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法務担当者に向いている人の特徴は?仕事内容やおすすめの学部

2023.07.25

カテゴリー:
法務担当として企業に勤める女性

法務とは、法律や司法に関する業務のこと。なかでも、企業に関する法務は「企業法務」と呼ばれます。法務の仕事を担うのが法務担当者で、企業が法律を守って適切な経営ができるようにさまざまな業務を行います。今回は、企業法務の担当者の仕事についてご紹介します。具体的な仕事内容や向いている人の特徴、なるための方法、おすすめ学部などをお伝えするので、ぜひチェックしてみてくださいね。


法務担当者の仕事の内容や想定年収

顧問弁護士と打ち合わせをする法務部の女性社員

法務担当者の具体的な仕事にはどのようなものがあるのでしょうか?また、仕事をする上でどんなやりがいを感じることができるのでしょうか。まずは、法務担当者の仕事内容ややりがい、想定年収を見ていきましょう。

法務担当者の仕事の内容

法務とは、法律や司法にまつわる業務全般のことを指します。法律の専門知識を活かしながら法務を行うのが法務担当者の仕事です。企業の法務担当者は、企業が法律を守りながら経営できるようにさまざまな役割を果たします。

たとえば、「取引先との契約書をチェックしてほしい」と要望があったら、書類を見て法律的に間違った部分がないか確認します。契約書に書かれている内容によって会社に不利益が生じることもあるので、こういったチェックがとても大事になるのです。海外の会社と取引がある場合、取引先の国の法律を調べることも。法務担当者がアドバイスしながら、一から契約書を作ることもあります。

社員から「こういう新サービスを始めたいけど法的に大丈夫?」と聞かれたら、関連する法律を調べて問題ないかを確かめます。ほかには、取引先やお客様とトラブルになって訴訟に発展した場合、弁護士と協力しながら法務担当者が中心になって問題解決することも。さらに、社員が誤って法律違反することがないよう研修を実施したり、法律が改正されたときに会社が対応すべきことを調べたりと、さまざまな仕事があります。

また、法務担当者は、主に会社の法務部などの部署に所属して仕事をします。ただ、会社によっては法務担当者がいないところもあるんです。そういった会社では、法務のアウトソーシングを行っている会社に依頼して、法務担当者の仕事を代わりに引き受けてもらうことがあります。アウトソーシングとは、会社の仕事の一部を別の会社などへ頼むこと。そのため、法務の仕事をしたい人は、こういったアウトソーシングを行う会社へ就職する道もありますよ。

法務担当者の仕事のやりがい

法務担当者は法律の専門知識を活かして企業のさまざまな仕事に関わり、サポートを行います。企業が法律を守った適切な経営をするためには、法務担当者の力が不可欠といえるでしょう。企業を法律の面から支えて貢献できるのは、法務担当者ならではのやりがいです。

法務担当者の想定年収

令和4年賃金構造基本統計調査によると、企業法務担当が属する主な職業分類(法務・広報・知的財産事務の職業)の平均年収は437.4万円でした。入社したばかりの頃がもっとも低く、実績を積むことで徐々に収入を高めていくことが基本です。また、企業によっては資格手当があることも。司法書士のように取得の難しい国家資格を持っていると待遇が良くなる企業もあるようです。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)

「企業法務担当」

URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/Occupation/Detail?occupationId=446

法務担当者に向いている人の特徴や求められるスキル

法改正のセミナーに参加して情報のキャッチアップを行う法務担当者

法務の仕事をする上では、どんな資質や能力が求められるのでしょうか。こちらでは、法務担当者に向いている人の主な特徴やスキルについてご紹介します。

法令に関する知識や興味がある

法務担当者として働く場合、つねに法律の知識に触れることになります。こうした知識に興味がなければ、法務の仕事を続けていくことは難しいでしょう。法律を使った仕事に関心がある人なら、法務担当者の仕事もやりがいを持って続けていけるはず!

情報を収集し新しい知識を取り入れることが得意

法律の内容はずっと同じままというわけではなく、改正されて変わることがあります。知識が古いままでは、知らないうちに法律違反をしてしまう可能性も。つねに新しい法律の情報を収集し、知識を更新していけることが大切です。

文書作成が得意

法務の仕事では、契約書などの書類を作成する機会がたくさんあります。一文字違うだけでも違った意味になることがあるので、慎重かつ正確に作らなければいけません。法務担当者は、法律的な問題がないように適切な文章を書ける能力が必要です。

コミュニケーション能力がある

企業の法務担当者は、特に法律の知識がない社員に対して、専門的な内容をわかりやすく伝えることが求められます。難しい内容をかみ砕いて教えられるスキルが欠かせません。また、多くの社員から法律に関する相談を受けることになるので、相手の言いたいことをしっかりと汲み取り、解決のために必要な情報を引き出せるようなコミュニケーション能力も必要です。


法務の仕事に就く方法とおすすめの学部

授業課題で判例について調べる法学部の学生

法務の仕事をしたい場合、どんな会社への就職を目指せばいいのでしょうか?また、どんな勉強をしておくと良いのでしょうか。ここでは、法務の仕事に就くための主な方法や、おすすめの学部についてご紹介します。

法務の仕事に就く方法

法務の仕事をするためには、法務部のある企業に就職する方法があります。会社によっては法務以外の仕事で採用されて経験を積んだ後、法務の仕事に就くことも。法務専門の部署がない場合も、人事部や総務部といった部署で法務担当者を募集していることがあります。ただ、会社によっては司法書士や行政書士の資格取得者や、弁護士事務所で業務経験があることなどが採用条件になっていることがあります。法務担当者として働きたい場合は、こういった資格の取得なども視野に入れることがおすすめです。

ほかには、法務のアウトソーシングを引き受けている会社へ就職する方法があります。社内に法務担当者がいる会社に就職した場合、自分の会社の法務のみを担当することが基本です。アウトソーシングを行う会社に就職した場合は、いろいろな会社の法務を担当することになります。

法務の仕事に就くためにおすすめの学部

法務担当者の募集では学部が問われないこともありますが、仕事をする上で法律の専門知識が必須となります。そのため、法務に携わりたい場合は法学部で専門知識を身に付けることがおすすめです。また、学生のうちから取得を目指せる「ビジネス実務法務検定試験」など、法務に関する資格を取っておく人もいますよ。資格を持っていることで、法務の仕事に対する意欲があることをアピールしやすくなるでしょう。


法務担当者のキャリアプラン

契約書の内容について相談を受ける法務部の男性社員

法務担当者になったら、さまざまな法務の仕事に携わって経験を積んでいきます。その後は社内で昇進して管理職になり、法務の社員をまとめる立場になる人もいますよ。会社によっては、経営に携わる役員のポジションを目指せることもあります。また、独立して法務のアウトソーシング会社を設立する人も。法務の経験やスキルを活かして活躍していくことができるでしょう!


法務の仕事をすることに興味があるあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

企業の法務担当者として働くには、法律の知識が重要です。大学で専門知識をしっかりと学んでおくことで、法務の仕事に役立てることができるでしょう。ただ、「法務の仕事に興味がわいたけど、どんな大学を選んだらいいかよくわからない……」という人もいるかもしれませんね。そんなときは、ぜひ「JOB-BIKI」を使って調べてみてください。たとえば、「業種から探す」の「コンサル・会計・法務関連」から「会計、税務、法務、労務」を選ぶと、法務関連の仕事ができる会社を調べられます。そこに就職した方の出身大学をチェックすると、進学先をイメージしやすくなりますよ。

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