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ボイストレーナーになるには?仕事内容や求められる資質・能力を紹介

2022.08.04

カテゴリー:
生徒の腹式呼吸を指導するボイストレーナー

学校で歌を歌うことが大好きな人や、「いい声だね」とほめられたことがある人、いますよね。そんな素敵な歌声の出し方やいい発声方法を、「教える」仕事をしてみたいと考えたことはありませんか?そんなあなたにおすすめなのが、発声練習を担うボイストレーナーの仕事です。
この記事では、ボイストレーナーになるための方法や仕事内容のほか、求められる能力、将来のキャリアなどを紹介していきます。ボイストレーナーになるための勉強ができる学校についても解説しますので、ぜひ進路選択に役立ててくださいね!

ボイストレーナーとは?

ボイストレーナーとは、平たくいうと「声」の出し方を指導する仕事です。
皆さんの中にはボイストレーニングについて、「歌う技術を教えること」というイメージを持っている人もいるかもしれませんね。確かに、ミュージシャンなどの歌唱力指導もボイストレーナーの仕事のひとつ。「ボーカルインストラクター」として歌唱力指導を専門にする人もいます。
ボイストレーナーは俳優やアナウンサーなど、声を出す仕事の話し方も指導します。歌うことや話すことを職業としているプロに対するトレーニングから、「もっと歌が上手になりたい」「人を惹きつける話し方を身につけたい」と考える一般の人まで、ボイストレーナーは幅広くレッスンを行っているのです。

ボイストレーナーの仕事内容

ボイストレーナーの仕事は、指導の対象となる生徒のレベルチェックや、目指すべきゴールを確認することから始まります。それはなぜだと思いますか?
「プロのミュージシャンが喉を傷めない歌い方を学ぶ」のと、「一般の人がカラオケでうまく歌うためレッスンを初めて受ける」のでは、教えるレベルやゴールが大きく異なるからです。

ボイストレーニングでは、喉の開き方や腹式呼吸ができていないと、歌い続けているうちに喉を傷めてしまったり、十分な上達が望めなかったりするおそれがあるため、発声法や呼吸法などの基礎をしっかりと教えます。また、音程を正確にとるためのトレーニングや、音域を広げるためのトレーニングを行うことも。そのために、カラオケ音源を使用することもあれば、ピアノやオルガンを使用することもあるなど、レッスンの内容によって使う機材も進め方もさまざまなのです。

ボイストレーナーの仕事のやりがい

ボイストレーナーは、仕事のどんなところにやりがいを感じると思いますか?主に次の3点が挙げられます。

・生徒の上達を目の当たりにできる
自分が教えてきた生徒の発声や歌唱力がみるみる上達していくのを間近で見ると、ボイストレーナーとしてのやりがいを感じるはず。始めは自己流で歌っていた生徒が、レッスンの中で発声法や呼吸法を基礎から学び、発声が安定して「トレーニングされた声」に変わっていくのを目の当たりにできるのは、とてもうれしいことだと思いませんか?

・プロの仕事を支える存在になれる
ミュージシャンやアナウンサーなど、すでにプロとして活躍している方々のレッスンを担当すれば、「そのプロの仕事を陰ながら支えている!」と実感できます。
例えば、レコーディング前のレッスンを受けたミュージシャンがいたとしましょう。あなたのボイストレーニングを経てレコーディングに臨み、楽曲をリリースして、それがヒットしたときには、「自分のレッスンが役立った」と思えるはず。プロの仕事に貢献できる職業は貴重なので、その重要な役割を自分が担えるのは、とても大きなやりがいになりそうですね!

・ボイストレーニングの指導技術をどこまでも伸ばしていくことができる
ボイストレーナーの指導技術に、ゴールはありません。人間の発声方法や、声のもととなる体のつくりは十人十色。さまざまなタイプの生徒を上達へと導いていく方法は、ひとつだけではないからです。あなたのトレーニング方法に日々磨きをかけ、より上達が見込める教え方を確立し、指導者として成長・進歩していると実感できるのは、ボイストレーナーとして大きなやりがいにつながるでしょう。

ボイストレーナーの仕事の流れ

生徒を指導するボイストレーナー

 
ボイストレーナーの仕事は、どのように進めていくのでしょうか?初めてレッスンを受けに来る生徒をイメージしながら、仕事の流れを順に見ていきましょう。

1. カウンセリング

ボイストレーナーは、まず生徒がレッスンに入る前に、本人が「何を実現したくてボイストレーニングを希望しているのか」をカウンセリングします。生徒が求めているゴールに合ったレッスンを設定するためには、重要なステップです。

2. 現状の課題の共有

生徒がピアノやオルガンなどの音程に合わせて発声したり、課題曲や練習曲を歌ったりする様子をよく観察し、現状の課題を見つけ出していくのはボイストレーナーの大事な仕事。目指すべきゴールに対して今の課題となっている点を生徒と共有し、同じ目標に向かってレッスンを進めていく必要があるからです。

3. レッスンにおける技術指導

生徒が課題を克服するため、具体的に指導します。例えば、腹式呼吸のトレーニングを受けたことがない人に対しては、まず呼吸法の基本を教えることから。レッスンを重ねていく中で、徐々に難度を上げていき、生徒の発声スキルを引き上げていくのがボイストレーナーの腕の見せ所です。

4. 指導内容の記録

レッスンが終わるごとに、指導内容を記録していきます。生徒の成長度合いを振り返るために、記録は大いに役立ちます。記録が終わったら次回のレッスン内容のため、必要な準備を進めていきます。このようなレッスンを繰り返し、生徒の発声スキルを上げていくのです。

ボイストレーナーの年収

ボイストレーナーは正社員として雇用されるより、音楽教室などの企業とフリーランス(業務委託)契約を結んだり、パートタイマーとして仕事をしたりする人が大半です。つまり、ボイストレーナーの年収は、抱えている生徒数や自身の指導力、講師の人気などによって左右されることになります。

一般的な報酬としては、パートタイマーの場合なら1レッスン(60分)あたり1,200〜2,000円の場合もあれば、2,000〜8,000円という契約になることも。仮に1レッスン(60分)あたり2,000円で、1日5時間のレッスンを20日間行えば、月収は20万円、年収は240万円です。
これが人気のあるボイストレーナーだと、1レッスンの報酬が1万円以上に上ることも。そうなれば、1日5時間指導で20日稼働すると月収は100万円以上、年収は1,200万円以上に!

ボイストレーナーは、実力や人気によって年収に大きく差が開く職業といえるでしょう。あなたもプロのミュージシャンや俳優から頼りにされる、人気ボイストレーナーになってみたいと思いませんか?

ボイストレーナーに必要な資質と能力

グループレッスンを行うボイストレーナー

 
ボイストレーナーには、どのようなチカラが求められるのでしょう。指導者として必要な資質と能力について解説します。

情熱と探究心

人の「声」は十人十色。人によって抱えている声の課題はさまざまです。ボイストレーナーはたくさんの経験から教えることはできても、「この指導をすれば必ず上達する」という鉄則は持っていません。常に人それぞれの課題に向き合い、より良い指導法を探し求める探究心が必要です。
それでは、ボイストレーナーとして探究心を持ち続けるには、何が必要でしょうか?それは、生徒の成長を心から願い、自分自身も指導者として成長し続けようとする情熱。指導のスキルは、どこまで磨きをかけても終わりはないのですから。

表現力

ボイストレーナー自身の歌唱力や発声が優れていることは重要かもしれませんが、それ以上に重要なのは指導者として「わかりやすく教える」「伝わりやすい言葉を選ぶ」という表現力です。ボイストレーニングには「喚声点」「声帯閉鎖」「ピッチ」など、さまざまな専門用語がありますが、初心者に対してはいかにわかりやすく表現して、理解してもらい、成長につなげられるかが重要なのです。

例えば、腹式呼吸と胸式呼吸の違いを「胸に空気を取り込むか、おなかに空気を取り込むか」と教えるだけでは理解しづらいですよね。腹式呼吸を実演して見せた上で、「おへその下あたりに空気を取り込む感覚」と表現力すれば、「わかりやすく教えてくれる先生」と思ってもらえるかも。それも、ボイストレーナーの大事なスキルなのです!

コミュニケーション力

生徒がボイストレーニングの効果を実感できるようになるまでには、ある程度の期間が必要です。そんな生徒のモチベーションを持続させるには、ボイストレーナーのコミュニケーション力が欠かせません。生徒が「効果が感じられない」「全然うまく歌えるようにならない」と感じてレッスンを途中で辞めてしまってからでは遅いですよね。

ボイストレーナーは、生徒とコミュニケーションをとる中で、生徒の発声に関する身体的な特徴とは別に、性格への理解を深めて、モチベーションを上げていく方法を考えなければなりません。相手への理解を深めていきながら、自分のことも信頼してもらうコミュニケーション力は、ボイストレーナーとして重要といえるでしょう。

歌唱・発声技術とその指導力

ボイストレーナーは歌唱方法や発声方法はもちろん、息継ぎの仕方や声に対する感情の乗せ方についても教える仕事です。喉や身体のコンディッションの整え方まで指導します。
指導の際、ピアノやオルガンなどの楽器を弾いたり、ときには自身がお手本となって歌ったりすることもあるでしょう。そのためにある一定レベルの歌唱力や音楽的センスは必要です。

ただ、圧倒的な音楽的才能は必要ありません。大切なのは、初心者にも寄り添い、わかりやすく説明できる指導力。生徒も音楽的才能がある人ばかりではないので、圧倒的な歌声を何度も聞かせて「さあ、私と同じように歌ってみて!」というよりも、わかりやすく説明するチカラのほうがボイストレーナーには必要なのです。

調整力

ボイストレーナーはスタジオでレッスンの仕事をすることもあれば、自宅でレッスンをすることもあります。仕事が軌道に乗ってくれば、数十人の生徒を担当することに。生徒の予定をできるだけ効率よく組み、時間のロスをなくしたりやレッスンのバッティングを防ぐ調整力が求められます。

レッスン教室の運営者としての調整力は、一朝一夕に身につくものではありません。高校生でも普段から段取りが上手なタイプの人や、効率よく予定を組めるタイプの人は、ボイストレーナーとしての資質アリといえるかもしれませんね!

ボイストレーナーになるための方法とは?

オンラインボイトレを行うボイストレーナー

 
ボイストレーナーになるには、どのような勉強をしていけばいいのでしょうか。必要な資格や目指すための就職先があれば、知っておきたいという人もいるでしょう。ここでは、ボイストレーナーの世界の現状と併せて、ボイストレーナーになるための方法を確認してみたいと思います。

ボイストレーナーの世界の現状

ボイストレーナーは、かつてはプロのミュージシャンや声優などを育成する専属指導者のイメージがありました。しかし、最近では「カラオケでうまく歌いたい」「人前でちゃんと話せるようになりたい」という想いを抱いて、ボイストレーニングを受ける一般の人も増えています。ボイストレーナーの活躍の場が飛躍的に増えたこともあって、ボイストレーナーになるチャンスも広がっているのです。

ただ、ボイストレーナーの大半はフリーランス(業務委託)として活動しています。正社員として勤務して、固定給を受け取っているボイストレーナーは非常に少ないのが実情。ボイストレーナーとして生計を立てていくには、多くの生徒から「あの先生のレッスンを受けたい」と思ってもらう必要があります。ボイストレーナーになれるチャンスは広がっているとはいえ、生徒獲得の競争は熾烈なものになっているようです。

コロナ禍を機に、Zoomなどを使ったオンラインのボイストレーニング(オンラインボイトレ)も急速に広まりつつあります。実力や人気があるボイストレーナーにとっては、住む場所を問わず活躍できる時代になったといえるでしょう。

ボイストレーナーになるための勉強ができる大学・学部

多くのボイストレーナーは、ボイストレーニングの基礎を学んだ上で、自分のレッスンスタイルを確立していくケースが多いようです。基本的には下記のような学校でボイストレーニングの基礎を学ぶことになるでしょう。

<ボイストレーナーになるための勉強ができる学部・学科>
・音楽大学(声楽学科・声楽専攻)
・音楽専門学校(ボーカル科・ボイストレーニング科など)

ちなみに、有名なボイストレーナーの出身校は下記のとおりです。

<有名ボイストレーナーの出身校>
・佐藤涼子(りょんりょん)(国立音楽大学 声楽科)
・白石涼(慶應義塾大学 法学部)
・田中直人(たーなー)(日本大学 芸術学部)
・安倉さやか(武蔵野音楽大学 ピアノ科)
※50音順・敬称略

有名ボイストレーナーの中には声楽を学んできた人もいますが、声楽専門ではなかった人やボイストレーニングとは直接関係のない勉強をしてきた人がいるのも事実。「ボイストレーナーは声楽科を出ていなければ絶対になれない」わけではありません。ただ、まったく独学でできる仕事でもないので、やはりどこかの段階で基礎を学ぶ必要はありそうです。

ボイストレーナーに必要な資格や受験すべき試験

ボイストレーナーになるために、必須の資格や免許はありません。「ボイストレーナー」と名乗れば、すぐにボイストレーナーになることは可能です。

とはいえ、オンラインボイトレであっても、ボイストレーナーの過去の指導経験や実績は厳しくチェックされます。つまり、ボイストレーナーとして働くには、声楽やボイストレーニングを専門に学んできた経歴や、生徒の指導実績が必要不可欠。だからこそ、多くのボイストレーナーは、経歴に「専門学校ボーカル科卒」や「音楽大学の声楽科卒」と書いてアピールするのです。

仮に、そのような大学や学校を出ていなくても、「JAVCERT(日本ボイストレーナー連盟資格認定)」という、誰でも受験可能な資格があります。JAVCERTには1~3級があり、3級を取得すると一般の人への指導が認められます。資格取得は、有名ボイストレーナーへの第一歩を踏み出すきっかけになるかもしれませんよ。

ボイストレーナーになるために目指すべき就職先

ボイストレーナーの多くはフリーランス(業務委託)です。人によっては、複数の音楽教室やスタジオと契約を結び、兼任していくこともあるでしょう。ボイストレーナーと契約を結んでいるのは、下記の企業や学校が挙げられます。

<ボイストレーナーが契約を結ぶ企業・学校>
・ボーカル教室・音楽教室
・レッスンスタジオ
・音楽関係の事務所、プロダクション
・ボイストレーニングやボーカル科のある専門学校

ボイストレーナーが、みずから教室を開業することもあります。ただし、知名度や豊富な実績があり、レッスンの依頼が舞い込むようなボイストレーナーでなければ、いきなり教室を開くのは難しいでしょう。
まずは業務委託のトレーナーとして経験を積み、着実に指導力を高めていくことがベターでしょう!

ボイストレーナーになった後のキャリアプラン

ステージで脚光を浴びるボイストレーナー

 
ボイストレーナーになった後は、指導者としての実績を築いていきます。有名なボイストレーナーになれば、SNSなどで自分の名前を大々的に売り出して活動できるように。教室やスタジオの名前やブランド名がなくても、「◯◯先生のレッスンを受けたい」という生徒が集まってくるからです。

有名ボイストレーナーとして教室を開業して、生徒を集めることも可能になってくるでしょう。その段階になると、自分がレッスンを担当することより、優秀なボイストレーナーを採用して経営に専念することになるかもしれませんね。

最近では、ミュージシャンや有名人のボイストレーニング担当実績によって、メディアに出演するボイストレーナーもいます。ボイストレーナーとしてメディアで活躍することで、ボイストレーナーになることを夢見る若者の憧れの存在になるかもしれませんよ。

ボイストレーナーになりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

歌や話し方など、発声を指導するボイストレーナーの仕事について、イメージがわきましたか?「もっと歌を上達させたい」「うまく話せるようになりたい」と願う人の成長をお手伝いできるなんて、ボイストレーナーはとても素敵な仕事ですよね!

今回の記事や「JOB-BIKI」を参考に、ボイストレーナーを目指すための進路を探ってみてください。なりたい自分のイメージから逆算して進路を考えていけば、数年後の進学先もきっと見えてきます!

https://www.gyakubiki.net/jobbiki/

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