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国会議員の気になる年収や月収は?輩出実績がある大学

2023.11.28

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高校生の皆さんは、お家の方が選挙で投票所へ出かけるのを見たことがあるでしょう。満18歳になれば皆さんにも選挙権が与えられるので、初めての投票を控えている方もいるはずです。このように、私たち国民を代表して、国の最高機関である「国会」で物事を決めていくのが国会議員の仕事。将来、国会議員として社会に貢献する仕事に就いたとしたら、年収や月収はどれくらいになるのでしょうか。

なお、日本の国会議員に月ごとに支払われる報酬は「歳費(さいひ)」と呼ばれます。国会議員の年収・月収に関する基礎知識として押さえておきましょう。


国会議員の年収

国会議員の平均年収は、約2,000万円です。そもそも国会議員の年収は、月ごとに支払われる「歳費」や年2回支払われる「期末手当」から成り立っています。これらの金額を足すことで、国会議員の年収を算出できますよ。さらに、国会議員には年収のほかに「調査研究広報滞在費」や「立法事務費」といったお金が支払われています。それぞれの収入の詳細や金額の目安は以下の通りです。

【国会議員の年収に含まれるもの】

種類特徴
歳費月ごとに支払われる
期末手当年2回支払われる
調査研究広報滞在費政治活動に対して支払われる
立法事務費所属する政治団体に支払われる

・歳費
歳費は月ごとに支払われ、法律によって金額が決められています。たとえば「国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律」によると、議員の歳費は129万4,000円です。さらに、議長は217万円、副議長は158万4,000円と定められています。議長や副議長といった役職に就く場合は、議員よりもさらに歳費が高額になるのです。なお、議長とは国会の代表者であり、議会の中心となって物事を進める役割があります。副議長は、議長の仕事をサポートする役割を担います。議長も副議長も、国会で行われる選挙によって、国会議員のなかから選ばれる仕組みです。

歳費の金額は法律で定められているものの、国の状況次第で上下する場合があります。たとえば2020年以降には、新型コロナウイルス感染拡大にともない国民の生活に大きな影響がもたらされたことから、国会議員の歳費が削減されることになりました。また、過去には東日本大震災による被害の復興に充てるとして、一定期間にわたり歳費が削減されたケースもあります。国民の代表である国会議員の報酬には、国の状況が反映されることを押さえておきましょう。

【参考】昭和二十二年法律第八十号 国会議員の歳費、旅費及び手当等に関する法律(e-Gov法令検索)

・期末手当
期末手当とは、例年6月と12月の年2回支給される、公務員の手当のことです。こちらは、一般企業でいう「ボーナス」に該当するものだと考えればわかりやすいでしょう。国会議員の期末手当は毎年金額が発表されますが、例年は約300万円が支払われています。年に2回支払われるので、年間で約600万円が金額の目安です。

・調査研究広報滞在費(旧「文書通信交通滞在費」)
調査研究広報滞在費とは、国会議員の政治活動に対して支給される費用のことです。具体的には、政治に関する調査研究や、国民との交流などの目的で用いられます。かつては「文書通信交通滞在費」という名称で、国会議員1人につき月額100万円が支給されていました。近年は用途の公表や支給方法に関して、制度の運用に関する議論が活発になされています。

・立法事務費
立法事務費とは、立法(=国の法律を決めること)に関する国会議員の研究調査に対して支給される費用です。国会議員が所属する政治団体に対して人数分がまとめて支給される仕組みであり、金額は1人あたり月額65万円となっています。国会議員個人に対して支給されるのではなく、政治団体に対して支給されるのが特徴です。

国会議員は、国民の代表として政治に携わるという非常に重要な役割を担う職種です。ここまでご紹介したように、年収・月収の金額は高い傾向にありますが、その一方で仕事に就くには選挙で国民から一定以上の支持を得ることが必須で、さらに当選後は国民の代表として重い責任を負うことになります。仕事ではリーダーとしての資質を求められ、政治をはじめとした分野の専門知識が必須です。将来、国会議員となってより良い社会を作るために貢献したいと考えている高校生の皆さんは、卒業後の進路から逆算して大学で学ぶべきことをしっかりと考えておきたいですね。


国会議員の国別の平均年収

海外の政治家

ここまで日本の国会議員の平均年収をご紹介しましたが、その一方で海外の議員はどれくらいの報酬を得ているのでしょうか。海外の議員の報酬の目安をご紹介します。

【海外の議員の報酬の目安】

  • アメリカ:1,500万~1,900万円
  • 中国:約250万円
  • 韓国:約800万円
  • シンガポール:約9,800万円
  • イギリス:900万~1,100万円
  • ドイツ:1,100万~1,400万円
  • フランス:約1,000万円
  • 南アフリカ:約800万円
  • ナイジェリア:約5,200万円
  • ケニア:約800万円

世界各国と比較しても、日本の国会議員の報酬は高い傾向にあるといえます。なお、シンガポールには高額な報酬と汚職防止法によって政府に優秀な人材を採用する仕組みがあります。また、ナイジェリアは一般市民の収入が低いことから、対比によって政治家の報酬が高くなるという背景も。報酬の金額が決まる仕組みや、支給された費用の用途を公表するか否かのルールは、国によって異なることを押さえておきましょう。


国会議員の輩出実績がある大学

ここでは、国会議員の輩出実績がある大学の情報をご紹介します。また、各大学出身の国会議員の名前もご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。ここでは、「JOB-BIKI」の人物検索で「国会議員」と入力して検索した、国会議員のデータをご紹介します。

東京大学

東京大学は、東京都文京区にある国立大学です。明治時代に国内で初めて創設された歴史ある大学であり、輩出した政治家の人数では国内トップを誇ります。現役国会議員のなかにも東京大学出身の有名な政治家が少なくありません。多くの国会議員を輩出した法学部は、現在もなお日本の法学・政治学の中心となっています。東京大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【東京大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・岡田克也 ・片山さつき ・志位和夫 ・玉木雄一郎 ・西村康稔 ・福島瑞穂 ・山口那津男

早稲田大学

早稲田大学は、東京都新宿区にある私立大学です。早稲田大学の前身となる「東京専門学校」を創立した大隈重信も、明治時代の内閣総理大臣経験者です。多くの政治家を輩出した政治経済学部には、政治学を専門とする政治学科があります。また、法学部出身の政治家も少なくありません。早稲田大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【早稲田大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・安住淳 ・稲田朋美 ・大島敦 ・大塚耕平 ・岸田文雄 ・野田佳彦 ・山添拓

慶應義塾大学

福沢諭吉像

慶應義塾大学は、東京都港区にある私立大学です。創設者は『学問のすゝめ』で知られる福澤諭吉。現役の国会議員として活躍する著名な政治家にも多くの出身者がいます。特に、法学部の政治学科や経済学部の経済学科で学んだ人が多い傾向にあります。慶應義塾大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【慶應義塾大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・甘利明 ・石破茂 ・小沢一郎 ・海江田万里 ・岸信夫 ・河野太郎 ・西田実仁

京都大学

京都大学は、京都府京都市左京区にある国立大学です。旧帝国大学の一つであり、明治時代に創設された歴史ある大学として知られています。国会議員には法学部や経済学部の出身者が多いといえるでしょう。京都大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【京都大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・足立敏之 ・井林辰憲 ・上野賢一郎 ・太田昭宏 ・近藤和也 ・竹内譲 ・前原誠司

明治大学

明治大学は、東京都千代田区にある私立大学です。政治経済学部は大規模な学部として知られ、年間で約1500もの豊富な講義が開催されています。政治学科では、政治学を歴史・制度・文化といった幅広い観点から多面的に学べます。明治大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【明治大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・猪瀬直樹 ・古賀之士 ・新藤義孝 ・高橋克法 ・谷公一 ・松山政司 ・渡辺博道

法政大学

法政大学は、東京都千代田区にある私立大学です。政治学科では1年生の時点で専門科目に取り組めるのが特徴で、早くから政治学の基本を学べます。また、伝統的な政治学に限らずジェンダーやメディア論などの新しい分野の問題も扱います。法政大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【法政大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・秋本真利 ・上田清司 ・串田誠一 ・菅義偉 ・田中和徳 ・徳永エリ ・松下新平

日本大学

日本大学は、東京都千代田区にある私立大学です。16つの学部を有し、キャンパスには多様な学問を専攻する学生が集います。政治の分野では、特に法学部の政治経済学科、経済学部の出身者が活躍しています。日本大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【日本大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・江渡聡徳 ・梶山弘志 ・坂本祐之輔 ・佐藤勉 ・中村喜四郎 ・林幹雄 ・山崎正昭

中央大学

中央大学は、東京都八王子市にある私立大学です。前身となる「英吉利(イギリス)法律学校」は法律を専門とする学校であり、現在も法律の分野に強い大学として知られています。なかでも法学部政治学科の出身者が少なくありません。中央大学出身の国会議員には、たとえばこんな人がいますよ。

【中央大学出身の現役国会議員の例(50音順)】

・秋葉賢也 ・遠藤利明 ・北村経夫 ・熊谷裕人 ・坂本哲志 ・二階俊博 ・八木哲也 ・若松謙維

国会議員の年収に関する質問

移動中の国会議員に報告をする秘書

ここでは、「どうして国会議員の年収は高いの?」「国会議員の年収はどこから支払われているの?」といった気になる疑問に対する回答をご紹介します。

国会議員の年収が高い理由は?

冒頭でもお伝えしたように、国会議員の平均年収は約2,000万円と高額な傾向にあります。なぜこのように年収が高いのでしょうか?その背景にはいくつかの理由があるのです。

まず、国会議員になるためには選挙へ出ることが必須ですが、その際はまとまった金額の資金がなくてはなりません。たとえば、選挙の立候補者は「供託金(きょうたくきん)」と呼ばれる費用を、国の機関である法務局へ預ける必要があります。供託金には、不正に選挙へ立候補する行為を防ぐ意味合いがあり、一定以上の票を得られない場合や、選挙へ出るのを途中で止めた場合には没収される仕組みです。金額は選挙の種類によって異なりますが、300万~600万円を支払うことになります。このほかにも、選挙へ出るには選挙カーやポスターによる宣伝を行うための費用がかかるので、候補者の負担は大きいといえるでしょう。このように多くのお金がかかることから、国会議員の報酬は高めに設定されているのです。

また、選挙に当選して国会議員となった後も、日々膨大な量の仕事をこなすには、自分の仕事をサポートしてもらうために働き手を手配しなければなりません。たとえば、スケジュール管理や電話対応、各種手続きなどの仕事を任せるために、複数人の秘書や事務職を雇うこともあるでしょう。その際、国のお金で給与が支払われる「公設秘書」は、国会議員1人につき3人までと決められています。つまり、多忙で4人以上の秘書を雇う必要があるケースでは、公設秘書以外の給与を自分で負担しなければなりません。

こうした背景から、国会議員の給与は高額な傾向にあるものの、国会議員として仕事をこなすために多くの費用を負担することも理解しておきたいですね。

国会議員の年収はどこから支払われている?

国会議員の年収は、私たち国民が支払う税金が主な財源です。税金とは、国民がみんなで負担して、より良い社会を作るために使われるお金のこと。たとえば個人が稼いだお金に対して課される「所得税」や、企業に対して課される「法人税」など、さまざまな種類の税金があります。国会議員の年収はこれらの国民が負担する税金によって支えられているため、仕事では責任ある働きを求められるのです!


国会議員を目指すなら「JOB-BIKI」で大学検索!

ここまで、国会議員の年収について解説しました。国会議員の平均年収は約2,000万円とされ、高額な傾向にあります。ただし、選挙へ出たり国会議員として仕事をこなしたりする上では、多くの費用を負担しなければなりません。また、国民の代表として働くからこそ、多くの人から支持されるリーダーシップや、政治分野の専門知識が欠かせません。将来、国会議員として社会に貢献したい皆さんは、ぜひ「JOB-BIKI」を使って進路を調べてみてくださいね。「JOB-BIKI」の人物検索に「国会議員」と入力したり、有名な政治家の名前を入力したりすると、出身大学を調べられますよ。進路を考え始めたら、ぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてくださいね。

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