逆引き大学辞典逆引き大学辞典

【例文付き】大学の志望理由書の書き方|注意点やマネできる構成も紹介

2024.10.29

カテゴリー:
志望理由書が書けた生徒とその指導者

「志望理由書って、どう書き始めればいいの?」「自分の思いをうまく伝えられるか心配」こういった不安を感じている受験生の皆さんに向けて、効果的な志望理由書の書き方をわかりやすく解説します。

例文や構成例を参考にしながら、誰でも取り組みやすい方法で説明しています。志望理由書特有の注意点も押さえているので、初めての方でも安心して作成できるはずです。


【PR】

総合型選抜や推薦入試専門のオンライン指導「メガスタ」は受かる志望理由書を完成させるプロなので、相談してみるのもよいでしょう。

総合型選抜、推薦入試で圧倒的な合格実績【オンラインのメガスタ】


大学の志望理由書とは

大学の志望理由書とは、受験生が志望する大学に対して自身の入学意欲や適性を説明する文書です。主に総合型選抜(旧AO入試)、学校推薦型選抜(旧推薦入試)で出願時に提出が求められます。

志望理由書の文字数は大学によって異なりますが、800~2,000字が一般的です。志望理由書は一次選考(書類選考)の合否を左右する重要書類です。さらに、二次試験の面接では、この志望理由書の内容に基づいて質問されることがほとんどです。そのため、志望理由書は提出して終わりではなく、提出後も自分が書いた内容をよく読み込み、それに基づいた面接対策をしっかりと行うことが重要です。

総合型選抜の出願時期は高校3年生の9月~11月ごろ、学校推薦型選抜は11~12月です。多くの大学は、出願開始の1~2ヶ月前に志望理由書の様式を公開するので、入試要項やホームページで早めに確認し、準備するようにしましょう。

総合型選抜や学校推薦型選抜については、以下の記事で詳しく解説しています。

学校推薦型選抜とは?公募・指定校推薦、総合型選抜との違いを解説

総合型選抜とは?概要とメリット・デメリット、注意点など解説

大学の志望理由書に書く内容

志望理由書の様式は大学によってさまざまですが、必ず書く内容は以下の2つです。

  • その大学を志望する理由
  • 入学後に学びたいこと

なぜなら、志望理由書の目的は、志願者が大学の理念や目標とどれだけ合っているかを大学が判断するための書類だからです。これらの要素をしっかりと書くことで、自分の将来の目標と大学の教育方針が合致していることを示せます。

他にも、部活動やボランティア活動など、高校生活での活動について聞かれることもあります。

大学の志望理由書を書く前にやるべきこと

志望理由書の準備をする生徒たち

よい志望理由書を作成するには、いきなり執筆し始めるのではなく、しっかりとした事前準備が重要です。説得力のある内容にするために、まずは志望大学の研究と自己分析をしっかりと行いましょう。

志望大学の特色や教育方針をよく理解し、自分の強みや興味、将来の目標とうまく結びつけることで、魅力的な志望理由書を書くことができます。この準備段階を疎かにすると、文章に深みが出ず、ありきたりな内容になってしまいます。結果として志望大学に合格できない可能性が高くなるので、事前準備は入念に行いましょう。

1.志望大学が求める人物像を把握する

志望理由書では「自分が大学の求める人材像に合致していますよ」とアピールする必要があります。そのためには、まずアドミッションポリシーを確認しましょう。アドミッションポリシーとは「大学が求める学生像」のことで、大学のホームページや入試要項で確認できます。

アドミッションポリシーに関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

アドミッション・ポリシーとは?言葉の意味と3つのポリシーの解説に大学の具体例も紹介

アドミッションポリシーの内容を志望理由書に盛り込む手順は、以下のとおりです。

1.キーワードを抽出する

アドミッションポリシーを読み、重要そうな単語や表現をメモします。

例:主体的に学ぶ姿勢、国際的な視野、創造力など

2.自分の経験と結びつける

抽出したキーワードに関連する自分の具体的な経験や活動を記載します。

例1:主体的に学ぶ姿勢→個人的な興味を深く追求した経験(俳句創作に没頭し、地域の俳句会に参加して腕を磨いた、昆虫の生態に興味を持ち、休日を利用して野外観察を重ねたなど)

例2:国際的な視野→英語スピーチコンテストに参加した経験

3.2の経験を志望理由書に盛り込む

例:「英語スピーチコンテストで地球環境問題をテーマに発表したことを通じて、各国の環境への取り組みや、国際的な課題に対する関心が高まりました」

経験を通じて身につけた能力や姿勢を具体的に述べることで、自然に自分がアドミッションポリシーに合った人材であることをアピールできます。

2.自己分析を行う

自己分析を行うと、その大学を志望したきっかけや将来の夢が明確になるので、より説得力のある志望理由書が書けます。

自己分析の具体的な進め方は、以下のとおりです。

1.経験の整理

自己分析は、まず自分の人生を振り返るところから始めます。心に残る出来事や夢中になったことを思い出して、時系列で整理してみましょう。部活や趣味、得意なこと、苦手なことも含めて、幅広く自分のことを見つめ直します。

2.経験の深堀り

次に、それぞれの経験を掘り下げてみます。「あの時、何を感じた?」「そこから何を学んだ?といった具合に、自分の気持ちの変化や成長を探ります。

3.将来との関連付け

最後に、これまでの経験と将来の夢をつなぎ合わせます。過去の自分と未来の自分をつなぐストーリーを考えることで、志望理由書に説得力が生まれます。大切なのは、ただ経験を並べるのではなく、自分なりの成長物語を描くこと。それが魅力的な志望理由書につながります。

3.自分と志望大学を結びつける

志望理由書では「自分の将来の夢や学びたいことを実現するには、まさにこの大学しかない!」とアピールする必要があります。そのためには、志望大学の特徴をよく調べ、それらの特徴が自分の目標にどう合っているかを具体的に説明しましょう。

大学の特長は、ホームページやパンフレットで確認できます。大学・学科の取り組みのほか、卒業生の就職先や教授の研究テーマ、在学生の活動などの情報を収集してみましょう。

また、オープンキャンパスに参加し、そこで得た情報や感じたことを盛り込むのも独自性が出るためおすすめです。

オープンキャンパスは一般的に夏休みや7~11月の土日に開催されています。詳しい内容は、以下の記事を参考にしてみてください。

オープンキャンパスとは?参加のメリットや参加先の選び方を解説

大学の志望理由書の書き方

大学の志望理由書は決まった構成に沿って書くと論理的で説得力のある文章になります。文字数制限は大学によって異なりますが、一般的には800~2,000字程度です。ここでは800字以内と指定された場合の例文を作成します。文字数も記載するので参考にしてみてください。

大学の志望理由書を書く際におすすめの構成は、以下です。

  1. 志望動機を簡潔に書く
  2. 志望のきっかけを具体的に書く
  3. その大学・学科を選んだ理由を書く

大学で何を学び、将来どう生かしたいかを書く

順番に解説します。

1.志望動機を簡潔に書く

書き始めは志望動機を簡潔に書きましょう。どういう理由でその大学・学部・学科を選んだのかを書くと良いでしょう。

【例】

私は将来、風力発電を中心とした再生可能エネルギー技術の研究開発に携わり、持続可能な社会の実現に貢献する研究者になりたいと考えています。その目標のために、貴学工学部環境工学科への入学を志望します。(68字)

2.志望のきっかけを具体的に書く

これまでの経験を振り返って、志望のきっかけとなった具体的なエピソードを盛り込みましょう。NGなのは、経験だけをダラダラと書いてしまうこと。大事なのは、経験から自分が何を考え、どう感じたのかを書くことです。

さらに、その経験を通じて将来自分が学びたいことや夢をアピールできるとよいです。

【きっかけの例】

私が再生可能エネルギーに興味を持ったきっかけは、高校2年生の時に地元の風力発電所を見学したことです。巨大な風車群を目の当たりにし、その発電能力と環境への貢献度を具体的に学びました。(90字)

【経験から自分がどう感じたのかの例】

一基で約1000世帯分の電力を賄え、CO2削減効果も年間約1200トンに及ぶことを知り、クリーンエネルギーの実用性と重要性を強く認識しました。この経験を通じて、再生可能エネルギー技術が地球温暖化対策に果たす役割の大きさを実感し、自分もこの分野で貢献できるのではないかと考えるようになりました。(138字)

【将来の夢のアピール例】

将来的には、風力発電の効率をさらに高める新技術の開発や、他の再生可能エネルギー源との統合システムの構築に携わりたいと考えています。特に、地域の特性に合わせたエネルギーミックスの最適化に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献することが私の目標です。(122字)

合計350字

3.その大学・学科選んだ理由を書く

なぜその大学・学科でないとダメなのかを具体的に書きましょう。「他の大学でも学べるのでは?」と思わせないように、その大学ならではの特色や強みを挙げながら、自分の夢につなげることが重要です。

【例】

貴学の工学部環境工学科は、再生可能エネルギー技術の研究開発に注力しており、多くの卒業生が業界をリードする企業や研究機関で活躍しています。とくに佐藤教授の風力発電に関する研究室では、最新のシミュレーション技術を用いた実践的な研究が行われており、将来の研究活動に直結する知識と技能が習得できると考え、強く興味を持っています。さらに、貴学が重視する国際交流プログラムと、世界各地でのフィールドワークの機会は、グローバルな視点で環境問題に取り組む力を養うのに最適だと感じています。(235字)

志望理由書の説得力を高めるには、志望大学の具体的な研究内容に触れるのがおすすめです。各大学の最新の研究活動を効率よく調べるなら「スタビキ」を活用してみてください。

大学名を検索すると、その大学が行っている研究プロジェクトや成果を一覧で確認できます。自分の興味のある分野と大学の強みを結びつけることで、より具体的で熱意のこもった志望理由を作成できます。

4.大学で何を学び、将来どう生かしたいかを書く

その大学・学科に進学したら何を学びたいのかについて書きます。卒業後にどうなりたいか書くのもおすすめです。

例)

入学後は、最新の環境技術を学び、持続可能な社会システムの開発に取り組みたいと考えています。地球環境の保全と経済発展の両立を目指し、次世代のエコ技術を生み出せる研究者になれるよう、日々研鑽を積んでいきます。(102文字)

大学の志望理由書を書くときの注意点

原稿用紙と万年筆

大学の志望理由書を書くときの注意点は、以下のとおりです。

  • 文字数制限の9割は書く
  • 一文の長さは50文字程度にする
  • 文末表現を統一する
  • 原稿用紙のルールを守る
  • 第三者に添削してもらう

順番に解説します。

文字数制限の9割は書く

志望理由書は文字数制限の9割を目指しましょう。800字であれば720字以上、2,000字であれば1,800字以上です。

これにより十分な内容を盛り込めて熱意が伝わり、かつ字数オーバーも避けられます。1文字でも超過すると減点対象になる可能性があるため気をつけましょう。

一文の長さは50文字程度にする

志望理由書では、一文の長さを50文字程度に抑えるのが効果的です。短めの文は読みやすく、理解しやすいメリットがあります。長文を避けることで、文の構造が明確になり、主張も伝わりやすくなります。

ただし、文が短すぎると単調になる恐れもあるので、時には長めの文も織り交ぜながら、リズム感のある文章を心がけてみてください。

文末表現を統一する

志望理由書では文末表現の統一が重要です。「です・ます調」か「である調」のどちらかに徹底しましょう。統一することで文章に一貫性が生まれ、読みやすくなります。

また、同じ文末表現が連続すると読みにくさや稚拙さにつながるため、以下のような表現を織り交ぜて使うと良いでしょう。

  • ~だと考えます
  • ~だと思います
  • ~だと感じました
  • ~しようと心に決めています

原稿用紙のルールを守る

志望理由書は大学によって縦書き、横書き、マスあり、マスなしなどさまざまです。今回はマス目がある前提で解説します。

志望理由書を書く際の原稿用紙のルールの一例は、以下のとおりです。

  • 段落の最初は1マス空ける
  • 句読点やかっこは1つ1マス使う(ただし行の先頭に句読点や閉じカッコは使わない。)
  • 算用数字を使うときは1マスに二文字使う(2024と書く場合、ひとつめのマスに「20」次のマスに「24」と2マス使う)

第三者に添削してもらう

志望理由書は必ず第三者に添削してもらいましょう。国語の先生や進路指導の先生、塾の講師など、経験豊富な方々の意見は貴重です。可能であれば、志望理由書添削のプロにも見てもらうと良いでしょう。客観的な視点から、内容の充実度、論理の一貫性、表現の適切さなどをチェックしてもらえます。


【PR】

総合型選抜や推薦入試専門のオンライン指導「メガスタ」は受かる志望理由書を完成させるプロなので、相談してみるのもよいでしょう。

総合型選抜、推薦入試で圧倒的な合格実績【オンラインのメガスタ】


大学の志望理由書はプロに添削してもらおう!

大学の志望理由書は、書く前の事前準備が重要です。自己分析と大学研究をしっかり行ったうえで書き始めましょう。書く内容や順番で困ったときは、今回紹介した構成や例文も参考にしてみてくださいね!

志望理由書は、必ず誰かに見てもらいましょう。できれば学校の先生や塾の講師など、経験豊富な方に目を通してもらうのが理想的です。第三者の視点から、内容の説得力や文章の流れ、表現の適切さなどをチェックしてもらえます。志望理由書添削の専門家に依頼すれば、より洗練された内容に磨き上げることができるでしょう。


【PR】

総合型選抜や推薦入試専門のオンライン指導「メガスタ」は受かる志望理由書を完成させるプロなので、相談してみるのもよいでしょう。

総合型選抜、推薦入試で圧倒的な合格実績【オンラインのメガスタ】

よく読まれている記事

タグで記事を絞り込む