大学進学に関するアンケートで約半数の保護者が一番気になる項目として挙げたのが進学費用について。また約6割の先輩保護者が進学費用について「早くから知っておきたかった」と答えています。そんな要望を受け、受験から大学入学までにいつ・どれくらいかかるか、お子さんの希望進学先に合わせたシミュレーションを作成しました。
合格から入学まで
合格後の入学手続きでは入学金や授業料のほか、施設設備費など大学1年目に必要な費用を「初年度納付金」として納めなくてはなりません。金額は国公立か私立か、また学部によっても大きく異なりますので下の表を参照してください。納入方法は一括で支払う場合もありますが、授業料などは分割して支払えることも多く、大学によりさまざまです。
一般入試の場合は2〜3月が納入の締め切りになります。第一志望校の合格発表前に併願校の入学手続きの締め切りがあれば、納付金を納める必要があります。その後、第一志望校に合格して入学辞退する場合は、入学金以外は返還されるのが一般的です。複数の大学を志望するときは、併願校の入学金も費用の一部として考えておきましょう。
2018年度国公立大学・私立大学初年度納付金
単位:円
入学金 | 授業料 | 施設設備費 | 合計 | ||
---|---|---|---|---|---|
国立大学 | 282,000 | 535,800 | 0 | 817,800 | |
公立大学 | 393,618 | 538,633 | 0 | 932,251 | |
私立大学 | 全平均 | 249,985 | 904,146 | 181,902 | 1,336,033 |
文系 平均 | 229,997 | 781,003 | 151,344 | 1,166,922 | |
文・教育 | 229,762 | 794,063 | 161,039 | 1,184,864 | |
神・仏教 | 216,270 | 730,658 | 158,598 | 1,105,526 | |
社会福祉 | 211,407 | 748,868 | 177,973 | 1,138,248 | |
法・商・経 | 231,632 | 782,656 | 142,457 | 1,156,745 | |
理系 平均 | 254,309 | 1,105,616 | 185,038 | 1,544,962 | |
理・工 | 242,365 | 1,076,373 | 162,527 | 1,481,265 | |
薬 | 339,127 | 1,428,539 | 308,949 | 2,076,616 | |
農・獣医 | 246,247 | 964,389 | 207,723 | 1,418,359 | |
その他 平均 | 258,747 | 958,445 | 234,644 | 1,451,836 | |
家政 | 247,072 | 811,588 | 197,161 | 1,255,821 | |
芸術 | 252,996 | 1,125,580 | 272,162 | 1,650,739 | |
体育 | 250,854 | 814,517 | 238,367 | 1,285,961 | |
保健 | 268,336 | 988,179 | 232,766 | 1,494,882 |
文部科学省調べ
※国立大学は納付金標準額、公立大学と私立大学は平均額です。
(公立大学の入学金は他地域からの入学者の平均額)
入学式に着るスーツや大学生活に欠かせないパソコン、教科書の購入など、入学直前も何かと出費が重なります。自宅から通う学生で平均約50万円かかり、更に自宅外から通う場合は、住居費や引っ越し代、生活財の購入などで自宅生の倍以上、約102万円もかかるようです。このように、大学入学時には相当な出費になりますので早めに資金計画を立て、慌てないようにしておきましょう。
入学時の費用比較(全国平均)
単位:円
自宅生 | 自宅外生 | |
---|---|---|
入学式出席のための費用 | 4,600 | 42,200 |
教科書・教材・パソコン購入費 | 169,600 | 213,400 |
住まい探しの費用 | — | 195,500 |
生活財購入費用 | 84,900 | 304,400 |
引越代・荷物の送料 | — | 30,200 |
4月分の生活費 | 41,300 | 65,300 |
予備の貯金 | 94,900 | 124,800 |
保険料 | 30,000 | 41,900 |
生協出資金 | 18,600 | 18,300 |
お礼・お祝い返しなど | 48,300 | 83,300 |
合計 | 487,700 | 1,119,300 |
全国大学生協連発行「2019年度保護者に聞く新入生調査報告書」より
自宅外通学者の仕送り平均額は月額7.5万円教育費の捻出方法は「奨学金」がトップ
お子さんが自宅から通えない大学を志望しているご家庭では、月々の仕送りの金額が気になることでしょう。日本政策金融公庫の「教育費負担の実態調査結果」(平成30年度)によると、仕送り額は月額7.5 万円。教育費の捻出方法は、「教育費以外の支出を削っている」(31.7%)がトップでした。また、「奨学金を受けている」(21.0%)や、「国の教育ローンを借り入れしている」(3.4%)または「民間金融機関の教育ローンを借り入れしている」(3.0%)という家庭も。お子さんが自宅外通学になる可能性がある場合、早めに奨学金、教育ローンのしくみを確認しておきましょう。