ほか、イベントなどの派遣先で演奏したり、レッスンに赴くなど、自分で仕事を探しながらピアニストとして実力と人気を獲得していきます。

楽団

就職先となると楽団員になるのが一般的です。
オーケストラなどの演奏でピアノを担当するうちに、コンクールなどで結果を残してフリーランスになっていくことがあります。

ピアニストになった後のキャリアプラン

フリーランスのピアニストとして活動する女性

ピアニストとしてのキャリアプランは、以下のようなパターンがあります。

有名なピアニストになってリサイタルを行う

ピアニストとして、世の中に知られるようになると、自分の名前でリサイタルもできるようになります。
ひとり で大勢の観客の前でピアノを演奏することを目標にしているピアニストも多いかもしれませんね。
以前はリサイタルができるような有名なピアニストになるためには、大きなコンクールで受賞する必要がありました。
最近ではYouTubeなどでピアノを演奏する姿を投稿するなど、コンクール以外の方法で人気が出たり、インターネットを通じて多くの人に聴いてもらって有名になる可能性もありますよ。
有名になったピアニストはテレビに出演したり、世界中のイベントで演奏したり、シンガーや音楽家とともにコンサートを行うなど、いろいろなところで活躍しています。

指導者になる

ピアニストとして成功すると、ピアノ教室を開くなどして将来有望な若いピアニストを育てたり、音楽大学の教員として働く道があります。

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ピアニストといっても活躍の仕方はいろいろありましたね。
自分自身の演奏を多くの人に届けたいのか、ほかのアーティストやオーケストラと いっしょに演奏したいのか、イベントやレストランなどに来ている人の大切な時間を盛り上げたいのか、ピアノを通して何がしたいのかによって、ピアニストとしての方向性が見えてくると思います。

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