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医学とは?医科学との違いや学ぶ種類と内容、活用できる職業を解説

2023.10.05

カテゴリー:
オペをする外科医たち

医学とは 

医学とは病気やケガの原因を科学的に学び、生命や健康の維持を追究する学問です。具体的には、人間の体の仕組みを知り、病気の診断や治療、予防に必要な知識・技術を学びます。医学を学ぶことで、病気の早期発見や適切な治療、健康増進につながります。その結果、人々の生活の質が向上し、社会の安定と繁栄にもつながります。

医科学との違い

医学は人間の健康や病気に関する大きな分野で、病気の原因や治療方法を学ぶ学問です。医科学は、医学と科学を組み合わせた分野で、身体の仕組みや病気の原因を科学的に解明する学問です。たとえば、なぜ病気が起きるのか、薬がどう働くのかを詳しく研究します。つまり、医学は総合的に体を理解し、病気を治す方法を学ぶのに対して、医科学は科学の視点から細かな仕組みを解き明かす役割があります。

保健学との違い

医学は病気の診断と治療、保健学は健康の予防と促進に焦点を当てた学問です。医学は一人ひとりの健康問題にアプローチし、病気になった際の対応を中心に治療や手術を行います。一方、保健学は、広い視野で社会全体の健康を考え、病気の予防や健康増進を重視します。

医学は具体的な医療行為を学ぶのに対し、保健学は社会全体の健康促進を追求する学問です。

大学で学ぶ医学の種類

医科大学で研究する学生

大学で学ぶ医学の種類は、大きく分けて以下の3つです。

  • 基礎医学
  • 臨床医学
  • 社会医学

基礎医学

基礎医学は、身体の仕組みや病気のメカニズムを理解するための学問です。基礎医学の主な学問と学びの内容は以下の通りです。

種類学びの内容
解剖学・人体の構造を学ぶ学問
生理学・呼吸・循環・消化・排泄・行動など、身体の機能や仕組みを学ぶ学問
病理学・病気の原因や変化を研究する学問
衛生学・病気の予防と健康増進に関する学問

基礎医学で学ぶのは医学の基礎であり、将来的に臨床医療や研究分野で活用される知識となります。

臨床医学

臨床とは、患者様の診断と治療を行う現場の医療活動を指します。つまり臨床医学とは、病気の診断や治療に関する学問です。

臨床医学は、大きくわけると内科系と外科系があります。まずは、内科系から見ていきましょう。

内科系は主に内臓の病気を取り扱い、手術によらない方法で診断・治療する分野です。内科学の主な学問や学びの内容は以下の通りです。

種類学びの内容
内科学人の身体のさまざまな健康問題を研究し、診断と治療をする学問
小児科学子どもの成長と発達、健康問題に関する学問
精神神経医学精神的な健康と神経系の障害に関する学問

外科は手術によって体内の問題を修復する分野です。外科系の主な学問や学びの内容は以下の通りです。

種類学びの内容
整形外科学骨や関節の病気や外傷について学ぶ学問
脳神経外科学脳や神経系の病気や障害に関する診断と手術的治療を学ぶ学問
産婦人科学女性の生殖器系や妊娠、出産、更年期などに関する学問
眼科学目の構造・機能や視覚障害に関する学問

社会医学

社会医学は、健康や病気を生物学だけでなく社会的な要因も考慮して研究する学問です。社会的不平等や経済状況などが健康に影響を与えることを調査し、公衆衛生や健康格差の解消に貢献します。

社会医学には法医学と予防医学などがあり、学びの内容は以下の通りです。

種類学びの内容
法医学医学を使って事件や死因を解明する科学
予防医学病気を未然に防ぐための医学

医学部医学科の特徴

医学部で学ぶ学生

医学部医学科は、医師を養成するための学部・学科です。基礎医学から臨床医学まで幅広い医療の知識を学ぶほか、医師としての倫理観や社会的責任を養成します。医学部医学科の大きな特徴として、以下の2つを解説します。

  • 医学部は6年制
  • 卒業試験に合格すると、医師国家試験の受験資格を得られる

順番に見ていきましょう。

医学部は6年制

一般的な大学は4年制ですが、医学部は6年制です。一般的な大学に比べて長いのは、医療の専門性を高め、十分な臨床実習を行うためです。

ここでは、医学部の各年次で学ぶ内容について詳しく見ていきましょう。

・1~2年次で基礎分野を含む一般教養科目を履修
医学部の3年以降は、病気の診断や治療に関する「臨床医学」を学びます。そのために必要な「基礎医学」を1~2年次で学びます。基礎医学では、風邪などの基本的な医学を学ぶわけではなく、健康な人の状態について学びます。

たとえば基礎医学の解剖学では、身体の部位や器官の位置、構造を学びます。生理学では、生体の機能や調節メカニズムについて学び、心臓や脳などの器官の働きを理解します。

病気について学ぶには、まず基礎医学で正常な状態を知る必要があるわけですね。

・3年次から専門教育を実施
1~2年次で基礎を学んだあと、3年次からは病気の診断や治療など、実際に医師として働くときに現場で必要になる知識を学びます。具体的には、以下のような各診療専門分野について基本的な知識を習得します。

  • 内科学
  • 外科学
  • 小児科学
  • 産婦人科学

病気の症状や診断法、治療法などを学び、臨床実践への準備を進める年次といえます。いろいろな専門分野を学び、将来どの専門分野へ進むか決める時期です。

・4年次に全国共用試験を受験
医学部の4年次には、病院実習に参加するために「全国共用試験」の合格を目指します。医学部の病院実習では実際の患者様と関わることから、学生の質を保証する必要があります。全国共用試験の合格により、実際に患者様と関わるだけの医療知識や技術を持っていることの証明になります。これにより、まだ医師免許を持っていない学生でも臨床実習に参加できる権利を得られるわけです。

全国共用試験は、筆記試験のCBTと実技試験のOSCEという2つの試験があります。それぞれの特徴や問題形式についてまとめました。

試験名出題内容試験形式
CBT・基礎医学 ・臨床医学コンピューターを使ったマーク形式
OSCE・模擬患者の診察 ・特定の医療処置の模擬演習数人の試験管の前で、診察や医療処置の模擬演習

CBTは1~4年次に学んだ医学知識を問われるため非常にボリュームが多く、計画的にコツコツ勉強する必要があります。OSCEは、大学側が対策講座を実施していることがほとんどで、試験の約2ヶ月前から準備するのが一般的です。

・5年次以降は講義と臨床実習
5年次は引き続き講義を受けることに加え、臨床実習つまり、病院実習に参加する年次になります。実習期間は大学にもよりますが、一般的には4ヶ月半ほどです。

実習は病院やクリニックで行われ、以下のような内容を含みます。

  • 病棟回診への参加
  • カンファレンスへの参加
  • 患者様の問診・診察
  • カルテ記載
  • 手術や処置の見学

実際の患者ケアに携わり、臨床医学の実践的な側面を学ぶとともに、医師としてのスキルと知識を向上させる貴重な機会となります。

卒業試験に合格すると、医師国家試験の受験資格を得られる

医学部の6年次のメインは、卒業試験と医師国家試験です。多くの大学は、卒業試験が9月中~12月中に行われます。卒業試験に合格した人は、2月中旬に医師国家試験を受験する流れになります。

卒業試験の内容は医師国家試験と共通する部分が多いため、卒業試験の勉強が医師国家試験の勉強にもつながります。

試験に合格し医師免許を取得後は、研修医(インターン)として病院や医療機関で実務研修を行います。

医学を学べる学部

医学部のある大学

医学というと、医者を目指す人が進学する医学部をイメージする人も多いと思いますが、理学部や理工学部でも医学は学べます。たとえば、生物科学科などの理学部では、治療法や医薬について研究します。また、医用工学科などの理工学部では、医療機器について学びます。

生物化学科で学んだ人は製薬会社や化学業界に就職する人が多く、医用工学科で学んだ人は、医療機器メーカーや臨床工学技士などとして医療現場で働く人が多いです。

医学を学べる主な大学

医学が学べる大学の中で、医学科のある大学の一例は、以下の通りです。

  • 山形大学 医学部 医学科(山形県)
  • 群馬大学 医学部 医学科(群馬県)
  • 日本大学 医学部 医学科(東京都)
  • 杏林大学 医学部 医学科(東京都)
  • 東邦大学 医学部 医学科(東京都)
  • 横浜市立大学 医学部 医学科(神奈川県)
  • 神戸大学 医学部 医学科(兵庫県)
  • 名古屋大学 医学部 医学科(愛知県)
  • 山口大学 医学部 医学科(山口県)

医学科以外の学科で、医学が学べる大学の一例は以下の通りです。

  • 東京工科大学 応用生物学部 応用生物学科(東京都)
  • 藤田医科大学 医療科学部 医療検査学科(愛知県)

「スタビキ」で医学の研究についてもっと知ろう

スタビキは大学でどんな研究をしているか調べられるサービスです。

例えば「医学」で検索すると「再生医療」や「放射線治療」など医学についての研究が出てきます。より詳細な研究について知ることで、じぶんがどんな研究に興味があるのか、それをどの大学で学べるのかわかります。ぜひ使ってみてください。

医学を活かせる職業

製薬会社の研究職として働く人

医学を活かせる職業は病院で働く医師をはじめ、ほかにもさまざまな職業があります。

ここでは、医学を学んだ人が進む道の一例として、以下の5つを紹介します。

  • 臨床医
  • 研究医
  • 国家公務員
  • 製薬会社の研究職
  • 一般企業の産業医

どのような職業なのか、主な職場はどこになるのか、それぞれ解説します。

臨床医

みなさんがよく知る町のお医者さんが診療所(クリニック)の臨床医です。臨床医の中には、病院に雇われている人と自分でクリニックを経営している人がいます。

医師の仕事について詳しく知りたい人は、以下の記事も参考にしてみてください。
医師(医者)になるためにはどのような学部を選ぶ?向いている人ややりがい – 逆引き大学辞典 (gyakubiki.net)

研究医

研究医は医学の研究に専念することで、新たな知識を発見し医学の進歩に貢献する医師です。研究医の一例と仕事内容、主な職場をまとめたので、参考にしてみてください。

研究医の種類仕事内容主な職場
臨床研究医・新たな治療法や薬物の効果を検証・病院や医療センターの研究部門
・製薬会社
基礎研究医・細胞や分子レベルで病気の仕組みを解明するための研究・大学や医学研究所などの研究機関

研究に興味のある人は、以下の記事も参考にしてみてください。

研究者になるには?仕事内容や就職先・求められる能力について解説 – 逆引き大学辞典 (gyakubiki.net)

大学教授に興味のある人は、以下の記事も参考にしてみてください。

大学教授になる方法は?仕事内容や求められる人の特徴 – 逆引き大学辞典 (gyakubiki.net)

国家公務員

医学の専門知識や臨床経験を活かし、以下のような組織で国家公務員として働く道もあります。それぞれの主な業務についてまとめたので、参考にしてください。

機関名主な職務内容
厚生労働省の「医系技官」・医療機関の監督・指導
・病気の予防推進
防衛省の「防衛医官」自衛隊の病院や部隊の医務室で、医療活動を行う
監察医死亡事件の原因や状況を解明する

医学を活かした国家公務員は、国民の健康や医療制度の向上に貢献する仕事を担います。

製薬会社の研究職

製薬会社の研究職はメディカルドクターと呼ばれ、主に薬の効果や安全性を確認し臨床試験を計画・実施し、医療の進歩に貢献します。
具体的には、新しい薬の開発や既存の薬をより良くするために実験やデータ解析を行うほか、世に出た新薬に副作用の報告がないか安全性を評価する役割もあります。

また、最新の医学情報を医療機関に提供するため、マーケティング部門と協力して、臨床現場で自社の薬がどの程度シェアを伸ばせるかを調査するのも仕事のひとつです。

一般企業の産業医

企業の医務室や健康センターに常駐する産業医という仕事もあります。産業医は、従業員の健康相談や健康診断を行い、職場の健康と安全をサポートします。

また、必要に応じて企業内の施設を巡回して労働環境の監査や指導も行うことがあります。法律や規制に基づいて労働条件が適切か判断し、労働者の健康と安全を維持する役割も果たします。

(まとめ)医学が学べる大学を「逆引き大学辞典」で検索しよう

医学とは、人々の健康や病気に関する知識を追求し、予防・診断・治療の方法を研究する学問です。医学を学ぶことで、人々の健康促進や医療の進歩に貢献できます。将来的には、臨床医や研究者として活躍できるでしょう。
興味を持った人は、早速、医学が学べる大学を「逆引き大学辞典」で検索してみてください。興味関心のある学科を設置している大学が見つかりますよ。

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