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大学受験の勉強はいつから始める?大学受験勉強のスケジュールを解説

2023.06.02

カテゴリー:
受験勉強の開始時期について思い悩む高校生

大学受験は出題範囲が広いことから、いつから勉強を始めたらいいか、不安に思っている人も多いかもしれませんね。志望校に合格するためには学習計画を立てて、スケジュールに沿って勉強をしていくことが重要です。
本記事では、大学受験の勉強を始める時期のほか、塾通いを開始する時期別のメリット・デメリット、勉強のスケジュールなどについてご紹介します。

大学受験の勉強を始めるのはいつからがいい?

受験勉強のスケジュール

 
大学受験の勉強を始めるのは、いつからがいいのでしょうか。まずは、大学受験の勉強を始める最適なタイミングと、受験勉強で最初に取り組むべき内容についてご紹介します。

高校2年生からが最適のタイミング

結論から言うと、受験勉強は、高校2年生から始めるのが最適です。詳しい理由は後ほど説明しますが、大学受験の出題範囲は広く、高校3年生からでは受験日までに間に合わないのです。
特に、国公立大学や早慶上理、GMARCH、関関同立といった難関私立大学を目指す場合は、高校2年生までに基礎を固め、高校3年生から応用問題に取り組む必要があるでしょう。

最初は苦手の把握と基礎固めから

大学受験のための勉強を始めるとき、いきなり過去問題や応用問題から取り組んでも、学力アップにはつながりにくいものです。過去問題や応用問題は、基礎力という土台がなければ解けません。受験勉強は、基礎を身につけることから始めましょう。

基礎とは、教科書レベルの内容をインプットし、アウトプットできるようになること。例えば、数学なら公式を覚えて基本的な練習問題を解ける、英語なら文法や英単語を覚えて問題を解けることです。
「教科書の内容は完璧!」と思っていても、意外と忘れていることも多いもの。今一度、基礎が身についているか確認してください。

また、受験勉強は早いうちに苦手科目・分野を把握することが重要です。苦手科目・分野が明確になると、その克服に多くの時間を割け、大幅な学力アップが可能です。
学校の定期テストである程度、「苦手科目・分野は知っている」という人も多いかもしれませんが、それはあくまで学校内の成績。全国の高校生が対象の模試を受けると、各科目の偏差値がわかるため自分の学力レベルや得意・苦手が明確になります。苦手科目や分野を把握するためには、できるだけ早いうちに模試を受けるのがオススメです。

大学受験の勉強のスケジュールとやるべきこと

受験勉強に励む高校生

受験勉強では、まず志望校を決めてから学習計画を立てることが重要です。大まかな学習計画の例をもとに、時期ごとの勉強内容について詳しくご紹介します。

■学習計画の例

時期勉強内容
高校2年生〜高校3年生夏休み・基礎力を定着させる ・苦手を克服する
高校3年生9〜11月・応用力をつける ・応用問題に取り組み、実践力をつける
高校3年生12〜3月・時間配分を意識して、過去問題に取り組む

高校2年生~高校3年生夏休み:基礎問題と苦手の克服

高校3年生の夏までは、基礎力をつけることと、苦手を克服することに注力しましょう。基礎を身につけるためには、教科書の内容を理解することから始めます。教科書の中でわからないことはそのままにせず、先生や友達に聞くなどして早めに解消するのがオススメ。
さらに、標準的な練習問題を繰り返し解いて、知識を定着させていきます。ここで重要なのは、間違えた問題をできるまで繰り返し解くこと。ひとつずつ解ける問題を増やしていくことで、着実に学力アップできます。

高校3年生9~11月:応用問題

高校3年生の夏休みが終わったら、志望校の入試にフォーカスした応用問題に取り組みます。大学によって入試問題はさまざまなため、大学ごとに対策が必要です。そこでまず、志望校の過去問を解いて、どのような問題が出るのか体験するのがオススメです。基礎が身についた時点で志望校の過去問を解くと出題傾向がわかり、どのような応用問題を練習すべきかが把握できるでしょう。

この時点で応用問題が解けなくても、また基礎に戻って取り組めば問題ありません。基礎と応用問題を繰り返すことで、仮に志望校の問題の形式や傾向が変わっても、臨機応変に対応できるようになります。

高校3年生12~3月:過去問対策

いよいよ入試が近づく高校3年生の冬は、過去問を中心に取り組みます。大学入学共通テストは1月、多くの私立大の一般選抜の前期日程は1~2月に実施されます。本番でも落ち着いて問題を解きやすくなるよう、問題ごとの時間配分を決めたり、ケアレスミスを防ぐための自分ルールを作ったりしておきましょう。

もし、過去問を解いて理解が不足していると感じたら、いつでも基礎に戻って見直すことがポイント。「直前なのにまた基礎?」と思うかもしれませんが、本番まで地道に一つひとつ知識を定着させていくことで合格に近づけます。

志望校別・大学受験に向けた必要な勉強時間

大学の過去問を開く高校生

大学受験には、どのくらい勉強時間が必要なのでしょうか。ここでは、志望校別に必要な勉強時間についてご紹介します。参考にして、学習計画を立ててみましょう。

国公立大学の場合

国公立大学の多くは、1月中旬の「大学入学共通テスト」で5教科7科目と、2月下旬以降の「二次試験(個別学力検査)」の合計得点で合否を決めます。受験科目数が多いことから、国公立大学を受験する場合には3,000時間以上の勉強が必要だといわれています。さらに、東京大学・京都大学といった最難関大学では、3,500時間以上の勉強が必要だとも。

高校3年生の1日の勉強時間を「平日5時間以上、休日11時間以上」とすると、国公立大学の場合には高校1年生または2年生から受験勉強を始めなければ間に合いません。国公立大学を目指す場合は、より早い段階から大学受験を意識した勉強が必要です。

私立大学の場合

私立大学の一般選抜の受験科目は、3科目が一般的です。大学によっては1科目のこともあり、国公立大学の受験科目と比べて、受験科目数は少なくなっています。しかし、私立大学の個別試験は受験科目が少なくなればなるほど合格点のボーダーラインは上がります。また、問題の難度が高くなることもあります。つまり、科目が少ないからといって勉強時間が少なくていいというわけではないので、くれぐれも油断しないようにしてくださいね。

最近では、選抜試験として「共通テスト利用方式」を導入する私立大学も多く、2022年度の入試では、全私立大学の約9割が採用しました。
共通テスト利用方式とは、共通テストの成績で合否が決まる受験方式のこと。受験生の負担が少ないことから近年、人気を集めています。私立大学の個別試験と併せて共通テストで出願する場合には、さらに勉強時間が必要になるでしょう。

総合型選抜の場合

総合型選抜は、受験生の学ぶ力を総合的に評価・判断する選抜方式で、学力試験が課されないことがほとんどです。しかし、「評定平均値」が出願基準になるケースが多いため、高校1年生から学校内の定期テストで高得点を取り続けることが不可欠。つまり、日頃から勉強をしっかりしておく必要があります。

総合型選抜では、面接やプレゼンテーション、実技試験が課されることもあり、相応の準備が必要です。さらに、総合型選抜で不合格になるケースも想定して、一般選抜の受験勉強にも注力しましょう。

総合型選抜の詳細が知りたい人は、下記のコラムをぜひ読んでみてください。
総合型選抜とは?一般・AO入試との違いや受験メリットを解説

学校推薦型選抜の場合

学校推薦型選抜は、「指定校推薦」と「公募推薦」の2種類があり、いずれも学校長の推薦によって出願する選抜方法です。指定校推薦は高校ごとに大学や学部の推薦枠(人数)が決まっており、評定平均値や部活動・課外活動の実績などから総合的な審査をした結果、推薦者を決定します。一方、公募推薦は評定平均値を出願条件になることがほとんどです。

つまりいずれも、学校推薦型選抜では評定平均値が重要。学校推薦型選抜での受験では、高校1年生から地道に勉強して、定期テストで高得点を取る必要があります。

学校推薦型選抜の詳細が知りたい人は、下記のコラムをぜひ読んでみてください。
学校推薦型選抜とは?公募・指定校推薦、総合型選抜との違いを解説

学年別・塾通いを開始するメリット・デメリットとは?

塾にかよう高校生

受験対策として塾に通おうと考える人は多いですが、通い始めるタイミングを迷う場合もあるでしょう。ここでは学年別に、塾に通い始めるメリット・デメリットをご紹介します。

高校1年生から開始するメリット・デメリット

高校1年生から塾に通い始めると、勉強の習慣が身につけられ、余裕を持って大学受験の対策ができるメリットがあります。早いうちから基礎を固めたり苦手を克服したりできるため、高校3年生で多くの時間を応用問題や過去問題にあてられるでしょう。
また、高校1年生から定期テストで高得点を取り続けられれば、総合型選抜や学校推薦型選抜などを選択肢に入れられるメリットもあります。

一方で、高校1年生は文系・理系を選択する時期。高校2年生からどんな勉強をしていくかを考える前に、「どんな職業に就き、どんな大人になっていきたいのか」についてじっくり考える時間を確保したほうがいいかもしれません。
また、塾に通うことで、部活動などの学校活動がおざなりになってしまうこともあるかもしれません。塾に集中することは大切ですが、部活動や学校活動と両立させることも大事です。

高校2年生から開始するメリット・デメリット

高校2年生は、文系・理系の選択などで大学受験を意識し始める時期です。塾の授業も、受験を意識した内容にシフトしていきます。そのため、高校2年生から塾に通い始めると、基礎の定着や苦手教科の克服に取り組めることはもちろん、一足早く大学受験を意識した問題に取り組むことが可能です。
また、大学入試の最新情報を入手できることや、志望校選びのサポートをしてもらえることもメリットのひとつ。「この大学に行ってみたいな」と目標が明確になると、勉強により集中しやすくなるはずです。

一方で、高校2年生は、部活動では後輩ができ、学校行事でも中心的な役割を担うことが増えます。塾に通うことで、両立が難しくなるかもしれません。どちらにも注力することは大事ですが、体はひとつです。忙しさによっては、塾に通う日数などを調整するなどして、無理なく学校生活・塾生活を送れるようにしましょう。

高校3年生から開始するメリット・デメリット

多くの人が受験勉強を開始する高校3年生から塾に通い始める場合、それまでに各教科の基礎が定着できていることが重要です。基礎が固まっていなければ、応用問題や過去問題などの受験対策の開始も遅れてしまいます。また、大学受験の出題範囲は膨大なことから、志望校の十分な対策ができないことも考えられるかもしれません。

しかし、基礎が身についてさえいれば、高校3年生で塾に通い始めてすぐに応用問題に取り組めます。高校3年生になると、部活動を引退して受験勉強に多くの時間を割けるため、大学受験に向けて集中して勉強できるといったメリットも。また、入試までの時間が限られていることから、「あと◯ヵ月がんばろう」と目標に向かって高い集中力を保てるでしょう。

受験勉強は高校2年生から本格的に取り組もう

受験勉強を始める時期は、国公立大学合格などを目指していて、時間的に余裕を持って臨みたい人は高校1年生から、遅くとも高校2年生から本格的に取り組むのがオススメです。早いうちから基礎を身につけて、応用問題に取り組むことで、志望校の合格に近づけるでしょう。
また、本記事でお伝えしたとおり、苦手教科を早めに克服することは大学受験において重要です。一方で、自分の得意教科・科目を活かして受験を受ける方法もあります。下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。

傾斜配点とは?大学受験で得意教科・科目を活かして合格する方法

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