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就職サポート充実の大学探訪記 Vol.2 電気通信大学

2023.07.28

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高い専門知識を得られそうな、企業の欲しい人材になれそうな大学名─。
その通り、電気通信大学は就職に強いことで知られる。最近はITなどの分野に限らず、多方面へ進路が拡大しているという。同大学の副学長で工学博士の山口浩一さんから話を聞いた。

電気通信大学はキャリア支援センターを設置して学生の就職活動を支援している。国立大学でこうした体制を整えているケースはまだ珍しいという。

副学長として学生たちのキャリア支援を推進している山口浩一さんが丁寧に説明してくれた。


「キャリア支援センターはキャリア教育部門と就職支援部門に分かれていますが、密に連携を図りながら学生をサポートしています。就職活動を行う年次(3年生もしくは博士前期課程)のみならず、入学当初からキャリア教育にも注力しているのが大きな特徴です」

電気通信大学 情報理工学研究科 基盤理工学専攻 教授 博士(工学)
副学長(学生・生涯キャリア支援担当)

キャリア教育を通じて社会や職業への関心を高めるとともに、大学での学びが世の中にどんな形で貢献していくのかを理解させるという狙いがある。その結果、目的意識が育まれ、将来の仕事もイメージしやすくなるという。

「しっかり自立して生きていくための〝人間力〟を養っておくことで、本当の意味での『よい就職』に結びつくと思います。本学に入学したら、授業やキャリア教育だけでなく、課外活動や友人との交流も含め、さまざまな体験をしてほしい。キャンパスライフのすべてが貴重な時間ですから」

勉強だけ、就職活動だけではないというスタンスが好印象だ。

昨今の就活では、自分の経歴やスキルなどについてまとめた「ポートフォリオ資料」が重要な役割を果たす。電気通信大学では、在学中に得られた幅広い気づきを記載する形で、それぞれの学生が個性豊かなポートフォリオを作る。

いよいよ就活の年次に差し掛かると、キャリア支援センター内の就職支援部門がサポートを主導する。学域(学部)内のⅠ類(情報系)、Ⅱ類(融合系)、Ⅲ類(理工系)の3つの類に分かれていて、各専攻に対応した就職担当の教職員とカウンセラーが配置されている。学生の専門性や希望を的確に把握し、支援するためだ。

(左上)電気通信大学の東2号館にキャリア支援センターがある
(右上)各種資料も毎年作成していて就活生のバイブルに
(左下)一般企業以外に、こういった官公庁の募集もある
(右下)授業の合間にいつでも相談できるカウンター(撮影中はあえて学生を映していません)

「まずは自分が興味のあること、自分ができることについて自由に書き出してもらい、その書類を元に面談を行います。この過程で、自身では気づかない意外な適性も掘り起こしていきます」

同窓会組織である「目黒会」のキャリアカウンセラーが学生の面談を手伝っているのも電気通信大学の特長。非常に熱心な指導をしてくれるそうで、学生たちからも好評だという。

同学の学生が胸に秘めている志は多種多様だ。

「たとえば、お酒に関わる仕事に就きたいと考え、大手酒造メーカーに入社した卒業生がいます。本学の専門領域とは関連性が低い業界のように感じるかもしれませんが、その酒造メーカーでは物流などでDX(デジタル変革)を推進中でした。本学で培ったスキルを生かし、活躍しているようです。人と接するのが好きという性格を踏まえ、わずかですが技術営業職を希望する学生もいます」

こうして多方面で活躍しているのは、「学生に寄り添った就活支援を行っているからこそ」だ。



なりたい職業から、志望大学が見つかる
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昨年年9月に本格的なサービス提供が始まって以来、大学受験を考えている人たちの間で大好評なのがJOB-BIKI(ジョブビキ)。大学選びのためのウェブサイト「逆引き大学辞典」内に設けられた新コーナーで、「なりたい職業から志望大学を絞り込める」という無料サービスだ。将来の就職希望先(企業名)で検索すると、過去の入社実績が最も高い大学が瞬時に判明する。

このサービスを提供している廣告社が2021年にアンケート調査を実施した。すると、高校生の回答者1万1420人の約79%が大学選びで“就職に有利であること”を重視していた。従来のサービスではそういった観点で進学先を選ぶのが難しかったことから、JOB-BIKIという画期的なサービスが誕生したわけだ。

まだ希望の職業や行きたい企業があいまいな場合も、興味のある業種や“あこがれの著名人”(その人の出身校がわかる)を手がかりに検索できるのがうれしい。

重要なのは、大学で学んだことをいかに生かし、やりがいを感じる仕事を通じて社会に貢献できるか。その手がかりを見つけられるのがこのサービスといえよう。

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取材・文/大西洋平 デザイン/鍋田哲平 撮影/上田泰世(朝日新聞出版写真映像部) 企画・制作/AERA ADセクション
《朝日新聞出版「AERA」2023年8月7日号(7月31日発売)タイアップ広告掲載》

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