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百貨店(デパート)業界の魅力はどのようなところ?主な職種とおすすめの学部

2024.02.14

カテゴリー:
都市型の大きな百貨店

百貨店業界の魅力や企業の例

百貨店業界にはどのような特徴があり、どんな企業があるのでしょうか。まずは、百貨店業界の特徴や魅力、企業の例をご紹介します。

百貨店業界とは

百貨店とはさまざまな商品を販売する店のことです。皆さんも買い物で百貨店に訪れた経験があるかもしれませんね。経済産業省では、百貨店のことを小売業に含め、「衣、食、住にわたる各種の商品を小売する事業所で、その事業所の性格上いずれが主たる販売商品であるかが判別できない事業所であって、従業者が常時50人以上のものをいう。」と定義しています。小売業とは消費者に対して商品を販売する事業のこと。取り扱う商品は、メーカーや卸売業者などから仕入れます。メーカーとは商品を製造する会社のことで、卸売業者はメーカーと小売業の間に入る業者です。一般的に、百貨店は卸売業者と契約してメーカーの作った商品を仕入れます。上記のように、衣食住に関する幅広いジャンルの商品を仕入れ、お客様に売ることが百貨店の特徴です。

現在、日本全国にはさまざまな百貨店が存在しますが、主に立地によって都市型の百貨店や電鉄系の百貨店、郊外型の百貨店などに分けることができます。それぞれの違いを見ていきましょう。

【百貨店の立地による主な種類】
・都市型の百貨店
都市型の百貨店は、全国の都市に店を構えていることが特徴です。都心部や県庁所在地など、人が多く集まりやすい場所を選んで店を出しています。

・電鉄系の百貨店
電鉄系の百貨店は、鉄道会社や鉄道グループ会社などが経営していて、駅と直結のビルやすぐ近くに店を構えていることが特徴です。アクセスが良く、お客様が足を運びやすいことが魅力。ただ、都市型百貨店の中にも駅からすぐの場所に店を出しているケースがあり、厳密に分けるのは難しい場合もあります。

・郊外型の百貨店
郊外型の百貨店は、地方や郊外などのエリアに出店し、駅からは遠いものの住宅地の近くなどに店を構えていることが特徴です。「地域密着型」とも呼ばれ、古くから地域住民に馴染みのある百貨店も多くあります。自家用車を使って来店する人もターゲットにできるので、都市型百貨店では扱いにくい大型家具・家電などを置いていることもあるようです。

【参考】

経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査 産業分類一覧 大分類 I-卸売業,小売業 中分類 56- 各種商品小売業 561 百貨店,総合スーパー」(p.383)

URL:https://www.stat.go.jp/data/e-census/2021/kekka/pdf/r3bunrui_i.pdf

百貨店業界の魅力

デパートの店員

百貨店の仕事では、お客様からの反応や売上の金額など、自分の仕事の結果がダイレクトな形で見えることになります。一般的な小売店よりも品揃えに特色があり、高い価格帯の商品を扱うことになるため、売り方にも工夫が必要です。接客では高いおもてなしのスキルを求められ、一人ひとりのお客様へ丁寧に接客することになります。だからこそ、お客様の要望を叶えるために商品を提案し、購入してもらえたときは「自分が売上に貢献できた!」と強い実感を得られるでしょう。

また、百貨店業界で働くと、ジャンルを問わずさまざまな商品に触れることになります。好奇心旺盛で、幅広いものに興味がある人にとっても、百貨店の仕事は魅力的なものになるでしょう!

百貨店業界の企業の例

百貨店業界で働くには、百貨店を経営する会社へ就職する方法があります。ここでは、「JOB-BIKI」で調べられる、百貨店を経営している企業の例をご紹介します。気になる会社があったら、ぜひ「JOB-BIKI」を使って調べてみてください。「JOB-BIKI」では、検索欄に企業名を入力して検索することで、その企業へ就職した人の出身大学をチェックすることができるんです。「百貨店業界が気になるけど、どんな大学で勉強したら良いかイメージがつかない……」という人も、進路を想像しやすくなりますよ。また、「JOB-BIKI」では業界から進路を検索することもできます。就職先検索の業種で「小売・卸売」から「百貨店・スーパー」を選択すると、百貨店を含むデータをチェックできるので、こちらもぜひ試してみてください。

・全国系列の百貨店の会社
以下は全国各地に店舗を構えている百貨店の会社です。一つの会社が複数店舗を運営していることもあり、規模が大きいことが特徴です。

株式会社三越伊勢丹…「三越」や「伊勢丹」などを経営する会社です。
株式会社大丸松坂屋百貨店…「大丸」や「松坂屋」などを経営する会社です。
株式会社高島屋…「高島屋」を経営する会社です。
株式会社そごう・西武…「そごう」や「西武」を経営する会社です。

・鉄道会社や鉄道グループ会社が経営する百貨店の会社
以下は鉄道会社や鉄道グループ会社が経営している百貨店の会社です。基本的には鉄道のあるエリア内に店舗を構えていることが特徴です。たとえば、阪急百貨店は阪急の路線が通る大阪府や兵庫県などに店があります。ただ、福岡県にオープンした「博多阪急」のように例外もあります。

株式会社阪急阪神百貨店…「阪急百貨店」や「阪神百貨店」を経営する会社です。
株式会社東急百貨店…「東急百貨店」を経営する会社です。
株式会社名鉄百貨店…「名鉄百貨店」を経営する会社です。
株式会社近鉄百貨店…「近鉄百貨店」を経営する会社です。

・特定の地域に特化した百貨店の会社
以下は、特定の地域を中心に店を出している百貨店の会社です。その地域での知名度が高く、「百貨店といったらここ!」というイメージが定着しているケースも少なくありません。

株式会社藤崎…宮城県を中心に「藤崎」を経営する会社です。
株式会社丸広百貨店…埼玉県内に複数ある「丸広」を経営する会社です。
株式会社大和…石川県を中心に「大和」を経営する会社です。
株式会社天満屋…岡山県を中心に「天満屋」を経営する会社です。
株式会社井筒屋…福岡県を中心に「井筒屋」を経営する会社です。


百貨店業界の職種

企画が実施された物産展

大学卒業後に百貨店業界で働く場合は、主に総合職で採用されて活躍することになります。総合職で採用されると、就職後にさまざまな職場へ配属されます。どんな職場でどんな働き方をすることになるのかは、配属が決まるまでわかりません。そのため、総合職で採用されてから以下のような職種を経験することがあります。ここでは、百貨店業界で見られる主な職種をご紹介します。

販売員

百貨店の仕事と聞くと、売り場でお客様に接客する販売員を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。販売員は店頭に立ち、お客様に対して商品の説明をしたり、おすすめの品を提案したりすることが主な仕事です。お客様からの質問にもしっかりと答えられるよう、商品に関する深い知識が求められます。ほかにも、商品の在庫管理や発注、伝票処理といった裏方の仕事を行うこともあります。経験を積んだ後は売り場全体を管理する仕事や、新人販売員を教育する仕事などを担当することもありますよ。

バイヤー

百貨店には多くの品物が並んでいますが、それらをお客様に買ってもらうことができなければ利益を得ることができません。お客様に売れそうな商品を選んで仕入れるのがバイヤーの仕事です。

流行はつねに変わっていくため、何が売れるのか予測するのは難しいものです。バイヤーは消費者の傾向などのデータを集めて、百貨店で何を販売すれば良さそうかを分析し、仕入れを行います。卸売業者と交渉して仕入れの値段を調整したり、新しい商品を仕入れるルートを見つけたりといった仕事をすることも。

どんな商品をどの時期に、どのくらいの量を仕入れるかといったことを決めるには、豊富な商品知識が必要です。そのため、新卒入社後にバイヤーとして働くパターンは少なく、販売員などで経験を積んでから配属されることがあります。

内勤営業

百貨店の営業には内勤営業・外商営業などの種類があります。内勤営業の仕事は、外出せずに百貨店の中でお客様に営業をかけることが特徴です。たとえば、お歳暮のギフトを贈る時期になったら、お得意様に電話やメールでメッセージを送り、おすすめの品物を提案します。ほかにも、ネット注文や電話注文などに対応しているところでは、注文や問い合わせに対応する場合もあります。

外商営業

内勤営業と異なり、百貨店の外へ出てお客様のもとへ行き、直接営業をするのが外商営業です。個人のお得意様の家へ行くこともあれば、法人や団体に向けて営業を行うこともあります。販売員と比較すると、一人ひとりのお客様との接客時間が長くなることが特徴です。商品を買ってもらうためには、お得意様それぞれの好みを把握した上で商品をおすすめすることが求められます。

販売支援

バイヤーが良い商品を仕入れたとしても、販売する時期や方法などによっては思うように売れない可能性があります。販売支援の仕事は、商品が売れるようにさまざまな企画をすることです。商品をいつからいつまで店頭に置き、どんな方法でお客様にアピールするのかを考えていきます。そのために、ご当地の特産品を集めた物産展などのイベントを開催したり、クリスマス限定イベントのような季節の催事などを企画したりします。

バイヤーと似ている職種として、商品計画全般を担当する「マーチャンダイザー」の関連記事をご紹介します。記事内では、バイヤーとの違いについても解説しています。


百貨店業界で求められる人とおすすめの学部

流行に敏感で買い物好きな若者

百貨店業界で働きたいと思ったら、どんな勉強をすれば良いのでしょうか?最後に、百貨店業界で求められる人の特徴や、おすすめ学部などについて解説します。

求められる経験や資格

百貨店業界への就職で必要とされる資格はないといわれています。ただ、職種によっては取得しておくと役立つものがあります。たとえば、お客様に接する販売員の資格としておすすめといわれているのが「リテールマーケティング(販売士)」です。資格を持っていると、販売員に必要な接客などの知識があることを証明できます。受験資格はないので、学生のうちから取得を目指すこともできますよ。総合職で百貨店に入ったらまずは販売員を経験するケースもあるため、ぜひチェックしてみることがおすすめです。百貨店によっては就職後に資格取得を支援してくれることもあります。

百貨店業界に向いている人

・おもてなしの仕事に興味がある人
百貨店の仕事では、店舗で取り扱う商品や接客サービスを通じて、おもてなしを提供することになります。百貨店で扱うファッションやコスメなどに関心が高いことももちろん大切ですが、それ以上に接客が好きであることが重要だといえるでしょう。人と接することが好きで、自分が与えたサービスで特別感を味わってもらうことに喜びを感じる人は、百貨店業界に向いているといえます。

・流行に敏感な人
百貨店業界では、お客様から求められる旬の商品を揃えるために、常にトレンドを意識しなければなりません。流行は次々と移り変わるもので、一度流行ったものの次には、また新たな流行が生まれます。流行りのファッションが好きな人、常に新しいものを探して最新情報をチェックしている人など、世の中の流れに敏感なことはこの業界で活躍するために必須といえます。

百貨店業界で働くためにおすすめの学部

ファッション商品について学ぶ学生

百貨店業界には、さまざまな学部出身者が就職しています。基本的には、どの学部を卒業したとしても百貨店に就職するチャンスがあるでしょう。ただ、物の販売や流通といった部分に関わる仕事のため、商学や経営学、経済学などの勉強が役に立つことも。百貨店業界を目指すなら、大学でこういった学問の専門知識を身につけておくことも一つの方法です。

商学は商品を売買するための仕組みやルールを学ぶ学問です。経営学では人や物、お金などの資源を運用した企業経営について学びます。経済学では経済の原理を学んで社会の抱える課題解決に取り組むことが特徴です。以上の学問は、「商学部」や「経営学部」、「経済学部」などで身につけることができますよ。また、「流通ビジネスコース」のように、流通のビジネスに特化したコースを設置した大学もあります。

関西大学商学部流通専修
流通科学大学商学部マーケティング学科流通ビジネスコース


百貨店業界への就職を目指すあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

百貨店業界には販売員やバイヤーなど、さまざまな仕事があります。広い分野に興味を持って取り組める人なら、やりがいを持って百貨店の仕事を続けられるでしょう!

「百貨店業界への就職に興味があるけど、どんな進路を選べばいいのかイマイチわからない」という人は、「JOB-BIKI」を活用することがおすすめです。「就職先検索」の「業種から探す」で「小売・卸売」を選び、「百貨店・スーパー」へ進むと、さまざまな百貨店を経営する会社を調べることができます。気になる会社を発見したら、そこに就職した人はどんな大学を出たのか、出身大学データを確かめてみましょう。実際に百貨店へ就職した人が通った大学を調べることで、具体的な進路を想像しやすくなりますよ。

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