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不動産鑑定士に求められる資質は?仕事内容やキャリアプラン

2023.04.12

カテゴリー:
大手企業に勤める不動産鑑定士の男性

家を売りたいときや貸したいときなどは、不動産の価値を知っておかなければ、適切な価格や家賃をつけることができません。そんなときに活躍するのが不動産鑑定士です。不動産鑑定士は、土地や建物などの不動産の値段を決められる職業です。なるためには国家資格の取得が必要で、法律や経済などの幅広い専門知識を身に付けることが求められます。今回は、不動産鑑定士の仕事内容や求められる資質、なる方法、おすすめ学部など、さまざまな情報をご紹介します。


不動産鑑定士の仕事の内容や想定年収

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不動産鑑定士は、具体的にどんな仕事をする職業なのでしょうか?まずは、不動産鑑定士の仕事内容ややりがい、想定年収を確かめていきましょう。

不動産鑑定士の仕事の内容

不動産鑑定士は、名前の通り不動産の価値を鑑定することが仕事です。個人や法人、国・都道府県などから依頼をもらい、土地や建物を調査・分析してどの程度の価値を持つかを判断します。たとえば、「アパートを貸したいけれど家賃を何円にすれば良いかわからない」という大家さんの依頼を受けてアパートの価値を鑑定し、家賃の金額を決める手助けを行うことがあります。国土交通省からの依頼で「公示地価」と呼ばれる土地の評価を決めるなど、公共性の高い仕事を請け負うことも多いのが特徴です。

また、コンサルティング会社に就職し、さまざまな不動産関連の相談に応える仕事を行う人もいます。「不動産投資をしたいのでおすすめの運用方法を教えてほしい」「持っている土地を有効活用したいけどどうしたら良いかわからない」といった相談に、専門家としての視点からアドバイスを行います。

不動産鑑定士は国家資格です。同じ不動産系の国家資格に「宅地建物取引士(宅建士)」があります。宅建士の仕事内容は、不動産取引を仲介し、取引に必須となる契約書類を作ったり、不動産を買う人に知らせなければならない重要な事柄の説明をしたりすることです。不動産鑑定士のほかに、宅建士などの資格を取得し、ダブルライセンス(=複数の資格を持つこと)で活躍する人もいますよ。


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不動産鑑定士の仕事のやりがい

不動産の鑑定評価は、不動産鑑定士の国家資格を持つ人しか行えません。不動産の価値はさまざまな条件で変わり、専門的なスキルを持つ人でなければ適切な値段をつけることが難しいためです。不動産鑑定士が出した結果は、不動産を所有している人や企業など、さまざまな人へ影響を与えます。責任重大ですが、その分、やりがいを持って仕事を行うことができるでしょう!

不動産鑑定士の想定年収

令和3年賃金構造基本統計調査によると、不動産鑑定士が属する主な職業分類(他に分類されない専門的職業)の平均年収は584.4万円でした。資格を生かして就職し、安定した収入を得ることができます。また、独立して自分で不動産鑑定士事務所を経営するようになると、さらに高い収入を得られるようになることもありますよ。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/93


不動産鑑定士に求められる資質

内装に問題がないかをチェックする不動産鑑定士の男性

不動産鑑定士には、どんな適性が求められるのでしょうか。こちらでは、不動産鑑定士に必要な資質についてご紹介します。

責任感がある

不動産鑑定士は、不動産の価格を決定するという大きな責任を負う仕事です。不当な鑑定を行ってしまうと、依頼してくれたお客様はもちろん、その不動産に関わる多くの人に影響を及ぼしてしまう可能性があります。責任感を持って鑑定の仕事を行えることが大事です。

論理的に物事を考えられる

不動産鑑定を行うときは、国の決めた「不動産鑑定評価基準」を指針とします。ただ、不動産の条件はさまざまです。ときには「不動産鑑定評価基準」に載っていない条件の不動産を鑑定しなければならないことも。そんな場合でも、なるべく基準に沿った結果を出すために論理的に思考し、適切な判断を下せる力が必要です。

事務的な処理能力が高い

不動産の評価をする際は、資料集めや計算、レポート作成など、さまざまな場面で事務処理能力が問われます。必要な資料を手早く見つける、ミスなく計算する、結果をわかりやすくまとめるといったスキルを身に付けると、仕事をスムーズに進められますよ。

不動産や法律などに関して知識がある

不動産鑑定士として働くためには、不動産や法律の知識を身に付けていることが必須となります。不動産関連の知識は膨大なので、コツコツと勉強を続けていくことが求められます。


不動産鑑定士になる方法とおすすめの学部

経済学を学ぶ大学生の男女

不動産鑑定士の資格を取り、働けるようになるまでにはどんな道のりがあるのでしょうか。こちらでは、不動産鑑定士になる方法や、おすすめ学部をご紹介します。

不動産鑑定士になる方法

不動産鑑定士の仕事をするためには国家資格を取る必要があります。受験資格はなく、学歴や年齢などを問わず誰でも挑戦できるのが特徴です。学生の間に受験することもできますよ。ただ、試験の難易度は高いため、合格するにはかなりの勉強が必要になります。合格者のなかには、試験勉強に2000時間以上かけたという人も。試験対策のために予備校へ通ったり、通信講座を受けたりする人も珍しくありません。

試験は毎年1回で、「短答式試験」に合格できたら「論文式試験」を受けることができます。試験内容は不動産についての法律や鑑定についての理論などが中心です。民法や会計学、経済学などの問題も出題されます。合格のためには幅広い専門知識を勉強し、理解しておくことが大事です。

ただし、試験に合格した後、すぐに不動産鑑定士になれるわけではありません。1年もしくは2年の実務修習で実践的な内容の講義を受け、修了考査に合格したら、晴れて不動産鑑定士として仕事を始めることができます。このように、不動産鑑定士の資格を取るのは時間がかかります。そのため、最初は不動産会社などに就職して経験を積みながら勉強し、試験合格を目指す人もいますよ。

参考サイト:不動産鑑定士試験 試験制度の概要(国土交通省)
URL:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/kanteishi/shiken03.html

不動産鑑定士になるためにおすすめの学部

不動産鑑定士になるために必須とされる学歴はありません。ただし、試験では法律や経済、会計などの知識が問われます。大学で専門的に学んでおくと、試験に有利になるのはもちろん、実際の仕事でも生かすことができますよ。法律の知識は法学部、経済や会計などの知識は経済学部、商学部などで勉強できます。

また、不動産鑑定士の仕事では建物や土地の価値をさまざまな視点から調査し、分析することが求められます。そのときに建築や土木の知識が役に立つことも。建築学部や理工学部、工学部などで建築学や土木工学を学んでおくのも一つの手です。


不動産鑑定士が働く場所とキャリアプラン

売却される土地の鑑定にきた不動産鑑定士の男性

不動産鑑定士の資格を取った後は、どんな場所で働き、どんな経験を積んでいくことになるのでしょうか。こちらでは、不動産鑑定士の活躍の場やキャリアプランをご紹介します。

不動産鑑定士が働く場所

不動産鑑定士の代表的な就職先は不動産鑑定事務所です。不動産鑑定をメインとする事務所で、依頼を受けてさまざまな土地や建物を鑑定します。ほかには、不動産鑑定を手がけている不動産会社などでも、不動産鑑定士の求人募集が行われることがあります。

また、銀行などの金融機関やコンサルティング会社などで活躍する不動産鑑定士もいます。就職先によっては専門知識を生かして、不動産を活用した投資のアドバイスをすることもありますよ。

不動産鑑定士のキャリアプラン

不動産鑑定士として就職した後は、一つの会社に長く勤務していく人もいれば、より自分の希望に合う職場を見つけて転職する人もいます。実務経験を積んでスキルを身に付けた後に独立開業し、自分の不動産鑑定事務所を設立する人も少なくありません。弁護士や税理士など、別の分野の資格を持つ人と一緒に事務所を立ち上げることも。専門性の高さを生かして、不動産鑑定士としての仕事を長く続けていけますよ。


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不動産鑑定士は土地や建物の価値を決める責任の大きな仕事です。高い専門性があり、一度資格を取れば長く働いていくことができます。大学で法律や建築などの専門知識を学んでおくと、不動産鑑定士の仕事に生かすことができますよ。不動産鑑定士を目指せる大学に興味がわいたら、ぜひ「JOB-BIKI」で検索してみてください!検索画面に「不動産鑑定」と入力すると、不動産鑑定士が活躍している不動産鑑定事務所の進学先データを見られます。

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