文学部ではなにを学べる?主な学科の種類と卒業後の進路について
2023.09.14

大学の文系学部といえば、多くの人がまず「文学部」を思い浮かべるでしょう。文学部には、学部の名称になっている“文学”に限らず、幅広い学問があります。たとえば、大学によっては人の心を研究する「心理学」や、あらゆる学問の基礎となる「哲学」なども、文学部に含まれることが多い分野の一つなんです!進学先を考え始めたら、文学部の多様な領域の中から、自分の興味のある学科を見つけてみませんか?ここでは、大学の文学部に含まれることが多い学科をご紹介します。
目次
文学部について

初めに、文学部の特徴や学ぶ分野について解説します!
文学部とは
文学部は、人文科学(=人間が作り出した文化や、人間とはどんな存在なのかを追究する学問)を学べる学部です。研究を通じて、人間に対する理解を一層深め、物事を深く考える能力を身につけられます!人文学で研究する分野は多岐にわたります。たとえば、冒頭でお伝えした文学・心理学・社会学のほかにも、言語学・哲学・歴史学をはじめとした専攻が存在して、多くの学科に分かれています。そのため、進路選びでは大学の公式Webサイトなどで、文学部に自分の学びたいテーマに合う学科があるかをチェックしてみましょう。文学部で学べる分野や、学科については、以下の見出しで詳しく説明していきます。
文学部で学べる分野
文学部で学べる分野は幅広いものの、代表的な学問の系統として「文学・言語系」「心理・思想系」「歴史・地理系」が挙げられます。文学・言語系の学科では、文学作品や人間が使う言語などを対象に研究が行われます。心理・思想系の学科では、人間の心や思想(=物事の考え方)などが研究対象です。歴史・地理系の学科は、人間の歴史や地球の自然環境などを研究します。
文学部に属している主な学科

文学部には、以下のようなたくさんの学科がありますよ。主な学科の例や学べることをご紹介します!
文学・言語系
・文学科
日本をはじめ、世界各国の文学を研究します。具体的には「日本文学専攻」「英文学専攻」「中国文学専攻」「フランス文学専攻」「ドイツ文学専攻」「ロシア文学専攻」などの専攻があります。大学によっては「英文学科」や「英米文学科」のように学科が設置されていることも。また文化・芸術を幅広く学ぶ「人文学科」に含まれることもあります。
同じ日本文学専攻の中でも、小説や詩歌など作品の形式による違い、古典から近現代まで時代による違いがあり、さまざまな専門分野に分かれています。
・日本語日本文学科
私たちがコミュニケーションを取ったり、考えたりする際に使っている日本語を研究します。日本語が成り立った歴史や、日本の文化、日本語教育、言語の構造や規則などを学びます。また、現代語だけでなく古典を研究することもありますよ。
心理・思想系
・心理学科
人間の心の働きを研究します。同じ心理学でも、社会に参加する人間の活動を扱う「社会心理学」、人間の知的な機能を扱う「認知心理学」、脳を中心とした神経系を扱う「神経心理学」、心理的な問題の支援を扱う「臨床心理学」といったさまざまな専門分野が存在します。
・哲学科
あらゆる学問の基礎ともいわれる、哲学(=物事のあり方を突き詰めて考える学問)を研究します。文学科と同様に世界各国の哲学を学べるのが特徴で、「ドイツ哲学」「フランス哲学」「インド哲学」「中国哲学」などの専攻があります。また、大学によっては哲学科の中に美学(=美しさについて突き詰めて考える学問)専攻があることも!
歴史・地理学系
・歴史学科・史学科
日本や世界の歴史を研究します。「日本史専攻」「西洋史専攻」「アジア史専攻」といったように、地域によって専攻が分かれているのが一般的です。さらには、古代・中世・近世・近現代といった時代によっても専門分野が分かれており、特定の地域や時代に焦点を当てて研究することも珍しくありません。
・歴史文化学科
歴史と文化という2つの分野を横断して学びます。歴史学と併せて、考古学(=昔の人が残した物から過去の歴史や文化を明らかにする学問)や民俗学(=地域の風習、信仰、民話、儀礼などから生活文化を明らかにする学問)などの研究も行われます。
・地理学科
地理学(=地球上の地形・自然環境・気候から人間活動との関係を明らかにする学問)を学びます。世界各地の地理を背景としながら、その地域の政治や産業、文化などを研究します。
文学部で取得を目指せる資格と卒業後の就職先や進路

文学部で取得を目指せる資格や、卒業後の就職先や進路について解説します。将来、どんな仕事で活躍できるのか、チェックしてみましょう!
文学部で取得を目指せる資格
文学部では「教員免許状」「博物館学芸員」「図書館司書」「公認心理師」などの資格を取得できます。
なかでも教員免許状は、小学校・中学校・高校の先生になるために必要な資格です。博物館学芸員は、学芸員として働くときに必要な資格、図書館司書は司書として働くときに必要な資格となっています。
また、心理学科で取得できることが多い公認心理師は、心理カウンセラーの国家資格です。学生時代に取得した資格を活かして、専門職を目指してみては?
文学部卒業後の進路と主な就職先
文学部の卒業生は、特定の業界や業種に限らず、社会で広く活躍しています。学生時代に身につけた文章表現力やコミュニケーションスキルなどを活かして、出版業界やマスコミ業界、教育業界などで活躍する先輩がたくさんいますよ。このほかに、公務員として国や地域に貢献する仕事に就く道も。大学院へ進学して、自分の研究テーマをさらに深めるという進路もあります。
出版業界の仕事内容に興味のある人はこちら│関連する職種などについて
教育業界の仕事内容に興味のある人はこちら│関連する職種や企業について
【出版分野に関する職種】
【心理分野に関する職種】
・心理学者 ・臨床心理士 ・心理カウンセラー ・スクールカウンセラー |
【歴史・地理学分野に関する職種】
【教育分野に関する職種】
【公務員】
文学部についてもっと知りたい人は「JOB-BIKI」で進路検索!
ここまで、大学の文学部について解説しました。文学部には幅広い学科があるので、ぜひ自分の興味のあることを見つけてみましょう。また、進路選びでは、将来就きたい仕事から進学先を考える方法もあります。そこで活躍するのが「JOB-BIKI」です!「JOB-BIKI」を使えば、有名な企業で活躍する先輩たちの出身大学を調べられます。たとえば、就職先検索画面の「IT・広告・マスコミ」の業種から、「放送・出版・マスコミ」を選ぶと、多くの文学部出身者が活躍する出版業界の企業のデータをチェックできます。ぜひ「JOB-BIKI」を進路選びに活用してみてくださいね。