就活スケジュールを解説!就活の準備を始めるタイミングや企業の選考スケジュールを確認しよう
2025.07.24

「就活の準備はいつから始めたらいい?」
「就活スケジュールを知りたい!」
就活(就職活動)を始めるにあたって、このように考えている人は多いでしょう。
就職したい企業を選び、選考を経て内定をもらうまでの一連の流れを就活と呼びます。
自分に合った企業に入社するには自己分析や企業研究が重要ですが、企業の選考スケジュールは決まっているため、事前準備する時間は限られています。
就活を円滑に進めるためには企業の選考スケジュールを把握し、逆算して就活の準備をする必要があるでしょう。
この記事では、基本的な就活スケジュールや必要な準備を始めるタイミング、就活の流れなどについて解説しています。
就活の準備のポイントについても紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
就活スケジュールとは

就活スケジュールは企業の選考スケジュールをもとに決まります。一般的に定められている就活スケジュールもあれば、企業によっては異なるスケジュールを設定していることもあります。
企業の選考スケジュールを事前に把握して、自分自身の就活スケジュールを計画しましょう。
就活スケジュールは政府主導
企業の採用活動開始日や内定日などの就活スケジュールは、政府によって定められています。
2026年度卒のスケジュールは、下記の通りです。
・広報活動開始 :卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動開始 :卒業・修了年度の6月1日以降
・正式な内定日 :卒業・修了年度の10月1日以降
(参考:大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について|厚生労働省)
※「卒業・修了年度」は大学4年生、短大2年生、大学院2年生などを指します。
かつては企業が優秀な学生を採用するために就活スケジュールを早期化する傾向にあり、学生も就活を優先してしまい学業の妨げとなってしまうことが問題視されていました。1953年に就職協定によって採用時期が定められるようになったものの、決められた就活ルールを無視して水面下で採用活動をする企業が後を立たなかったようです。
当時、企業の採用時期は一般社団法人日本経済団体連合会(経団連)によって毎年定められていました。経団連は約1,400以上の企業が参加する総合経済団体です。
「学業の妨げにならないよう、就活時期を繰り下げるように」という政府の要請に従い、経団連は2013年に広報・選考活動時期を変更しました。しかし依然として就活ルールは守られず形骸化していることを鑑みて、2021年からは政府が経団連に代わって就活スケジュールを定めるようになったのです。
2025年現在は、政府主導となっても経団連が定めていた頃の就活ルールを踏襲しており、基本的には卒業・修了前年度の3月からエントリー開始、卒業・修了年度の6月1日から選考開始としていることがほとんどです。
※「卒業・修了前年度」は大学3年生、短大1年生、大学院1年生などを指します。
就活スケジュールは企業によっても異なる?
就活スケジュールは政府が定めているとはいえ、業界や企業によって異なるのが現状です。
そのため、企業ごとに異なる就活スケジュールを把握するには、気になる企業の過去の選考スケジュールを調べておくのがおすすめです。
多くの企業はインターンシップ等の選考、開催時期やエントリーシートの受付時期などを公開しています。過去のスケジュールを調べておくことで、時期が近付いたタイミングで企業の採用サイトをチェックすることができ、自分が就活する年の就活スケジュールを知ることができるでしょう。
企業・業界ごとの就活スケジュール一例

一般的な就活スケジュールとは異なる企業の就活スケジュールについて解説します。
外資系企業の就活スケジュール
外資系企業は経団連が定めたルールの規制を受けないため、優秀な人材を採用するために就活スケジュールを前倒しにする傾向にあります。政府主導で就活スケジュールが定められるようになっても変わらず、早いところでは卒業・修了前年度の12月までに内定が出るケースもあります。
外資系企業の一般的な選考スケジュールは下記のとおりです。
卒業・修了前年度の6~7月 | インターン選考 |
8~9月 | インターン実施 |
10月 | 会社説明会 |
9月以降 | 本選考 |
12月以降 | 内定 |
ベンチャー/中小企業の就活スケジュール
ベンチャー、中小企業も多くは就活ルールに縛られないため、一般企業より内定時期が早い傾向にあります。秋期・冬期インターンを経て卒業・修了前年度の12〜3月に決まるところが多く、早い場合は大学3年夏のサマーインターンで内定が出ることもあります。
ベンチャー、中小企業の一般的な選考スケジュールは下記の通りです。
卒業・修了前年度の7~9月 | サマーインターン実施 |
10月 | 秋期インターン実施、早期エントリー、選考開始 |
12月 | 本選考、冬期インターン実施、 |
1月 | 内定 |
3月以降 | 一般エントリー、選考開始、随時内定 |
日系大手企業の就活スケジュール
経団連に加盟している日系企業の説明会等は、経団連や政府が定めるとおり3月から開始されますが、大手企業やIT・広告・マスコミ業界などは選考スケジュールを早める傾向にあります。デベロッパーや総合商社は基本的に政府の定めたスケジュールに沿って選考が行われますが、企業によっては前倒しでインターンなどを実施することもあります。
日系大手企業の一般的な選考スケジュールは下記のとおりです。
卒業・修了前年度の4月以降 | インターン情報公開 |
6~8月 | サマーインターン実施 |
11~1月 | 冬期インターン実施 |
3月以降 | 企業の広報活動解禁、説明会開催 |
卒業・修了年度の6月以降 | 本選考 |
10月以降 | 内定 |
公務員に就職するために必要な公務員試験も、経団連の就活ルールの規制に縛られません。公務員試験のスケジュールは一般的な就活スケジュールよりは遅いですが、試験対策は逆算して早めに始めるようにしましょう。
自治体や職種によって選考日程は異なります。民間企業の選考も受ける場合はスケジュールを把握し、計画的に進めましょう。
学生の就活スケジュール

企業のスケジュールを把握することで、応募する学生がいつ何を準備するべきかがわかります。
政府主導の就活スケジュールに合わせた学生の大まかな動きは、下記のとおりです。
卒業・修了前年度の6月以降 | 自己分析/業界・企業研究 就活準備 合同説明会に参加 インターンシップ申し込み・参加 |
卒業・修了前年度の12月以降 | 選考対策を開始 |
卒業・修了前年度の3月以降 | 企業説明会に参加、エントリー開始 |
卒業・修了年度の6~12月 | 選考、内々定 |
流れに沿って詳しく解説していきます。
卒業・修了前年度の6月以降
インターンシップに参加を考えている人は勿論、インターンシップに参加する予定がない人も、6月頃から自己分析や業界・企業研究を始めておきましょう。
就職する企業を選ぶには、自己分析や業界・企業研究が役立ちます。
企業の説明会やエントリーは卒業・修了年度の3月からですが、インターンシップの申し込みなどは卒業・修了前年度の6月頃から始まることが多いため、この時期を目処に自己分析、業界・企業研究を始めるのがおすすめです。
自己分析
自己分析は、自分自身のスキルや強み、価値観などを理解し、言語化する作業です。自己分析することで自分がどんな人間で、どのような業界や企業でスキルや知識を活かせるかが見えてくるでしょう。
自己分析ができていると、就職したい企業を選ぶことができるだけでなく、企業にエントリーするときによく聞かれる「ガクチカ」もスムーズに書くことができます。
ガクチカについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
業界・企業研究
自己分析を終えたら、業界・企業研究に取り組みます。
業界・企業について理解が浅いまま就職してしまうと、相性の悪い業界・企業だった場合に早期退職の原因になってしまいます。企業の採用担当者にも志望度が低いと思われ、選考に受かりにくくなってしまう可能性もあります。
業界・企業研究では、それぞれ下記に重点を置いて調べてみましょう。
【業界研究】
・業界の特徴:提供しているサービスや商品について
・成長性:今後成長する見込みがあるか
・適正:自分自身に業界で求められる素養があるか
・トレンドやニュース:業界が今後どのような方向に進んでいくのか
【企業研究】
・ビジネスモデル:企業が収益を上げている方法
・顧客:企業が誰を対象にサービスや商品を提供しているか
・事業展開:今後の事業の方向性や成長戦略
・求める人物像:企業が求めている人材の特徴
・競合他社との違い:企業の強みや独自性
就活準備
自己分析や企業・業界研究と並行して、就活に必要な準備を始めましょう。
企業の選考では、服装やマナーなども重視されます。一般的に就活に必要とされているスーツや鞄、基本的なビジネスマナーなど、選考直前で慌てることがないように準備をしておきましょう。
特に就活はスーツを着用して臨むのが基本ですが、就活は夏から冬までかかることが大半です。6月以降に開催される合同説明会やインターンシップでも必要になることがあります。企業や業界によっては求められる服装が異なる場合もあるため、季節や業界によって使い分けられるよう、服装は数パターン用意しておくと良いでしょう。
合同説明会に参加
合同説明会は、複数の企業が同じ会場に集まっておこなう説明会です。就活の情報が解禁される前から通年開催されており、一般的に6月〜夏頃にかけておこなわれます。
業界を問わず様々な企業の情報を集めることができるため、就職したい企業や業界が定まっていない人にもおすすめです。業界研究や企業研究にも役立つでしょう。
インターンシップ申し込み・参加
インターンシップは夏の長期休暇を利用して実施されることが多く、参加のピークは卒業・修了前年度の夏と言われています。選考スケジュールを前倒ししている企業や業界では6月頃から申し込みを開始していることもあります。
就業体験を伴うインターンシップは参加人数が限定されるため、参加倍率が高くなる傾向にあります。興味のある企業がある場合は事前にインターンシップの有無を調べ、申し込みのタイミングを逃さないようにしましょう。
卒業・修了前年度の12月以降
自己分析や業界・企業研究、合同説明会やインターンシップを経て、志望する業界や企業が絞れてきたら、3月からのエントリーに備えて選考対策をスタートさせましょう。
選考直前で慌てて準備してしまうことにならないよう、この時期からエントリーシート(ES)の作成や添削、面接対策を進めます。
企業によっては冬期インターンシップを実施することもあるため、夏のインターンシップに参加できなかった場合はこの時期に参加するのもおすすめです。
ESの準備
ESは応募する企業に最初に提出する書類で、自分自身の印象を決定づける重要な書類です。一度書いた文章は学校の先輩や友人、家族など第三者に見てもらい、ブラッシュアップするようにしましょう。
ESについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。
面接対策
面接時の入退室のマナーや想定される質疑応答など、事前に把握しておく必要があります。面接対策も第三者の力を借りて模擬面接などをおこない、選考本番で実力を発揮できるよう準備しておきましょう。
卒業・修了前年度の3月以降
一般的な企業は学生の卒業・修了前年度の3月1日から情報を解禁し、エントリーの受付を開始します。エントリーは「企業に興味がある」意思を示すもので、選考への応募とは異なります。
企業にエントリーするとESの提出期限や選考の流れなどの情報が公開されます。エントリー後はESの提出や会社説明会が行われ、4月以降はエントリーする企業を選ぶ余裕がなくなるかもしれないため、3月時点で幅広い企業にエントリーすると良いでしょう。
企業が単独で開催する会社説明会が開催されるのも、卒業・修了前年度の3月以降です。合同説明会とは異なり、選考を受けることを前提とする学生も参加していたり、会社説明会で選考に関する情報が公開されたりすることもあるため、希望する企業の説明会には積極的に参加しましょう。
卒業・修了年度の6~12月
提出したES、履歴書を元に本選考が行われます。具体的な選考スケジュールは応募した企業に従いましょう。一般的な企業は10月頃に内定が出ますが、業界によっては5月頃に内定が出る企業もあります。
就活スケジュールを把握して就活を計画的に進めよう

就活スケジュールについて基本的な流れや就活準備を始めるタイミングについて解説しました。
就活スケジュールは政府主導で大まかなスケジュールが定められていますが、企業によって異なります。
多くの場合は卒業・修了前年度の6月頃から具体的な準備を始めて、2月にはESの準備を終えて3月からスムーズにエントリーできるように整えておくと良いでしょう。
biki-noteではガクチカやESの書き方のほか、業界や職業についても詳しく解説しています。就活スケジュールを円滑に進めるため、業界・企業研究に役立ててみてくださいね。