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今どきの大学事情7選

社会状況の変化に伴い、大学進学を取り巻く環境は保護者の時代とは大きく様変わりしています。現在では「大学入試は情報戦」とまで言われ、アンケートでも約半数の保護者が昨今の入試制度や大学事情に興味を寄せています。
最新の大学事情7選を志望校選びの新たな視点として参考にしてください。

第1選18歳人口減少を背景に
大学の「個性化」が進む時代に

少子化を背景に、18歳人口は1992年の205万人をピークに減り続け、2020年には117万人(ピーク時の約6割)にまで減少します。そのため、大学は生き残りをかけ、教育改革に取り組んでいます。改革の内容は授業内容やカリキュラム、就職支援などさまざまですがどの大学も教育の質の向上を目指し、受験生に大学の魅力や特色をアピールしようと必死です。そのため国公立や私立を問わず、大学の個性化が進んでいます。
そんな時代にあって、これまで通り難易度やイメージだけで大学を選ぶのは賢明とは言えません。お子さんの将来の希望と合わせて「この大学で何が身につけられるのか」を調べ、最適な進学先を探すことが保護者にも求められています。

第2選多様化する大学の入試制度
適性を生かせばチャンスは広がる

最近の大学入試は多様化が進んでいます。1つの学部・学科に入学するために、入試科目や配点、もしくは入試方式の違う何種類ものルートがあることも珍しくありません。つまり、受験のチャンスは確実に増えているのです。だからこそ、受験生にとっては自分に最も有利な入試方式・制度を見つけることが合格への近道になります。
さらにセンター試験が廃止される2020年以降、大学入試が大きく変わることが予想されます。大学案内や大学ホームページを確認し、入試の最新情報を集めるようにしましょう。

第3選大学の「3つの方針」の公表が義務化
進路選択のヒントにもなる

2017年4月から、すべての大学に対して「アドミッションポリシー(入学者受け入れ方針)」、「カリキュラムポリシー(教育課程の編成及び実施に関する方針)」、「ディプロマポリシー(学位授与に関する方針)」の公表が義務付けられました。これらは大学のサイトやパンフレットで確認ができます。
特にアドミッションポリシーには「自学の教育理念に基づき、どのような学生を求めるのか」「入学希望者にどのような能力を求めるのか」が示されており、これを読むことで、大学との相性を確認することができます。学校推薦型選抜・総合型選抜を検討している生徒には有益な情報となるはずです。

第4選大学教育改革が各地で進行中
入学直後の学びのフォローがある大学も

魅力ある大学づくりの一環として、最近さかんな大学の教育改革。これまでの大学教育は「知識・技能」の修得に力を入れてきましたが、今は「身に付けた知識をいかに使えるようにするか」という点を重視しています。そのため、講義形式の授業に加え、ディスカッションやプレゼンテーションを取り入れた「アクティブラーニング」(主体的・対話的で深い学び)を実施する大学・学部が増えています。
また、最近は大学での自主的な学びになかなか対応できない学生が多くなってきているため、入学直後に文献の探し方やレポートの書き方などを指導する「導入教育」も盛んに行われています。大学の教育改革の内容を知ることは、志望大選びの重要な視点になるでしょう。

第5選変わる推薦・AO入試
募集定員が増加傾向にあり、学力が必ず問われるように

2021年度入試から推薦入試、AO入試がそれぞれ、学校推薦型選抜、総合型選抜に変わります。推薦・AO入試というと「学力不問」「特別や経験(留学や全国レベルの受賞歴)を持つ人の入試」というイメージを持つ人も多いかもしれませんが、2021年度入試からは、両入試とも小論文や共通テストなどで「知識・技能」「思考力・表現力・判断力」などを問うことが求められるようになります。
2018年度入試の時点で私立大学入学者の6割以上が、国公立大学入学者の1.5 割以上が、推薦・AO入試を活用しています。特に国立大においては、定員の3割まで拡大する流れになっています。

第6選既存の学問の枠組みを超える
新設学部・学科の設置が相次ぐ

近年の大学では新設学部・学科を設置する動きが活発です。最近の傾向では、社会の変化に対応してグローバル系の学部や地方(地域)創生系の学部の開設が多く見られます。また、メディアやコミュニケーションを学ぶ学科も増えてきました。これらの新設学部・学科は複数の学問の領域にまたがって新しいテーマを学ぶ場合が多く、受験生に人気があります。保護者の世代にはなかった名称のものも多いので、よく内容を確認して志望校選びを進めたいものです。

第7選就職や資格取得の支援を行う大学が急増中
大学にいながらダブルスクールも可能に

大学さえ出れば簡単に就職が決まった時代を終え、大学は「キャリア教育」に力を入れ始めています。単に就職活動のノウハウを教えるだけでなく、「何のために働くか」など将来の生き方を考え、大学生活の送り方や卒業後の進路を設計できるよう1・2年生のうちからキャリア教育プログラムを実施するところが増えています。その一環として在学中に実際の就業体験ができるインターンシップ制度の導入も広がっています。また、キャリア形成に役立てるため学生の資格取得を支援する大学も少なくありません。課外講座を開講し、大学にいながらダブルスクールが可能なところもあります。大学の講座を利用すれば、専門学校より割安で短期間に学べるので、こうしたサポート体制もチェックしてみましょう。

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