総合職・一般職・専門職で迷う人必見!7つの違いを徹底解説
2025.01.23
最終更新日: 2025.10.29

「総合職って何?」「転勤があるって聞くけど実際どうなの?」進路選択を考え始めた高校生の皆さんなら、一度は疑問に思ったことがあるのではないでしょうか。
将来の働き方を考えるうえで、総合職・一般職・専門職の違いを理解することは重要です。
この記事では、総合職とは何かを簡単に解説し、総合職・一般職・専門職の基本的な違いを詳しく紹介します。また、自分の性格や興味に合った職種の見つけ方についても解説するため、大学の学部選択や将来の職業選択の参考にしてみてください。
読み終わる頃には、漠然とした将来への不安が具体的な目標に変わり、自信を持って進路選択ができるようになるでしょう。
目次
総合職とは

総合職とは、企業の業績に直結する業務に携わる職種です。特定の分野に特化した「スペシャリスト(専門職)」に対し「ゼネラリスト」と呼ばれることもあり、幅広い知識と経験が身につきます。
総合職は、以下の2つに分けられます。
- 理系の総合職
- 文系の総合職
それぞれどんな職種があるのか解説します。
理系の総合職
理系の総合職とは、技術や専門知識を活かして幅広い業務を担当する職種です。理系の総合職の主な職種は以下のとおりです。
- 設計・開発:製品の設計図を作成・開発する
- 品質管理:製品の安全性や性能をチェックする
- 研究:新技術や新材料を研究開発し、将来の製品化につなげる
理系の総合職は、ものづくりの現場で活躍できる職種が中心となっています。
文系の総合職
文系の総合職とは、企業が円滑に機能するために必要な業務を担当する職種です。文系の総合職の主な職種は以下のとおりです。
- 人事:人材の採用や配属を決める
- 総務:会社全体の業務をサポートする
- 経理:お金の流れを管理する
- 企画:新しい商品や宣伝の企画を立てる
- 営業:お客様との関係を築く
新卒の場合は、まず営業職からスタートし、その後に他の部署へ異動するケースが一般的です。
一般職とは
一般職は、総合職のサポート業務が主な仕事です。一般事務、営業事務といった名称が多く、書類作成や資料整理、電話応対などをおこないます。マニュアルに沿ってできるようなルーティンワークが多いですが、総合職の仕事を支える大事な職種です。
一般職に就職するには基本的には特定の分野で学ぶ必要はなく、資格も不要です。ただし、中には簿記の知識を必要とする経理事務や、語学力が求められる貿易事務などもあります。
専門職とは
専門職は、特定の分野に特化した替えの利かない職業を指します。前述したゼネラリストと共に「スペシャリスト」と呼ばれることもあり、総合的な知識を求められる総合職と異なり特定分野の専門家です。 免許や資格を必要とすることが多く、 その職種に特化した専門分野を学んで 専門職に就く人がほとんどです。
専門職・スペシャリストの一例としては、医師免許を必要とする医師や、経済学部や商学部で学んだ知識を活かす公認会計士などがあります。
総合職・一般職・専門職の違いを7つの項目で比較
総合職・一般職・専門職の違いを以下7つの項目にわけて比較します。
1.担当業務
2.転勤・配置転換の有無
3.昇格・昇進の仕組み
4.給与体系と待遇
5.人材育成・研修プログラム
6.採用プロセスと選考基準
7.職場の男女構成比
1.担当業務
総合職は企業の中心となる業務を幅広く担当し、将来の幹部候補として部署を超えたさまざまな経験を積みながら重要な判断や責任を負います。
一般職は総合職のサポート業務を中心に、書類作成や電話応対などの定型的で補助的な業務を正確性と細やかさを持って担当します。
専門職は医師・薬剤師や会計士・税理士・弁護士などの特定分野の専門知識や技術を活かし、問題解決や専門的な業務を担当します。
2.転勤・配置転換の有無
総合職は、仕事の責任が重い分、子会社への出向や工場への異動、 転勤の可能性は高くなります。幅広い業務を任されるため、業務内容によっては勤務時間が長くなることもあるでしょう。
一般職は、異動や転勤、残業の可能性も少ないので、仕事とプライベートを両立するワークライフバランスを実現しやすいとい傾向にあります。
専門職は、仕事や職場によっては異動や転勤、残業があります。
3.昇格・昇進の仕組み
総合職は元々幹部候補として採用されるため、管理職への昇進がしやすい環境にあり、成果次第で昇格・昇進のスピードも早くなります。
例えば、ある自動車メーカーに営業で入社した女性は、10年近く海外で現場を経験した後、海外での事業企画室長、海外の合弁会社社長に就任しています。
また、あるガス会社に技術系総合職として入社し、製造工場への異動などで経験を積み、実績が評価されて入社16年目で管理職に昇格したという事例もあります。
一般職は総合職のサポート業務が中心で、成果が評価されにくく昇進の機会は限られています。企業によっては昇格できる最大の役職が決められており、部長以上の役職は総合職でないと就けない場合もあります。
専門職は専門的な知識や経験が豊富な人ほど昇給・昇進しやすく、資格の有無や職場によってスピードが異なります。
4.給与体系と待遇
総合職は判断力を求められる仕事、責任のある仕事を任されるため、一般職より給与は高い傾向にあります。将来は管理職として企業を支える幹部候補として期待されていることもあり、仕事の成果次第で昇給・昇進もしやすいです。
一般職は、総合職のサポート業務のため、総合職に比べれば給与は低く、昇給や昇進の機会も少ないです。
専門職は、高度な知識や経験が求められることが多く、仕事によっては総合職や一般職と比べて給与が高いこともあります。優秀な人材には、資格手当や技能手当など、さまざまな手当が期待できる場合があります。
5.人材育成・研修プログラム
総合職は、将来的に管理職に就くことが期待されているため、研修制度が比較的充実しています。海外研修や職業別研修など、スキルアップの機会が豊富に用意されているのが特徴です。
一般職は、総合職に比べて研修が行われる機会は少ない傾向にあります。特定の担当分野に絞ってスキルアップが求められるため、幅広いスキル習得は重要視されない傾向にあります。
一般職が受ける研修は入社時に実施される基本的なものがメインで、あとは業務に必要なスキルを都度身につけていくのが一般的です。
専門職は、技術の発展に合わせて専門性を高める必要があるため、技術分野に特化した研修が多く用意されています。
6.採用プロセスと選考基準
総合職の採用は一般職よりも早く、春~夏に始まることが多いです。一般職の選考は、総合職の採用が一段落した夏~秋に始まるケースもあります。
選考基準については、総合職と一般職はいずれもポテンシャル採用が中心となっており、将来性が重視されます。ただし、「総合職がダメだったから一般職」という安易な考えでは選考を通過するのは難しく、それぞれの職種に応じた適切な選考対策が必要です。
一方、専門職の場合は学生時代の研究内容や科学的知識など、専門性に関する実績や知識を重視する企業が多い傾向にあります。
7.職場の男女構成比
厚生労働省の「令和4年度雇用均等基本調査」によると、職種別の男女比は以下のとおりです。
| 職種 | 女性の割合 | 男性の割合 |
| 一般職 | 44.8% | 49.7% |
| 総合職 | 36.4% | 33.0% |
| 限定総合職 | 13.1% | 9.7% |
総合職と一般職という概念が生まれる前は、男女別に雇用が決められていました。「雇用機会均等法」の施行によって「総合職」「一般職」が設定され、性別に関係なく働き方を選べるようになっています。
しかし、実際にはワークライフバランスを実現しやすいため、出産・子育てをしたいと考える女性は一般職に多い傾向にあります。
限定総合職とは「条件付きの総合職」です。普通の総合職は全国転勤がありますが、限定総合職は「関東圏内のみ」「残業月20時間まで」といった条件を設ける代わりに、一般職より責任ある仕事を担当できます。責任と給与は総合職と一般職の中間で、ワークライフバランスを重視する人に適した働き方です。
総合職・一般職・専門職に向いている人の特徴

総合職・一般職・専門職のそれぞれに向いている人の特徴をまとめました。
いずれも一般的な特徴なので、実際には企業によって職務権限・業務内容は異なりますが、どの職種に応募すべきか迷ったときは参考にしてみてください。
総合職
総合職は、下記のような人に向いています。
・幅広い業務を経験したい
・責任のある仕事を任されたい
・キャリアアップしたい
・高い給与を得たい
総合職は責任の重い仕事が多く、異動や転勤の可能性もありますが、昇給・昇進しやすい傾向にあります。幹部社員を目指したいという成長意欲が高い人には、総合職が向いているでしょう。
一般職
一般職は、下記のような人に向いています。
・淡々と同じ作業を繰り返すことが得意
・昇進や出世を望まない
・仕事とプライベートを分けたい
・安定した給与が欲しい
一般職は単純作業が多く給与は上がりにくいですが、残業や転勤の可能性も低いため自分の時間をつくりやすい傾向にあります。仕事とプライベートを両立させたいという人には、一般職が向いているでしょう。
専門職
専門職は、下記のような人に向いています。
・興味・関心のある分野で仕事がしたい
・勉強や努力が苦にならない
・一人で黙々と作業するのが好き
・向上心がある
専門職は特定の分野の知識や経験を求められるため、専門分野の勉強や努力に熱意を注げる人に向いています。
職種や職場環境によっては残業や転勤があったり、一人で黙々と作業することが多くなったりする可能性もあります。専門職に就職する際には業界や企業をしっかりと研究してから臨みましょう。
総合職・一般職・専門職の代表的な仕事

総合職・一般職・専門職にそれぞれ分類される代表的な仕事 を紹介します。biki-noteに記事があるものはリンクを載せているので、それぞれの仕事について詳しく知りたい人は読んでみてください。
総合職
総合職は、前述したように幅広い知識や経験が求められる仕事です。所属する部署によって仕事内容が異なり、場合によっては他部署への異動や関連子会社への出向もあります。
総務や経理、労務、人事などどの会社でも必要とされる仕事のほか、銀行員や商社マンのような業界特有の仕事も総合職に含まれます。
一般的な総合職
| 職種 | 仕事内容 |
| 総務 | 他部署が担当できないことをおこなう仕事です。担当する範囲は会社によってさまざまですが、備品の発注・管理や施設・契約管理、来客対応などが含まれることが多いです。 |
| 経理 | 会社のお金の管理をする仕事です。日々の売上や給与などの管理・計算をおこないます。 |
| 営業 | 顧客との契約を取付け、会社に利益をもたらす仕事です。自社が製造する商品や提供するサービスを顧客に紹介し、売り込みます。 |
| マーケティング | 商品やサービスを売るために、顧客の需要を分析して戦略を立てる仕事です。 |
業種における総合職
| 職種 | 仕事内容 |
| 銀行員 | バンカーとも呼ばれ、営業と言っても一般企業の営業とはすこし違う業務です。企業に融資をするなどの営業活動をします。 |
| 商社マン | 商社の中でも商取引・金融・投資業務など会社の利益に直結する仕事を担当します。 |
| テレビ局の総合職 | テレビプロデューサーやテレビディレクターなどの制作を始め、番組の放送枠を決める編成、番組をPRする宣伝部など、テレビ番組を放送するための仕事をおこないます。アナウンサーは専門職となります。 |
| メーカーの総合職 | メーカーの総合職は、製品を作って売るまでの全ての過程に関わる仕事です。商品開発や工場での生産管理、品質チェック、お客様への営業など幅広い業務を担当します。技術力と調整力が必要で、ものづくりの現場を支える重要な役割を果たします。 |
| 保険会社の総合職 | 保険会社の総合職は、新しい保険商品を考えたり、営業戦略を立てたり、お客様のお金を運用したりする仕事です。保険の営業マンを指導したり、会社や個人のお客様に保険を売ったりもします。全国や海外の支店で管理職として働くこともあります。 |
| 小売・百貨店の総合職 | 百貨店や小売業の総合職は、まず店舗で接客や販売を経験したあと、商品の仕入れや売場づくり、お得意様への営業、販売促進の企画などを担当します。店舗運営の管理や経営企画など、お客様に商品を届けるための幅広い仕事に携わります。 |
一般職
| 職種 | 仕事内容 |
| 一般事務 | マニュアルで定められた定型的な事務作業をおこなう仕事です。会社によっては総務や経理など総合職の分野の仕事を任されることもあります。 |
| 営業事務 | 営業のサポート業務をメインにおこなう仕事です。営業職が使う契約書や、入金・顧客管理、電話対応などをおこないます。 |
| 経理事務 | 会社のお金の管理をおこなう仕事です。経費精算や伝票の作成が適切におこなわれているか等を確認します。 |
| 貿易事務 | 輸出・輸入に関する書類の作成や申請をおこなう仕事です。貿易に必要な船や飛行機の手配のために海外と取引することもあり、語学力や法律の知識が求められます。 |
| 秘書 | 経営者や役員をサポートする仕事です。スケジュール管理など外部との連携も多く、新卒での採用はほとんどありません。 |
専門職
| 職種 | 仕事内容 |
| 社会保険労務士 | 労働・社会保険に関する法律や、人事・労務管理などの専門家で、「社労士」とも呼ばれます。 社会保険労務事務所や企業の人事部・総務部などで働きます。 |
| 薬剤師 | 医薬品の専門家です。製薬会社に就職した場合は従業員の監督や病院など医療機関との連携、新薬の治験などを担当します。 |
| 弁護士 | 法律の専門家です。近年は海外の法律との兼ね合いを検討する際や社内の法律問題に迅速に対処するため、「インハウスローヤー」と呼ばれる企業に所属する弁護士も増えています。 |
| 税理士 | 国や企業の財務を支える税金のスペシャリストです。企業に所属して、企業の経理を担当するという働き方もあります。 |
| アクチュアリー | 高度な数学の理論を使って、生命保険や損害保険の仕組みを作る専門家です。日本語では「保険数理人」とも呼ばれ、主に保険を取り扱う民間企業で働きます。 |
総合職に関するよくある質問

総合職に関するよくある質問は、以下のとおりです。
- エリア総合職・地域総合職とは?
- 総合職のメリット・デメリットは?
- 入社後に総合職から一般職へのキャリアチェンジは可能?
エリア総合職・地域総合職とは?
エリア総合職・地域総合職は、勤務地域が限定された総合職の働き方です。通常の総合職とは異なり、全国転勤がなく特定のエリア内でのみ異動や転勤があります。
企業によって「地域限定総合職」や「特定総合職」などの呼び方はさまざまですが、共通点は地域を限定して働ける点にあります。たとえば、関東エリアや関西エリアなど、決められた地域内での勤務になるため、地元を離れたくない人や家族の事情で転勤が困難な人に適しています。
エリア総合職や地域総合職は、収入面では、全国転勤がある総合職よりも給与や昇進の上限が抑えられる場合が多いものの、一般職と比べると昇進・昇給のチャンスが多い傾向があります。ライフプランを重視しながらも、やりがいのある仕事に取り組みたい人にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。
総合職のメリット・デメリットは?
総合職には魅力的な特徴がある一方で、人によって向き不向きがある働き方の特徴もあります。総合職のメリット・デメリットは、以下のとおりです。
| メリット | デメリット |
| 年収・ボーナスが高い | 転勤・異動がある |
| キャリアアップしやすい | 責任が重い |
| 多様な経験が積める | 忙しい働き方になりがち |
自分の価値観や将来の目標を考えて、総合職の働き方が自分に合っているかを判断してみましょう。
入社後に総合職から一般職へのキャリアチェンジは可能?
入社後に総合職から一般職へのキャリアチェンジは、企業の制度やタイミングによって異なりますが、社内での職種変更として実現できる場合があります。
多くの企業では職種変更の制度を設けていますが、給与水準や昇進の機会は一般職の条件に変わります。キャリアチェンジを検討する際は、入社前に企業の制度を確認し、将来のライフプランも含めて判断しましょう。
総合職・一般職・専門職に迷ったら『じぶんコンパス』で自分を知ろう
総合職・一般職・専門職についてまとめました。
総合職は幹部候補として幅広い業務を経験でき、昇給や昇進もしやすいので、出世したいという人や成長意欲がある人に向いています。
一般職は総合職をサポートする定型業務が多く、仕事とプライベートを両立させたいという人におすすめです。
専門職は興味関心のある分野で活躍できるので、向上心があってコツコツと努力することが苦にならない人にぴったりといえるでしょう。
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