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絵本作家になる方法|仕事内容や求められる資質・キャリアプラン

2022.12.01

カテゴリー:
絵本の原画を書く絵本作家

子どものときに、お父さんやお母さん、先生に絵本の読み聞かせをしてもらった経験があるでしょう。ページをめくって、ドキドキしたり、ワクワクしたり、楽しい気持ちになったこともあるはず!高校生の皆さんのなかには、そんな絵本を自分で作ってみたいと思ったことのある人もいるかもしれませんね。

この記事では、絵本作家の仕事についてお伝えしていきます。どうしたら絵本を作る仕事ができるようになるのか、気になったらぜひ読んでみてください。


絵本作家とは?

キャラクターのラフ画を描く絵本作家

子どもの頃に読んだ絵本のような、素敵な作品をたくさんの人に届けたい!そんな絵本作家の仕事に興味を持ったら、まずは仕事の内容ややりがいをチェックしてみましょう。

絵本作家の仕事の内容

絵本作家は、物語や絵を創作して、絵本にする仕事です。文章と絵の両方を1人で担当する作家もいれば、文章のみ、絵のみを専門としている作家もいます。絵本は子どもたちの読み物として、多くの家庭のほか、幼稚園や保育園などの施設でもたくさん読まれます!子どもが人生で初めて触れる本でもあることから、教育にも欠かせない存在なのです。絵本作家は、子どもたちを惹きつけるお話と絵によって、魅力ある絵本を生み出しています。

絵本作家の仕事のやりがい

絵本作家として活躍すると、自分が生み出した絵本を広く届けて、日本や世界にいるたくさんの子どもたちに楽しんでもらうことができます。発行された絵本が書店に並んだり、図書館の本棚に並んだりして、誰かが手に取るところを目にするかもしれませんね。一生懸命に作った絵本が、親子の絆を深めたり、ロングセラーになって世代を超えて愛されたりする喜びは、絵本作家ならではのやりがいだといえます!

絵本作家の想定年収

絵本作家の年収は、絵本の売れ行きに大きく左右されます。その理由は、収入の仕組みに関係しています。絵本作家の収入は、絵本の執筆に対して支払われる「原稿料」と、売れた絵本の部数に応じて支払われる「印税」に分けられているのです。そのため、たくさん売れる絵本や、長く売れ続ける絵本を生み出すことができれば、印税で安定した収入を得られることも!

ただし、多くの絵本作家は安定した収入を得るために仕事を掛け持ちしています。たとえば、挿絵やイラストを描くスキルを活かしてデザイン会社などに務める場合、年収の目安は約300万円~400万円とされています。


絵本作家に必要な資質

絵本の構成を作る絵本作家の男性

絵本作家に向いているのは、どんな人なのでしょうか?仕事に必要な資質について解説します。

分析力

絵本作家として安定した収入を得るには、絵本が売れなければなりません。そのためには、どうしたら売れる作品になるかを考えたり、売り方を工夫したりと、マーケティングのために分析する力が求められます。今、子どもたちが何に関心を持っているのか、分析的な視点で見ることも大切です。

企画力

絵本を出版するには、まず出版社に絵本の企画を採用してもらうことになります。そのためにも、「どんな作品を制作しようとしているのか」「なぜこの絵本を出版しようと考えたのか」「絵本を読んだ子どもたちにどんな影響を与えることができるのか」などを伝えて、人を納得させる力が必須です。

独創性

子どもたちをあっと驚かせるような、これまでにない絵本を生み出すには、作家に独創性が求められます。絵本の読者である子どもたちは、大人とはまったく違う物事の見方をしていることも少なくありません。絵本作家も、当たり前のように見える物事の見方を変えて、独創的な作品を生み出せるといいですね。

創造性

絵本作家をはじめとしたクリエイター(制作の仕事に携わる人)には、創造性が欠かせません。子どもたちが夢中になる絵本の中には、これまでに見たことのない新しい世界観やキャラクターなど、常識はずれの驚くような発想から生まれたものも。絵本作家には特に強い創造性が必要だといえます。

作画力

絵本は文字が読めない年齢の子どもが読むことも多いので、絵を見ただけで十分に人を惹きつけられるだけの作画力も重要となります。単に絵の技術が高いということだけでなく、画材や描き方に工夫して子どもたちに親しみやすいと感じてもらえることや、他にない個性があってしっかりと印象に残ること、子どもたちが場面を理解しやすいように構図を設計することなども大切です。


絵本作家になるための主な方法

絵本作家になるために絵の勉強をしている女性

将来、憧れの絵本作家になるには、一体どんな方法があるのでしょうか?ここでは、代表的な3つの方法をご紹介します!

美術系の大学などに通う

絵本作家には、基本的に画力が求められます。そのためにも、作品制作のスキルを身に付けておくことが大切です!美術系の大学では、絵本作家に欠かせない技術を学び、磨くことができます。絵画専攻やデザイン専攻など、さまざまな表現を専門としたコースもあるので、絵本作家をはじめとしたクリエイターの職業を目指して入学する人も多くいます。絵本作家を目指しているなら、進学先の選択肢に入れてみては?

出版社へ作品を持ち込む

絵本作家が出版社へ作品を持ち込んで、編集者に見てもらう方法です。作品が編集者の目に留まり、さらには会社内でも認められたら、いよいよ作品を出版する流れになります。持ち込みから出版までは厳しい道のりになりますが、デビューのきっかけとなる可能性も!なかには持ち込みができない出版社もあるので、事前に各社の公式Webサイトなどで情報を確認してみてくださいね。

コンクールに応募する

出版社が開催する絵本のコンクールに作品を応募する方法です。コンクールの受賞者には賞金が与えられるほか、賞によっては受賞作品が出版されることも!多くの作家が受賞を狙って挑戦するため競争率が高く、難易度も高いといえます。しかし、入賞すればデビューにつながる大きなチャンスが手に入るので、腕試しにチャレンジしてみても良いでしょう。


絵本作家になるために取得したい資格

色彩検定の勉強をする絵本作家の女性

絵本作家になるために必須の資格はありません。ただし、絵本制作の仕事に役立てられる資格があるので、ぜひチェックしておきましょう。

Illustrator®クリエイター能力認定試験

グラフィックツールの「Illustrator®」を使って制作するスキルを証明できる資格です。最近では、デジタルで挿絵やイラストを描くクリエイターも多いので、一通りの使い方を押さえておきたいですね。

Photoshop®クリエイター能力認定試験

画像編集のソフトウェア「Photoshop®」を使って制作するスキルを証明できる資格です。絵本作家をはじめとしたプロも、絵の調整にソフトを使うことがあるので、こちらもあわせて受験してみては?

色彩検定

クリエイターなどのデザインをする仕事に欠かせない、色彩に関する知識やスキルを証明できる資格です。多くの絵本は、フルカラーのアナログで迫力たっぷりに描かれています。色彩への学びを深めると、自分が表現したいことに合わせて、効果的な配色を使えるようになるはず!


絵本作家のキャリアプラン

長く読み継がれる絵本

絵本作家としてデビューしたら、まずはたくさんの人に手に取ってもらえるような、人気の作品を生み出すことが一つの目標となります。売れ行きのいい作品は増刷されて、多くの人のところへ届けられるようになります。さらには、出版社から新しい作品の依頼を受けるようになるでしょう!

次に目標となるのが、長く売れ続ける作品を生み出すことです。絵本の世界では、数十年も前の作品が今なお読み続けられているケースも珍しくありません。皆さんの中には、1960年代に発行された『ぐりとぐら』や、1970年代に発行された『100万回生きたねこ』や『はらぺこあおむし』などの作品を読んだことがある人も多いはず。これらはロングセラーの絵本の一例です。多くの絵本作家が、こうした時代を超えて読み継がれる絵本を作ることを目指しています。


絵本作家になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

ここまで、絵本作家になる方法をご紹介しました!有名な絵本作家のなかには、大学を卒業してからこの仕事に就いた人も多くいます。たとえば、児童文学『クマのプーさん』の翻訳や、絵本『ノンちゃん雲に乗る』で知られる石井桃子さんは、日本女子大学校 (現日本女子大学)英文学科の卒業生。大学における文学や外国語の学びが、その後の編集や翻訳、絵本の創作につながっています。

絵本作家の先輩たちの出身大学に興味があるなら、ぜひ「JOB-BIKI」を使って調べてみてくださいね。人物検索で「絵本作家」と入力すると、絵本作家として活躍している先輩たちがどの大学へ進学したのかチェックできますよ。

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