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どんな分野?

 海外投資グループによる企業買収が話題になるなど、どんな企業でも株式を公開しているかぎりは国際競争にさらされることが明らかとなった。企業の経営者にとっては正常な業務運営に加えて、あらゆる意味で「会社を守る」ことも大きな役割となっている。
 そんな中、企業の収支や経営状態を専門的な見地から判断して、適切な経営判断をアドバイスするコンサルタントの役割が注目されている。企業内に特別な部署として設置される場合と、コンサルタントの専門企業に契約で依頼する場合がある。
 たとえば株主や一般社会に情報を公開して「企業の透明性」を確保すること、社員全員にコンプライアンス(法令遵守)の意識を高めることといった課題がある。

活躍の舞台

 コンサルタントを専門的に研究するには、「商学」「経営学」のアプローチが一般的だ。特に重要なのが「経営情報学」と呼ばれるジャンル。企業の活動を診断するには、企業の業績や市場調査、消費動向などのデータを分析して、将来の見通しをできるだけ正確に予測することが不可欠である。こうした情報分析の手法を、数理モデルを利用した市場シミュレーションや、実際の企業データを用いた演習など多彩な方法によって実践的に学ぶ。
 また、企業の知的所有権や企業が保持する顧客データなど個人情報の保護、国際契約法など、企業法務については「法律学」、特に民法・商法・国際商法といった民事法分野のアプローチが有効になる。

学問へのアプローチ

 国際金融と株式市場のネットワークの急速な発展にともない、企業内での「統治(ガバナンス)」を担当する経営コンサルタントの仕事が注目されている。彼らの業務は、さまざまな資料を用いて企業の活動や業績を精査、分析し、提言を含む報告書を提出すること。たとえばコスト削減による経営の合理化、人事・賃金の適正化、ITの導入計画や設備投資の判断といった課題に取り組む。
 コンサルタントの専門職は、企業役員として相当の実績をもつ人が転職したり、会社設立したりするケースが大半だった。現在は当初からコンサルタントをめざす人も増えているが、こうした企業に就職するには、アメリカのMBA(経営学修士号)の資格をとることが条件となるだろう。

このキーワードについて学べる学問分野

経済学

モノやサービスを交換するしくみ=「生産→流通→消費」の観点から、世の中の人々のより良い暮らしを探求する分野。数理的な要素が強いこと、国際的な視点が重要なことが二大特徴

経営学

人、モノ、カネ、情報を活用した「企業」活動の管理法と運営法を研究するジャンル。即戦力として実践的な知識と運用能力を養成するために、インターンシップ教育が盛んなのが特徴

商学

モノやサービスなどの「商品」を売り買いするためのしくみやルール(習慣)、それをより多く売るための仕掛けや方法を研究する。物流・会計・金融(手形・証券・保険)が三本柱

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