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貿易事務員になるにはどうすれば良い?求められる資質やスキル

2023.04.05

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身の回りにある多くの品物は、海外からさまざまな取引を経て、私たちの元まで届いています。たとえば、いつもコンビニで買えるチョコレートも、外国で作られた材料が工場に運ばれてチョコレートになり、さらに輸送のための検査や手続きをした上で、日本に届きます。このように、貿易には非常に多くの仕事が関わっていますが、働いている人の姿はほとんど見たことがないでしょう。

この記事でご紹介する貿易事務員は、海外から品物を輸出入するために必要な書類を用意したり、飛行機や貨物船の予約を取ったりする事務の仕事です。海外との取引に欠かせない数多くの事務をこなし、貿易を支えています。語学力を活かせる職種なので、外国語を使って働きたい皆さんは、ぜひ読んでみてくださいね!


貿易事務員の仕事の内容や想定年収

担当する案件について関係者と話し合う貿易事務員

貿易事務員とは、一体どんな仕事なのでしょうか?まずは、仕事内容ややりがい、想定年収などの基本的な情報をお伝えします。

貿易事務員の仕事の内容

貿易事務員は、海外との取引を行う企業に所属して、外国語を使いながらさまざまな事務を行います。主な仕事内容は、海外の企業との電話やメールでのやり取り、輸出入の手続きに必要な書類の作成、飛行機や貨物船での輸送の手配、輸送スケジュールの管理などです。一般的な事務職とは異なり、外国との取引が仕事の中心となり、輸出入に関する法律や国際情勢などの知識も求められます。

貿易事務員の仕事のやりがい

貿易事務員は、自分が身に付けた語学力を活かして、世の中に広く貢献できる仕事です。生活に欠かせない食べ物や衣服など、あらゆる品物の輸出入に関わり、たくさんの人の暮らしを支えています。外国語のスキルを活かせる仕事に憧れるなら、貿易事務員を目指してみては?

貿易事務員の想定年収

貿易事務員の年収は全国平均で464.4万円です。月額の求人賃金は全国平均で22.2万円となっています。日本国内で貿易事務員として働いている多くの人は、商社や通関業者などの企業に就職しています!高い語学力が求められる専門的な仕事であるため、一般的な企業の事務職と比較して、高い報酬が期待できるでしょう。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/439


貿易事務員に求められる資質やスキル

国際電話で書類の内容について確認をする貿易事務員

貿易事務員の仕事には、どんな能力が必要なのでしょうか?仕事で求められる資質やスキルをご紹介します。

ビジネスレベルの外国語力

貿易事務員の仕事には、外国語でコミュニケーションできる能力が必須です。日常会話やビジネスで通用する読み書きができることはもちろん、貿易に関する専門用語の語彙までカバーできる高度な外国語力が求められます。グローバルに使われる英語はもちろん、中国語や韓国語をはじめとして、取引先に合わせた外国語が使えると良いですね。

貿易取引に関する幅広い知識

海外との取引に携わる貿易事務員の仕事では、海外輸送の手続きから各国の法律や税金まで、専門知識が問われます。特に法律に関しては、知識が不足すると違法な輸出をしてしまうリスクも!就職後は単に事務処理のやり方を覚えるだけでなく、現場で経験を積みながら覚えていくべき関連知識が多い仕事だといえます。

スケジュール管理能力

輸出入した品物をお客様と約束した期日までに届けるには、貿易事務員が正確に手配しなければなりません。貿易は長距離の輸送となるため、途中で遅延が発生する可能性があります。なかには賞味期限がある食品のように、遅延により大きな被害を受けてしまう品物もあるでしょう。海外輸送ならではの事情を考慮した上で、スケジュールを管理できる能力が求められます。

コミュニケーション能力

貿易事務員は、海外の取引先から社内の営業担当者まで、言語や立場の違う多様な人たちと連携しながら仕事をこなします。多くの人と関わりながら、輸出入に関する数多くの手続きをミスなくこなすためには、正確に意思疎通ができるコミュニケーション能力が欠かせません。


貿易事務員になる方法とおすすめの学部

貿易事務員を目指す大学生たち

貿易事務員には高い語学力がなくてはなりません。ここでは、外国語の教養を身に付けられる、おすすめの大学の学部をご紹介します!

貿易事務員になる方法

貿易事務員になるために必須の資格はなく、一般的には大学や短大を卒業した後に、新卒採用で企業へ入社することになります。ただし、外国語や事務職に関する資格を取得しておくと、貿易事務員に求められる語学力やPCスキルなどを証明できるようになり、採用で有利になるでしょう!

たとえば、基礎的な英語能力を証明できる「TOEIC」や、実務に活かせるビジネス英語能力を証明できる「日商ビジネス英語検定」などが挙げられます。また、事務職に必要な基本のPCスキルを証明するなら「マイクロソフト オフィス スペシャリスト(MOS)」の資格がおすすめです。特に、語学力は一定以上のレベルを求められることが多いので、大学生のうちからしっかりと勉強して身に付けておきたいですね!

貿易事務員になるためにおすすめの学部

貿易事務員の仕事では高い語学力が求められるので、大学では外国語や国際コミュニケーションに関する学部を選ぶのがおすすめです。たとえば、ビジネスシーンで活躍の場が多い英語を学ぶなら、文学部や外国語学部の英語科・英米語学科などが挙げられます。文学部の中国語専攻、韓国語専攻などで第二外国語のスキルに磨きをかけても良いでしょう。ほかにも、さまざまな外国語でのコミュニケーションや国際学の教養を身に付けられる国際教養学部も、語学力に磨きをかける環境が充実していますよ。

語学力は短期間で鍛えるのが難しいからこそ、コツコツと勉強を続けることが大切!大学には海外から学びに来た留学生も身近にいるので、在学中は外国語でコミュニケーションを取る経験をたくさん積めるでしょう。進路ではこれらの学部を目指してみてはいかがでしょうか?


貿易事務員が働く場所とキャリアプラン

貿易事務員を目指す大学生たち

貿易事務員の主な就職先や、将来の働き方についてお伝えします。仕事でどんな風に活躍できるのか、ぜひチェックしてみてください!

貿易事務員が働く場所

貿易事務員の主な就職先は、商社や通関業者などの企業です。商社とは、世界中にビジネスの幅広いネットワークを持っている企業のこと。売り手と買い手をつなげて、取引を仲介しています。通関業者とは、品物の輸出入をサポートする企業のことです。外国から輸入する品物に課される税金(=関税)の手続きや、輸出入する品物の検査や許可などの手続きを代行します。ほかにも、飛行機や貨物船で品物の輸出入を行う航空会社や海運会社などでも、貿易事務員が活躍していますよ!

商社マン(商社パーソン)の仕事について、詳しくは以下の記事で解説しています。貿易に関する仕事が気になったら、ぜひこちらも読んでみてください!

商社マン(商社パーソン)になるには?求められる資質・能力を紹介

貿易事務員のキャリアプラン

貿易事務員の仕事は専門性が高いことから、海外と取引のある多くの企業で求められています。そのため、仕事を一通りこなせるようになったら、その後は就職先の選択肢が広がるのが魅力です!中途採用の求人情報では、経験者を募集していることがほとんど。実務の知識とスキルを証明できる「貿易実務検定」の資格を取得しておくと、転職などのキャリアアップでも役立つでしょう。

また、貿易事務員と近い職種である「通関士」の国家資格を取得して、活躍の場をさらに広げる人もいます。通関士は、通関業者に所属して、税関での手続きを代行する専門職です。海外との取引に携わる業界で、事務職以外の仕事にも挑戦してみては?


貿易事務員になりたいあなたは「JOB-BIKI」で進路検索!

貿易事務員の仕事についてご紹介しました。貿易事務員を目指すなら語学力が必須といえます。語学力を高めるには、長期的に勉強を続けることが大切。外国語や国際コミュニケーションを学べる大学に進学すると、外国語を専門的に学んだり、一緒に学ぶ仲間たちと外国語で交流したりしながら、着実に語学力に磨きをかけられるでしょう!貿易事務員を目指せる大学が気になったら、ぜひ「JOB-BIKI」を使って調べてみてくださいね。検索画面の就職先検索で「小売・卸売」から「総合卸売・商社・貿易」を選ぶと、貿易事務員が活躍する業界の情報を調べられます。先輩たちの進学先情報をチェックしてみましょう!

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