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ファーストフード業界の魅力は?主な職種とおすすめの学部

2024.03.12

カテゴリー:
ハンバーガーショップで働く人達

各地にある多くのファーストフード店ではアルバイトスタッフを募集していますから、皆さんの中にもアルバイト経験のある人がいるのではないでしょうか。しかしファーストフード店を運営している企業の仕事は多岐にわたります。アルバイトスタッフが行う店舗での業務はあくまで一部なんです。ではファーストフード店の運営企業に入社したら、具体的にどのような仕事が待っているのでしょうか。この記事では、ファーストフード業界で働くにあたり、具体的にどのような魅力があるのか、どのような働き方があるのかを解説します。また、ファーストフード業界で働きたい人におすすめの大学や学部も紹介しますので、将来の就職先を見据えた大学選びに役立ててください!

ファーストフード業界とは?

ファーストフード業界とは、外食業界の中でも調理時間が短く、お客様に料理が届くまでの時間がスピーディな飲食業界です。ハンバーガーや牛丼、クレープなどさまざまなファーストフードの店舗が展開されているんですよ!

提供時間が短いうえに手軽に食事できるため、仕事の合間の限られた休憩時間に利用する人も多くいます。また、イートインだけでなくテイクアウトもできるため、家でゆっくり食事をしたい方にも人気です。学生の皆さんも放課後に友人とファーストフード店で過ごした経験がある方も多いのでは。

ファーストフード業界は直営店よりもフランチャイズ経営が多いのが特徴です。フランチャイズとは、開業したくてもノウハウがない人が、商標や商品、サービスを販売する権利や経営のサポートを受ける代わりに、ロイヤリティ(対価)を支払う契約を企業と結ぶビジネス形態を指します。

ファーストフード業界の魅力

ファーストフード業界に就職する魅力は、以下のようなものがあります。

<多くの人の食事を支えられる>
ファーストフード店は駅の近くやオフィス街の中、ショッピングモール内など、全国のありとあらゆる場所にありますよね。そしてファーストフード店で提供される食事は安価なのに加えて多種多様な種類がありますから、よりたくさんの人にとって身近な存在といえます。つまり、ファーストフード業界で働くということは、多くの人の食事を豊かにできるということです。ファーストフードは比較的すぐに提供できるメニューが中心なので、忙しい人の味方にもなっています。

<世界を対象としたビジネスに挑戦できる>
ファーストフード業界での仕事は世界とつながっているともいえます。日本に店舗があるほとんどのファーストフード店は、世界中でビジネスを展開しています。海外進出の戦略や日本以外で好まれるメニューの開発など、自分の働きが世界中の食事に大きな影響を与えるかもしれないんですよ!

<地域社会の発展に貢献できる>
ファーストフードのビジネスは大規模なので、大勢の人がさまざまな形で関わっています。店舗には料理を提供する従業員がいますし、例えば店舗外にも料理に使う食材を生産している農家さんがいます。このように、ファーストフードのビジネスは多くの人の雇用・仕事を生み出しているともいえますよね。つまり、ファーストフードのビジネスが活性化すれば、ビジネスに関わる多くの人を豊かにできるんです!

<困っている人の助けになれる>
ファーストフード業界は支援活動にも積極的です。実際に、多くの企業が子どもたちや困っている人への支援活動を行っています。例えば、売れ残ったメニューを子ども食堂へ寄付したり、病気になった子どもと家族を支援する施設を運営したりしています。スポーツ大会の主催など、企業によっては子どもたちの健全な成長のサポートに注力しています。こうした活動をしているファーストフード業界で働くことは、間接的に支援活動に貢献しているといえるでしょう。

ファーストフード業界の代表的な企業の例

世界中にあるマクドナルドの店舗

ファーストフード業界の代表的な企業を5社ご紹介します。ファーストフード業界で働くイメージを固め、ファーストフード業界の企業に関する知識を深めましょう!

会社名をクリックすると「JOB-BIKI」のページが開きます。

日本マクドナルド株式会社
日本で知らない人はいないくらいの大手ハンバーガー専門店です。日本のマクドナルドはアメリカ・マクドナルドのフランチャイズのハンバーガー店で、1971年に東京都の銀座で第1号店がオープンしたことが始まりでした。

日本マクドナルド株式会社の事業内容は、ファーストフードだけではありません。公益財団法人「ドナルド・マクドナルド・ハウス・チャリティーズ・ジャパン」を立ち上げ、病気の子どもたちへの活動をしているんですよ!

株式会社松屋フーズホールディングス
牛丼をメインとしたファーストフード店ですが、ロカボ応援メニューや定食、豚汁、カレーなど多種多様な食事を提供しています。株式会社松屋フーズホールディングスは、独自のリサイクルシステムを実施し、関東の約600店舗で排出される食品廃棄物を自社トラックで回収。静岡県富士宮市にある自社堆肥場で40~60日かけて自然発酵させて堆肥化するなど、地球環境を守る取り組みにも積極的な企業です!

株式会社ロッテリア
株式会社ロッテリアは、牛丼チェーン「すき屋」や回転ずしチェーン「はま寿司」など数多くの飲食店を手掛ける株式会社ゼンショーホールディングスのグループ企業の一つです。日本人が好むハンバーガーの提供をポリシーとして運営しています。もともとはロッテグループのファーストフード事業を担う会社でしたが、2023年4月にゼンショーグループの一員となりました。

株式会社モスフードサービス
株式会社モスフードサービスは「食を通じて人を幸せにする」を経営ビジョンに掲げる「モスバーガー」を運営しています。国産の野菜や肉をメインに使用し、店舗によっては使用している材料の生産者情報を伝える取り組みをしています。環境問題の対策として「温室効果ガスの排出削減」「プラスチックと廃棄物対策」「環境に配慮した紙の使用」にも注力しています。

株式会社豊昇
株式会社豊昇は、日本マクドナルド株式会社のフランチャイズ企業(加盟店)として2002年に設立された会社です。埼玉県を中心として東京・群馬で事業を展開し、フランチャイズ企業としては世界でも屈指の店舗数(2023年時点73店舗)を誇っています。地域に根差して経営を行っており、店舗運営で得た利益を地域に還元するなど、地場の活性化に貢献しているんです!

ファーストフード業界の職種

海外展開する牛丼チェーン

ファーストフード業界ではさまざまの職種の方が協力して働いていますが、新卒で入社する場合は多くの人が総合職としての採用です。総合職は業務の範囲に決まりはなく、実際の店舗やマーケティング部などさまざまな部門で仕事の経験を積んでいきます。仕事内容が広く企業のあらゆる部門を把握できることもあり、将来の管理職や幹部候補としての成長が期待されます。ここでは、ファーストフード業界の総合職が担う職種について解説します!

店舗スタッフ

ファーストフード運営企業では、総合職で採用されたとしてもはじめは店舗スタッフとして配属されることが多いんですよ!直接現場に出てお客様と触れ合うことでお客様がどのようなサービスを求めているのかを学んだり、店舗で起こっている問題を把握したりするためです。店舗スタッフとしてある程度経験を積んだら、店舗の責任者を任されたり、本社勤務として店舗を支えるさまざまな部署に配属されたりと、多様な職種に挑戦していきます。

店舗責任者(店長)

店舗責任者は、その名のとおり飲食店の店舗運営を任される職種です。店舗責任者の仕事内容には下記のようなものがあります。

・スタッフの採用
・スタッフの育成管理
・赤字にならないための経営戦略の立案
・目標達成のための仕組み作り
・売上の管理
・事務作業
・クレーム対応
・レジ締め

基本的にスタッフの育成自体はトレーナーが担当します。ただし、シフト作成や人員配置、業務を任せられる範囲を知るために、育成の進捗状況は店舗責任者がチェックします。店長と店舗責任者の違いは、厳密にいうと日常業務がメインか経営業務がメインかです。飲食業界は全体的に人手不足な傾向があり、店長業務と店舗責任者を兼任していることもあります。大変な仕事ではあるものの、できることが多く成長し続けたい方にはぴったりの仕事かもしれませんね!

マーケティング・販売促進担当

マーケティングや販売促進担当は利用してくれる人を増やすための施策を企画・実行する職種です。客層や商品の売れ行きを分析して商品を開発したり、販売促進をしたりすることも業務内容に含まれます。販売促進とは商品が売れるための仕掛けを考えることで、「セールスプロモーション」とも呼ばれています。テレビやSNSなどで人気のタレントが新商品を紹介するCMを見たことはあるでしょうか?自分が好きなタレントが美味しそうに食べている姿を見ると、ついそのメニューが気になってしまいますよね。こういった多くの人が興味を持ってくれる施策を考えるのもマーケティング・販売促進の仕事の1つです。どのメニューを宣伝するか、誰に宣伝してもらうか、どのようなキャッチコピーを付けるかなど、メニューを届けたい人のことを考えながら1つずつ決めていきます。またマーケティング・販売促進担当は、新しいお客様の獲得だけでなく、リピーターを増やすためのアイデアを考えることも大切です。新規・リピーター両方のお客様を増やすことで、全体的な集客アップを目指します!

新規店舗開発担当

ファーストフード店は全国各地にありますが、同じメニューを提供する店でも場所が変われば想定される利用客は変わります。ビジネスビルが立ち並ぶ駅前ではサラリーマンの利用が多く見込まれるでしょうし、郊外のショッピングモールの側では家族連れの利用が予想されます。想定する客層の違いは店舗作りに影響します。サラリーマンが多めの店舗では1人用の席が好まれますし、ファミリー層が多めの店舗では家族がゆったり利用できる席が求められます。車利用が多く見込まれる郊外の店舗なら、ドライブスルーの設備が必要になるかもしれません。提供するメニューは変わりませんが、店舗に求められる戦略は大きく変わってきます。新しい店舗を出す際に、このようなエリアや客層に合わせた店舗の形を考えるのが、新規店舗開発担当の仕事です。

ファーストフード業界で求められる人とおすすめの学部

接客上手の学生

ファーストフード業界で働きたいけれども、自分に向いているか不安に感じてしまいますよね。ここでは、ファーストフード業界で求められる人はどのような人か、必要な経験・資格の観点から解説します。また、進学する際におすすめの学部も紹介しますので、就職する前にどのような勉強をしておくといいか知っておきましょう。

求められる経験や資格

ファーストフード業界への就職は飲食未経験でも問題はありません。ただし、職種によっては必須となる資格があったり、持っていると役立つ資格や経験があったりします。

● 食品衛生管理(店舗責任者なら必須)
● 防火管理者(店舗責任者なら必須)
● 調理師免許(商品開発者・店舗スタッフなら役立つ)
● 管理栄養士(商品開発者なら役立つ)
● レストランサービス技能士(店舗スタッフ・店舗責任者なら役立つ)
● 接客サービスマナー検定(ホールスタッフ・店舗責任者なら役立つ) など

また、接客・販売の経験があると働きやすくなるため、学生のうちに経験や知識を身につけることがおすすめです。

ファーストフード業界に向いている人

ファーストフードの現場

ファーストフード業界への就職が向いている方の特徴は以下のとおりです。

・人のためになることを考えられる人
ファーストフード業界は飲食を通じて人と関わるサービス業なので、人のためになることを考えられる人材が求められます。どのような職種においても、売上はもちろんのことですが、お客様ファーストであることが大切です。店舗責任者、マーケティング担当者、新規店舗開発など、どのポジションにおいても「お客様のため」を優先します。お客様視点が抜けていると、どれだけおいしい料理を開発し、提供していたとしてもリピーターの獲得は困難です。「素早い提供時間でご飯を食べられればいい」というお客様もいますが、やはりサービスの質も大事にしたいお客様が多いのも事実です。そのため、普段から接する相手に喜んでもらえることを考えるのが好き、得意という方は、ファーストフード業界でも活躍できるでしょう!

・観察や分析をするのが好きな人
ファーストフード業界では、お客様に素早く商品を提供するために注文・調理・提供といったオペレーションを無駄なく、効率的に行う必要があります。そのため、店舗でスタッフがどのように動いているのかを観察しながら、効率を上げるために何ができるかを分析し、改善をしていくことが大切です!またマーケティングや販売促進の仕事でも行った施策がうまくいったのかを分析して次の施策につなげたり、新規出店をする際には地域の特性を分析して適切な場所に店舗を出したりなど、物事を観察し、分析することが多いんです。そのため、何かを観察したり、分析したりすることが得意な人は、ファーストフード業界に向いていると言えます。

ファーストフード業界で働くためにおすすめの学部

ファーストフード業界で働くうえで、必ず卒業しなければならない学部はありません。しかし、大学で学ぶことで仕事に活かせるスキルや知識を身につけられることも確かです。ここでは、ファーストフード業界で働くために役に立つ学部をご紹介します。

・経済学部・経営学部・商学部
経済学部はお金の流れを学べる分野で、お金、人、経済の本質を学ぶことをテーマとした学部です。経営学部は、限られた資源を効率良く活用し、企業をうまく成り立たせる考え方を学べます。商学部は商いについて学ぶ学部で、売上や利益といった商業に関するお金の流れを学べる学部です。これらの考え方を身につけることはどの職種においても大切ですが、とくに将来の幹部候補として採用される総合職を目指す方におすすめです!また、マーケティングの知識も学べるため、新規店舗開発や販促促進などの職種でも役立ちます。経済学部や経営学部、商学部のある大学は、以下のようなところがあります。

・フードマネジメント学部・健康生活学部など
フードマネジメント学部は、飲食店業界が抱える問題と向き合い、業界の発展を目指すリーダーを育成するための学部です。食を中心とした経済学、経営学、情報学、栄養学、社会学などを学びます。健康生活学部では、食品や栄養の専門知識に加えて、食に関わるビジネスやデザイン、文化などを学びます。生産者から消費者まで、食全体の安全性を深く学べるのが特徴です!これらの知識や技術は、店舗管理者、店舗開発など経営に携わる職種に役立てられます。飲食に特化した内容を学べるのが、フードマネジメント学部・健康生活学部の強みです。フードマネジメント学部・健康生活学部のある大学は以下のとおりです。

・栄養学部・健康栄養学部など
栄養学部は、栄養素と健康の関わりを学び、健やかな体を作るための調理や加工方法を追求する学部です。学ぶ分野も下記のように多岐に渡ります。

・医療に関する「医学・科学分野」「臨床栄養学分野」
・社会と栄養の関わりを学ぶ「社会環境分野」
・調理や加工に関する「食品品質分野」

健康栄養学部は、健康のための食生活を考える学部で、栄養学と保健学に関する知識や技術を身につけられます。これらの学部は、商品開発に携わりたい方におすすめです。最近では、ロカボなどの健康に気遣ったメニューの開発も需要が伸びているため、栄養に関する専門的な知識と調理の技術を身につけた人は重宝されます。栄養学部・健康栄養学部のある大学の例は以下のとおりです。

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ファーストフード業界は、職種によって活かせる経験やおすすめの学部が異なります。自分がファーストフード業界でどの職種に就きたいのかを考えて、学部や大学を選択しましょう。企業や進学先の情報を知りたい方は「JOB-BIKI」で検索し、進路や就職先のイメージを固めていくのがおすすめです。興味がある企業、就職したい企業を検索すると、企業に就職した先輩の出身校を調べられます。「JOB-BIKI」をうまく活用しながら、自分のなりたい姿を目指せる大学を見つけましょう!

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