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税理士になるためにはどうすれば良い?必要な資格やキャリアプラン

2022.12.26

カテゴリー:
電卓を使ってクライアントに説明する税理士の男性

私たちが暮らしている社会は、みんなで公平にお金を納める「税金」の仕組みに支えられています。高校生の皆さんも、お店で買い物をしたら消費税を払っているでしょう。皆さんの身近にある消費税のほかにも、会社が支払う「法人税」や、家族から財産を受け継いだ人が支払う「相続税」など、税金にはさまざまな種類があります。

税理士は、こうした税金の専門家として活躍している職種です。ここでは、税理士の仕事内容や、税理士を目指すための方法についてお伝えします!


税理士とは?

税務書類を確認する税理士

税理士は一体どんな仕事をしているのでしょうか?初めに、税理士の仕事について基本から確認してみましょう!

●税理士の仕事の内容
税理士は、税金の計算や申告に関する知識を持つ専門家として、会社や個人が税金を正確に納めるサポートを行います。主に、「税務」や「会計」などの仕事に携わります。税務とは、支払う税金を計算して、国に正しい金額を納めるために申告する業務のこと。税金の複雑な計算や、必要書類の作成などを行います。会計とは、会社のお金の流れを管理する業務です。お金の流れを把握することで経営の参考にしたり、株主(=会社にお金を出して、株を持っている人)や取引先に会社の状況を説明したりできるようになります。

●税理士の仕事のやりがい
税金に関する法律や制度は、一般的に複雑で理解しにくく、覚えるべきことも数多くあります。そのため、計算や申告の手続きは難易度が高く、専門家でなければ正確に行うのが難しいとされています。税理士は、専門知識を活かしてこれらの業務を代わりに行います。ほかにも、お客様から「上手に節税するには?」といった悩み相談を受けることも。自分が身に付けた知識を活かしてお客様の力になれるのは、大きなやりがいといえるでしょう!

●税理士の想定年収
税理士の年収は、全国平均で658.6万円です。また、求人賃金のデータを見ると、全国平均で月額32.9万円となっています。税理士をはじめ、弁護士や司法書士など「士」のつく専門資格は「士業」と呼ばれ、一般的に年収が高いことで知られています。専門性が高く難しい仕事ですが、その分高い報酬が期待できるでしょう!

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/92


税理士に必要な資質

クライアントの相談に応じて解決策を説明する税理士の男性

税理士として働くために求められる資質をご紹介します。こんな人には、税理士の仕事が向いているかもしれません!

●忍耐力
税理士の仕事では、計算や事務手続きなど、時間のかかることに一からコツコツと取り組むことが大切。仕事を始めてからはもちろん、税理士試験の受験勉強でも、粘り強く取り組んでしっかりと成果を出せる人が向いています!

●コミュニケーション力
税理士は相談を受ける機会も多いので、しっかりとコミュニケーションを取ってお客様を安心させられる人に向いています。また、同じ職場で働く税理士と協力しながらミスなく仕事をこなすためにも、コミュニケーション力が重要です。

●倫理観や正義感
税理士は国に正確に税金を納める役割を担います。法律を守り、不正なく納税ができるように、物事の良し悪しをしっかりと判断する力も求められます。


税理士になるための資格とおすすめの学部

税理士を目指して勉強する女性

税理士として働くには、まず国家資格である税理士資格を取得したうえで、税務や会計の経験を積む必要があります。ここでは、税理士を名乗って働き始めるまでの流れや、税理士を目指す人が進学する大学の学部についてお伝えします!

●税理士に必要な資格
税理士になるには、まず税理士試験に合格して、税理士の国家資格を取得しなければなりません。試験には受験資格があって、「学識」「資格」「職歴」のうち1つの要件を満たす人が受験できます。まずは国税庁のWebサイトで、詳しい受験資格を確認してみてくださいね。たとえば、学識による受験資格では、以下のような要件が決められています。

・大学、短大又は高等専門学校を卒業した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
・大学3年次以上で、社会科学に属する科目を1科目以上含む62単位以上を取得した者
・一定の専修学校の専門課程を修了した者で、社会科学に属する科目を1科目以上履修した者
・司法試験合格者
・公認会計士試験の短答式試験に合格した者

大学に通って要件を満たす場合には、「社会科学に属する科目」を履修することになります。具体的に当てはまるのは、法学・経済学・経営学・会計学などの科目です。また、文系と理系のどちらの学部でも履修できる、社会学・政治学・教育学・統計学などの科目も対象となっています。ここで挙げたのはあくまで一例なので、税理士を目指して大学で勉強したいと考えているなら、ぜひ受験資格をチェックしてみてくださいね。

【参考】国税庁「税理士試験受験資格の概要」
https://www.nta.go.jp/taxes/zeirishi/zeirishishiken/shikaku/shikaku.htm

税理士試験に合格したら、続いて税務や会計の仕事の経験を積みます。2年間にわたり仕事を経験すると、日本税理士会連合会に登録できるようになりますよ。こうして地域の税理士会に入会することで、税理士を名乗って仕事ができるようになるのです!

●税理士になるためのおすすめの学部
税理士試験には学識による受験資格があるので、ぜひ大学に進学することをおすすめします。税理士を目指す人は、法学部・経済学部・経営学部・商学部などへ進学するのが一般的です。これらの学部に通えば、税理士試験の勉強でも役立つ、税法や会計などの分野を学ぶことができますよ。

税理士試験は、数ある国家資格の中でも特に難易度が高いといわれます。そんな難しい試験に合格するためにも、大学では税理士試験と関連した知識を学べる学部で勉強したほうが安心できるでしょう。税理士の仕事に興味を持ったら、ぜひこれらの学部について調べてみてください!


税理士になるための就職先とキャリアプラン

事務所で打ち合わせをする税理士

税理士はどんな場所で活躍できるのでしょうか?最後に、税理士の主な就職先や、将来の働き方についてお伝えします!

●税理士の就職先
税理士の主な就職先は、税理士事務所(会計事務所)です。職場によっては、税理士試験のために勉強中の大学生が、アルバイトとして働けるケースも。大学に通いながら税務や会計の経験を積めるチャンスもあるので、ぜひ求人情報をチェックしてみましょう!

●税理士のキャリアプラン
税理士資格を持っている人は、将来的に自分で税理士事務所を開業することもできます!そのため、まずは事務所で働いて経験を積んでから、将来は独立して事務所を立ち上げる人も多くいます。なかには、会社の経理(=お金の管理をする職種)や、税務のアドバイスをするコンサルタントなど、専門知識を活かせる職種に転職する人も。税理士事務所以外で活躍する道もあるのです!


税理士になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

税理士の仕事についてお伝えしました。税理士を名乗って働くには、まず国家試験に合格してから、仕事で一定の経験を積むことが必須。税理士試験は受験資格が設けられている上、難易度も高いので、ぜひ大学の法学部・経済学部・経営学部・商学部への進学を考えてみてください。

税理士を目指せる大学に興味があるなら、ぜひ「JOB-BIKI」を使って調べてみてくださいね。検索画面の人物検索で「税理士」と入力すると、税理士として活躍している先輩たちの出身大学がわかります。また、就職先検索で「会計事務所」と検索するのもおすすめです。大学選びでぜひ活用してみてください!

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