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イベントプランナーになるには?仕事内容や必要な資質・能力を紹介

2022.08.31

カテゴリー:
企画内容を説明するイベントプランナー

中学校・高校の文化祭で実行委員をやったことがある人なら、イベントを立ち上げ、フィナーレを迎えたときの感動はご存じでしょう。世の中にはスポーツイベントや音楽フェス、花火大会、企業の販売促進キャンペーン、展示会など、さまざまなイベントがあります。このようなイベントの企画から運営まで手掛けるのが、イベントプランナーなのです。
この記事では、イベントプランナーの仕事内容や求められる資質と能力のほか、イベントプランナーを目指すための進路について解説します。文化祭が成功したときの達成感を忘れられない高校生のあなたは必読です!

イベントプランナーとは?

イベントプランナーとは、さまざまなイベントのプランニング(企画立案)を担当する仕事です。
企画立案といっても、「こんなイベントを開催してみてはどうだろう?」と、ふわっとしたアイディアを出すだけでは、プロのイベントプランナーとしては残念ながら失格です。

学校で文化祭の実行委員を担当したことがある人なら、学校内のイベントでさえも、多くの事前準備が必要なことを実感していることでしょう。イベントを企画・準備し、運営して成功させるためには、多くの関係者の協力を得る必要があります。イベントを主催する企業・自治体との打ち合わせをはじめ、イベントの出演者選定・依頼、演出プランや告知・プロモーション方法といった、さまざまなプランを立てなければなりません。
イベントプランナーはイベントの成否のカギを握る、とても重要な職業なのです。

イベントプランナーとイベントプロデューサーの違い

イベント関連の職種には、イベントプランナーのほかに「イベントプロデューサー」があります。イベントプロデューサーは、イベントを滞りなく運営するため、スタッフの動きや段取り、参加者に楽しんでもらうための演出などを計画し、イベント当日の総責任者として指揮をとる仕事です。企画を予算内に収まるよう運営する方法を考えるのが、イベントプロデューサーの主な役割と考えていいでしょう。

イベントの企画立案を担当するイベントプランナーと、イベント開催当日に向けた実行部隊の責任者であるイベントプロデューサー。担当する仕事の範囲は厳密には違いますが、実際にはプランナーとプロデューサーを兼任することも多いようです。イベントプランナーがみずから立てた企画の運営総指揮を担うこともよくあるのです。

イベントプランナーの仕事内容

イベント企画や運営の検討会議

 
イベントプランナーの仕事は、大きく「企画立案」「準備・制作」「運営」の3つに分けられます。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

・企画立案
イベントプランナーは主催者(クライアント)である企業や自治体に、「このイベントは開催する価値のあるものだ」と納得してもらう必要があります。企画意図や効果を盛り込んだ説得力のあるイベントのプランを立てるには、日頃からの情報収集や綿密な市場調査、そして大胆な発想力が欠かせません。
イベントの規模が大きくなればなるほど、イベント開催に必要な人員の数や金額も大きくなっていきます。イベントを開催してもターゲットとなる人が集まらなかったり響かなかったりすれば、それは失敗です。魅力的な企画を立案してクライアントに「開催したい」と思ってもらい、開催予算を確保してもらうことがイベントプランナーの最も重要な役割なのです。

・準備・制作
クライアントに承認された企画案にもとづいて、イベントの具体的な準備を進めていきます。開催当日に向けたスケジュールを立て、必要な人員を割り出して協力会社や必要機材などの手配を進めていくのです。イベントの規模にもよりますが、スポンサーを募り、開催資金を集めることもイベントプランナーの重要な仕事のひとつです。
プログラムの作成や、イベント内のコンテンツ制作を指揮・管理するのもイベントプランナーの仕事。準備や制作を担当する各スタッフに指示を出し、作業に遅れが生じることのないように進捗状況を常にチェックします。告知のためメディアに売り込んだり、CMを打ったり、SNSで情報拡散する手配を行ったりもします。

・運営
イベントプロデューサーを兼務することが多いイベントプランナーは、イベント開催の当日、現場で運営を担います。スタッフや協力会社を指揮し、混乱なくイベントを終えられるように、最大限の注意を払います。イベント当日は不測の事態が起きることも少なくないため、イベントプランナーには、臨機応変な判断力と対応力が求められるのです。

イベントプランナーの仕事のやりがい

イベントプランナーが扱うイベントの種類はさまざまですが、音楽フェスやファッションイベントなど、規模や内容によっては世間の大きな話題となることもあります。イベントそのものが火付け役となり、一大ブームや社会現象へとつながることもしばしば。
注目イベントを成功させて、参加者やゲストに喜んでもらい、さらに世の中に大きなインパクトを与えたという充実感は、イベントプランナーにとって何ものにも代えがたいやりがいとなるでしょう。
「自分の企画が多くの人に喜んでもらえた」「自分の企画が世の中に影響を与えている」と実感できるのが、イベントプランナーの仕事の大きな魅力といえます。

イベントプランナーの仕事の流れ

イベントプランナーの仕事内容は、開催イベントのジャンルや規模によって異なりますが、ここでは、イベントに関する仕事の一般的な流れを見ていきましょう。

1. 企画立案・クライアントへのヒアリング・提案

クライアントから依頼を受け、企画を立てます。どのようなイベントにしたいのかをクライアントにヒアリングしつつ、どんな反響が期待できるのか、協賛企業が集まりそうかなどの情報収集も併せて行います。
準備ができたところで、クライアントへ企画の提案を実施。どんな計画か、どれだけ効果が見込めるかなど論理的に説明し、承認を得ます。ほかのイベントプランナーとのコンペになることも。

2. イベント開催までのスケジュール策定・管理

クライアントの承認を得たら、イベント開催までの具体的な準備に入ります。全体のスケジュールを決め、イベント出演者や会場の手配を行います。会場運営スタッフ・資材や協力会社の手配など、細かなタスクも忘れないようにしなければなりません。開催資金を集めるため、スポンサー回りも行います。

3. イベントの告知・宣伝

イベントは人を集めるためのものです。しかも、ターゲットとする人に来てもらわなければビジネスとして成り立ちません。そのため、新聞やテレビ、ラジオ、ウェブの広告やポスター、駅看板、パンフレットなどの手配も行います。SNSの活用も自社で行ったり、外部パートナーと連携したりして進めます。広告費用の管理もイベントプランナーの仕事なのです。

4. イベント開催当日の会場チェック・運営

イベント開催当日は、イベントプロデューサーを兼務することが多いイベントプランナーも立ち会います。舞台や会場受付、交通整理やお弁当の手配まで、すべてのスタッフの動きをチェックし、トラブルがあれば随時対応します。撤収まで見届けたところで当日の仕事は終了ですが、イベント後もスタッフや外部協力会社への支払いや挨拶などをこなす必要があるでしょう。
注目したいのは、多くの人とやりとりをしながら仕事を進めていること。イベントプランナーは、関係者とのコミュニケーションを図りながら調整して進めていく仕事なんです!

イベントプランナーの年収

イベントプランナーの年収は、イベント企画・運営会社勤務の場合だと300万〜400万円が相場だとされています。ただ、広告代理店など平均年収が高い企業であれば、もっと高い年収を得られる可能性も。

いずれにしてもイベントプランナーの仕事は、経験や実績が重視されます。就職して数年は、年収も決して高くなく、体力的にも楽ではないかもしれません。しかし、イベントプランナーとして実績を重ね、クライアントから直接指名される人材になれば、年収1,000万円を超えることもありうるのです。

イベントプランナーに必要な資質と能力

ボードで企画説明するイベントプランナー

 
イベントプランナーとして活躍していくには、どのような資質や能力が求められるのでしょうか。ここでは、特に必要とされる要素について紹介します。

企画力

人が「参加したくなる」イベントを提案するには、とにかく企画力が求められます。ビジネスとして開催するイベントには、必ず目的があります。単にたくさん人を集めるだけでなく、「クライアントがターゲットとしている人を集めるイベント」を考案しなくてはなりません。アイディアを思いつくだけでなく、具体的な計画へと落とし込み、企画書にまとめ上げる能力も必要です。
また、イベントの規模や内容に応じて、必要な人員や予算を割り出す能力も求められます。思いついたことを形にしていく実行力も含め、総合的な企画力が必要とされる仕事といえるでしょう。

流行を捉えるセンス

一年を通じて、全国各地で常に開催されているイベント。世の中の人々にとって、イベント自体は目新しいものではありません。ありきたりな企画やよくあるコンセプトのイベントでは、世間の注目を集めるのは難しいでしょう。そんな中で注目されるイベントを企画するには、時代の空気や流行をしっかり捉え、多くの人の潜在的なニーズをつかむセンスが求められます。

例えば、近年注目されているSDGs(持続可能な開発目標)。地球環境保護を考慮したイベントコンセプトが歓迎される傾向があります。イベントのコンセプトは主催企業やスポンサー企業のブランドイメージに影響を与えることもあるため、SDGsなどのトレンドに敏感であることはイベントプランナーにとって重要な資質。日頃から世間のトレンドをチェックして、感覚を磨いておくことは高校生のうちからでもできそうですね。

マネジメント能力

イベントの企画と開催は、チームワークが不可欠。大勢の関係者が、それぞれの仕事に責任を持って取り組むことで成立しています。そんなチームをまとめる役割を果たすイベントプランナーに、高いマネジメント能力が求められるのは言うまでもありません。

文化祭実行委員などの経験者なら、イベント当日に向けた準備が順調に進まないと悩んだ記憶があるのでは?想定外のトラブルが起きたり、当初のスケジュール以上に作業日数がかかったりすることは当たり前のようにあります。
その中で全体を俯瞰し、実現可能なスケジュールになるよう再調整していく能力がイベントプランナーに求められるのです。それには、困難な状況でも折れないメンタルの強さも大切かも?

提案力・コミュニケーション能力

苦労して考えたイベントの企画内容がクライアントに承認されるためには、プレゼンテーションで「開催する意義のあるイベントだ!」と実感してもらわなければなりません。いかに説得力のあるプレゼンができるかが、イベントプランナーとして仕事を獲得できるかどうかの重要な能力です。イベントプランナーにとって、提案力は非常に大切なスキルのひとつなのです。

イベントを成功させるには、協力会社やスタッフなど、多くの関係者に協力してもらう必要があります。イベントを指揮する立場だという不遜な態度をとっていれば、チームは崩壊してしまいます。相手の立場や多忙な状況を踏まえてコミュニケーションをとり、いかに気持ち良く仕事をしてもらえるかどうかが、最終的なイベント成功のカギを握っているのです。
細かな点にも気配りを忘れず、相手の立場に立った適切なコミュニケーションを図ることは、高校生のあいだにイベント実行委員を務めるときでも意識できるのでは…?

イベントプランナーになるための方法とは?

イベントプランナーになるには、どのような進路を選択すればいいのか、想像できますか。進学先や就職先と併せて、イベントプランナーの世界の現状について押さえておいてください。

イベントプランナーの世界の現状

 
イベントプランナーは人間関係の調整など、AIがあまり得意ではないとされる分野の仕事をします。イベントそのものは今後も続いていく可能性が高く、しかもAIでは代替が難しい分野のため、職業としては十分に将来性のある職種といえます。

ただし、イベントプランナーの仕事に華々しいイメージを抱いていると、実際の仕事は想像以上に地道な事務作業が多く、理想と現実のギャップに驚くかもしれません。特に、駆け出しの頃は、書類作成やスタッフ手配のための連絡など、根気のいる仕事が大半です。大規模なイベントを手掛けられるようになるまでには、長い年月が必要になるでしょう。一人前になるまでに時間がかかる仕事という点は、押さえておく必要がありそうですね!

イベントプランナーになるための勉強ができる大学・学部

イベントプランナーが所属するイベント企画・運営会社や広告代理店は、大卒以上を応募要件としている企業が多いようです。特に、大手のイベント企画・運営会社や広告代理店は、就職の競争倍率も高いため、イベントに強い関心があり、自分たちでイベントを立ち上げたり、運営スタッフとして参加したりした経験がないと新卒入社は難しいかもしれません。

また、イベントプランナーを目指すために必須の学部・学科はありませんが、実務において企画立案やマーケティングの知識が必要になることもあり、経営学部や商学部出身者が多いようです。経営学部や商学部でマーケティング関連の知識を学び、学園祭などで実行委員の経験を積むことは、イベントプランナーになるために大いに活きるでしょう。

イベントプランナーに必要な資格や受験すべき試験

イベントプランナーは実績や人脈が重視される職業のため、いろいろなイベントに参加して現場の空気を感じたり、イベント運営アルバイトをして経験を積んだりすることが、将来的に役立つでしょう。
イベント関連の資格としては、一般社団法人日本イベント産業振興協会が認定する下記の民間資格が挙げられます。

<イベントプランナーを目指す上で有効な資格>
・イベント業務管理士
・イベント検定
・スポーツイベント検定
・ユニバーサルイベント検定

この中で、イベント検定は誰でも受験できるので、高校生の皆さんにもおすすめ。イベント業務管理士はイベントプランナーが目指す資格で、2級は実務経験3年、1級は実務経験5年以上かつ2級合格者に受験資格が与えられます。ただし、実務経験にはアルバイトでの経験も含まれるため、高校~大学時代にイベント関連のアルバイトをしておくと、将来の資格取得のために役立つはず。

イベントプランナーになるために目指すべき就職先

イベントプランナーを目指せる就職先には、大きく分けて3種類あります。各就職先について、詳しく見ていきましょう。

・イベント企画・運営会社
イベント企画・運営会社は、イベントの企画・運営を専門に手掛けている企業です。企業によって得意とするイベントのジャンルは異なりますが、多ジャンルのイベントを手掛けている企業もあり、イベント関連の実務経験を積むのに適しています。

・広告代理店
広告代理店は、広告やプロモーションに関する事業を幅広く手掛けています。大手広告代理店は大規模イベント開催に関わっていることも多いため、イベントの企画・運営に携わるチャンスは大いにあります。ただ、大きな企業の場合、必ずしもイベント関連の部署に配属されるとは限らない点に注意してくださいね。

・広報・宣伝・マーケティング部門のある企業
広報・宣伝・マーケティング部門のある企業に就職すれば、プロモーションの一環としてイベント企画に携われる可能性も。ただし、イベント企画・運営会社に、ほぼすべてを外部委託している場合も多いですし、イベント以外の仕事を担当することも多くなります。

イベントプランナーになった後のキャリアプラン

イベントプランナーになった後は、イベントの成功事例を増やしていくことがキャリアの第一目的です。あなたが優秀なイベントプランナーとして評価され、クライアントから別のクライアントを紹介されたり、指名で仕事依頼が入ったりするようになれば独立し、フリーランスのイベントプランナーとして活躍することも視野に入ってくるでしょう。

近年では、イベントの存在を広く知ってもらうことも、イベントプランナーの重要な仕事です。新聞やテレビだけでなく、ウェブメディアやSNSなどでの告知や情報拡散も注目されています。SNSでのプロモーションなど、ウェブマーケティング分野で才能を開花させる人もいます。

また、イベント告知を行うメディアが多様化していることから、将来的には企業の広報担当者やSNSマーケティングのエキスパートとして活躍する道も。世の中に大きな影響を与えるイベントプランナーには、将来的にいろいろな活躍の場がありそうです!

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イベントプランナーは、イベントの企画立案や開催に向けた準備、さらには当日運営も含めて幅広く携わっていく職業です。イベントが大規模になればなるほど関わる人の数や動かす金額も増えていくため、開催までのプレッシャーは並大抵のものではありません。しかし、自分が関わったイベントがビジネスとして成功し、なおかつ人の心に残る体験を提供できれば、大きなやりがいを感じられるはず。

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