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心理カウンセラーになるには?目指せる大学や就職先、取得したい資格を解説

2022.12.27

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最終更新日: 2025.04.04

相談者の話を聞く心理カウンセラーの女性

「心理カウンセラーを目指せる大学は?」「心理カウンセラーに向いているのってどんな人?」こういった疑問をお持ちではないですか?

心理カウンセラーは「人の心に寄り添える仕事」として人気があります。傾聴力や共感力など、カウンセラーならではの資質も大切になってくるので、自分に向いているか考えてみましょう。

本記事では、心理カウンセラーになるための方法や目指せる大学を紹介します。向いている人の特長についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

心理カウンセラーとは?

心理カウンセラーはどんなことをする仕事なのでしょうか。まずは、心理カウンセラーの仕事内容や、やりがい、年収などについて見ていきましょう!

心理カウンセラーの仕事の内容

心理カウンセラーの働く場所は、学校や民間企業、病院、介護施設、個人運営のカウンセリングルームなどさまざま。子どもからお年寄りまで、幅広い年代の人と接する機会があります。

就職先によって細かい仕事内容は変わりますが、心理学の専門知識・技術を活用することは同じです!カウンセリングを通じて相手の持つ問題に向き合い、ときには対処方法をアドバイスしていきます。悩みを持つ人をサポートするため、医師などの専門家と協力していくことも大事な仕事の一つ。また、対面でのカウンセリングのほか、電話やメール、オンライン通話などでカウンセリングすることもあります。

心理カウンセラーの1日の流れ

カウンセリングを通じて相談者の状態を記録する心理カウンセラーの女性

ここでは精神科病院に務める臨床心理士の1日を紹介します。

9:00スケジュール確認
9:30【外来予診】 初回の外来患者に対して、医師の診察前に情報の整理を行う(生い立ちや現病歴などの確認)
11:00【集団プログラム】 ・デイケアや入院中の患者さんに向けて、1時間程度の治療プログラムを提供する ・決まったメンバーで決まった時間に集まり自由に語る ・安心できる空間作りを通して、こころの安定につなげる
12:00昼食休憩
13:00【心理検査】 ・知能検査や人格検査で、認知機能や記憶力の状態を確認したり、心理的な特徴を把握する ・検査結果を確認し、治療方針に活用する
15:00【カウンセリング】 ・患者さんの不安や悩みに耳を傾け、心の整理をサポートする ・イライラや不安になったときの考え方や行動を一緒に振り返り、楽になる方法を探す ・日常生活の困りごと(家族関係、仕事、人間関係など)の解決方法を一緒に考える
17:00【多職種連携会議】 ・医師や看護師と共に、治療に課題のある患者さんについて専門的な意見を出し合い、より良い支援方法を検討する
18:00退勤

精神科病院には、うつ病や不安障害、統合失調症といった心の病を抱える方々が治療のために通院・入院されています。臨床心理士は、心理検査やカウンセリング、集団プログラムなどを通して、患者さんの心の回復をサポートします。

心理カウンセラーに資格は必要?

資格を持っている心理カウンセラーがカウンセリングしている様子

心理カウンセラーは、特別な資格がなくても名乗ることができます。ただし、資格保有が応募条件になっていることも多く、相談者からの信頼を得るためにも資格は取っておいた方が良いでしょう。

心理カウンセラーの主な資格には、以下のようなものがあります。

  • 公認心理士
  • 臨床心理士
  • 認定心理士
  • 応用心理士
  • 産業カウンセラー
  • メンタルケア心理士
  • 臨床発達心理士

それぞれの資格の概要や詳しい取得方法については、以下の記事で解説しています。

心理カウンセラーになるには

心理カウンセラーになるには、以下の方法で資格取得を目指しましょう。

  • 大学や大学院で心理学について学ぶ
  • 民間スクールや通信講座で学ぶ

大学や大学院で心理学について学ぶ

心理学系の資格の中でも、以下の資格は、大学や大学院に行って学ぶ必要があります。

医療機関や教育機関では、これらの資格が募集条件として重視されています。特に「公認心理士」は心理職で唯一の国家資格で、指定された25科目を設置している4年制大学を卒業し、その後大学院の修士課程(または博士前期課程)で必要な科目を修了することで受験資格が得られます。

心理カウンセラーを目指す場合、大学進学をおすすめする理由は、これらの信頼性の高い資格試験の受験資格が得られ、将来の進路の選択肢が広がるからです。

民間スクールや通信講座で学ぶ

一般企業や個人で心理カウンセラーをするなら、民間スクールや通信講座でとれる以下のような資格の取得を目指すのもいいでしょう。

  • 産業カウンセラー
  • メンタルケア心理士
  • 教育カウンセラー 

スクールや通信講座は、大学に比べて費用を抑えて資格取得を目指せます。夜間に授業があったりWeb教材で自宅から学べたりするので社会人の方にもおすすめです。

心理カウンセラーを目指せる大学

臨床心理士になれた人がカウンセリングを行う様子

これから心理カウンセラーを目指す高校生のみなさんは、専門性と信頼性が広く認められている公認心理士、認定心理士、臨床心理士を目指すのがおすすめです。

これらの資格が取得できる大学を紹介します。

心理学科を設置している大学では、カウンセラー資格の取得に役立つ内容に特化したカウンセラー関連コースなどを設置していることがあります。カウンセラー資格で唯一の国家資格である公認心理師の資格取得を目指せる大学を一部ご紹介します。

駿河台大学
駿河台大学の心理学部心理学科では、2年次より下記の3つのコースが選べます。いずれのコースでも卒業し、大学院で必要な単位を取得すれば、公認心理師試験の受験資格を得ることができます。
・臨床の心理コース:心の問題や改善のための臨床心理学的支援を学べる
・犯罪の心理コース:犯罪者の心理、操作、防犯など、犯罪や非行に関する心理学を学べる
・子どもの心理コース:子どもの心理的発達や子育てをめぐる問題、心理学的支援を学べる

帝塚山大学
帝塚山大学の心理学部心理学科では、公認心理師の養成カリキュラムに対応しています。臨床心理学分野の教員は全員が公認心理師と臨床心理士の資格を保有しており、カリキュラムをこなすことで学生のうちから二つの資格取得を目指せます。学科全体で心理学検定の受験にも取り組んでいます。

教育学学科のカウンセリングコース

教育学系の学部では子どもの心理について学ぶ内容もあるため、カウンセラー資格の取得にもつながるコースを設置しているケースがあります。

宮城学院女子大学
教育学部教育学科の幼児教育専攻では、子どもの心の健康や発達に焦点をあてた「心理コース」が設置されています。代表的なカウンセラー資格のひとつである認定心理士資格の取得を目指せます。

芦屋大学
芦屋大学の教育学科では、2025年度から心理学コースを設置しています。人の心を理解し、学校現場で起きている心理問題に対応できる人材の育成に特化し、認定心理士資格の取得を目指せます。

社会福祉学科のカウンセリング専攻

社会福祉学は、社会環境や制度のあり方を様々な角度から追求し、人類全体の幸せを研究する学問です。物理的援助だけでなく精神的援助もおこなう総合サービスとしての福祉を目指しており、社会福祉学科でも心理学専攻やカウンセリングコースを設けていることが多いです。

東京福祉大学
社会福祉学部社会福祉学科には心理福祉専攻が設けられており、公認心理師資格に必要な指定科目を履修できます。

同朋大学
社会福祉学科心理学専攻では、社会福祉学と心理学双方の知識・技術を学ぶことで幅広い分野で活躍できる人材の育成を目指します。公認心理師資格の取得に役立つ座学や演習、実習などのカリキュラムが用意されています。

人間関係学科のカウンセリング専修

人間関係学科は、人間の心と身体のメカニズムをトータルに捉え、人間そのものに深く切り込む学問です。

大妻女子大学

人間関係学科 社会・臨床心理学専攻は、社会心理学と臨床心理学をバランスよく学び、人間関係とこころの問題に取り組みます。傾聴のロールプレイや臨床力のトレーニングを経て、公認心理師・臨床心理士両資格の取得を目指せます。

別府大学
人間関係学科は「心理」「福祉」「教育・生涯スポーツ」の領域から、社会における人間関係を多面的に考察し、地域社会の活性化に携わる人材の育成を目指します。公認心理師、認定心理士の資格取得を目指せます。

心理カウンセラーの仕事のやりがい

大学で心理学を学ぶ女性

心理カウンセラーのところには、うつ病や適応障害など、さまざまな心の問題を抱えた人がやってきます。ときには、状況を改善することがなかなか難しい悩みを持つ人が来ることも。心理カウンセラーは、そういった人たちの心の苦しみを取り除けるよう、真剣に向き合っていきます。自分の専門分野であるカウンセリングの力を使って、困っている人の気持ちを少しでも前向きにすることに貢献できると、大きなやりがいを感じられるはず。

心理カウンセラーの大変なところ

心理カウンセラーの仕事では、自分の心と体の健康を保つことが大切です。クライアントの深刻な悩みに向き合うためには、カウンセラー自身が安定していることが不可欠だからです。

また、クライアントの感情に寄り添いながらも、専門家として客観的な視点を保ち続けるのも心理カウンセラーの大変なところです。これには相当な訓練と経験が必要で、とくに影響を受けやすい性格の人にとっては大きな課題となるかもしれません。

心理カウンセラーの想定年収

カウンセラー(医療福祉分野)を含む「他に分類されない保健医療の職業」の全国平均年収は459.3万円です。ハローワーク求人統計データでは、月額の平均は24.1万円となっています。

病院や福祉施設など、勤務先によっても年収は変わってきます。気になるときは、試しに求人情報をチェックしてみましょう!具体的な金額をイメージしやすくなります。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/411

心理カウンセラーに向いている人

小学生の相談を受ける心理カウンセラーの女性

心理カウンセラーには、どんなタイプの人が向いているのでしょうか。また、どのような能力が必要となるのでしょうか。ここでは、心理カウンセラーに求められる資質や能力についてお伝えします。

人の話を冷静に聞ける人

心理カウンセラーは困っている人の話を聞いて、相手が何を悩んでいるのか、何を求めているのかを判断します。このとき、相手に共感しすぎてしまうと自分自身が苦しくなってしまうことも。相手の気持ちに寄り添いながらも、自分は冷静さを保てることが大事です。

先入観に惑わされない人

カウンセリングに来る人は、一人ひとり違う悩みを持っています。相手の年齢や性別、立場などに惑わされず、その人に合わせたケアをすることが必要です。先入観を持たずに、その人にとって何が正解か、どんなサポートをすれば良いかを考えられることも重要な資質といえます。

心理カウンセラーの主な就職先

心理カウンセラーは、さまざまな施設や企業などで求人募集があります。自分の希望に合わせた就職先を選びやすいのがメリットの一つです。

教育現場

小学校・中学校・高校・大学などの教育現場でカウンセリングを行い、不登校やいじめなどの問題に向き合います。児童・生徒だけではなく、教師や保護者などのサポートをすることも。「スクールカウンセラー」として募集されていることもあります。

企業

民間企業のカウンセリングルームや心理相談室などで、働く人の心身の不調をケアします。本人の悩みを聞き、必要であれば職場全体の改善を働きかけることもあります。

福祉施設

精神保健福祉センター・児童相談所・老人福祉施設など、幅広い福祉施設で心理カウンセラーが必要とされています。施設の利用者本人だけではなく、家族の相談に乗ることも!

医療関係施設

病院や診療所などで医師と協力しながら、患者様や家族へのサポートを担当します。心療内科や精神科はもちろん、内科や小児科など、さまざまな病院で心理的なケアを行うことがあります。

司法の現場

少年鑑別所・刑務所・家庭裁判所など、法務省が管轄する現場でも心理カウンセラーが活躍しています。勤め先によって、仕事の内容はさまざま。たとえば少年院では、トラブルを起こした少年の心のケアを行うことで、社会復帰をサポートすることがあります。

心理カウンセラーになった後のキャリアプラン

福祉施設で高齢者のカウンセリングをする心理カウンセラーの女性

ご紹介したように、心理カウンセラーにはさまざまな就職先があります。一度就職してから経験を積んで、別の現場に転職することも。専門性を生かして、幅広い場所で活躍できるのが魅力です。

心理カウンセラーを長く続けていくためには、たくさんの仕事に挑戦して実績をつくることが大切です。多くの人の悩みを聞いて改善に取り組み続けることで、カウンセリングのスキルを磨けます。転職するときにも、どんな経験をしてきたかをアピールしやすくなりますよ。

心理カウンセラーになりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

苦しい気持ちを抱えている人の不安を取り除き、前向きになる手助けができる心理カウンセラー。「誰かの役に立ちたい」「困っている人を助けたい」という人におすすめの仕事です。就職先の種類が多いため、どんな人たちとどのように関わっていきたいかを考えた上で応募することがポイント。また、「臨床心理士」や「公認心理師」などの資格取得を目指すには、心理学系の科目を学べる大学を選ぶことが大切です。

心理カウンセラーを目指せる大学に興味があるなら、ぜひ「JOB-BIKI」で検索してみてください。例えば、検索画面の「人物検索」で「心理カウンセラー」と入力すると、有名な心理カウンセラーの出身大学を調べられますよ。

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