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キャビンアテンダントになるには?必要な資質やキャビンアテンダントになるための勉強ができる大学・学部学科コースを紹介

2025.08.19

カテゴリー:
空港で微笑むキャビンアテンダント

「キャビンアテンダントになるにはどうしたらいい?」
「キャビンアテンダントになるための勉強ができる大学を知りたい!」

キャビンアテンダントの仕事に興味を持っている人の中には、このように考えている人もいるでしょう。

航空機の利用客をサポートするキャビンアテンダントは、華やかなイメージが強く人気の高い職業のひとつです。キャビンアテンダントの仕事に役立つ高い接客スキルや語学力を身につける必要があるため、大学や学部選びは慎重に進める必要があるでしょう。

この記事では、キャビンアテンダントになるためにおすすめの大学や学部、必要な資質などを紹介しています。キャビンアテンダントの仕事内容にも触れているので、参考にしてみてください。

キャビンアテンダントとは?

キャビンアテンダント(客室乗務員)は、航空機を利用するお客への機内サービスや非常時の指示など、乗客が快適に航空機を利用できる環境を整えるのが仕事です。

海外では「キャビンクルー」「フライトアテンダント(FA)」とも呼ばれています。

キャビンアテンダントとグランドスタッフの違い

キャビンアテンダントとグランドスタッフは同じ航空関連の乗客サービスの仕事ですが、キャビンアテンダントは航空機内、グランドスタッフは地上(グランド)で仕事をするという違いがあります。

グランドスタッフは旅客案内や搭乗手続き、手荷物の受付、パスポートの確認など、旅客が航空機に乗るまでのすべてを担当します。旅客をキャビンアテンダントに引き継ぐのも、グランドスタッフの仕事です。

グランドスタッフについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

キャビンアテンダントの仕事内容

機内サービスをするキャビンアテンダント

キャビンアテンダントの仕事は、主に「機内サービス」と「保安管理」の2つがあります。

機内サービス
乗客が快適な空の旅を過ごせるような接客とサービスを提供します。具体的な業務は機内食やドリンクのサービス、新聞や雑誌の配布、免税品の販売などです。国際線の場合は入国書類の配布などの業務も含まれます。

保安管理
保安管理とは、機内の安全を確保することを指します。緊急時の対応や非常口の案内、乗客に対し安全に関する指示などをおこないます。必要に応じて医療の手配や、乗客の相談にも応じます。不測の事態に備え、冷静に物事を判断する能力が求められるでしょう。

キャビンアテンダントの仕事の流れ

キャビンアテンダントの仕事の流れは担当する便によっても異なりますが、基本的に「4連2休」のサイクルをベースに様々なスケジュールをこなしています。
実際に飛行機に搭乗するのは1か月に約20日、休日は約8〜10日ほどです。

1日の業務スケジュール一例

時間活動・業務内容
6:00起床
7:20出社・打ち合わせ
【キャビンアテンダント同士でブリーフィング・事前準備】
・同じフライトを担当するキャビンアテンダントと打ち合わせをする
・緊急脱出時の映像を見てイメージトレーニングをおこなう
【機長・副操縦士とのブリーフィング】
・機長と副操縦士との打ち合わせをおこなう
・緊急時の対応手順、保安情報、飛行ルートや天気予報を確認する
7:40搭乗   ・機内で提供する食事や飲み物の確認 ・清掃状況の確認 ・機内の保安点検
8:00旅客搭乗   ・旅客の様子の確認、安全面の最終確認
8:20出発
9:00機内業務   ・機内食、ドリンクの配布など
10:00到着、以降夕方頃まで(乗務)を3〜4便繰り返す
16:00到着、事務所で1日の振り返り
17:00宿泊先ホテル着
22:00就寝

1か月のフライトスケジュール一例(ANA)

日付活動内容・フライト
1-4日羽田⇔ロンドン
5-6日休み
7-10日羽田→伊丹→羽田→那覇→福岡→羽田→福岡→羽田→伊丹→羽田
11-12日休み
13-15日羽田⇔バンコク
16-18日休み
19日会議
20-22日羽田→松山→羽田→伊丹→羽田→新千歳→羽田→青島→羽田
23-25日休み
26-28日羽田⇔バンクーバー
29-30日休み
31日羽田→高知→羽田→岡山

参照元:客室業務職|職種紹介|ANA 採用情報

キャビンアテンダントの年収

家計簿をつけるキャビンアテンダント

厚生労働省のデータによると、令和5年時点でのキャビンアテンダントの平均年収は534万円です。航空会社の採用情報を見ると、新卒採用は平均月収22万円前後で募集している場合が大半のようです。

キャビンアテンダントになった後のキャリアプラン

新卒で入社したキャビンアテンダントは、多くの場合国内線の業務を経験し、国際線の業務を経験します。経験を積んだあとはより質の高い業務が求められる国際線のファーストクラス専任、キャビンアテンダントの経験を活かした管理職や採用、訓練インストラクターなどの地上勤務へとステップアップしていくことが多いです。

また、少数ですがキャビンアテンダントからパイロットへと転身する例もあります。パイロットになるには新たに資格や知識の取得、訓練が必要になりますが、キャビンアテンダントとして身につけた語学力やフライトの知識も充分に役立てることができるでしょう。

パイロットについて詳しく知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

キャビンアテンダントの現状

低価格帯の航空会社が増え、航空会社のサービス競争は激化しています。中でも旅客へのサービスを一手に担うキャビンアテンダントの果たす役割は大きくなっており、サービス競争に対応できるだけの多様な能力が求められるでしょう。

また、訪日外国人の増加に伴い国際線は拡大し、キャビンアテンダントの需要は増えつつあります。男性の採用に力を入れる企業も増えており、従来に比べて採用の機会は広がっているといえるでしょう。
しかし一方で、幅広い国籍の旅客に対応するための語学力や、あらゆる国の文化や習慣に配慮できる資質も求められます。キャビンアテンダントとして活躍するためには、より専門的な知識を吸収し、キャビンアテンダントとしての資質を磨く必要があるでしょう。

キャビンアテンダントの仕事のやりがい

キャビンアテンダントは、毎日多くの旅客と関わる機会があります。旅客の要望を叶えられたときや、「こんな話をして楽しかった」などフライトのポジティブな感想を旅客からもらえたときに達成感を感じられ、やりがいに繋がっているというキャビンアテンダントの方は多いようです。

また、幅広い国や地域を訪れるため、語学力を活かせるのはもちろん、現地のお店の人と仲良くなるなど交流の幅が広がることにやりがいを感じている方もいます。

キャビンアテンダントになるための方法とは?

空港を移動中のキャビンアテンダント

キャビンアテンダントになるための方法や、役立つ資格、能力などを解説します。

キャビンアテンダントの知識やスキルを学んで航空会社へ就職

キャビンアテンダントになる方法は、必要な知識やスキルを学んだ上で航空会社に就職するのが基本です。
主に以下の3つのルートがあります。

● 専門学校または短大卒業後に就職
● 大学または大学院卒業後に就職
● 社会人経験を積んで就職

航空会社の応募条件は会社によって異なりますが、大手の航空会社だと高卒は応募できない可能性が高いです。専門学校以上の学歴は身につけておくと良いでしょう。

キャビンアテンダントに役立つ資格を得る

キャビンアテンダントになるために必要な資格はありませんが、下記のような資格や検定を取得していれば就職活動や業務に役立つでしょう。
誰でも受験できる資格や検定ばかりなので、高校生の内から準備を始めることもできます。

● TOEIC
● 実用英語技能検定
● 観光英語検定
● HSK(漢語水平孝試)
● サービス接遇検定
● マナー・プロトコール検定
● 秘書技能検定
● サービス介助士

キャビンアテンダントに必要な資質と能力を鍛える

キャビンアテンダントに求められる能力は、後天的に身につけられる能力がほとんどです。

冷静な判断力
キャビンアテンダントは、旅客の体調不良や機内トラブルが起きた場合、冷静に対応する必要があります。どんな状況でも感情的にならず、冷静に判断し対応するスキルが求められます。

体力
キャビンアテンダントは早朝や深夜のフライト、長時間のフライトに耐えられる体力が必要です。国際線であれば時差の影響を受けることもあるでしょう。体力を維持するための自己管理能力も求められます。

気配り・接客マナー
キャビンアテンダントは、旅客に安心感を持ってもらうために細かな気配りが求められます。旅客が機内で快適に過ごせるよう、正しい言葉遣い、笑顔、姿勢で接する接客マナーを身につける必要があるでしょう。

キャビンアテンダントになるための勉強ができる大学・学部学科コース

キャビンアテンダントを目指して勉強中の大学生

高校生の皆さんがキャビンアテンダントを目指すには、航空関係に特化したキャビンアテンダントになるための専門的な学部や学科、コースを設置している大学を選ぶのがおすすめです。

桜美林大学/ビジネスマネジメント学群/アビエイションマネジメント学類/エアライン・ホスピタリティコース(神奈川県)
桜美林大学に設置されているエアライン・ホスピタリティコースでは、航空ビジネスに関する理論をはじめ、自ら考え行動できるキャビンアテンダント、グランドスタッフを育成するプログラムが用意されています。
2年次には海外留学や施設見学、実習やインターンシップなども組み込まれています。

名古屋外国語大学/現代国際学部/国際教養学科/リクリエーション系(愛知県)
航空業界で実際に活躍してきた教員陣による「エアライン概論」「航空ビジネス論」「ホスピタリティ基礎演習」など、ホスピタリティ産業で必要となる知識を修得する科目や、海外研修プログラムが用意されています。航空業界をめざす全学部・学科の学生を対象とする「エアラインドリカムプラン」では、航空会社が訓練で実際に使用する施設を使い、機内のサービスやアナウンス、保安業務の知識も身につけることもできます。

日本国際学園大学/経営情報学部/ビジネスデザイン学科/国際エアライン(CA、グランドスタッフ)モデル(宮城県)
キャビンアテンダント、グランドスタッフの育成に特化した「ビジネスデザイン学科 国際エアライン(CA、グランドスタッフ)モデル」が設置されています。本物に近い実習施設での演習を通じ、エアライン業界で必要なマナーや語学力、接客スキルを身につけられます。

日本経済大学/経営学部/グローバルビジネス学科/エアラインビジネスコース(東京都)
経営学部グローバルビジネス学科に「エアラインビジネスコース」が設置されています。航空会社と提携を結び、本格的な専門指導や実習研修を受けられます。各航空会社の特徴や具体的な職種、業務内容など、業界への理解を深めることもできます。

関西外国語大学/外国語学部/英米語学科/エアライン・ビジネス(大阪府)
外国語学部英米語学科では、二年次より「エアライン・ビジネス科目」を選択できます。また中宮キャンパスには「エアライン演習室」が設置されており、キャビンアテンダントを目指す学生がより現場に近い環境で学ぶことができます。機内を再現した演習室で、実際の機内サービスに挑戦したり元キャビンアテンダントの教員のサポートを得たりするなど、必要な経験や知識を吸収できます。

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キャビンアテンダントの仕事内容や、キャビンアテンダントになるための方法やおすすめの学部学科について紹介しました。

キャビンアテンダントは、機内のサービスや保安業務など旅客が快適に空の旅を過ごせるようにサポートすることが仕事です。

キャビンアテンダントになるには、専門学校や大学で航空関連の知識を得て航空会社に就職する必要があります。

JOB-BIKIの「業種から探す」で「サービス」「旅行・レジャー」を選択すると、旅行会社など観光業に関連する企業から航空関係に強い大学や学科を知ることができます。
大学選びに役立ててみてくださいね。

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