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出版業界の仕事内容は?関連する職種やおすすめの学部

2023.05.31

カテゴリー:
出版社の打ち合わせスペースで仕事をする社員

「たくさんの人が読む本や雑誌を作ってみたい!」という思いから、出版業界での仕事に憧れを抱いている方も多いのではないでしょうか?出版業界では、作家や編集者、デザイナーなどのクリエイターたちが協力し、さまざまな出版物を世に送り出しています。この記事では、出版業界の仕事内容や職種、職業適性に加え、おすすめの大学の選び方を解説します!


出版業界の仕事内容と関連する企業

原稿を持っている出版業界の男性

ここでは、出版業界の主な仕事内容と関連企業についてご紹介します。将来的に出版業界で働きたいなら、押さえておきましょう!

出版業界の仕事内容

出版業界では、小説・漫画・雑誌などの読み物を本の形にして、全国各地にある書店やオンラインの書店を通じて読者の手に届けています。編集と作家が二人三脚で作り上げた作品は、校正・校閲者のチェックを経て、デザイナーが考案した装丁で印刷・製本されます。これらの本が書店へ届けられて、読者の手に届くという流れです。一冊の本が読者のもとへ届くまでに、多くの人が関わっています。これらの職種について、詳しくは後述するため、ぜひチェックしてみてください。

また、近年はスマートフォンやタブレットで本を読む人が増えているため、出版業界でも電子書籍などのデジタルサービスに関する仕事が増えました。紙の出版物と併せて電子書籍を販売するほか、既存の出版物を電子書籍化するケースも珍しくありません。そのため、多くの出版社はITの知識を持つ人を採用するなど、デジタルメディアの展開に力を入れています!

出版業界で働く魅力

出版業界で働くと、出版物を完成させて多くの人の手に届ける達成感を味わえます。たとえば編集者の場合、無事に出版物が完成するまでには、数々の困難を乗り越えなければなりません。度重なる修正に追われたり、納期ギリギリまで作品が完成しなかったりするケースも珍しくありません。さまざまなハプニングを乗り越え、完成した出版物を世の中に送り出すときは大きな喜びを味わえるでしょう。

また、出版業界はクリエイティブな才能が集まる場です。たとえ若手であっても、実力次第では業界の最前線で活躍できます。「自分なら読者に喜ばれる作品を生み出せる!」「作家の魅力を引き出して読者に伝えたい!」と果敢に挑戦したい人にとっては、非常に魅力のある業界だといえるでしょう!

出版業界の代表的企業の例

日本の出版業界で特に有名な企業をご紹介します。どのような出版物を取り扱うのかは、出版社によって大きな違いがあります。漫画や大衆雑誌で有名な出版社もあれば、学校で使う教科書や地図、子ども向けの絵本を中心として取り扱う出版社もありますね。それから、旅行やスポーツなど特定のジャンルの冊子に特化した出版社もありますよ。

株式会社集英社
株式会社講談社
株式会社KADOKAWA
株式会社ゼンリン
株式会社ぎょうせい

「株式会社集英社」「株式会社講談社」「株式会社KADOKAWA」の3社は、漫画や雑誌、ライトノベルなどの出版社として有名ですね!一方、「株式会社ゼンリン」や「株式会社ぎょうせい」も国内トップクラスの売上を誇る出版社ですが、どのような出版物があるのか、知らない人が多いかもしれませんね。

「株式会社ゼンリン」は、地図の製造と販売を手がける出版社です。日本に4社しかない「デジタル地図製造業者」の一つで、地図アプリの開発なども行っています。皆さんが学校の勉強で使っている紙の地図も、同社の製品かもしれません!

「株式会社ぎょうせい」は、地域にある役所などが仕事で使う本を出版する企業です。たとえば、法律・教育・災害対策などに関する本を手がけています。私たちの暮らしで目にする機会は少ないですが、社会で役立つ本をたくさん出版しているのです!

このように、出版社といってもその専門分野は多岐にわたります。将来出版業界で働きたい人は、「少年漫画を仕事にしたいから、漫画雑誌で有名な集英社を目指そう!」といったように、自分の作りたいモノややりたいことを明確にして企業を選びましょう。

自分の進路にぴったりの大学や学部は、逆引き大学辞典の「JOB BIKI」で調べるのがおすすめです!検索画面の業種検索で「株式会社集英社」と憧れの企業名を入力してみましょう。その企業で活躍している先輩たちの出身大学がわかるので、進路選びの参考になりますよ。


出版業界の職種

電車の中吊り広告のチェックを行う編集部員の手元

出版業界で活躍するのは、作家や編集者だけではありません!ここでは、出版業界の主な職種をご紹介します。

出版社で働く職種

・編集者
出版物の企画や編集、制作を担う職種です。クリエイターとのスケジュール調整、雑誌などのページレイアウトやデザインの提案、原稿の校正など、幅広く業務をこなします。

編集者になるには?求められる資質・能力や進むべき進路を紹介

・書店営業
出版社に所属し、書店向けの営業活動を行う職種です。自社の出版物がたくさん売れるように、お店での配置や宣伝方法について書店のスタッフと交渉することもあります。

・広告営業
出版社に所属し、広告を出稿する企業向けの営業活動を行う職種です。本や雑誌の広告枠に出稿する企業を確保して、売上を支えます。

・版権営業
出版社に所属し、版権(=著作物を販売する権利)に関する営業活動を行う職種です。海外の出版社と取引して、外国の作品を翻訳して日本で販売する権利を得るために交渉します。

クリエイター関連の職種

・小説家
フィクションまたはノンフィクションの物語を文章にするクリエイターです。文章で世界観やストーリーを伝えるために、想像力や表現力が求められる職種です。

小説家になるためにおすすめの学部は?求められるスキル

・漫画家
絵と文章を組み合わせた漫画により、物語を表現する職種です。キャラクターデザインや構図、コマ割りと呼ばれるページレイアウトなどの専門スキルが求められます。

漫画家になるためにはどうすれば良い?著名な漫画家の出身大学

・コラムニスト
雑誌や新聞、Webメディアでコラムと呼ばれる短い文章を書く職種です。扱うテーマは人によりますが、時事や社会問題、趣味、ライフスタイルなどが定番となっています。

コラムニストになるには?仕事内容や求められる資質・能力などを紹介

・絵本作家
絵本を作るアーティストであり、魅力的なイラストと文章で表現することが求められます。主に子どもが読者となるため、子どもの興味関心を引くことを重視した作品が多い傾向にあります。

絵本作家になる方法|仕事内容や求められる資質・キャリアプラン

・記者
特定のテーマを取材し、記事にする職種です。「新聞記者」や「雑誌記者」など、所属先によって呼び方が変わります。政治経済・ファッション・スポーツ・イベント・事件などの最新情報を伝えるのが仕事です。

・校正・校閲者
文章の誤字脱字を探したり、言葉の意味や表現が適切であるかを調べたりする職種です。内容の正確性を高める役割があります。出版物には原則として校正・校閲者のチェックが入ります。

・ブックデザイナー
「装丁家(そうていか)」とも呼ばれる職種で、書籍の表紙などの外観をデザインするのが仕事です。紙の種類や厚さを考慮しつつ、読者が手に取りたくなるようなデザインの冊子に仕上げていきます。

・カメラマン
カメラで撮影し、写真や動画の素材を作る職種です。雑誌や新聞のほか、デジタルメディアなど、出版業界の幅広い領域で活躍しています。

カメラマンになるための方法|向いているのはどのような人?


出版業界で求められる人とおすすめの学部

気になった本を手に取る大学生の男性

出版業界を目指すなら、自分が仕事に向いているのか気になるもの。ここでは、出版業界で求められる人物像とおすすめの学部を紹介します!

求められる経験や資格

出版業界は実力主義の世界として知られます。特定の資格は必要ありませんが、魅力的な出版物を作り出す創造性や、芸術や文学への造詣が求められるでしょう。さらに、印刷物のデータを制作するDTP(デスクトップパブリッシング)やグラフィックデザイン、写真撮影、翻訳関係の資格があると就職活動で有利になります。新卒採用の場合、大学在学中のインターンシップで編集業務に携わるのもおすすめです!仕事の流れや、現場の雰囲気がわかるとともに、その経験が就職活動でのアピールポイントになるでしょう。

出版業界に向いている人

・本が好き
まず、本が好きな人でなければ出版業界への就職は難しいでしょう。特に編集者や作家志望の人は、これまでの読書経験が仕事の質に影響することも!

・流行に敏感
流行や最新トレンドに敏感な人は編集者に向いています。一流の編集者は常にアンテナを張り、どのような本が売れるのかを考えているもの。今の時代に求められているものをキャッチする能力が欠かせません。

・期限を守れる
出版物を作る際は、工程ごとに期限が設定されます。万が一期限を守れなかった場合、印刷会社などの関連する会社に迷惑をかけることも。それぞれの担当者が期限を守って仕事をする意識が必要です。

・好奇心が旺盛で調べることが得意
好奇心旺盛で調べることが得意な人は、出版業界に向いています。出版物を作る上で、取材や調査は欠かせない仕事の一つ。気になったことを深く調べて情報を入手できる人は、この業界で歓迎されます。

・複数のことをスケジュール立てて実行できる
出版業界の仕事では、複数の本のために調べ物をこなしたり、さまざまな雑誌にコラムを寄稿したりと、並行して取り組むこともよくあります。同時に複数のスケジュールをこなすのが得意な人には、適性があるといえるでしょう。

出版業界で働くためにおすすめの学部

出版業界には、一般的に文系学部の出身者が多い傾向にあります。就職の際に学部はそれほど重視されないものの、基本的な文章の執筆スキルや、芸術や文化に関する教養などが求められるため、目指す職種に合わせて大学で身に付けておきたいですね。たとえば、編集者や小説家、コラムニストを目指すなら文学部がおすすめ。漫画家や絵本作家、ブックデザイナーなどを目指すなら、美術系の学部で絵画やデザインを学びましょう。


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