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保育士の気になる年収や月収は?就職実績があるおすすめの大学

2023.12.04

カテゴリー:
収入があがった保育士

地域で暮らす子どもたちを育てる保育士は、保育を通じて社会を支える大切な仕事です。子ども好きな人にとっては、天職ともいえる職種ですよね。しかし、社会人として働く以上は、お給料が気になるところ。仕事を長く続けるためにも、待遇や給与について、知識を身につけておきましょう!そこで今回は、保育士の平均年収や平均月収、就職実績が豊富な大学の特徴、キャリアプランについて解説します。

なるための方法は別に記事があるので、そちらも参考にしてください。


保育士の平均年収・月収は?

厚生労働省の職業情報提供サイトで公表されたデータによると、保育士の全国平均年収は391.4万円です。ただし、実際は保育士の経験や能力のほか、働く地域や施設の種類といった複数の条件によって給料が決まるため、平均年収は参考程度に留めてくださいね!たとえば、地域で比べてみましょう。東京都で働く保育士の平均年収は450.08万円であり、全国平均以上の金額です。それに対して大阪府は424.4万円、愛知県は368.5万円と、大都市においても年収に大きな幅があります。

また、保育士の月収についても見てみましょう。ハローワーク求人統計データに基づく月額求人賃金は、全国平均で22.2万円です。同様に大都市の月額求人賃金は、東京都で22.2~26.1万円、大阪府で20.5~24.3万円、愛知県で20.6~26.7万円となっています。こちらも平均年収と同様に、条件によって金額に差があることを押さえておきましょう。

地域年収月額求人賃金
全国391.4万円22.2万円
東京都450.08万円22.2~26.1万円
大阪府424.4万円20.5~24.3万円
愛知県368.5万円20.6~26.7万円

【参考】職業情報提供サイト日本版O-NET(厚生労働省)

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/131

2022年には、保育士の待遇および給与の改善が進みました。国は保育士の待遇を改善するため、2022年2月から「保育士・幼稚園教諭等処遇改善臨時特例事業」を実施。こちらは、保育士の給与アップを実施する施設に対して、国が必要な費用を補助する事業なんです。この事業によって、保育士の収入を3%高め、月額9,000円程度の引き上げが目指されています。対象となる施設は、保育園・幼稚園・認定こども園・小規模保育園・企業内保育園・家庭的保育事業・訪問型保育事業です。このように、保育士の働く環境は整備が進んでいる状況であり、今後も国の事業によって変化する可能性があります!

【参考】保育士・幼稚園教諭等を対象とした処遇改善(令和4年2月~9月)について(内閣府)
https://www8.cao.go.jp/shoushi/shinseido/jigyousya.html

そもそも、保育士の報酬については、長らく社会における大きな課題の一つとされてきました。保育士は大切なお子様を預かる重い責任を負うだけでなく、業務内容は保育に加えて施設の運営まで多岐にわたります。それに対して、報酬が不十分ではないかと指摘されていたのです。保育業界は今もなお人手不足の状況にあり、多くの働き手に魅力を感じてもらえる職種にするためには、報酬の見直しも重要だといえるでしょう。子どもが好きで、将来は保育士として活躍したいと考えている皆さんは、これからも保育士の待遇に関する新たな情報をチェックしてみてくださいね。


保育士の年代別の平均年収

稼ぎ時の男性保育士

20代から70代まで、保育士の平均年収を年代別にまとめました。

【年代別の平均年収】

年代保育士の平均年収
20~24歳323.41万円
25~29歳366.3万円
30〜34歳377.2万円
35〜39歳401.38万円
40~44歳443.57万円
45~49歳425.84万円
50~54歳425.55万円
55~59歳418.11万円
60~64歳390.29万円
65~69歳394.08万円
70歳〜504.74万円

【参考】職業情報提供サイト 日本版O-NET(厚生労働省)

https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/131

保育士の平均年収は20代後半に大きくアップして、その後は緩やかなペースで増えていますね。注目したいのは40代~50代の保育士の平均年収が高いことです!

基本的に保育士は、勤務実績や経験年数に比例して年収が増える傾向にあります。特に、40代から50代の年収は高く、さらに70代以上も高水準にありますね。60代には定年退職したり、嘱託(しょくたく)社員として働いたりする人が多いため、平均年収もやや下がります。しかし、70代以上でもスキルを活かして社会で活躍が期待されていることがわかるでしょう。それだけでなく、70代以上になると主任といった上位の役職に就く保育士も多くいますよ。

近年は、人手不足で高齢者の働き手も求められているので、年齢を問わずに活躍する機会が増えています。保育の現場では、長年のキャリアを積んだベテラン保育士の労働力が求められているのです!


保育士の男女別平均年収

男性保育士と女性保育士

厚生労働省が公表する「保育士の現状と主な取組」の資料によると、保育士の男女別平均年収は、男性が約389.2万円、女性が約362.1万円となっています。つまり、男女別平均年収には20万円程度の差があるのです。

しかし、現状では男性保育士は女性保育士と比べて人数が非常に少なく、人手不足の保育業界で課題となっています。同資料によれば、全国の保育施設の職員は女性が95.8%と大多数を占めている状況にあります。それだけでなく、全国の保育施設の半数以上が女性職員のみで運営されているのです。

かつての保育業界には、男性保育士がほとんど見られませんでした。しかし、1980年代に男女平等の意識が根づき始めると、保育士を目指す男性が増えていった背景があります。これから保育士を目指す男性が増えれば、しだいに男女比率も変わってくるでしょう。

【参考】保育士の現状と主な取組(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/000661531.pdf


保育士の施設形態別平均年収

保育士の就職先は多岐にわたります。市立認可保育園や公立保育園、認定こども園(私立)が主な就職先で、多くの保育士がこれらの施設で働いているんです!

【保育士の施設形態ごと平均年収】

施設形態平均月収平均年収
市立認可保育園30.1万円363〜374万円
公立保育園30.3万円360〜383万円
認定こども園(私立)27.9万円310~443万円
小規模保育(A型)22.9万円233〜242万円
託児所28.2万円320〜391万円
乳児院26.4万円264〜360万円
児童養護施設29.5万円323〜380万円
母子生活支援施設26.5万円258〜267万円

ご覧の通り、施設形態によって大幅に年収が変わることはありません。小規模保育(A型)と母子生活支援施設は比較的低めですが、それ以外は平均年収300万円台。年齢や実務経験、勤務地によって年収は変わるので、あくまで参考程度に留めてくださいね。

保育士の場合、待遇や給与面よりも「自分はどの施設で、子どものためにどう働きたいのか?」を重視し、就活する学生が多くなります。仕事を決める上で待遇はもちろん大切です。しかし、待遇だけでなく自分がやりがいを感じられる施設を見つけることも、長く働き続けるために大切なポイントだといえます。


保育士の就職実績がある大学

大学の保育実習


保育士になるには、4年制大学などの「指定保育士養成施設」を卒業し、保育士資格を取得する必要があります。ここでは、特徴的な学科を持つ大学を5校ご紹介します。いずれも指定保育士養成施設であり、大学卒業と同時に保育士資格が得られますよ。

東京家政大学

東京家政大学は、1881年に創立された日本の私立大学で、東京都板橋区に位置しています。日常生活における料理や衣服、家計管理の分野を研究する「家政学」で有名な大学です。

東京家政大学の児童学部には、児童学科と初等教育学科が設置されています。児童学科では、保育を中心とした5つの分野(保育・心理・文化・福祉・保健)を学び、スペシャリストを育成します。また、東京家政大学には支援を必要とする子どもの保育に求められる知識や技術を学べる子ども支援学部子ども支援学科も設置されています。あらゆる子どもの可能性を引き出せる専門性を身につけられるのが特徴です。

大学の特徴としては、国家試験合格率と就職率の高さが挙げられます。都心の大学でありながら緑に囲まれたキャンパスで、保育や幼児教育の基礎を学べるのが魅力です。また、学生と教員の距離が近く、フレンドリーな関係を築けるのもポイント。関東圏で指定保育士養成施設の大学を探すなら、進学候補の一つとなる学校です。

桜花学園大学

桜花学園大学は愛知県豊明市に位置する日本の私立大学で、1998年に設立されました。保育学部保育学科があり、教育学や保育学を総合的に学べます。保育士資格の取得はもちろん、幼稚園教諭一種免許・小学校教諭一種免許・特別支援学校教諭一種免許など、関連資格の取得に必要な科目も履修できますよ。

桜花学園大学の保育学部には、保育学科と国際教養子ども学科が設置されています。なかでも国際教養子ども学科は、子どもの国際コミュニケーションに重点を置いた保育・幼児教育の知識とスキルを学べるのが特徴です。留学プログラムを有し、これからの時代に保育業界で活躍できるグローバルな人材を育成しています。

京都芸術大学

京都芸術大学は、京都市左京区にある私立大学です。芸術分野に特化した大学ですが、なかでも芸術分野で保育のプロを目指せるのが、こども芸術学科こども芸術コースです。保育と造形を基礎から学び、芸術の観点から子どもの成長を支える人材を育成しています。就職先として、幼稚園や保育園における芸術士や造形専門の役職を目指せます。

大阪総合保育大学

大阪総合保育大学は、大阪府大阪市にある私立大学です。保育分野に特化した大学であり、0歳から12歳までの保育・教育を専攻する児童保育学科と、0歳・1歳・2歳の保育を専攻する乳児保育学科が設置されています。なかでも児童保育学科は、2023年度の全卒業生の98.1%が「保育士」「幼稚園教諭1種免許」「小学校教諭1種免許」を同時に取得しています。

長崎純心大学

長崎純心大学は長崎県長崎市に位置する私立大学です。こども教育保育学科には、保育士・幼稚園教員養成コースと小学校教員養成コースの2つの進路が用意されています。学科ではモンテッソーリ教育(=子どもの自発性を尊重する教育方法)を学べます。4年間で指定された制作物の提出や実技試験の合格といった条件を満たすと、モンテッソーリ教員免許状を取得できます。日本で卒業と同時にモンテッソーリ教員免許状を取得できる唯一の大学です。


保育士のキャリアアップや年収を上げる方法

キャリアアップしたベテラン保育士


ここでは、保育士のキャリアアップや年収を上げる方法を解説します!研修制度を活用したり、役職者を目指したりして、高い収入を得られる状態を目指しましょう。

保育士のキャリアアップの方法

2017年、厚生労働省により保育士に特化したキャリアアップ研修ガイドラインが策定されました。さらにはキャリアアップ研修制度も導入され、保育士が専門性を高め、キャリアアップできる環境が整備されたんです。研修制度には8つの専門分野があり、それぞれ15時間以上の研修を受講する必要があります。これにより、「専門リーダー」「職務分野別リーダー」「副主任保育士」など、保育士の役職に就く条件を満たせます。以降は、勤務年数に応じて主任保育士から段階的にキャリアアップしていくんです。ガイドラインや研修制度が整備されたことで、保育士のキャリアアップの方法が明確になっていますよ。

保育士として年収を上げる方法

キャリアアップは、着実に年収を上げる一つの方法です。それに加えて、資格を取得したり、より待遇の良い職場に転職したりするのが、一般的な年収アップの道です。たとえば保育士のスキルを高める資格として、絵本教育に特化した「絵本専門士」、リトミック音楽教育に特化した「リトミック指導者」、運動教育に特化した「運動保育士」などが挙げられます。


保育士を目指すなら「JOB-BIKI」で大学検索!

保育士になるための大学は、逆引き大学辞典「JOB-BIKI」で検索するのがおすすめです!使い方は簡単。公式サイトを開いたら、「大学検索」「就職先の業種で絞る」をクリックしましょう。続いて「教育・学習」「幼稚園・保育園」の順にクリックすると、関連する大学が一覧表示されます。気になる大学が見つかったら、「この大学について知る」を選んで、各大学の学部・学科情報を確認してみてください。「JOB-BIKI」をたくさん使って、自分にぴったりの大学を見つけてくださいね。

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