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行政書士の気になる年収や月収は?進学におすすめの大学

2024.01.23

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行政書士は、法律の専門知識を活かしてお客様に代わって大事な書類を作ったり、申請手続きをしたりする仕事です。国家資格が必要な仕事で、試験が難しいことでも知られています。そんな行政書士になれたら、どのくらいの年収を得ることができるのでしょうか?平均年収や月収などを確かめてみましょう!今回は、行政書士の気になる年収やおすすめの大学、キャリアアップや年収アップの方法などをご紹介します。


行政書士の平均年収・月収は?

行政書士の平均年収は579.8万円です。求人票における月額の賃金は、全国平均で26万円となります。ただ、行政書士にはさまざまな働き方や業務内容があるので、人によって年収が大きく異なる場合があります。

行政書士の活躍の場となるのは、行政書士事務所や行政書士を募集する一般企業などです。こういったところへ就職する人もいれば、自分で行政書士事務所を開業して働く人もいます。

また、行政書士の主な仕事はさまざまな書類の作成や手続きの代理などです。行政書士が代理で作成する書類には、主に「官公署に提出する書類」「権利義務に関する書類」「事実証明に関する書類」などがあります。このうち官公署とは、省庁や都道府県庁、市・区役所、警察署などのことです。たとえば、依頼者が何かの事業を始めるときに、公的な許可を得るための申請書を作り、所定の官公署へ提出しなければいけないことがあります。このような書類には正確さが求められますが、法律の専門知識がない人にとっては難しい場合があります。依頼を受けたお客様に代わって適切な書類を作ることが行政書士の大事な仕事です。

さらに、書類の作成についての相談に乗ることもあります。こういった仕事で行政書士が作成する書類の種類などによって、得られる収入が変わってくることがあるのです。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)
URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/85


行政書士の年代別の平均年収

若き行政書士
年代行政書士の平均年収民間企業の平均年収
19歳以下230.58万円約124万円
20歳~24歳360.01万円約273万円
25歳~29歳407.47万円約389万円
30歳~34歳504.07万円約425万円
35歳~39歳664.46万円約462万円
40歳~44歳691.52万円約491万円
45歳~49歳675.42万円約521万円
50歳~54歳628.41万円約537万円
55歳~59歳656.72万円約546万円
60歳~64歳568.22万円約441万円
65歳~69歳419.45万円約342万円
70歳以上290.17万円約298万円

行政書士の年代別平均年収は上の表の通りです。もっとも平均年収が高くなるのは40歳~44歳で、700万円近くの金額に達します。「令和4年分民間給与実態統計調査」による民間企業の年代別平均年収と比べると、行政書士のほうが高くなります。

また、一般的に年齢が低いうちは、経験が少ないことから対応できる仕事の種類が限られ、年収も低くなりやすいとされています。行政書士の場合、「薬局開設許可」や「産業廃棄物処理業許可申請」などの専門性の高い行政手続きで高い報酬を得られるので、仕事の経験を積むことで年収を高められます。民間企業の平均と比較すると高めの収入を得やすい職種です。

【参考】職業情報提供サイト(日本版O-NET)

URL:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/85

【参考】令和4年分民間給与実態統計調査(p21)

URL:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan2022/pdf/000.pdf


行政書士の働き方別の年収

行政書士事務所の看板

行政書士の資格を取ったとしても、すぐに行政書士として働けるわけではありません。仕事を始めるには「行政書士名簿」に登録して、各都道府県の行政書士会へ所属することが必要です。

行政書士の登録が済んだら、行政書士を募集している企業や行政書士事務所などへ応募し、仕事をする人が多く見られます。この場合の想定年収は200万円~700万円程度といわれ、就職先の規模によっても差が出ます。たとえば、規模の大きな行政書士事務所の例として、大手行政書士法人(4大メガファーム)が挙げられます。行政書士として働き始めたばかりの頃は年収が低めですが、経験を積むことで上がっていくことが一般的です。

【大手行政書士法人(4大メガファーム)】
・オータ事務所
・行政書士法人名南経営
・行政書士法人きずなグループ
・SATO行政書士法人

独立して行政書士事務所を開業した場合、想定年収は1000万円以上になるとされています。ただし、これは経営がうまくいった場合の年収です。事務所を立ち上げたばかりの頃などは依頼が少なく、得られる収入がかなり少なくなることも。お客様を増やして多くの仕事を受けられるようになれば、収入アップを目指せるでしょう。


行政書士の業務別の年収

行政書士は中心になる業務によって年収が変わることがあります。就職後、多くの行政書士は行政書士事務所や民間企業などに就職して、決まった額の給料をもらいます。さらに、独立した場合などは一つの仕事をするたびに報酬をもらうことが基本です。ここでは、業務別の主な報酬や想定年収をチェックしてみましょう。ただし、報酬の金額に決まりはないので、あくまでも目安です。

行政書士が行うことの多い相談業務の報酬は1件あたり3,000円~5,000円程度と、比較的低めに設定されます。相談だけなら無料で対応している行政書士事務所も。相談業務を中心にした場合の想定年収は240万円程度といわれていますが、その他の仕事も同時に行うことが基本です。

行政書士は契約書の作成も行うことができます。たとえば、賃貸物件を貸し借りする際の契約書を作ることが可能です。契約書作成業務の報酬は1件あたり3万円程度が目安です。仮に1日に1件、月に20件の契約書作成ができれば、年間で720万円程度の報酬を得られます。この金額から経費を引いた分が収入となります。

また、官公署へ提出する書類作成や提出代行業務は、どんな書類を作るかによって報酬の金額が大きく変わります。たとえば、飲食店を開きたい場合は、保健所などへ提出する書類を準備しなければいけません。ただ、専門的な知識がなければどの書類をどのように作れば良いかわからないことも。行政書士は専門知識を活かし、その店に必要な書類が何かを調べて作成を代行することができます。この場合の報酬の目安は5万円~10万円程度です。

ほかにも、行政書士は幅広い内容の書類作成や提出を代行できます。作成が難しいものほど報酬は高くなることが一般的です。たとえば、1件10万円の仕事を月に5件受けることができれば年に600万円、1件15万円の仕事を月に5件受けることができれば年に900万円の報酬を得られると仮定できます。行政書士としてスキルを身につけて、複雑な書類も作れるようになれば年収も高くなることが期待できるでしょう。


行政書士を目指せる大学

北海道大学

行政書士になるためには、特定の条件を満たして資格を取るか、国家試験を受ける方法があります。一般的な方法とされるのが、行政書士の国家試験を受けて合格することです。学歴や年齢を問わず、幅広い人がチャレンジすることができます。ただし、試験には法律の専門知識や政治、経済などの幅広い一般知識が必要です。合格率は毎年10%前後で、難しい試験として知られています。そのため、行政書士を目指すなら法学部で専門的に学んでおくことがおすすめです。

もちろん、法学部での学びは試験だけではなく、行政書士の仕事でもしっかりと活かすことができるでしょう。ここでは、行政書士におすすめの法学部のある大学をご紹介します。大学名をクリックすると、逆引き大学辞典のページが開きます。

【参考】一般財団法人行政書士試験研究センター「最近10年間における行政書士試験結果の推移」
URL:https://gyosei-shiken.or.jp/pdf/trans.pdf

北海道大学

北海道大学法学部のキャンパスは北海道札幌市にあります。2年生からは学生の興味のある分野や将来の目標に合わせて「法専門職コース」か「総合法政コース」に分かれます。行政書士を目指す人におすすめとされているのが法専門職コースです。憲法や民放などの基本的な科目を身につけられるほか、労働法や知的財産法など、理解を深めたい科目を選んで履修できます。

東北学院大学

東北学院大学は宮城県仙台市にある大学です。法学部法律学科には「政策・行政コース」「企業法務コース」「法律専門職コース」などがあり、行政書士のように法律を専門にする仕事を目指す人は「法律専門職コース」がおすすめされています。法律関連の資格取得を目指す学生のための奨励制度があり、これまでにも行政書士に合格した学生が報奨金を受け取った実績があります。

日本大学

日本大学法学部のキャンパスは東京都千代田区にあります。法律学科や政治経済学科、新聞学科などさまざまな学科があることも特徴の一つです。どの学部でも法律学の学びがベースとなりますが、それぞれ異なる専門的な領域の知識を身につけていくことができるでしょう。取得が難しい資格試験のサポート制度があり、行政書士試験のための課外講座も開かれています。

新潟大学

新潟大学は新潟県新潟市にある大学です。法学部には「法学プログラム」と「法曹養成プログラム」の2つの法学プログラムが用意されています。このうち「法学プログラム」では、2年次から行政書士の国家試験でも出題される憲法・民法の分野を学べます。行政書士を含む法律系専門職を目指す学生が多いことから、法律分野の第一線で活躍する外部講師を招いた講義など、将来の仕事をイメージする機会が充実しています。

名古屋大学

名古屋大学は愛知県名古屋市にある大学です。法学部では4年一貫のカリキュラムを組んでおり、1年後期から行政書士の仕事に不可欠な憲法・民法の分野を学んで専門知識を基礎から身に着けられます。学生の自主性を尊重し、必修科目を設けていないことも大きな特徴です。法学部といっても裁判官や弁護士に限らず、行政書士を含む法律分野の多様な職種を目指して、自分の将来に必要な科目を選んで履修できます。

同志社大学

同志社大学法学部は京都府京都市にキャンパスを構えています。法学部には「法律学科」「政治学科」「法学研究科」などの多彩な専門科目があり、自分の進路に直結する科目を選びやすいのがメリット。行政書士を目指すなら、法学の専門知識を基礎から修得し、知能や技能を伸ばせる「法律学科」がおすすめです。選択科目では、法律の専門家として社会で活躍する上で欠かせない思考力・判断力・表現力を伸ばせます。

広島大学

広島大学法学部のキャンパスは広島県広島市にあります。法学部は「昼間コース」と「夜間主コース」に分かれており、このうち昼間コースには「法曹養成プログラム」「公共政策プログラム」「ビジネス法務プログラム」のプログラムが用意されています。行政書士をはじめとした法律分野の専門家を目指すなら、「法曹養成プログラム」がおすすめ。法学の素養と社会問題への関心を備えた人材を育成するプログラムで、法律の専門家に求められる能力や技能を身に着けられます。

福岡大学

福岡大学は福岡県福岡市にある大学です。法学部には「法律学科」と「経営学科」があります。行政書士を目指す人は、「法律学科」で法学の専門性を高めていけます。法律学科はさらに「法律総合コース」「公共法務コース」「総合政策コース」に分かれており、「法律総合コース」は行政書士をはじめとした法律専門職を志望する人のためのコースです。六法科目が学びの中心となり、行政書士の国家試験に必須の憲法・行政法などの科目を基礎から学べます。


行政書士のキャリアアップや年収を上げる方法

書類作成業務

行政書士として働き始めたら、どんな方法でキャリアアップを目指せるのでしょうか?最後に、行政書士のキャリアアップや年収アップの方法についてご紹介します。

行政書士のキャリアアップの方法

行政書士として経験を積んでいくとできる仕事が増えて、キャリアアップにつながることがあります。さらに多くの仕事をできるようになるため、ほかの資格も取得する「ダブルライセンス」を目指す人もいるようです。

代表的な資格が「税理士」「社会保険労務士」「司法書士」「宅地建物取引士」「土地家屋調査士」などです。行政書士の仕事にも関連がある資格を取り、難易度や専門性の高い仕事をこなせるようになることがキャリアアップにつながります。ただ、資格によって難易度は異なり、なかには行政書士よりも難しいとされるものも。ダブルライセンスを目指すなら、しっかりと勉強していくことが大事です。

アンカーテキスト:税理士になるためにはどうすれば良い?必要な資格やキャリアプラン

URL:https://www.gyakubiki.net/readings/employment/836/

アンカーテキスト:社会保険労務士はどのような仕事をしている?求められるスキル

URL:https://www.gyakubiki.net/readings/employment/1626/

アンカーテキスト:土地家屋調査士になるには?仕事内容や求められる資質と能力を紹介

URL:https://www.gyakubiki.net/readings/employment/3052/

行政書士として年収を上げる方法

行政書士として年収を高めるには、仕事で豊富な経験を積んで、より報酬の高い業務を担うことがポイントとなります。たとえば書類作成業務の場合を見てみると、「知的資産経営報告書の作成業務」の報酬額は約67万円、「遺言執行手続き」の報酬額は約24万円が相場です。また、許認可申請の代理業務の場合を見てみると、「医療法人設立認可申請」の報酬額は約56万円、「医薬品製造販売許可申請」の報酬額は約34万円が相場となっているんです!このように、専門性が高く難しい業務では1件で数十万円以上の報酬が期待できることも。将来、開業して自分の行政書士事務所を持つなら、どのような業務を請け負うかが収入に直結することになるのを押さえておきたいですね。


行政書士を目指すなら「JOB-BIKI」で大学検索!

行政書士の平均年収は579.8万円ですが、人によって収入は大きく変わる場合があります。難易度の高い行政手続きを担ったり、大手の行政書士法人に就職したりすることで、平均よりも高い収入を目指せることも。行政書士を目指せる大学を調べたいときは、ぜひ「JOB-BIKI」を活用してみてください。たとえば、検索欄に「行政書士」と入力して調べると、行政書士法人や行政書士事務所などが出てきます。そこに就職した方の出身大学がわかるので、参考にすることで進路をイメージしやすくなりますよ。また、人物検索で行政書士を検索すると、著名な行政書士の出身大学を調べることもできます。こちらも併せてチェックしてみてくださいね。

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