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建築業界やゼネコンについて解説|就職する方法や大学と学部学科の選び方も紹介

2023.09.19

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有名建築家がデザインした建築物

高校生の皆さんは、一つの建築物が出来上がるまでに、どんな仕事があるかを知っているでしょうか?建物の設計や構造の計算、設備の配置、工事現場の管理、販売……これらの全てが欠かせない重要な仕事で、多種多様なプロフェッショナルが携わっています。今回は、建築業界の主な職種と仕事内容、それぞれの仕事に就くための方法やゼネコンとの違いを詳しく解説します!建築系の大学選びのポイントも解説しますので、ぜひ参考にしてくださいね!

ゼネコンと建築業界の違い

建築業界に興味のある人のなかには、ゼネコンという言葉を聞いたことがあるかもしれません。ゼネコンとはGeneral Contractor(ゼネラル・コントラクター)の略称で、総合建設業者のことです。今回紹介する建築業界は建設業界の一部と言えます。

建築業が家やマンションを作るのに対し、建設業(ゼネコン)は、家だけでなく道路や橋、ダムなど、広範囲の構造物を作るのが特徴です。スーパーゼネコンと呼ばれる大手5社は、以下のとおりです。

※企業名をクリックすると「JOB-BIKI」で企業情報を見ることができます。

たとえば、東京スカイツリーは大林組、両国国技館は鹿島建設が建設しています。


建築業界の仕事の内容

設計図を確認し工事を進める男性たち

そもそも「建築」とは、建物を建てること。それに対して、建物のほかに道路や橋までを広く含む「建設」とは区別されます。この記事で取り扱うのは、建築の仕事です。ここでは、建築業界における仕事内容を3つにわけて解説します。

設計に携わる仕事

建物や設備の設計に関わる仕事です!建築設計には大きくわけて、主に3つの分野が存在します。一つ目は、意匠設計です。建物の外観や内装のデザインを担当し、依頼主の要望や土地の条件に合わせたデザインを提案します。二つ目は、構造設計。建物の骨組みや構造を設計し、安全性や耐久性を確保します。三つ目は設備設計です。建物内の空調、電気、給水などの設備を検討し、配置や配線などを設計します。意匠・構造・設備設計の担当者同士が連携を取り、協力しながら建築設計を進めていくんです!

工事や建設に携わる仕事

一般的に建築物の工事は、「基礎工事」「躯体工事」「外装工事」「設備工事」の4種類に大別されます!

基礎工事は、地盤と建物をつなぐため、土台となる部分(=基礎)を作るための工程です。通常、基礎は鉄筋コンクリートで作られています。

躯体工事は建物の骨組みを作る工事のこと。建築物の構造体である基礎・柱・梁・壁・床・階段などの部材を構築します。

外装工事は、建物の外壁や屋根などの外装に関する施工のことをいいます。これには塗装工事、防水工事、レンガ・タイル・ブロック工事、屋根工事などが含まれます!

設備工事は建物内の電気・ガス・通信・防災・消火などの設備を設置すること。電気設備工事、電気通信工事、空調や上下水道などの管工事があります。いずれも建築物の構造や機能を確保するために重要な役割を果たします。

管理や販売に携わる仕事

施工管理(=工事現場の管理)の仕事では、現場で働く職人への指示出し、各専門工事業者の進捗や工事全体のスケジュールの管理や安全管理、材料の手配などを担います。また、責任者になると、施主や設計事務所との交渉なども任されるんです。

このほかに、自社の技術をメーカーに売り込み、工事の受注を獲得する営業の仕事もあります!建築業界の営業職は、建物や設備の提案、メーカーや専門工事会社との連絡調整、スケジュール管理などを担います。また、完成後の設備メンテナンスの提案も大切な仕事なんです!


建築に関連する主な職種

設計図について議論する男性たち

建築関係の仕事と聞くと、まずは建築士や大工を思い浮かべていませんか?実際はさらに多数の職種があり、色々な職人が協力して建物を作っているんです!ここでは、建築に関連する主な職種をご紹介します!

設計に携わる仕事

建築士
建築士は、建造物の建築におけるスペシャリストです。主な仕事内容は、建物の設計、見積もりや査定、工事監理(=設計の通りに施工されているか確認すること)などがあり、建築に関するほぼ全ての工程に携わります!また、建設許可や道路の使用許可申請などの行政手続き、建築主と施工業者の契約手続きも担います。

インテリアプランナー
インテリアプランナーは、住宅やオフィス、公共施設などの室内空間に特化したスペシャリストです!建物内部の照明器具、家具などを選び、室内空間を魅力的に演出する役割があります。建築物の内装から工事監理までを担っています。専門知識や現場経験、トレンドを把握する感性が求められる職種です。

空間デザイナー
空間デザイナーは、店舗やオフィス、ホテル、美術館などの室内外空間をデザイン設計する専門家。照明やカラーコーディネートなどに工夫して快適で過ごしやすい空間を提案し、多くの人に利用される建築物に欠かせない仕事です。室内外を問わないことから、インテリアプランナーに比べて幅広い仕事を扱うのが特徴です。

・CADオペレーター
CADオペレーターは、建築・土木・機械・電気製品などの設計図をPC上で作成する専門家です。設計士やデザイナーの指示にしたがい、「CAD(Computer Aided Design)」という専門のソフトウェアを用いて、建築に必要な図面を作成します。

工事や建設に携わる仕事

・大工
大工は建築現場の作業を担う職人で、仕事内容は木造建築物の新築や増築、修理、リフォームなどです。建物の骨組みとなる柱や梁のほか、天井・外壁・内壁・床などを作ります。また、大工は木造だけでなく、コンクリート建物の「型枠大工」や寺社仏閣の修繕を行う「宮大工」のような、専門分野によって異なる職種があります。

・左官
左官は、建築業界で壁や床の下地や仕上げを担当する職人。「コテ」と呼ばれる道具を使い、建物の壁や床にモルタルなどの建築材料を塗り、平らに仕上げます。また、レンガやブロック塀を積み上げて壁を作るのも左官の仕事。美しく仕上げるために、高度な技術が求められる職種です。

・塗装工
塗装工の仕事内容は、ペンキや塗料を使って建物、自動車、家具などの塗装を行う職種です。主に、建築物の塗装を担当する「建築塗装工」と、自動車やバイクなどの塗装を担当する「板金塗装工」の2種類に分類されます。

・溶接工
溶接工は、金属同士を接合する技術を用いて、製造業や建設業などで働く職人!熱を加えて部材を溶かしたり、材料を接合して冷やし固めたりする「融接」と呼ばれる仕事がメインです。

・配管工
配管工は、建築物の給水・排水・ガス・空調といった設備工事を担う職人です。生活に欠かせないライフラインの設備を設置・メンテナンスします。

管理や販売に携わる仕事

・営業
建築業界の営業担当者は、自社の建築・設備サービスを顧客に提案し、契約を締結する役割を担います!顧客のニーズを把握し、ぴったりな建築プランや設備を提案するのが仕事。また、新規顧客の開拓や既存顧客との関係維持も大切です!

・建築設備士
建築設備士は、建築設備に関する国家資格を持つ専門家です。建築士からの「この建物を環境に配慮した省エネルギーな設備にするには?」といった問い合わせに対して、専門知識を活かして設計や工事監理のアドバイスを行います。


建築の仕事に就く方法と大学の選び方

模型を手に建設について学ぶ大学生たち

ここでは、建設に仕事に就く方法と大学および学部の選び方を解説します。建築士など一部の職種では、4年生大学の卒業や国家資格の取得が欠かせません!

建築の仕事に就く主な方法

建築の仕事に就く方法として、建設会社や工務店への就職が挙げられます。これらの現場仕事は、技術系と事務系に大別されます。特に技術系は、設計・調査・施工管理など、専門性の高い仕事が中心です。

建設会社や工務店に就職するには、企業が実施する社員採用試験を受け、内定を得る必要があります。一般職員として就職する場合、特別な資格は必要ありません。ただし、大学で建築設計やデザイン、理工学などを学んでおくと、就職活動で有利になるでしょう。

なお、建築士を目指すなら、大学進学は必須。建築士試験の受験資格を得るために指定科目を履修し、試験に合格する必要があるためです。さらに設計職、研究開発職などに就く場合、大学で建築関連の学部を卒業するのが一般的ですね!

建築の仕事に就くために押さえたい大学の選び方

建築関係のみならず、大学選びのポイントは、自身の目指す職種によって異なります。一般的には、建築学科で建築の基礎を学ぶのがおすすめ。ただし、建築士を目指すなら、一級建築士あるいは二級建築士の合格者数が多い大学を選ぶといいでしょう。建築物の構造や設計などを学ぶ土木工学科や、インテリアデザインなどを学ぶ建築デザイン学科という選択肢もあります。

そんな大学選びは、大学逆引きサイト「JOB-BIKI」を活用するのがおすすめです!サイト内で検索するだけで、建築をしっかりと学べる大学が簡単に見つかります。

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